百名山 最初の山は 丹沢山 (丹沢山塊と言った方が良い) であり、 それはまた私の登山歴のスタートでもあった。
横浜の自宅から近いこともあって、丹沢山塊には今日まで十数回登山している。
もっと登っても良い山であるが、他に登ってみたい山が沢山あること、それにあの大倉尾根を思い出すと、少々二の足を踏みたくなってしまうことが、 10年間の登山歴で丹沢の登山数がそれ程でもない理由である。
大倉尾根は別名バカ尾根と言われるだけあって、大変長くキツイ尾根であるが、丹沢を登るなら、やはり一度は大倉尾根を登るべきであろう。
最初 ( 実は2回目 ) の丹沢登山もこの延々と続く大倉尾根を登り、主脈を縦走するコースであった。
デビューにしてはかなりハードなコースであるが、実はこの 2週間程前、友人に誘われて戸川林道から塔ノ岳、 丹沢山の往復 (これが本当の記念すべき第1回目の登山) を行っており、結構 自分の足の能力に目覚め、 地図を見て行けると判断したものである (しかも単独行。今考えると無謀、山をなめている)。この日は朝から曇り空で、バスを降りて午前 7時に大倉を出発した頃から雨が降り始め、 雨具と傘による登山となってしまった。
大倉尾根は先に述べたようにキツイ登りが続くが、初めて登るためどのようなペースで行くべきか全く分からず、 ガムシャラに歩いたので後半かなり苦労したのを覚えている。
それでも 2時間20分程で塔ノ岳へ着くことができ、尊仏山荘の主人から結構 早いと言われた時には嬉しかった。
塔ノ岳の頂上からは、本来なら 富士山、南アルプスの山々が眺められるはずであるが、 生憎の天候で、全く視界は得られなかった。
塔ノ岳から丹沢山への縦走路は、塔ノ岳までの登山路と違い、人が手をあまり入れていない自然な形が残っていて、 折からの霧によって深山の趣を感じさせてくれた。
丹沢山頂上は、結構広いスペースがあるが、木々に囲まれており、この日は無論のこと、快晴の日でも視界は得られない。
当時は丹沢山の標識もなかったように記憶しているが、昨年登ってみたら立派な石の碑があったので驚いてしまった。
やはり百名山ブームのせいだろうか。
この頃どこも百名山は頂上が立派になっている。丹沢山から蛭ヶ岳への縦走路は、一旦これまで稼いだ高度をドンドンはきだすように下降し、 その後また登り返すので、結構シンドイものがある。
それでも箒杉沢ノ頭 − 不動ノ峰付近の笹原は、風が体を冷やしてくれて大変気持ちが良く、私の好きな場所の一つである。
蛭ヶ岳への最後の登りは、それ程キツイ傾斜ではないのであるが、そろそろエネルギーが切れる頃で、大変キツかった。
この蛭ヶ岳でも霧のため、視界を全く得られなかったのは残念であった。蛭ヶ岳から姫次への道は、良く踏まれた道であり、途中傾斜のない道が長く続くので、大変快調に飛ばすことができ、 しかも途中殆ど誰とも会わず、静かな山の雰囲気を存分に味わうことができた。
山を走る鹿などもいて、自然を満喫できる所である。姫次から、焼山まで、そして焼山から焼山登山口のバス停までは、長い道のりで、 さすがに 1日の縦走で一番イヤ気が出てくる所である。
1996年の 2月に登った時は、雪のため結構時間を食ってしまい、姫次を過ぎてから八丁坂ノ頭の所で縦走路をはずれ、 青根に下ったが、この方がルートとしてはベターかもしれない。
しかし、昔の山岳信仰に興味がある方は、焼山まで縦走すべきであろう。
そういえば、焼山頂上には鉄の物見櫓があったが、今もあるのであろうか。
焼山登山口には 3時半頃に着くことができたので、体力に自信のある方なら十分日帰りできるコースである。
初めての本格的登山、そしてしかも単独行であったが、大きな満足を覚えた 1日であった。このコースの他、午前7時に大倉を出発できる人で (小田急小田原線線沿線、相模鉄道沿線、相模線沿線 に住む人)、 体力に自信があり、健脚だという人は、主稜縦走 (コースはここをクリック) 日帰りを試みると良い。
このコースは先のコースよりさらに長いが、檜洞丸からツツジコースを下れば、十分に最終バスに間に合う。
それが無理でも、西丹沢自然教室にて中川温泉のタクシーを呼び、JR御殿場線の谷峨駅まで行けばやはり日帰り可能である。
丹 沢 山 登 山 デ ー タ