丹沢主稜縦走( 蛭ヶ岳:1,673m ) 1997.4.12登山


 檜洞丸直下の木道( 1997.4.12 )

【丹沢主稜縦走記録】

【丹沢主稜縦走データ】

フォト

初回登山


丹沢主稜縦走記録

丹沢主稜縦走は、麓の大倉を出発して塔ノ岳、丹沢山、蛭ヶ岳、檜洞丸という丹沢の主立った山を登る、 一番豪華なそして一番ハードなコースと言える。
無論山中に1泊するのであれば、その行程はぐっと楽になるのだが、やはり私のように小田急小田原線への交通アクセスが比較的良く、 朝一番の渋沢駅発大倉行きのバスに乗ることができて、なおかつ体力にある程度自信がある人にとっては日帰りを試みると面白いだろう。
私も約 9年前の夏にこのコースを 2度程歩いたが、その登下降のきつさは大変なもので、特に大倉 − 塔ノ岳、 丹沢山 − 蛭ヶ岳間のキツイ登りをこなした後の、蛭ヶ岳 − 檜洞丸間の登り降りは夏の暑さも手伝って本当に苦しかった記憶がある。

今回、9年前の 30代の体力が今も自分にあるかということを確かめたい意味もあって、 このハードなコースに再挑戦してみることにしたが、結果は、寝坊してしまったために始発バスに乗れず、 大倉を 40分遅れの出発になってしまったことが最後まで響き、西丹沢の最終バスにすんでのところで乗ることができなかった。
それでも、月 1回程のペースでしか山に登っていない (他に運動はしていない) 割には、体力がキープされていることが証明され、 今年の南アルプス縦走に向けての自信をもつことができた。

さて、コースであるが、最初の大倉尾根の登りは相変わらず長くキツいため、途中の休みをあまり長くとらず、 一定のペースをキープしながら登るようにした方が、後半への体力温存につながるような気がする。
私の場合も、立ち止まって呼吸を整えたり、水の補給は行うものの、それらは腰を下ろすことなく全て立ったままで行うようにしているが、 それはあまり体を楽にさせてしまうとまだまだ続く登りに対して登ろうという意欲を失わせ、 身体も何となく反応が鈍くなるような気がするからである。
塔ノ岳 − 丹沢山間は、途中両側が谷になっている所で登山道が陥没・崩壊していた以外は、9年前と変わらない自然が残っており、 楽しく歩くことができた。

丹沢山から蛭ヶ岳では、不動ノ峰付近の笹原を吹き渡る風の心地よさを味わうことができたが、 それより驚いたのは、縦走路から見えるそれぞれの山肌の崩壊の凄まじさである。
登山を始めた頃は練習の場として丹沢が手頃だったこともあり、四季を通じてかなり足繁く通ったが、近年は 1年に 1回程、 それも雪のある時期に登ることにしているので、雪に隠されていて全く気づかなかったもので、 山肌に緑が見られず、幾筋の溝状にえぐられ、土と岩が露出している箇所がかなりあるのである。
酸性雨の問題は聞いていたが、それに起因して木が枯れ、山肌を露出させ、このような状況を生みだしたのか、 それとも大山 (ダイセン) のように最早 丹沢も盛りを過ぎ、老いが出始めているというのか、兎に角ショックを受けた。

蛭ヶ岳からの下降はかなり急で、しかもザレているため歩きにくい。
途中 鎖などが付けられているが、これを逆コースにして登ったら、本当に根を上げそうなところであり、 その証拠という訳でもないが、途中の臼ヶ岳頂上から見上げる蛭ヶ岳は谷から一気に頂上につき上がった急峻な、 2,000m級の高山に見えた。
金山乗越を越えてからの檜洞丸への登りは、この登りだけを見ればそれ程キツくはないが、ここに辿り着くまでに使い果たした体力との見合いで、 大変苦しめられる場合がある。
今回も、やはり少し登っては休み、少し登っては休みして、喘ぎながら登ることになってしまったが、 幸いなことに途中の青岳山荘が開いていたので、ポカリとビスケットにてエネルギー補給し、元気を取り戻すことができた。

ようやく着いた檜洞丸頂上は、以前と比べて整備され、ベンチや標識も整えられていた。
また箒沢への下山道は木々の保護のためであろうか、木道が敷いてあり、若干興ざめさせられたが、これもしかたがないことかもしれない。
下りのコースは 3つ程あり ツツジコースが一番早く降りられるが、それでも延々と下りが続き、やっと水音が聞こえてきて河原に降り立っても (鎖を使って降りる)、そこからまだ平らな沢沿いの道が長く続き、些かうんざりさせられる。
檜洞丸が山の奥に位置し、昔秘峰と言われていたのも頷ける気がする。

最後は、目の前に舗装された道路が現れて登山道を終了し、左に道を辿ってバス停に着くが、 ここまで来るとくたびれたとは言え、ロングコースをよくもまあ歩き通したという充実感で一杯になる。
今回はバスの時間に 10分程遅れてしまったが、その場合は目の前の西丹沢自然教室の公衆電話で、中川温泉のタクシーを呼び、 JR御殿場線の谷峨駅まで行ってもらえばよい。
私は、温泉で汗を流そうと、そこからまた延々 中川温泉まで歩いたのだが、残念ながら中川温泉では日帰り客の入浴は昼間のみとし、 夕刻は入れてもらえないそうで、仕方なくタクシーを呼んで谷峨へ向かったのだった。


丹 沢 主 稜 縦 走 登 山 デ ー タ

上記登山のデータ登山日:1997.4.12 天候:晴れ時々曇り単独行日帰り
登山路:大倉−堀山−花立−金冷シの頭−塔ノ岳−竜ヶ馬場 −丹沢山−不動ノ峰−棚沢ノ頭−蛭ヶ岳−本ダルミ−臼ヶ岳−金山谷乗越−桧洞丸−ゴーラ沢出合−箒沢−中川温泉
交通往路:瀬谷−(相鉄線)−海老名−(小田急小田原線)− 渋沢−(バス)−大倉
交通復路:中川温泉−(タクシー)−谷峨−(御殿場線)− 松田・新松田−(小田急小田原線)−海老名−(相鉄線)−瀬谷


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