丹沢主脈縦走 袖平山( 蛭ヶ岳:1,673m ) 2000.02.12 登山


  鬼ヶ岩の間より蛭ヶ岳を望む( 2000.02.12 )

【丹沢主脈縦走+袖平山登山記録】

【丹沢主脈縦走+袖平山登山データ】

フォト

初回登山


丹沢主脈縦走+袖平山登山記録

過去の記録をひっくり返してみたら丁度 4年ぶりの丹沢主脈縦走ということであった。
正確に言えば、途中の八丁坂ノ頭から青根に下りてしまい、黍殻山、焼山を省略してしまっているので主脈を歩ききったとは言えないものの、 冬のこの時期、雪による所要時間のロスを考えれば、主脈を縦走したと申告してもクレームはつくまい。

さて、3連休の中日に当たる 2月12日 土曜日、瀬谷駅発 5時45分の相鉄線にて海老名まで行き、 海老名から小田急小田原線に乗り換えて渋沢駅に着いたのが 6時31分。
丹沢の登山口である大倉行きのバスは 6時48分発なので、駅前のコンビニで朝食と昼食を買う余裕があった。
いつも大倉から丹沢に入る場合はこのパターンであるが、昔はバスの発着場は今とは駅の反対側にあったので、昼食用のおにぎりもコンビニではなく、 駅前の通りを少し進み、信号を左に折れた所にあったおにぎり屋で買っていたのであった。今 その店はどうなっているであろうか・・・。

連休中とあってバスは登山者で超満員の状態で、丹沢の人気を再認識させられたのであったが、 平日は満員になることもないであろうこの始発バスが超満員というのは何かおかしい気がする。
大倉では先程朝食用に買った握り飯などを食べたりして時間をつぶし、大勢の登山者を先に行かせてから、7時10分、 おもむろに山に向かって歩き出した。
この日の天候は雲一つない快晴で、山もクッキリその姿を見せてくれており、楽しい登山が期待できそうであった。

車道を登り、丹沢乗馬クラブの所から山道に取り付くと、期待していた雪が全く見えない。
いつ雪道になるのだろうと思いながら道を進んでいったものの、結局 登山道で雪を踏んだのは塔ノ岳以降であり、 塔ノ岳までは全くと言って良い程登山道に雪を見ることはできない状況であった。
確かにこの冬は暖く、また雨などが降る日も少なかったとはいえ、この時期に雪を踏めないのは大変残念な気がする。 これも地球温暖化の為せる罪なのであろうか。

この日は久々の登山であり、また雪道を想定して普段より重い靴 (ザンバランのイサルコ) を履いてきたというのに 結構 身体は軽く感じられたのであったが、それも残念ながら見晴茶屋までで、見晴茶屋から始まる急登でだんだんペースが遅くなり始め、 堀山ノ家から花立山荘までの登りでは、かなり身体が重く感じられるようになってきたのであった。
それでもかなりの人々を抜き去ってくることができたのであるが、一方で数人に抜かれてしまい、また、途中で何回か小休止ををとったために、 一旦抜いた人にも抜かれるなど、大倉尾根ではほとんど抜かれたことがないという昔のイメージを強く抱いているだけに、 今回の大倉尾根は些かショックであった。
せめてもの慰めは、堀山付近の尾根道や花立山荘前から美しい
富士山の姿を見ることができたことで、 おまけに 富士山の左手に 愛鷹山まで見ることができたことから、 景観という面からは申し分のない 1日であった。

景観と言えば、塔ノ岳頂上はもっと素晴らしく、富士山を中心とした山岳ワールドがそこに広がっており、 周囲を見渡しては登った山を数え、暫しの時間を楽しんだのであった。
ただ、塔ノ岳頂上に着いた時間は 9時54分、この頃には日は高く登り、空気もかなり緩んできていたため遠くが霞み始め、 南アルプスの山々 1つ 1つを同定することはできない状態であった (おおよその検討はつけられたが・・・)
暖冬で、ここまでの登山道にも雪がなかったとは言え、塔ノ岳頂上にはさすがに雪が積もっており、日差しは暖かいものの、冷たい風が吹いていて、 さすがにここでは冬を感じるのであった。
しかし、そこから見える不動ノ峰、蛭ヶ岳、檜洞丸 等の山々の山肌には全くと言って良い程白いものが見られず、 そこだけを見れば、とても真冬の山とは思えない状況であった (塔ノ岳 10時11分発)

事実、塔ノ岳から丹沢山までの間も、日が当たらない所は雪が溶けずに凍っていたものの、 総じて日当たり良好なことから泥んこ道になっている所の方が多いくらいであった。
特に、竜ヶ馬場への登りは完全にぬかるみ道で、ササ原がえぐられ溝のようになった道は、登るのに大変苦労させられたのであった。
また、この塔ノ岳−丹沢山間には、2年前の 4月に 丹沢主稜縦走 (大倉−塔ノ岳−丹沢山−蛭ヶ岳−檜洞丸−箒沢) を行った際、崩壊し始めていた箇所があったのであるが、 今回その場所を通ってみると、一旦木の階段を谷側に下りて再び登り返すという立派な道に改修されており、 応急処理ではないその補修の仕方に感心させられたのであった。

丹沢山に着いたのは 11時4分。こちらは塔ノ岳の賑やかさに比べてかなり静かである。
もっとも、樹林に囲まれて展望などは利かないことから、昼食などを食べるのであれば塔ノ岳や途中の竜ヶ馬場の方が気持ちが良い訳で、 事実、竜ヶ馬場で休んでいる方も結構おられたのであった。
この丹沢山までは軽アイゼン、スパッツ無しでも大丈夫であったが、さすがにこれ以降は必要と考え、丹沢山のテーブルベンチに腰掛けて準備を整え、 出発した (11時22分発)
実際、丹沢山から一旦 早川乗越まで下る際には軽アイゼンが大いに役立ってくれたのだったが、日当たりの良い不動ノ峰への登りから不動ノ峰、 棚沢ノ頭、鬼ヶ岩付近は雪はあったもののほとんど軽アイゼン不要の状態であった。
むしろ、軽アイゼンが泥道の滑り防止の方に役立ってくれたというのだから皮肉なものである。

ぬかるみに苦労しながら蛭ヶ岳頂上に到着したのが 12時48分、 途中 不動ノ峰のあずまやで休憩してしまったことを考えると、まあまあのペースである。
蛭ヶ岳頂上は雪があまりなく、特に標柱付近の雪はすっかり溶けてしまっていてぬかるみになっており、また風も塔ノ岳の時のように冷たくなかったことから、 とても冬の山とは思えない状況であった。
従って、自ずと休憩時間は長くなり、このまま昼寝をしたいという気にまでさせられるほどの陽気であった (13時20分発)

蛭ヶ岳からの下りは北側斜面であることから結構雪が残っており、アイゼンの威力を大いに楽しむことができたが、 それもほんの短い間で、地蔵平、原小屋平へと進む道は土がむき出しになっている箇所がかなり多く見られた。
原小屋平を過ぎて 15分程登れば姫次なのであるが、結構この登りが応える訳で、前回ここを通った時も喘ぎ喘ぎ登った記憶がある。
今回も喘ぎながらの登りであったが、やがて背の高い笹藪を抜けると明るい姫次で (14時26分着)、 そこから眺める蛭ヶ岳、檜洞丸などの山々はなかなかのものであった。
これらの山々は丁度 塔ノ岳から見た時の反対側から眺めていることになる訳で、思えばよくぞここまで歩いてきたものである。

しかし、このまま下山する訳にはいかないというのが本日の登山で、姫次から東海自然歩道を西に 15分ほど進み、 袖平山に登るという目的が残っているのである。
姫次から袖平山直下までに至る道はなかなかの景観で、普段見慣れぬ裏側からの丹沢を眺めることができ、 特に蛭ヶ岳は谷から頂上までの全体の姿を見ることが出来るので圧巻である。
自然歩道を 10分ほど進むと、道の右手にベンチが現れ、その裏手の林の中に高みが見える場所に着いた。
よく見ると林の中に生えるササの間に道らしきものも見えるので、標識などはないが ここが袖平山への登山道らしい。
そして、ササをかき分けるようにして登ること 3分、ササ原の中にそこだけ芝が生えたようになっていて三角点らしきものも埋められている場所に飛び出したが、 標識など何もないもののここが袖平山であろう (15時5分着)

この袖平山は西方が開けており、大きくズングリした大室山と、その後方高くに見える富士山の姿が印象的であった。
しかし、袖平山ということでもう少し山らしい風情を期待していたので、これはやや裏切られた感じである。
再び姫次に戻り、今度は焼山方面へと続く東海自然歩道へと足を進めた (15時33分発)
途中から青根方面に下るつもりで進んでいくと、前回 青根に下る際に使った道との分岐には 「道が崩壊して危険」 という注意書きがあるではないか。
オイオイと思いつつ、仕方なく東海自然歩道をさらに先に進むことにする。

やがて、八丁坂ノ頭と書かれた標柱のある所から青根へと下る道があったので、そこから一気に下り、 東野のバス停に着いたのが 17時25分であった。
この道はひたすら下るだけで何の面白みもなかったが、途中 水のない谷川の支流を渡るところが 1ヶ所崩壊して道が分かりにくくなっているので要注意である。
延々と続く下り道に疲れてきて、下り斜面を歩くのがかなり苦痛になって来始めた頃、不意にデコボコして歩きにくい登山道から平らな林道へと飛び出した。
普段なら林道歩きは好きではない私が、この林道を見て大変嬉しくなってしまったのであるから、余程足が疲れていたのであろう。

しかし、喜びも束の間、この林道歩きも結構長く、30分以上歩かされ、おまけに道を少し間違えてしまったことから、 寸でのところで 17時16分 東野発 三カ木行のバスに乗り遅れてしまったのであった。
お陰で東野で 1時間も待つことになってしまったのだが、時間つぶしのために入った食堂で食べたみそラーメンは大変おいしく感じられたので、 良しとしたい。


丹沢主脈縦走+袖平山登山データ

上記登山のデータ登山日:2000.02.12 天候:快晴単独行日帰り
登山路:大倉−堀山−花立−塔ノ岳−丹沢山−不動ノ峰−蛭ヶ岳− −姫次−袖平山−姫次−八丁坂ノ頭−青根−東野
交通往路:瀬谷−(相模鉄道)−海老名−(小田急小田原線)−渋沢−(バス)−大倉
交通復路:東野−(バス)−三カ木−(バス)−橋本−(相模線)−海老名−(相模鉄道)−瀬谷


山のメインページに戻る   ホームページに戻る