2000 / JAN


○KANYOK AND LUBA: SOUTHERN BELGIAN CONGO 1952 & 1957
   [Compilation]
    (SHARP WOOD PRODUCTIONS SWP 011/HT 05, NETHERLANDS, 1999)

ヒュー・トレイシーの復刻シリーズの5作目。コンゴ南部のカニョクとルバで録音された音楽集。今回も素晴らしく、内容は3、4作目に匹敵する。いくつか収録された親指ピアノも聴きどころだが、最大の目玉はギター伴奏を含むアンサンブル4曲。何と、民族音楽に都会から持ち込まれたギターが融合しているという、大変に希な録音。

詳しいことは、これまで通りTOPICSで紹介する予定。

1月14日、オランダのSWPレコードにオーダーしたので、今月中にはエル・スール他に入荷するはず。

○LE 15 MAI 99 / BISSO NA BISSO 
    (V2 VVR1011112, FRANCE, 1999)

99年私的年間ベストの第3位に選んだビソ・ナ・ビソの新作(2作目)。

日本ではまだまだ無名の存在だが、昨年アフリカ音楽のグラミーといわれるKORA AWARDSでベスト・グループ賞(ベスト・ビデオも同時受賞)を受けた勢いを感じさせるライブ盤。デビュー作の名曲の数々をライブで再現。このアルバムを聞いて思い出したのが、ズーク全盛期に、フレンチ・アンティルズのオールスターが競演した、「Le Grand Mechant Zouk」。観客と一体になったこの盛り上がり方や、ボーカル陣のノリには共通点が感じられる。

ラップ・グループということからデビュー時には敬遠していたが、今はとにかくこの前向きな音に、アフリカ音楽の未来を予感させられる。とりあえず、スタジオ盤から聞いてみては?

 
◎LE GRAND BAL VOL.1 / YOUSSOU N'DOUR & LE SUPER ETOILE
    (JOLOLI no number, SENEGAL, 1999)
◎LE GRAND BAL VOL.2 / YOUSSOU N'DOUR & LE SUPER ETOILE
    (JOLOLI no number, SENEGAL, 1999)

こちらは、99年私的年間ベストの第1位に選んだ、ユッスー・ンドゥールの最新作。

2本組のライブ・カセットで、音源は昨年のワールド・ツアーでの録音からのようだ。内容はかなりよく、2本目の最後3曲は、ブルーノートを遥かにこえる盛り上がり。(収録曲はディスコグラフィーを参照)

レビューすると書いておきながら、まだ全然できていません。

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○SERIE SANGOMAR 2 / DEXTER JOHNSON 
    (DAKAR SOUND DKS 017, NETHERLANDS, 1999)

昨年紹介した、デクスター・ジョンスンの復刻シリーズ2枚目。

アメリカ等では既に発売されているらしいが、日本には未入荷なため、内容は分からない。現在手配中。

○KING ONYINA PLAYS FOR YOU
 : HIGHLIFE - SWING - CHA CHA - MAMBO - BLUES - CALYPSO
      (POPULAR AFRICAN MUSIC PAM AG 702, GERMANY, 1999)

ドイツの復刻レーベルからの新作(1)。

大好きなハイライフ(かつてナイジェリアやガーナなどの英語圏西アフリカ諸国で栄えた、優雅な音楽)ということで、楽しみにしていたが、考えていた以上に地味な内容で、実はまだきちんと聞いていない。

○FROM LAKE MALAWI TO THE ZAMBEZI: MOYA ALIYA MALAMUSI
      (POPULAR AFRICAN MUSIC PAMAP 602, GERMANY, 1999)

ドイツの復刻レーベルからの新作(2)。

こちらは民族音楽で、さらに地味。一度聞いてみた印象としては、聞いて楽しむよりも資料性の方が高いだろう。

○DONALD KACHAMBA'S KWELA BAND
      (POPULAR AFRICAN MUSIC PAMAP 103, GERMANY, 1999)

ドイツの復刻レーベルからの新作(3)。

何と、マラウイのクウェラ・ミュージック。こうした音楽は南アフリカだけと思っていたので、マラウイにこんなバンドがあったとは驚き(しかも現役らしい)。

素朴で軽やかなクウェラは、結構気に入りました。

(これでは何の説明にもなっていないので、改めて、、、)

     
○AFRICA FETE 98 / VARIOUS ARTISTS
    (ISLAND RECORDS/POLYGRAM 314-524 517-2, USA, 1998)

○AFRICA FETE 99 / VARIOUS ARTISTS
    (PALM PICTURES PALMCD 2030-2, USA, 1999)

紹介が遅れたが、廉価盤のコンピレーションを2枚取り上げたい。

このシリーズ、アフリカ・フェテというイベントの出演者の最新曲を集めた編集盤で、毎年出ている。98年盤には、SALIF KEITA、CHEIKH LO、PAPA WEMBA、MARYAM MURSALを、99年盤には、BAABA MAAL、OLIVER MTUKUDZI、TOUMANI DIABATE、他が収録されている。ほとんどが他のオリジナル・アルバムで聞ける曲だが、一部はこれらのCDでしか聞くことができないので要注意。中でもサリフ・ケイタの2曲 "ABEDE" と "GNOKON FE" は、アルバム「MAMA」にも収録されていたが、ミックス違い!!サリフ・ケイタのファンでも見落としていることだろう。


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今月はまずまず良いアルバムを聞くことができ、個人的には楽しんでいる。ただし初心者向けと言えるのは、ユッスー・ンドゥールくらい。ヒュー・トレイシーの復刻シリーズの5作目は、結構需要がありそうな素晴らしい内容なので、国内配給できるよう働きかけたいと考えている。

14日にはフェラ・クティの3枚組CDが東京に入荷してきたが、未発表曲はなかったので、まだ買っていない(リマスター盤と書かれている)。36ページあるブックレットの内容次第で、買うかどうするか決めるつもりなので、これの紹介はしばらくお待ちを。

また今月も全て輸入盤。決して、意図してのことではないですヨ。

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アフリカ以外では、アルジェリア(RAI)、レバノン、インド、パキスタン、マレーシア、インドネシア、台湾、などの新譜等を入手して、聞き入っている。例えば、、、、

○THE ROOTS OF GAMELAN: THE FIRST RECORDINGS BALI,1928. NEW YORK 1941.(INDONESIA)

○SANGAM / NUSRAT FATEH ALI KHAN & JAVED AKHTAR (PAKISTAN)

○IN HARMONY DUETS OF LATA MANGESHKAT & MUKESH (INDIA)

○SRI MEENAKSHI SUPRABHATAM AND OTHER SONGS / M.S.SUBBULAKSHMI (INDIA)

○KHUSHIYAN DA RANG / PANKAJ UDHAS (INDIA)

○口琴的故事 / SARAH CHEN (TAIWAN)

○LOVE THE BEST OF SARAH / SARAH CHEN (TAIWAN)

これらのアジアものは、スブラクシュミを除くと、なぜか日本には入っていない。ガムランのファースト・レコーディングはクラシックの復刻レーベルから出ているため、入荷しないのかもしれない。ラタ・マンゲシュカルの1曲目は1948年の録音(彼女のデビュー年!)。サラ・ツェンの「口琴的故事」は彼女の10作目のCD化(EMI原盤)。その次はボックス・セットで、ブックレットのディスコグラフィーを見ると、最新作の「失楽園」が彼女の第28作目であることが分かった。


(2000/02/06 改)


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