OPPOSITE PEOPLE/I.T.T. / FELA KUTI (NIGERIA)
 西アフリカの音楽大国ナイジェリアのフェラ・クティ。アフロ・ビートの創始者。惜しくも昨年
 他界しましたが、近年ますます彼に対する評価が高まっており、まるで「アフリカ音楽= フェラ」
 と言ってもおかしくない状況なので、彼についてはいまさら説明不要かもしれません。
 1969年録音の"MY LADY FRUSTRATION"から遺作となった"U.S."まで傑作揃いなため、この
 1枚というのはなかなか選びづらい。これを選んだのはこれまで聞いた回数が一番多いからです
 が、世評通り最初の1枚は"ZOMBI"でも構わないと思います。(国内盤:VICJ-60197)



 SET / YOUSSOU N'DOUR (SENEGAL)
 西アフリカのセネガル共和国の大スター、ユッスー・ンドゥールの1990年の作品。アフリカ
 音楽史上屈指の名盤と思うし、これがリリースされた時はアフリカ音楽がポピュラー音楽の最前
 線に出たと感じました。アフリカの歌手の中で彼とサリフ・ケイタ、パパ・ウエンバの3人は特
 別な存在と思いますが、特にユッスーは声の魅力も、トータルなミュージシャンとしての才能の
 点でも長じていると言えます。バックバンドも強者揃いで、アルバム前半のテンションの高さに
 圧倒されます。とりわけ5曲目のSINEBARはいつでも私を元気にしてくれる究極の一曲です。
          (国内盤:VJCP-3212)


 FOLON...THE PAST / SALIF KEITA (MALI) 
 西アフリカのマリ共和国のべテラン歌手サリフ・ケイタのソロ第3作(1995年)。ボーカリ
 ストの資質としては文句なしと言えますが、アルバム作りには毎回苦労しているようです。
 ファースト・アルバム、"SOLO"を初めて聞いた時の衝撃は10年に一度あるかどうかといえる程
 の驚きだったし、今年出た新作も悪くはないですが(もう聞き飽きました)、ソロ作品としてはこ
 れがベストなのではないかと思います。(国内盤:PHCR-1804)




 CARTHAGE / AMY KOITA (MALI)
 女性歌手の魅力もアフリカ音楽の魅力の一つと考えながらも、国内盤には適当なものが思いあた
 らなくて少々苦し紛れに選んだ一枚です。正直なところ彼女のアルバムの中では最新作の
 "DJIGUY" が気に入っているのですが、国内盤の発売はありません。
 セネガルやマリには、魅力たっぷりな歌手が数多いので順次紹介していきたい考えています。
 (国内盤:AFPCD-236)


 

 MA YA / HABIB KOITE & BAMADA (MALI)
 同じくマリのアビブ・コワテの最新作。とてもアコースティクな作品で、彼の歌とギターの優し
 い音が楽しめます。前作の評判が良かったせいもあると思いますが、今年(1999年)の単身
 来日ライブも客の入りが良くアフリカ音楽ファンがまだまだ多くいることに安心しました。
 今年10月には、今度はバンドを率いて再来日。
 (国内盤:AFPCD-5246)



 TELEGRAMME / BEMBEYA JAZZ NATIONAL (GUINEA)
 西アフリカの隠れた音楽大国ギネアで最高の人気バンド、ベンベヤ・ジャズ。
 彼等のレコードは結構な枚数が出ていますが、これは80年代中盤のアルバムからの日本編集盤。
 ギネアの音楽には、フェラやサリフに匹敵するほどの国際的スターがいないためなかなか注目さ
 れませんが、60年代から優秀なバンドを多数輩出してきました。
 これもギネアのタレント集団が織り成す素晴らしいアンサンブルの楽しめるCDです。
 (国内盤:AFPCD-219)



 LE GRAND MAITRE / FRANCO ET LE T.P.O.K.JAZZ (CONGO) 
 アフリカ音楽の最高峰としか形容しようのないフランコ。コンゴ(旧ザイール)ではそれこそ神
 様のような存在です。約35年間アフリカ音楽の主役を努め、そのレパートリーも3000曲ほ
 どと言われます。彼のCDは100枚以上出ていますが、最初の1枚には晩年の名曲を集めたこ
 の編集盤がお勧め。リードボーカルも、コーラスも、ギターも、ブラスも、リズムも、全てが完
 璧。解説にある通り『何度聞いても、また聞きたくなる』、とても贅沢な音楽です。
 (国内盤:AFPCD-3213)



 PAPA WEMBA / PAPA WEMBA (CONGO)
 コンゴを代表するボーカリストのひとりで、何度も来日しています。
 ザイコ・ランガ・ランガ等のグループを経た後、ソロ活動に移りましたが、自身のアルバムの中で
 は、1988年制作のこれがもっともテンション高く、声の伸びもあるのではないかと思います。
 逆に言うと他のソロ作はどれもやや物足りないです。
 (輸入盤には4曲追加収録)



 VANHU VATEMA / THOMAS MAPFUMO & THE BLACKS UNLIMITED (ZIMBABWE)

 南アフリカのジンバブウェを代表するミュージシャン。1994年の作品。
 派手なソロもなく、曲の展開にも乏しいが、逆に一見単調そうなポリリズムと地味なボーカルに
 身を委ねると、呪術をかけられたかのように陶酔感に誘われます。
 民族楽器ンビーラ(親指ピアノ)の使い方が実に効果的。
 (国内盤:AFPCD-229)




 
 POLYPHONY OF THE DEEP RAIN FOREST (CONGO)
 コンゴ最東部に住むピグミーの音楽を集めた日本制作のCD(『密林のポリフォニー』)。
 ピグミーの音楽は一般には民族音楽に分類されますが、最高の音楽の一つと考え、他のポピュラ
 ー音楽とは分け隔てなく楽しんでいます。
 ピグミーのCDには内容のよいものが多く、輸入盤ですがもし入手可能であれば、
 "BAYAKA"(ELLIPSIS ARTS...C3490)がピグミーのベストCDとしてお勧めします。

□このHPの自己紹介がわりに、アフリカ音楽の推薦盤を10枚選んでみました。

  選んだ条件は私が好んで繰り返し聞くCDのうちで国内盤が入手可能なこと。(もしかすると何枚かは品切れかも
  しれませんが。)そのためアフリカ音楽のベスト10でも個人的なベスト10でもありません。私の大好きなガー
  ナのハイライフや東アフリカ、南アフリカには適当なCDが見当らなかったですし、最近は国内盤のリリースが少
  なく、近作からも選びにくかったです。結局、西アフリカとコンゴのべテランの少し昔の作品に片寄ってしまいま
  した。

□これからアフリカのポップスをいろいろ聞いてみようと考えている方へ、、、

  このリストが、最初の1枚を選ぶときの参考になればと幸いです。どれか1枚と問われたときには、FRANCO
  SETFOLONの3枚のうちのどれかを相手の趣味に合わせて選んでいます。
  また、取り上げて欲しいテーマや質問をお待ちしています。

□アフリカ音楽ファンの方へ、、、

  このリストを見て、私と趣味の一致する方、時々私のHPを覗いてみて下さい。何か役に立つ情報が見つかるかも
  知れません。またアフリカ音楽に関する情報、HP作成のアドバイスや間違いの御指摘をお待ちしています。
Mail : desert@f.email.ne.jp

(1999/07/07)
〔2000/01/23 改)

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