低学年からできるケーススタディーの提案

ここでは低学年(解剖・生理は最低限既習の学生)でも、勉強会を始められるのではと言うところから出発したケーススタディーを紹介します。

このケーススタディーの主旨に関して

  まず、ケーススタディーと聞けば、臨床科目を既習の学生、もしくは、ドクター、教務スタッフにとっては、論文によくでてくる症例のレポートが土台になっていて、これを低学年の医学生が読みこなすことは不可能であろう。と誰もが思うだろう。事実私はこの考え方に賛成する。しかし、よく考えてほしい。基礎は遊んでてもいい。臨床からがんばったら、何とかなる。と言う「基礎軽視の風潮」が医学部の中にあるのは事実だと思う。ただ、医療は患者が足に例えば、歩きづらいとか、何らか障害があれば、きっと足が悪いんだよ。というのは別に専門的な医学の知識がなくてもわかる。もちろん専門的な知識がなくては解決できない部分があるのも事実だが、ここでは、その部分には目を向けない。このケーススタディーは医学を学び始めた、解剖や生理を知ってる学生を対象にしているからだ。つまり、症例をたたき台にして、生理解剖の知識を確認するという作業を行うことが目的なのである。
  このメリットは、純粋な理論や学問としての生理学なり、解剖学というのも、確かに重要である。しかしながら、医学部に来て最大の特典は医師免許の受験資格があると言うこと。つまり、医療行為ができると言うことだ。学問という以前に、実践に結びつく「実践的な側面」と言うのを学ぶ必要があり、それが実現できる方法だからだ。
  足が悪いという話を挙げたが、足が悪くなると言う現象は生理学的にどういう障害が起きれば、起こるのか?それが考えられる部位の様々なファクターの位置関係はどうなっているのか?ということを確認することで、より具体的な形で生理学も解剖学もより理解が深まるし、より臨床を意識した新しい発見があるかもしれない。


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