文藝春秋編アンソロジーのページ


 


                   

アンソロジー 隠す ★★


隠す

2017年02月
文芸春秋刊

(1600円+税)



2017/03/07



amazon.co.jp

女性作家11人による、“隠す”を共通テーマに据えたアンソロジー。
永嶋恵美さんの「あとがき」によると、女性作家の集まり
“アミの会(仮)”によるアンソロジーの3冊目だそうです。
(1冊目は「捨てる」、2冊目は「毒薬協奏曲」とか)

一口に「隠す」と言っても、隠し方、隠すもの、隠されたものは様々です。
それ以上に、その作家らしい「隠す」が描かれているところが楽しい。

柴田よしき「理由」は刑事事件。
松尾由美「誰にも言えない」の真相は心温まるもの。
福田和代「撫桜亭綺譚」で隠されていたものは極めてブラック。
大崎 梢「バースデーブーケをあなたに」は、大崎さんらしくユーモラスで温かなストーリィ。
近藤史恵「甘い生活」は、結末にシビアさあり。

本書中、一番印象に残り、私が好きな篇は、
永嶋恵美「自宅警備員の憂鬱」
不登校・ヒキコモリ女子高生の、自宅内での推理、行動ぶりが楽しめます。


柴田よしき「理由」
永嶋恵美 「自宅警備員の憂鬱」
松尾由美 「誰にも言えない」
福田和代 「撫桜亭奇譚」
新津きよみ「骨になるまで」
光原百合 「アリババと四十の死体&まだ折れてない剣」
大崎 梢 「バースデーブーケをあなたに」
近藤史恵 「甘い生活」
松村比呂美「水彩画」
加納朋子 「少年少女秘密基地」
篠田真由美「心残り」

        


   

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