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21.心淋し川 22.婿どの相逢席 23.六つの村を越えて髭をなびかせる者 24.よろずを引くもの-お蔦さんの神楽坂日記No.4- 25.首取物語 26.うさぎ玉ほろほろ 27.とりどりみどり 28.隠居おてだま 29.姥玉みっつ 30.バタン島漂流記 |
金春屋ゴメス、善人長屋、無花果の実のなるころに、閻魔の世直し、三途の川で落としもの、いつもが消えた日、上野池之端鱗や繁盛記、まるまるの毬、六花落々、睦月童 |
秋葉原先留交番ゆうれい付き、大川契り、九十九藤、みやこさわぎ、雨上がり、月霞む夜、永田町小町バトル、隠居すごろく、亥子ころころ、せき越えぬ、わかれ縁 |
「心淋し川(うらさびしがわ)」 ★★ 直木賞 | |
2023年09月
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江戸は千駄木町の一角である心町(うらまち)。 そこに流れる心淋し川と呼ばれる小さな川は、水が淀み、臭いにおいも放つ場所。 その両側にならぶ古びた長屋に住む人々は、その心淋し川に似合ってまさにどん詰まりに生きている、という風。 どん詰まりの場所に吹き寄せられたような、そこに住む人々の姿を描いた連作ストーリィ6篇。 長屋ものストーリィによくあるような人情、助け合いといった肯定的な雰囲気は本作にありません。 そこにあるのは、これまで過ごしてきた人生の悲哀、そして今後もそれが続くのではないかという諦め。 しかし、そうした境遇であっても、自分の気持ちを切り替えることで前向きに生きていくことができる。 完璧な人生などあろう筈もないし、夢見たような人生を送れる筈もない。でも踏ん張れば、それなりの幸せも手に入れることができる、そう本短篇集は語っているようです。 読んで楽しいどころかむしろ重たく辛いものを感じてしまうことの多い、幸不幸の様々な短篇集ですが、何処かで希望も感じる取ることができる、そんな一冊です。 ・「心淋し川」:ちほ・19歳は、紋上絵師の男と結ばれてこの長屋から出ていくことを夢見るのですが・・・。 ・「閨仏」:おかめばかりの妾4人を一つ家に住まわせていた六兵衛でしたが、その後の道をりきはどう選び取るのか・・・。 ・「はじめましょ」:小さな食い物屋を引き継いだ与五蔵は、いつも一人で遊んでいる7歳の女の子=ゆかと出会う・・・。 ・「冬虫夏草」:怪我で下半身が不随となった我儘息子を献身的に世話する母親の心底にあるものは・・・。 ・「明けぬ里」:かつて同じ根津遊郭にいながら、今は対照的な暮らしを送る明里とよう(葛葉)。しかし、本当はどちらが幸せと言えるのか・・・。 ・「灰の男」:長屋の差配である茂十、物置に棲む痴呆の楡爺、2人の過去に何があったのか・・・。 ※「閨仏」と「はじめましょ」、私はこの2篇が好きだなぁ。 心淋し川/閨仏/はじめましょ/冬虫夏草/明けぬ里/灰の男 |
「婿どの相逢席」 ★★ | |
2024年06月
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小さな楊枝屋の四男坊である鈴之助、相思相愛のお千瀬から望まれ、その実家=大店の仕出屋である「逢見屋」に目出度く婿入りという筈だったのですが・・・・ 祝言の翌朝早々、上座に座った大女将=義祖母の喜根・女将=義母の寿佐から、逢見屋の差配は代々女将が行う(若女将の千瀬を含む)、鈴之助は何もせず子作りに励んで貰えばよいと言われ、唖然。 それでも、千瀬から頼りにしていると言われた言葉を支えに、何とか千瀬のために役立とうとします。 堅実な商いを守って来た逢見屋でも様々な騒動や難題は起きるというもので、その都度、鈴之助がさりげなく奮闘する、という連作ストーリィ。 舞台設定と鈴之助のキャラクターが絶妙で、文句なく面白い。 鈴之助の活躍も、余計なことをと叱られつつも、分をきちんとわきまえているところが読み処です。 なお、本作設定の男女を入れ替えてみれば、鈴之助が言われたことはそのまま大店に嫁入って来た女性たちに通じることだとおもいます。 そう思えば、コミカルな中にも考えさせられることは色々あり、というものです。 なお後半、逢見屋に仇しようとする思いがけない敵が現れます。 お千瀬、そして逢見屋を守ろうとしての鈴之助の行動には、ミステリ、サスペンス要素もたっぷりです。 総じて、家族愛を元にした連作時代小説。 義妹となったお丹、お桃、そして鈴之助の三兄である杉之助のキャラクターも魅力的です。 お薦め。 1.逢見屋の婿/2.閻魔の休日/3.井桁の始末/4.初午の災難/5.菱に片喰/6.墨堤・花見の宴/7.伊奈月の宵/8.落ち椿/9.悲喜交々/10.因果応報 |
「六つの村を越えて髭をなびかせる者」 ★★☆ | |
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江戸時代の中期~後期、実在の蝦夷地冒険家=最上徳内(1754~1836)を描いた長編。 出羽の百姓の長男に生まれながら、その学問の才を認められて江戸に出、算学家の永井右沖、次いで本多利明の「音羽塾」に学びその才を発揮する。 田沼意次肝入りの蝦夷見分隊に、師の本多利明に代わって参加、蝦夷地に渡り、その地でアイヌの少年らと親交を結び、アイヌ語を習得する。 その後、田沼意次の失脚、松平定信が老中首座に就き、蝦夷地政策は大きく転換し、見分隊の一員であった青島俊蔵たちや徳内の状況も大きく揺さぶられます。 しかし、蝦夷やアイヌに詳しいという能力から普請役として武士に引き立てられ、普請役人として6度、生涯で9度も蝦夷に渡るという足跡を残した人物。 とにかく面白いです。 まだ見たことのない地に渡り、見たこともないアイヌの民に出会って親交を結び、アイヌ語を習得する・・・まさに“冒険行”と言って間違いありません。 そして、最上徳内という主人公のキャラクターが抜群。何とも愛嬌があって、皆が皆、徳内の望みを叶えてやろうと動くところが楽しい。 さらに、徳内が出会い、アイヌの世界に親しむ案内人となったアイヌの少年=フルウ(フリゥーエン)との交流が、何とも魅力的なのです。 本書の表紙絵は、蝦夷の陸地を2人で旅する、徳内とフルウの後ろ姿でしょう。見ているだけで楽しくなってきます。 また、後に徳内の妻となる嶋屋のふでも、魅力的で面白いキャラクター。 本作を読みながら、アイヌの民を見下して差別し、虐げてきた和人の行動が恥ずかしくなりますが、現代日本に置き換えて考えるならが、東南アジア等からの移民・出稼ぎ者を区別し、いろいろな制約を加えている日本政府の有り様は、当時と全く変わっていないように感じます。 ※アイヌを描いた小説と言えば、川越宗一「熱源」が忘れられません。 1.音羽塾/2.松前/3.アッケシ/4.フリゥーエン/5.イコトイ/6.陸の海/7.霧の病/8.外つ国の友/9.実らずの実/10.浪々/11.野辺地/12.乱/13.鎮撫/14.凱旋/15.空蝉/16.光明/最終話.六つの村を越えて髭をなびかせる者 |
「よろずを引くもの-お蔦さんの神楽坂日記-」 ★☆ | |
2024年12月
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料理上手な高校生の孫=滝本望と、元芸妓で料理ダメな祖母=お蔦さんコンビによる日常ミステリ“お蔦さんの神楽坂日記”、5年半ぶりの第4弾。 基本的な設定は何も変わりませんから、前巻から引き続き、それなりに楽しめます。 主人公の望、幼馴染の洋平、大叔父の娘で同じ高校生の楓、彼らには高校生の青春風景を感じます。 ・「よろずを引くもの」:商店街で万引き被害が多発。望と洋平が犯人を見つけますが(万引きのこと)、そこにお蔦さん。 ・「ガッタメラータの腕」:美術部の先輩=穴水部長が作った石膏像の腕が盗まれた? ・「いもくり銀杏」:鈴木フラワーの央子さんが、幼い2人の子どもを連れて店に。母親が出奔? ・「山椒母さん」:お蔦さんが何と緊張しまくり。その客は、かつての置屋のお母さんとか。その口ぶり、お蔦さんと似る。 ・「孤高の猫」:野良猫のハイドンが行方不明。皆で探すが見つからず。そんな時、望と洋平が掴んだ手掛かりは・・・。 ・「金の兎」:お蔦さん、浜松へ。昔の役者仲間の家を訪ねたその理由は・・・。 ・「幸せの形」:望のためのエピローグ。 よろずを引くもの/ガッタメラータの腕/いもくり銀杏/山椒母さん/孤高の猫/金の兎/幸せの形 |
「首取物語」 ★☆ | |
2024年10月
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何故か握り飯を奪っては男に追いかけられるという出来事を繰り返している少年が出逢ったのは、首だけになった男。 2人の共通点は、過去のことを何も覚えていないこと。但し、首が元武士だったらしいと憶えていること以外は。 仮の名前を、首だけの男が「オビト」(首)、少年が12,3歳らしいため「トサ」と決めた処から、摩訶不思議な2人の旅物語が始まります。 ちょっとホラー要素も感じる、和風ファンタジー。 歩いて旅する2人が行き着くのは、いずれも現実とは思えないような国々。 ・冒頭の、同じ出来事が繰り返される「独楽の国」、 ・幸せそうな漁師夫婦と出逢う「波鳥の国」、 ・小さな国に閉じ込められて暮らす少女と出逢う「碧青の国」、 ・雪一色の世界で進む船と出逢う「雪意の国」、 ・人の記憶を喰らう鬼と出逢う「消去の国」、 ・2人が記憶を取り戻し、今の理由を知るに至る「和茅の国」、 ・そして2人が正念場を迎える「波賀里の国」。 どこの国にも人間の因業があったように感じるなぁ。 それでも、僅かばかりであっても何処かに救いがあれば、また前に進んでいけるように思います。 ただし、満足感としては今ひとつ。 1.独楽の国/2.波鳥の国/3.碧青の国(あおのくに)/4.雪意の国/5.消去の国(きえさりのくに)/6.和茅国(わちのくに)/7.波賀里(はかり)の国 |
「うさぎ玉ほろほろ」 ★☆ | |
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老菓子職人の治兵衛、娘のお永、孫娘のお君という家族3人で営む小さな菓子屋=南星屋(なんぼしや)を中心にした時代小説シリーズ、「亥子ころころ」に続く第3弾。 本巻では、前巻で登場した雲平という菓子職人が南星屋に居つき、治兵衛と協力して菓子作りに励みます。 連作短編という構成ながら、長編ストーリィという面も備えているところが本シリーズの特徴です。 また、菓子の話が多いことから甘い話が多いのも事実ですが、一方で苦みもちゃんとあるのが、本シリーズの良さ。 冒頭、南星屋に鹿蔵と名乗る渡り中間が飛び込んできます。菓子が大好きなのだと。 結果、鹿蔵が食べたい菓子を治兵衛が作る代わり、参勤交代勤めで地方の菓子のこともよく知る鹿蔵が新しい情報を治兵衛に提供する、という協定が成立。 渡り中間という輩には注意しないと、お永は慎重ですが、治兵衛と雲平はすっかり鹿蔵が気に入った様子。 しかし、ある日突然、鹿蔵が店に押しかけて来たと思ったら、すぐ逃げてくれ、あんたらを助けてえんだ、と言い、奉書を治兵衛に託して姿を消します。 一体何があったのか? その答えは最後の2篇をお楽しみに。 短編ストーリィでは、治兵衛の弟で今や高僧である石海が武家の女性と逢引きしていたとお君が騒ぐ、「初恋饅頭」が楽しい。 饅頭くらべ/母子草/肉桂餅(にっきもち)/初恋饅頭/うさぎ玉ほろほろ/石衣/願い笹 |
「とりどりみどり」 ★★ | |
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かしましい3人の姉&末弟=鷺之介(11歳)による、大江戸日常もの謎解きストーリィ。 万両店に数えられる船持ちの廻船問屋=飛鷹屋、父はいつも船に乗っていて不在、長男の鵜之介(23歳)が店を守るが、3人の姉たちは我が儘・散財・毒舌等々でいつもやかましくてならない。 その姉たちにいつも引きずり回されて気苦労が絶えない末弟の鷺之介は、何とか長姉に続き二姉・三姉にもさっさと嫁に行ってもらい、静かな余生を送りたいというのが心からの願い。 ところが・・・。 この兄弟姉妹の身上が面白い。亡き母親=お七の実施は鵜之介のみで、お瀬己(20歳)・お日和(17歳)・お喜路(15歳)、鷺之介の4人は父親=鳶右衛門がそれぞれ別の女との間に設けた子ども。 それを今は亡き正妻のお七が引き取り、我が子同様に慈しんで育てた、という次第。 冒頭「螺鈿の櫛」は、お瀬己と婚家との揉めごと話。 何とまぁ呆れた姉たちであることかと思わせられるのですが、次の「ふういんきり」以降、いやちょっと待て、と徐々に思うようになります。 芸者だった実母にならって伝法なお瀬己、物事の核心をつくからこそ物言いのきついお日和、頭の良く理屈っぽいお喜路と個性的な三姉たち、鷺之介と一緒に出会った不可解な出来事の真相を次々と看破していくのです。 おまけに、振り回しているとは言いながら、鷺之介をきちんと保護している、という風。 日常ミステリの謎解きという面白さと合わせ、そうした姉弟関係の妙も充分楽しい。 しかし、鷺之介には何か秘密があるらしい。それが明らかとなる最終篇「とりどりみどり」にはあっと驚かされました。 鷺之介、本人は何だかんだと文句をいい、未だに子供扱いされると愚痴をこぼしますが、皆から大切にされていたのです。 この篇の読み応え、まさにたっぷり。 年中不在の父親=鳶右衛門、亡き母親=お七も含め、鳶之介を取り囲む飛鷹屋家族の愛情ぶりが描きだしているところに、西條さん熟練の筆遣いが感じられ、本作の魅力を堪能しました。 螺鈿の櫛/ふういんきり/箍の災難/とりかえばや/五両の手拭/鷺と赤い実/とりどりみどり |
「隠居おてだま」 ★★ | |
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「隠居すごろく」の面白さを引き続き楽しめる続編。 隠居して静かに暮らすつもりだった糸問屋<嶋屋>の徳兵衛、思いがけなくもその院宅に孫の千代太をはじめ大勢の人間が押し寄せるようになりますが、新たな起業のサポート役として、徳兵衛は充分に楽しそうです。 王子権現で子供たちが参詣案内を勤める<千代太屋>の中心は、勘七と瓢吉の2人。 本作でもそれぞれの家族問題に勘七、瓢吉が頭を悩ませ、徳兵衛が関わります。 勘七親子の問題を描いたのが「めでたしの先」、瓢吉親子の問題を描いたのが「のっぺらぼう」。 一方、組紐職人である女子たちのために徳兵衛が立ち上げた組紐商いの<五十六屋>の方も忙しい。 そのうえで本作の読み処は、徳兵衛の知らぬ間に嶋屋では、出戻った後に男たちとの奔放な付き合いが止まない末娘のお楽を巡って大騒ぎ。 しかし、その問題を徳兵衛に知られたらヤバイとばかりに内緒にされてしまうのですから、後からそうと知った徳兵衛が怒りを爆発させるのも無理はないというもの。 そりゃあそうですよ、いくら徳兵衛がガミガミ親父で口煩くたって、そのやり方はないでしょう。この辺り、嶋屋の主人となった長男=吉郎兵衛の胆力不足と言うべきところ。 おかげで嶋屋は大騒動、その結果はというと、更なる続編に持ち越されるのでしょう。次巻が楽しみです。 1.めでたしの先/2.三つの縁談/3.商売気質/4.櫛の行方/5.のっぺらぼう/6.隠居おてだま |
「姥玉みっつ」 ★★ | |
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ずっと独り身だったお麓、老いた身となり、名主の書役として小遣い稼ぎをしながら静かに暮らそうと思っていたら、幼馴染の婆二人=お菅とお修が同じ<おはぎ長屋>に引っ越してきて、煩いったらありゃしない。 そこに、小菅が行き倒れとなっていた母娘を見つけくるという事態が発生。皆で助けたものの母親は破傷風だったのか2日後に死去。8歳くらいの娘は口が利けないらしく身元も不明。 結局3人が、「お萩」と名付け女の子の面倒をみることになるのですが・・・・。 とにかくこの三婆たちが喧しい。とくにお菅とお修の二人が。 お互いに言いたい放題、相手のことも遠慮などせずビシビシと痛い処をお互いに突いてばかり。 それでも時間が経てば、コロッといつもどおりやり取りをしているのですから、逞しいというか、恐いものなしというか。 それでも三人のこれまでには、それぞれ人に言い難い苦労や悩みがあったと分かってくると、ホロッとさせられます。 一方、不器用で何も家のことができないお萩についてお修、粗末な恰好をしていたが、実はいい処の娘なのでは?と。 お萩について何かと胡散臭い話が出てきて、三人は何かと気遣うのですが、最後には自分たちの孫のようなもの、断固としてお萩を守ろうと結束するのですが・・・・まさか、そんな事情が隠されていたとは、絶句。 最後は、あっと喝采させられる逆転劇。 冒頭の雰囲気と結末の展開が大違いで驚かされます。 何はともあれ、三婆の喧しさ、助け合い、一致団結ぶりが楽しめます。 |
「バタン島漂流記」 ★★ | |
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江戸時代の漂流記として頭に浮かぶのはいずれも吉村昭作品ですが、「漂流」と「大黒屋光大夫」。両作品とも、史実をモデルにした小説。 その点は本作も同様で、実際に寛文8年(1668)、尾張大野村の船(乗組員15名)が嵐に遭遇して漂流し、台湾とフィリピン・ルソン島の間にあるバタン群島のひとつ=バタン島に漂着するという歴史事件があったようです。 本作には、そうしたリアリティさが充満しています。 嵐に遭遇した最中、必死での船を救う作業、漂流中の水や食糧の問題、そして見も知らぬ島に漂着した直後の島民との争い、そして実質奴隷扱いされた苦難。 そうした中で、全員で生きて日本に帰るという思いを捨てず、皆を鼓舞し続けた門平の姿が圧巻。 ただし、本作の主人公は門平ではなく、同じ大野村の出身で門平とは幼馴染みの関係にある和九郎。 和九郎の目を通して門平の姿が描かれるからこそ、より門平の存在がどれほど貴重で、皆を勇気づけるものであったかということが、鮮明に感じられます。 また、和九郎たちと島民家族との交流に胸が熱くなります。 とかく対立しがちな現在の国際情勢の中で、お互いに人間であることに変わりないと理解し合って結びつくことの尊さを改めて感じます。 私の漂流記読書の原点はヴェルヌ「十五少年漂流記」ですが、難しいことを考えず単純に“漂流記”として読んでも、本作は十分に面白い。お薦め。 |
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