かなもりとしろうの部屋
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コラムを更新しました。2014.1.5
新刊紹介  2013.5.31
2017/09/17巻頭文追加 

 〜2017年9月16日(土)〜  かなもり としろう

角川新書『学び合う教室』刊行記念金森公開授業、in角川本社ビル 全国から100名参集熱気!!

99日に開催された刊行記念企画、第一部「子どもの可能性を信じて」金森 × 辻直人、第二部授業@なぜ、権力は生活綴方教育を恐れたのか」 A正答をひたすら追求する教育の向こうには何が?」が開催されました。対談と授業に参加して下さった方々に深く感謝し、喜び、お礼を申し上げます。

教師・教育のありようをまず、様々な世界と地域に生きる、生きようとする人々と共に考えることができたことがとても意義深いことでした。私の知る限りの、約100名参加者詳細を挙げてみます。

日本生活教育連盟の会員を含む公立私立小・中学教員、夜間中学教員、大学教員、獣医師&大学院生、介護職員、書籍編集者、子ども映画教室代表&映画館支配人、映画監督、脚本・演出家、テレビカメラマン、テレビ編成プロデューサー、映画製作プロデューサー、退職教員、会社員、学童指導員、市会議員、市民、教員を目指して学習に励んでいる大学生などです。最も遠くからの参加者は沖縄からの小学校教員、しかもこの企画参加だけが目的でした。

 さて問題は以上のような方々のご期待に応えるような対談と授業だったのしょうか。対談は辻さんがオランダでの私がやった授業を中心に、子どもの可能性について上手に引き出して下さったので、自分でもまあ合格点ではないかなあと思っています。

 

授業の一限目は、綴方教育を権力は恐れ、その教育創造の追求に熱心だった教師を検挙します。その権力の恐れ=綴方の偉大な力を考える中心教材は、かつての北海道綴方連盟の教師達のシンボル的綴方「ナット売り」(『獄中メモは問う 作文教育が罪にされた時代』佐竹直子 道新選書所収・・・ぜひ一読を!)。学生に読んでもらい、「読後の思い」を発表してもらいました。実生活を綴った確かな表現力・質の高い文章力、背景の自然描写の豊かさ、貧困の中で逞しく生きようとする生活力の強さと兄弟愛の強さ、子が母を思うあまりの深いいじらしさなど次々に挙手し発言が続きました。

 ほぼ、私の予想通りの受け止め方でした。「あの当時の子どもだったら、この綴方をどう受け止めていただろうか」と問い、私の高校時代の貧しさ=新聞配達のことを語りました。そうなのです。みんな貧しかったのです。生活台が共通でした。文章表現よりも、書かれているリアルな生活に、その生活に負けまいとひたすらに生きる力に、深い共感を寄せ、互いに共に生きようとつがる関係性やどうしてここまで働かなければという問いを持ち、深めていく方向性を強めたのです。そのことに参加者はすぐに気づきました。

 個のリアリティ、自分の生きる物語を自分の言葉で語る、事実を基にしたつながりなどの強さ・豊かさを権力は恐れたのです。仲間の綴方「ナット売り」、そこに描かれた生活の、生きる悪戦苦闘・葛藤の迫力・事実・リアリズム・真実に深く共感し、共に時代を生き抜く仲間としてつながるのです。それこそ綴方の力で有り、権力が恐れたのです。読後の交流が、(今日の学級で一般的な)友・仲間の綴方に対するよそよそしい、自分を語らない評論的なものとは違うのです。

その「ナット売り」に続いて紹介した「綴方」が、2016年「戦後70年沖縄全戦没者追悼式」で朗読された「みるく世(ゆ)がやゆら」という高校3年生が書いた詩です。「長崎や広島の高校生が書いた文章と決定的に違うのは?」「沖縄16年の文は、祖父の姉を、17年の文は祖母の沖縄戦とその後の人生を軸に書いている」ことの発見です。全戦没者の一人ひとりの姓名を刻んだ「平和の礎」と共通していることを強調しました。

 では、今の教科書が推奨している作文単元での作文はどういう質のものか? の追求です。6年生「意見文を書こう」での具体的作文は「えがおは、よりよい未来への第一歩」。マザー=テレサを本で読んだこと、子どもの写真をユニセフのHPで知ったことからの「笑顔」の大切さの強調である。参加者はすぐに「自分の生活を見つめてのエピソードが綴られていないことに気づく。「当事者性の欠落」だと私は強調。それは同じ単元に資料として掲載されている「平和のとりでを築く」にも共通していると指摘し、文をプロジェクターに映し、「個」を通しての文になっていないことを指摘。

 ここからが後半の山場。では、【現代の生活綴方とは何か】(→「子どもが共感的他者として読み交流し、共存的他者を志向する綴方とは?」)と問いました。参加者が考えるには重すぎる課題なので、あゆみさんが書いた「こんな何もできない私は自分が憎い!」という綴方とそれを聞いた学級のその後のドラマの一部を石川テレビ制作「いのち輝いて」(75分)を通して紹介。あゆみの作文を聞いたほとんどの子が挙手し、自分のことを語ったのです。休み時間になったとき女子の数名が彼女を囲み、頭や背中をさすりました。午後、この学級は山に行き、急な崖のぼりに挑戦。のぼることができない彼女の尻を男子生徒が押し、前にいた男子が手を差し出しひっぱりあげます。共感から確かなつながりを生み、育みます。

さらに紹介したのは「お父さん、帰ってきて」という母子家庭の子の詩でした。

これが1限目の概要です。

 

 2限目です。チラシに案内したテーマは「もっと失敗しても、間違ってもいいのでは?正答をひたすら追求する教育の向こうには何が?」でした。見えてくるもの・見たいものはかなり熟考してハッキリしていました。【恐ろしいまでの分断】と【多様な文化・世界との共生を実現する協働の力】です。それをどのように授業として構成・展開したらいいのか。こんなに悩んだ授業づくりは初めてです。ここは私がやった授業の概要というより欠落させてしまったいくつかを補充して書きます。

 最初は、「きれいに授業に入りたい」と願ってある朝霧の湿地の写真。ヒントは「田中正造です」。一人手があがる。「谷中村だったところ」。正造は「真の文明とは、山を荒らさず、川を荒らさず、村を・・らず、人を殺さざるべし」と言った。「村を荒らさずではなく、どう言ったでしょうか?荒らす、というよりもっと悲痛な感じです」「はい、誰も分からないので言います。村を破らずと表現しました。絹を裂くように、村を村の人々の関係性を、一人の心の内を引き裂く、悲しい叫びの表現です。」「田中正造を中心に古川財閥と足尾鉱毒事件の解決に闘っていた谷中村は、お金の力で徹底的に分断されます。最後に権力がやったことは、村を抹殺することでした。調整池という名で村を地図上から無くしてしまいます。この分断がキーワードになります。

授業は二段階目に入ります。

@学力テストと言われる割には教職員を含め、問題を丁寧に全て見ていません。一つ紹介します。[手紙のラスト、日付け・相手名・自分名をどこに?]参加者に聞いたところ、いわゆる不正解がかなり。金森「正直、こんな問題、どうでもいいでしょう。だっていわゆる常識的にマナーを守る必要に追い込まれると、最初に拝啓か謹啓かそこから分からないでしょう。時候の挨拶文が分からないでしょう。こんな問題の最後がどうなのかはそこの調べから必然的に明らかになる・・・。大事なのは、「分からなければ調べる力」だし、手紙で大事なことは、大切な相手に大切な想いを伝えるには?でしょう。そこで、こんな学習に使いたい絵本が?」「(『ふたりはともだち』の中の)「おてがみ」で作者はアーノルド・ローベル」との答え。・・・本当にこれがテスト問題??と教員以外の学生を含む市民が唖然とする!!

 「こんな問題が出て、一問の出来不出来が順位を決定するので、教科書を隅々まで教え込まなければならない状況に」。教師がプロとして子どもを前にして、学習し学び悩みの上に教材を選択する営みが完全に奪われつつあるということ。

Aここで「正答主義にこだわらなかったらどんな学びが生まれるか、創れるか、簡単にやってみよう」と言うことで、漢字テストで二割しか正答が書けない、だけど意味を考えて八割を埋めた実話を紹介。「このテスト結果をみて父は『この子には生きる力、危機回避能力がある』と判断したという。さて私たちもやってみよう。【じごく】を漢字に。だけど分からない。ここであなたの学力を、ユーモアをどうぞ。金森の例なら「芥川龍之介 蜘蛛の糸」。・・・少し発表してもらいました。後でそれは「今の職場」「今の学校」と書いたよ、と告げた人も。

こんな間違い・ユーモア解答を楽しむ授業もあっていいね、と次。

Bところが「こんな正解主義の教育と何がセットで進行しているか?」である教師の手記を紹介。黙食・早食わせ・無言清掃などの徹底した管理主義教育に多くが唖然!参加者のつぶやき「それが当たり前になっていて、変だというと怒られる」

C「@とA、さらに道徳の教科化、これらは何を分断しているのか」

この問いを発し、皆さんと共に考える時間が取れず、カットしました。世界は一方ではトランプの政策を代表とする分断が強く進行しています。教育界の分断は非常に巧妙に深く進行していると私は考えています。ここは、参加者を含め、日生連で論議していきたいと思っています。

D【多様な文化・世界との共生を実現する協働の力】

学力テスト体制の向こうに見える〈教育内容と人間像〉を一言で表現すると上記のようになります。当初は以下の佐藤学氏がまとめた文と「厚生労働省・働き方の未来2035年」を検討する予定でした。(この部分は今回での補充部分)

「学校の未来はどのように展望すべきなのだろうか」:OECD加盟34カ国のナショナル・カリキュラムに共通する「21世紀の教育の課題」を調査

1)知識基盤社会への対応

・先進諸国の経済の中心は、情報、知識、対人サービスへと移行

・日本の市場規模の第1位=情報産業、第2位=シルバー産業(医療・福祉)、第3位:教育文化産業

(かつて労働市場の7割以上占めていた工場労働者は2割以下に激減)

・生涯にわたって学び続ける社会に

2) 多文化共生社会への対応

・「世界(アジア)市民」「日本社会の市民」「地域社会の市民」という「市民性」の教育

3) 格差リスク社会への対応

・持続可能な地球・社会、自然災害・社会災害を克服し、経済的・文化的格差を克服する教育

4)成熟した市民社会への対応

21世紀の社会は個人間の葛藤や集団間の紛争が激化する危険をはらんだ社会

 個人的エゴの衝突による訴訟社会に陥る危険、一人ひとりが悩みを抱え込むカウンセリング社会に陥る危険、公共的モラルの衰退による民主主義が機能しなくなる危険

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 日本の教育、とりわけ学力テスト体制のもとでは、(1)のみが強調され(2)〜(4)に対応する学び、学力形成は余りにも希薄すぎます。学力テスト体制の学力では、同じ政権下で提起報告している「厚生労働省・働き方の未来2035年」にも対応していません。以下のように書かれています。

2035年には、個人が、より多様な働き方ができ、企業や経営者などとの対等な契約によって、自律的に活動できる社会に大きく変わっていることだろう。企業組織自体も変容していき、企業の内と外との境界線が低くなり、独立して活動する個人も増えるという大きな構造変化が生ずる。」

「個人事業者と従業員との境がますます曖昧になっていく。組織に従属することの意味が今とは変わり、複数の組織に多層的に所属することも出てくる。」

 恐らく契約は対等ではないであろう。組合もなく、「自律的に活動できる」「個人事業者のような働き手」は労働法で守られる存在でなくなるということです。個人責任が今以上に強くなるでしょう。今の正解主義の学力テストや管理体制下の自主的服従性(同調性)ばかりを求める教育はこれからを生きる人間を余りにもイメージできていないと私は考えています。

 私がイメージする「多様な文化・世界との共生を実現する協働の力」、あるいは「学力テスト体制の向こうに見える〈教育内容と人間像〉」を具現化している代表的人物が、授業で取り上げた「高校生一万人書名活動実行委員会・高校生平和大使」たちとアフガン診療を続けながら戦乱と大旱魃の中1500本の井戸を掘り、13キロ用水路を掘りつづけている医師・中村哲たち現地ペシャワール会と日本ペシャワール会の人たちです。残念ながら授業では簡単な紹介しかできませんでした。

 強調したのは、2001年から高校生自らが実行委員会を立ち上げ、週末悪天候であっても署名を集めてそれを、国連欧州本部があるジュネーブで開催される軍縮会議にあわせ、提出し続けていること。今年は、21万人署名を携え、22人の高校生平和大使が提出。何と今年、3年間続いた高校生平和大使代表の演説が許可されなかった。恐らく核兵器禁止条約に背を向けた日本やアメリカ政府の横やりであろう。

 中村哲氏については、アフガンの国土を緑豊かな大地に変えてこそ病気を防げると大規模な灌漑用の用水路を開削していること自体度肝を抜かれるような「あまりにも大きくその地に生きる生き方」に感服。しかもその用水路の工法は、コンクリートを用いずにその土地の石を積み上げる徹底ぶり。その土地の住人がいつでも補修できるためです。延々と開削された用水路と緑に変わった大地の写真を投影できなかったのはとても残念です。冒頭の谷中村を調整池にしてしまった写真と対応するのです。(授業に使いたい中村哲氏の資料は、PDFにして数多く準備していたのだが)

「多様な文化・世界との共生を実現する協働の力」と重ねたい、これら二つの人間群像を知っている参加者はわずかでした。個人のスキャンダル暴露を延々と報道するマスコミは、着実に希望を創り上げている群像を私たちに可視化していないのです。教育界はなおさら内側で、つまり子どもや教師・保護者が、そして外側で、つまり市民や子どもたちが創り出している希望を学びとして、学びの成果として可視化していく必要があります。そうした意味では、角川書店が2年間にわたってライターを金森学級に派遣し、記録を執り続け、『希望の教室』『子どもたちは作家になる』の出版につなげたこと、さらに石川テレビが2年間、NHKが1年間にわたってカメラを回し続け、子どもの成長を物語化し、子ども、教育の魅力を世界にまで発信したのは希有な事業と賞賛してもいいと思っています。子どもの成長を物語化し、子ども・教育の魅力を世界にまで発信したのは希有な事業と賞賛してもいいと思っています。

 以上が2限目の授業と補足です。様々な意見が出てくるテーマだろうと思っています。感想やご意見をお寄せ下さい。

 

 

 

『7月に入りました。蒸し暑さの中からの近況報告です。出版を祝う会として角川書店と合同で、9月9日に辻さんとの対談と二コマの公開授業を企画しました。詳細は「講演」と「著書」欄をぜひご覧下さい。

もう一つ、私が理事長をしているいしかわ県民教育文化センターでは、画期的な企画を準備中です。

高江でヘリパッド基地化と闘う住民・伊佐真次さんを講演に迎え、沖縄・戦争・日本・平和を「いしかわ県民教育文化センター 夏の交流研究集会において考え合います。8月27日(日)午後

教育プラザ富樫にて。今から日程を

新しい本を辻さんと共著で出版しました。角川新書で読みやすい・分かりやすいと好評です。

ぜひ、お読み下さい。二歳年上で近所に住んでいる義兄が5月に亡くなり、「いよいよ次はボクだなあ」という気が強くなっていますがまあ、何とか元気です。間質性肺炎は完治ではなく、ステロイド剤を今も飲み続け、小康状態維持というような感じです。毎月1回検査診察を受けています。講演にも熊本や宮城などにも出かけています。

 

    


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623日に退院しました。ご心配をおかけしました。間質性肺炎はなかなか完治しません。
完治をめざし、今後もステロイド剤の服用と医師の定期健診を受けて、「ボチボチト」行こうか!!という感じです。

下記二つの講座に遠く東北・関東・関西・東海・中部からももちろん近くからもたくさんの参加者がありました。
共に楽しく学べたこと、それがとても深いものであったこと、感想集が語っています。
参加、そして綴ること、ありがとうございます。HPに掲載しますので読んで下さい。

 

EDeCセミナー小学校期を考える「金森俊朗の授業論と模擬授業」(2016611日)
参加者の自由感想@(辻先生のまとめはラストに) 

2016625日(土)連続公開講座・・・野間紙芝居上演、金森

講演 「ナマの文化がひとをつなぐ!ハッピーをつくる!」 アンケート感想A

 



金森の体調だより

続編U:70歳を乗り越えるための体再編成か・・A20166月初旬

 

 前回(@20165月連休・・・この文の後に掲載)のラストに、担当医より「人込みの中に行かなければ外出・外泊はある程度可能。以前の入院時と同じく、5月9日より病室から月・火・木の午後、講義に通うことも、時にある講演に例え県外であっても大丈夫!」と言われたので、講義2つとゼミ3つは本人としては気分よくやり抜いています。終われば爽快感!

 医師に今後どうしたら再発を防げますか?と問うと、「暴飲暴食不規則生活やめるという一般的なことだけ。なるときはなるのでどうしようもありません。好きなことをしてください!仕事もしてください! 薬を減らすことをあせらずゆっくり直しましょう!!」とのこと。

 ということは、入院生活がながくなること!!以前よりは薬の服用を増やし(長くし)、その副作用が出ないように入院でチエックをし続けるということになる。612週の間に退院できるかも!という期待は吹っ飛んでしまいました。「先生、後、どれくらい入院しなければ・・・?」「薬がへった状態でないと退院は無理だから、3週間くらいかなあ」・・・。明言を避けつつ、急いではいけないとダメ押しされたのだった。

 前回のように6週間辛抱!と思っていたが、丸8週以上になる公算。医師が再発させた要因として、薬の投与が少なすぎたと考えているからです。仕方がありませんね。辛抱!耐えるのみです!

 

今でも土日は完全に自宅外泊なので、6月11日(土)1330〜 北陸学院大学にて

北陸学院大学公開講座・小学校期を考える「金森俊朗の授業論と模擬授業」の開講は、完全に大丈夫です。ぜひ、みなさんの参加をお待ちしています。とても意気込んで準備をしています。

 

【ぜひ、来たれ!!】

昨年、かつおきんや・作の文学作品「鈴」を取り上げて以来、今年は何をこそ取り上げて授業するか、ずっと気にし、悩んできました。皆さんととともに考える、今、最も子どもと共に読み味わいたい作品とは? そんなに容易に見つかったり、決めたりできそうにもありません。小学校の国語教科書をほとんど読み、5、6年生の目次をコピーし並べて考えました。それを見ながら、最終候補の2作品から、一つを選びました。人物像が読んでいくごとに確かに膨らみ、一つひとつの行動に納得がいくのです。最近の教科書教材の人物像が平面的で物足りず、それでいてかなり観念的なだけに、選んだ作品は骨太です。ラストは、これからの時代に大切な、大切な宝を絵として心に残してくれるでしょう。作者名と作品(プリント)は、当日参加するまで秘密!! です。

どんな授業になるか、強く期待していいでしょう。お待ちしています!!



                                         70歳を乗り越えるための体再編成か、寿命か ?!・・・20165月連休

 

 早とちりしないでよく読んで下さいね。・・・どうも体調がよろしくない。
 69歳の昨年の秋、肺がん手術。早期発見による初期がんを切除し、転移等一切なしの完治。2週間で退院だと喜んでいたら、手術によるストレスが引き起こしたと考えられる突発性間質性肺炎急性増悪に侵され、1か月半の入院を宣告される。治療のために大量のステロイド剤を服用。この薬は強く種々の副作用を生み出すため、入院していても1日、2回の服用だけであとは、検温・血圧・血糖値・酸素含有率の測定(チェック)を受けるだけの単調と我慢の生活。徐々に回復しても、一度大量に服用したステロイド剤を減らすことがとても難しいらしい。12月に退院しても、薬は4月になっても服用し続ける。
 

 2月、京都にて二晩連続で保育士対象に講演。快調に話し、アンケートでは二回とも予想以上の好反応にて驚く。二回目の講演も晩だったので、丸一日空いた。少し足を延ばして修復を終えた姫路城へ。駅から本丸までよく歩いた。京都に戻ったがまだ時間に余裕があったので会場近くの観光地、金閣寺に。途中で足、特に左足の足首上部が痛く歩きにくくなる。ここ最近異常を感じる症状だ。これが、副作用なのか、少し気になりつつあった。この症状が4月に肺の異常を感知するのを妨げたのではないかと今、考えている。

 3月16日定例の検診。肺の経過は順調に回復とのことで安心! 足の痛みについては、勧められ一週間後、整形外科で診察。ステロイド剤服用の副作用・動脈硬化が引き起こしたものではなく、「脊柱管狭窄症」で加齢によるもので、腰・足につながる神経の一部が狭くなり血行が悪くなっているが、薬の服用で、手術の必要はないとの診断。あ〜、またもや加齢!! やはり、昨年、長年続けてきた3000m級の登山はどうも足と体力に自信がなく諦めたのは正解だったのだ。次々と加齢がわが心身を襲う。 

 3〜4月、卒業式、新年度準備、入学式、新年度開始だがかつてから考えれば、心身の疲労はわずか。原稿執筆も講演もほとんどない。ただ、政治情勢は私の出番を強く求めた。石川でも、安保法制廃止・立憲主義の回復を求めるために、参院選において野党統一を強く進める市民連合の組織化が急がれていた。私にそのためのけん引役を強く求めたのは「いしかわ勝手連」と「戦争をさせない石川の会」(私は呼びかけ人の一人)だった。私自身も強く願った市民連合はようやく結成され、政党への働きかけが開始された。私はその共同代表のメンバーになり、マスコミにしばしば登場するようになり、近所の人々からも声をかけられるようになった。

 3月末、県庁での記者会見を終え、大学に向かうとき、信号で止まっていた私の車にかなり強く追突してきた車があった。体には異常が見られなかったが、車は部品不足もあって4月末まで代車であった。これによるストレスはかなりあったが肺炎とは無関係だろうと医師は言う。4月9日、立命館大学において教育実習を開始する400名の学生に特別講演。90分しゃべり続け、帰路も含め、体の調子は特に悪いということはなかった。 

 4月の定期検診は20日であった。この日、1限は他学科生100名を相手に講義。何か息苦しさをかなり感ずる。強い不安をもって病院へ。血液検査、レントゲン検査の結果は最悪! 明日から即入院、そして治療開始とともに5日後の気管支鏡検査を告げられ愕然とする。医師も先月まで良好だったのに珍しいという。間質性肺炎急性増悪の原因は専門医でもよくわからないという。入院後、考えられる原因2種の早期治療を検査結果の予想をもとに行うとのこと。一つは、間質性肺炎急性増悪に対してステロイドを、もう一つは、細菌感染に対して抗生物質を、点滴で大量に投与。結果、細菌感染は急激に減少し、したがって間質性肺炎急性増悪が主たる症状だと判明。 

 5月2日の血液検査、レントゲン検査の結果、徐々に回復しつつあるとのこと。4日には、担当医より「人込みの中に行かなければ外出・外泊はある程度可能。以前の入院時と同じく、5月9日より病室から月・火・木の午後、講義に通うことも、時にある講演に例え県外であっても大丈夫!」とのこと。病気そのものよりも、狭い病室に閉じ込められる状態でいることは大変な苦痛。変化、メリハリ、別の目標(活動・仕事)があるほうがはるかにベター。気を付けることは、肺の免疫抵抗力が弱くなっているので、他者から悪い菌(特に風邪・インフルエンザ)をもらわないこと。70歳を乗り越える重い宿題を与えられたと覚悟している。

6月からは、「講演会・おすすめ企画」に掲載するように、大学最後の大仕事、野間さんと共に「いのちの重さと深さ」をテーマにした連続公開講座を大学にて開催する。
ぜひ、みなさんに参加していただきたいと意欲をみなぎらせている。多くの人にぜひ広めて下さい。
 

慎重にされど後退せず生きたいものだ。


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病室だより? 退院しました!!

2015年夏の健康診断で右側の肺に対して「要精検」の判定。10年前に肺炎(右側肺)にかかり完治したが、徐々に消えるはずの影が消えないまま残っていた。そこで念のため、癌化等をチェックするためにも1年に1回,CTで精検を受診し続けていた。もういくらなんでも大丈夫との医師の勧めもあって、20133月でCT検査を終了。たぶん今回の影はその小さな残党だろうと検査をしたら、やはり大丈夫!!だった。確かに右肺が・・・。

ところが、なんと左肺下葉に小さな小さな異常が発見! 「癌の可能性あり」と指摘され、ペット検査を受ける。ほぼ間違いなく癌の可能性大と診断。ひょんなところから、不幸中の幸いの早期発見。

 

10月に入り、決意し手術!! 左肺の下葉における癌は、下葉すべて切除し、結果★「早期の早期の癌」で1.4センチの小さいもの、★周辺の血管・リンパ脈管への転移なし、★リンパ節転移なし にてすべて良好!で2週間で退院予定。外科的治療はなんと早い!!と喜んでいた。ところが。

 

ところが退院直前検査において、「原因不明、おそらく手術ストレスによると思われる」【間質性肺炎の急性増悪】にかかり始めていることが判明し、ステロイド剤投与による入院治療続行を告げられた。これも幸いなるかな早期治療開始!ということだったが「2か月の入院という診断」に大きな衝撃を受ける。講義は元気になれば補講は組めるが、1011月に応えている講演をどうするか? 緊急なキャンセル対応を求められ、焦る。 ステロイド剤は強い薬で、多方面への副作用が強く、病室でチェックを受けながら、毎日2回服用。熱・体温・血糖・血圧の全て正常! 咳・痰も出なく(唾液の分泌と共に手術前よりもとても好転・良好)、息切れなしで正常。毎日2030分は、リハビリ室で筋トレなど指導を受けながら運動を続行中。1〜5階の昇降もすべてエレベーターを使わずに歩行のみ。極めて健康そのもの。注意することは、薬が効き免疫が弱くなっているので、他者から風邪・インフルエンザ等の菌の感染を受けること。だから、病室でのお見舞いが無いほうがベスト。

 

医師より、気分転換・心身向上のためにも、土日は自宅にて外泊。ただし人ごみの中には行かないこと。大学での講義は、病院から出かけ、週に2〜3回くらいは行っても良いが、マスクは必ず着用し、学生と接触をしないで距離をとることとの指示を受けている。それに従って、水と金に2コマずつ補講を開始したところだ。

 

薬の服用効果は、少しずつ現れ、順調に回復しつつあるが、まだ退院見通しを告げられていない。癌手術2週間を含め、2か月間の診断書が出ている。闘うべき病気の身体的自覚症状が全くなく、薬剤投与治療のみがかくも長く、ただひたすらに静かに延々と続くことが何とも重ぐるしく、それが不安、ストレス、焦りを生み、運動・労働不足も相まって熟睡できず、「無理をしないで」という「ちょっぴりの無理をできないことが苦痛!」という贅沢? いくら読書が進行するといっても晴耕雨読ならいいが、病室からの兼六園の錦秋を眺めながら・・・、病棟の端からの医王の山並みを遠望しながら・・・・そうした闘いが最も主たるもの。

 

 あまりの多忙なときは入院でもして一週間くらいゆっくり休んでいたい、と思うが、それができなくてもやはり活発に生き、働き、飲み語らうことはやはりベスト。入院しているときに笠木透さんを失ったフォークグループ・でぇげっさ〜が結成20周年を記念してコンサートを開催(20151115日)。笠木さんの遺言とでもいうべき、「20周年はやるのだろう(創作活動を続けろ!)」との気迫の追い込みの言葉で、開催を決意し、しばし休んでいた創作活動にも取り組み、長野・岐阜の仲間も駆けつけ、盛大に。そこには当然スタッフ的に参加している私の姿はあったはず!が、医師から感染リスクが高いので、無理とのこと。泣く泣く参加を諦め、耐える。病気ってこれなんですね。共に生きる・戦う仲間の戦列から離脱し、病床で孤独と戦わなければならないこの淋しさ。やはり、つらい!!

 

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講演活動開始は基本的に12月から開催の予定ですが、日中は、大学の補講等に全力を注ぐ必要があり、外部への動きは止めようと思っています。1011月に企画されていた京都、出雲を始めとするたくさんの講演を中止し、主催者に大きなご迷惑をかけ、大変情けなく心苦しく思っています。関係者の皆様にこのページ上からも深くお詫びを申し上げます。

元気になって、医療関係者に感謝しつつ、以下の会に活躍できたらと願っています。

 

市民公開シンポジウム「医師と共に考える『いのちの授業』」東京慈恵会医科大学

1220日(日)13301730 東京慈恵会医科大学・大学1号館・講堂

【内容】

★基調講演:金森俊朗

★講演:豊島勝昭(神奈川こども医療センター)、小澤竹俊(めぐみ在宅クリニック)

   吉岡秀人((ジャパンハート代表)、中西敏雄(東京女子医科大学)

★パネルディスカッション

司会:南沢亨(東京慈恵会医科大学)、金森俊朗

パネリスト:青木清(上智大学)、伊勢真一(映画監督)、中川建朗(内閣府大臣官房審議官)

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・以上を入院中に書きました。1127日 金曜日、ようやく退院しました。26日から雷、風、みぞれまじりの大荒れ。朝方は真っ白。それもあって、4時に目が覚め、その後は眠れず(こんな日が入院中かなりありました)その日に予定している補講の内容を熟慮していました。お陰で、これまで触れることがなかった点についての理論考察がかなり深く広くできました。

2ヶ月間はやはり長く苦痛だったが、今はともかく、気分爽快! もちろん、ステロイド剤投薬治療は、自宅にて続行し、通院しながら、慎重に生活をというドクターの注意は履行中です。




NEW!!  金森先生の記事が掲載されました。
 

2015年スタートの挨拶

大学でのこと。「先生、資料プリントがあまりました」と最後尾席の学生が座ったまま発言。「68歳の私に取りに来いと言うの?敬老の精神、足りんなあ」「ええっ、そんな歳に見えません、まだまだ若〜いです」なんて声に、いい気になって働いています。大学はほぼ毎日出勤しています。今年度前期も1年生基礎ゼミ、2年生プロゼミ、3年生専門ゼミT、4年生専門ゼミU、講義は1年生「地域と子ども」、2年生「生活」、3年生「社会科教育法」、全学科1年生「総合教養」です。その他地域教育開発センターの長としての役職があります。必要とされている場があるということは幸せですね。

 昨年も鹿児島から北海道まで全国各地から講演を要請されました。昨年の特徴は、虐待に関わる団体・機関からの要請が多かったことです。厳しい状況下で、子どもに幸せを!と願う学校・学童・施設等の教職員や保護者の奮闘に接し、希望を実感しました。

本年の講演幕開けは、精力的に子ども映画教室に取り組んでいる若い映画関係者が主催する〈映画と教育〉(神奈川にて)や長崎県の福祉協議会の有志が実行委員会的なつながりで協賛金を募って開催する画期的な〈いのちを考える研修会・いじめ問題〉(長崎)です。もういい加減、講演要請も減少するのではと期待していますが、昨年延期になったスペイン始め、出雲、北海道など予約が入ってきています。

二人の孫を含めた幼子たちに、放射能と戦争の脅威を強めるいかなる事態も許したくない、残したくないと願う市民活動(石川9条ネット・戦争をさせない石川の会・原発をなくす石川県連絡会などの呼びかけ人、劇団文化座友の会理事、平和サークルむぎわらぼうし、学童保育や子ども劇場の支援など)もさらに増え、さらにゆったりの隠居生活は当分望めないようです。

本年もよろしくお願いします。




いしかわ県民教育文化センターでは、今日的な課題に迫る優れた教育実践や地域の教育運動を、多くの方々に気軽に読んで学習して頂くために、またセンターの存在を知って頂くために、リーフレットを発行しています。これまで年度末に『教育・共同・地域』誌を発行していました。しかし、15人以上の執筆者による労作の編集業務は、多忙な常任理事(現役教員)には不可能になると共に、苦心作が会員以外に広まらず(買われなく)、財政を圧迫していました。そこで、リーフレットの発行に切り換え、常任理事会での企画にそって金森が編集を担当し発行しています。
できあがった2冊を紹介します。ぜひ購読(1冊400円)し、仕事に活動に役立てて下さい。お薦めのリーフレットです。

この冊子のテーマを「つながり合う子育て・教育」としました。大津市立中学校のいじめによる自殺事件の過熱とも思える報道の渦中にも、その後にも次々に暴行・傷害や自殺を伴ういじめ事件が起こされています。今日の社会、とりわけ学校において、子どもと子どもたち・ 教師、日々の学びと自分づくりなどが豊かにつながり合っていない状況の現れでしょう。

 そのつながりを豊かに育んでいる「塾」が地域にあります。名前からしてユニークなこの塾の正体、魅力、意義を様々な角度から浮かび上がらせています。根本はやはり、子どもと子どもたちが秘めている立ち上がりの力に信頼を寄せることです。いじめを乗り越える学校での取り組みの本質もまたそう言いきれると考えています。
 読後、感想など聞かせてください
編集責任・金森
=目 次
◎いじめと向き合う
・子どもを信頼し子どもと共に問題解決に立ち向かう中にこそ希望がある
                              (金森俊朗)
・いじめを乗り越えるために・本音で語り合おう(北川茂)

◎私らしく生き、学ぶととができる居場所
 子どもの言動から学ぶ つながって!つながって!
                つながり万歳リレートーク(飯森博子)
   オレを出せる場・話せる場
   つらさをのりとえられる仲間・つながり・居場所…いつもそこは私の帰る場
   発達障害と不登校のわが子はたからもの
   子育ては自分探し
   息子の限りない未来に幸あれ!
   虐待児、母になる
   ご飯と一緒に、わたしのheart( ? )届けます

 私たち大人、とりわけ子どもの教育に関わる営みを職としている人や子育て真っ直中にいる親は、子どもは私たちの囲い込んだ枠内におさまり、期待を込めたレールをちゃんと走ると思いがちです。でも、子ども一人ひとりは、その身体と精神がまだまだ弱く柔らかい故に、成長発達のそれぞれの段階過程において、自然的文化的社会的環境や暮らし向きと暮らしぶり、あるいは関わる人々の人撃生き方によって、様々な撃轟く受けながら、生きています。それら他者と目分との緊張関係の中で、よりよく学びたい、もっと目分を分かってほしい、愛してほしいなどという発達主体としての願いを持ち、様々な言動と身体で表し生きています。今日、一見「常識的」でない表し方をしてしまう子もたくさんいます。その一人ひとりの「生きる物語」を子どもたちや保肇同僚と共に読み解きながら、願いに応え、共同で歩んだ記録を特集しました。
編集責任・金森
=目 次=
1.子どもの生活と思いを丸ごと理解するセンスを鍛えること
    今を生きる子どもの発達援助の専門家として
2.自分が見えてくる学びを目指して
    剛と剛を取り巻く子どもたちの関わりの中から
3.岡村実践検討座談会
    どの子も、仲間と共に成長したいと願っていることに確信を
    (岡村保子 加藤博之 金森俊朗 久田公平 松村一成 安原昭二)
4.青年教師に伝えたい
    子どもと共に学び、生きるって幸せ! (金森 俊朗)



北陸学院大学 臨床発達心理学 リエゾン・ブックレット

生きづらさに苦悩する子どもにむきあう 
子育て・教育への構図

【企画・編集・発行】  北陸学院大学 臨床発達心理学研究会 出版グループ
【販売】         いしかわ県民教育文化センター
【定価】         800円

【売り切れ・絶版】