9月7日(北見→美幌) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
全駅間歩き3日目(31.4km) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
北見から端野までは北見郊外の延長といった感じですが、 端野を抜けると、一気にローカル色が強くなります。 緋牛内の先で小さな峠を越えて、美幌町に入ります。 緋牛内から美幌町境にかけては、 峠越えに伴う若干のアップダウンがありますが、 昨日に引き続き、比較的なだらかなルートです。 初日は雨がぱらつき、2日目も雨が降りました。 今日は曇りのち晴れという予報ですが、 果たしてどんな一日になるのでしょうか。 |
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起きてみると、雨が降っていました。 あれ?今日、雨降る予報だったっけか?? 出発までに雨がやむと信じて朝食会場に向かったんですが、雨はいっこうに止む気配がありません。 朝食食べながらも、窓の外とテレビの天気予報に自然と目が向いてしまいます。 そして、とうとう出発の時間になってしまいました。 ホテルの入口でレインウェアを装備して、今日の全駅間歩きをスタートしました。 雨降っているのに傘を差さずに町を歩くのもちょっと変なので、併せて折りたたみ傘も差して歩きます。 2年前、傘差さずに雨の砂川市街を歩いたときは、周囲の目線がちょっと痛かった…。 歩き出してまもなく、昨日立ち寄った北見駅の横を通過しました。 駅前の道路も、雨ですっかり濡れていました。 |
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北見駅を後にして、国道39号線を北に向かいます。 北見は道東北部(オホーツク管内)では最大の都市ですが、 北見駅を過ぎると、あっという間に国道沿いも郊外っぽい雰囲気になりました。 ロードサイド型の店舗が軒を連ね、背後には住宅地が広がるようになりました。 北見駅から歩くこと30分。 今日最初の駅、柏陽駅が見えてきました。周囲は閑静な住宅地が広がっています。 高架化以前は簡素な駅だったようですが、高架化されてずいぶん立派な駅に変わっています。 |
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国道39号をさらに北に進みます。 郊外色はさらに強くなり、国道沿いでも農地が広がるようになりました。 雨脚は出発したときよりも弱くなったような気がしますが、 レインウェアや傘無しで歩けるほどではありません。 柏陽駅からさらに30分ほど歩くと、愛し野駅が見えてきました。 駅の近くにはロードサイド型のスーパーがあり、典型的な郊外といった感じです。 こちらは後年に新設された地上駅ですが、ホームや待合室は他の臨時駅上がりの駅よりも大きく、 通学利用をはじめとして、利用者が結構いそうな雰囲気でした。 |
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愛し野駅をさらに北へ進むと、端野市街が見えてきます。 北見から端野まで国道を歩くと、途中から農地が広がるようになるとはいえ、 両者が完全に切り離されているという感じはありません。 2006年に北見市に合併されるまでは「北見市」と「端野町」という別々の町だったわけですが、 両者の市街は一体化しつつあるようにも感じられます。 端野駅が近づき、民家も増えてきました。 さらに進むと、立派な駅前広場を持つ端野駅が見えてきました。 駅舎は、ちょっとメルヘンチックな新しい駅舎に建て替えられています。 端野駅は国道側には出入り口がなく、国道から駅に向かおうとすると、 駅の北もしくは南の踏切をいったん渡り、線路の東側に回り込まなければなりません。 ここから先は、農村色がいっそう強くなる区間です。 たぶん歩道も無いでしょうから、傘を差して歩きたくはありません。 幸い、雨脚はだいぶん弱くなってきました。 まだ少し雨がぱらついていますが、傘をしまって歩いてみたいと思います。 |
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ここから次の駅、緋牛内へは国道39号をそのまま歩いて行くこともできますが、 それだと少し距離が伸びてしまうので、国道を通らないルートで緋牛内駅を目指したいと思います。 駅の少し先で国道と別れ、中央橋で常呂川を渡ります。 相変わらず今にも雨が降ってきそうな空模様ですが、いつの間にか雨は止んでいました。 国道を外れると民家はまばらになり、周囲は畑が広がるようになります。 右写真の畑は、タマネギ畑ですかね。 |
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線路東側に広がる台地に登ると、テンサイ畑やジャガイモ畑が広がっていました。 広い畑の背後に小高い山が連なるのは、なんとも北海道らしい風景です。 テンサイは、別名「砂糖大根」とも呼ばれ、日本では北海道でのみ栽培されている作物です。 なんでも、日本で使用される砂糖の25%は、北海道のテンサイからつくられるそうで。 北見市近辺では、秋小麦・ジャガイモ・テンサイの輪作が行われているそうで、 タマネギ栽培で知られる北見ですが、およそ10%の農地でそのような栽培が行われているそうです。 周囲の見通しは良く、数百メートル先の道道を行き交う車も見えましたが、 今歩いている道を通行する車はほとんどなく、気楽に歩くことができました。 そういえば、空が少し明るくなったかも。 |
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台地を下ると、遠くに緋牛内の市街が見えてきました。 道道と合流すると、まもなく緋牛内市街に入りました。 緋牛内は車通りも決して多くない、静かで小さな集落ですが、 しばらく民家もまばらな場所を歩くと、都会に来たような錯覚を感じてしまいます。 ![]() 旧駅舎は取り壊され、小さな駅舎に建て替えられています。 改めて写真を見てみると、なんだか左半分がありそうなデザインです。 小さな駅ですが、駅前にはしっかりした駐輪場と 舗装された駅前広場が整備されています。 ここで昼食休憩にしました。 着いてまもなく、網走へ向かう特急列車がゆっくり通過していきました。 はじめのうちは、まだ一面雲に覆われていましたが、 駅を後にする頃には、雲に切れ間も見えるようになりました。 待ちに待った晴れ間がようやく訪れました。 |
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今日最長の駅間、美幌への駅間歩きが始まります。 厚く覆っていた雲はみるみる薄くなり、日差しがまぶしく照りつけるようになりました。 |
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緋牛内から美幌までは再び国道39号線を進みます。 緩やかな上り坂をしばらく進むと、美幌町のカントリーサインが見えてきました。 カントリーサインの湖はおそらく屈斜路湖ではないかと思います。 屈斜路湖といえば美幌峠が有名ですが、あそこでパラグライダーもできるってことなんでしょうか。 今歩いている町境周辺は、おそらく峠といえば峠なんでしょうけど、 どこが頂点かはっきりせず、道はいつの間にか下り坂に変わっていました。 美幌町に入ってしばらく進むと、眼下に美幌市街が見えてきました。 雲がかかってなければ、もっと先まで見通すことができたかもしれません。 上り坂を歩いたことも関係あるかもしれませんが、 美幌町に入ったあたりから、歩いていて急に暑さを感じるようになりました。 北見から緋牛内までの間、まったく暑さは感じなかったんですが…。 日差しがあるとないとでは、やっぱり全然違いますね。 |
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国道をさらに進んで、美幌バイパスの入り口が見えてくると、美幌市街はもうすぐです。 どこかで途中休憩しようと思っていたのですが、国道沿いは工場が点在していて、 適当な場所を探しているうちに市街地近くまで下ってきてしまいました。 結局、市街地に入る少し手前の草むらで休憩したのですが、 ちょっとがんばればそのまま美幌駅まで歩けたような気もします。 そして、そのまま美幌市街に入りました。 途中、国道沿いのセイコーマートで夕食を購入しました。 今日は美幌で宿泊するのですが、宿屋は市街から少し離れています。 おまけに、夕食は出ないそうなので、ここであらかじめ買っておくことにしました。 ![]() 網走川を渡り、しばらく進むと美幌駅が見えてきました。 立派な駅舎…のように見えますが、 左側の建物は「美幌林業館」という観光施設で、 JRの美幌駅舎は、写真右側の背の低い建物です。 まぁ、両者は一体化しているんで、 「立派な駅舎」と言ってしまってもいいような気もしますが。 途中休憩を挟みながら歩いてきたのですが、 美幌駅に着くころには、暑さはピークに達していました。 ちょっと大袈裟に言えば、「火が出るような暑さ」でした。 これは絶対25℃を越えていると思っていたんですが、 駅前の気温計を見てびっくり! 気温はたったの21℃だったんです。 半袖でじっとしていたら寒いくらいの気温です。 気温計、壊れているんじゃないの?? いやはや、重い荷物背負って長距離歩くと、体感気温ってここまで違うものなんですね。 さて、緋牛内からは晴れて一安心の天気だったんですが、 市街地に入る頃から再び雲が多くなってきました。 さらに、北の方からは「いかにも」雨が降りそうな、真っ黒い雲が迫ってきていました。 携帯で雨雲レーダーを見てみると、網走周辺に局地的な雨雲ができていました。 ホームに立ってると、北の方から遠雷も聞こえてきました。 先ほども触れたように、今日の宿は美幌郊外。 宿に着くまでは、ここからさらに1時間弱歩かなければなりません。 ここから先の国道沿いには、緊急待避ができる店や公共施設はありません。 最初は雨雲をやり過ごそうと思って、待合室で時間をつぶしていたのですが、 空模様は怪しいまま、雨はいつまで経っても降り出しません。 これ以上待っていると、宿屋に着くまでに日が暮れてしまうため、 ズボンだけレインウェアを着込んで、美幌駅を出発することにしました。 …雨に降られませんように! |
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目指す宿屋「びほろ後楽園」は、国道39号沿いにあります。 市街地を大きく迂回する国道を道道でショートカットして、北を目指します。 美幌郊外に向かう国道39号は歩道こそあれ、周囲はこんな感じです。 豪雨や落雷に襲われたらひとたまりもありません。 相変わらず怪しさ満点の空模様ですが、黒い雲が東へ流れているってことは一安心なのかな? 道路も濡れてないし、このあたりも雨には襲われていないようです。 日没時間が迫ると周囲は薄暗くなり、行き交う車もヘッドライトをつけるようになりました。 宿屋目指して歩いていると、網走方面から1台の車がやってきて、私の前で止まりました。 車に乗っていた方から、 「今日の朝、端野の付近を歩いていたよねぇ?」 「あそこからずっと歩いてきたの??」 と話かけられました。 そうだと伝えると、車に乗っていた方は驚いた様子をしていました。 いやいや、自分も内心びっくりです。 朝歩いているところを見られて、夕方になって話かけられるとは。 別に姿隠して歩いているわけじゃないから、そんなことがあるのは当然といえば当然ですけど、 その話をするためにわざわざ車を止めてくれるのも北海道らしいというか…。 どこに泊まるのかと聞かれて、この先の後楽園だと伝えると、 「それしゃ大丈夫だね、がんばって」といって走り去っていきました。 「全駅間歩き」は歩いてナンボというものです。行程中は車に乗るわけにはいきません。 ドライバーからの「車に乗っていかないか」という申し出を断る度に、いつも申し訳ない気持ちになってしまいます。 だから、車に停まられるたびに緊張が走ってしまうんですけど、こういう会話なら大歓迎です。 足取りも軽くなって、後楽園へ向けてラストスパートをかけました。 …もちろん、走ったわけじゃないですけど。 |
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雨に降られることなく、今日の宿泊地「びほろ後楽園」に着きました。 びほろ後楽園は、日帰り温泉、温水プール、ゴルフ練習場などがある総合レジャー施設です。 宿屋がメインというよりは、「宿泊もできる」日帰り温泉と考えた方がいいかもしれません。 実は今回、全駅間歩きとは全く関係ないアイテムを持ってきていました。 それは、水着。 実は、計画当初からここの温水プールで泳いでみようと考えていたんです。 まぁ、水着はカムイワッカ湯の滝でも使うつもりだったんで、ここだけのアイテムではなかったんですけど。 自室で夕食を食べて少し落ち着いてから、プールに直行しました。 ここのプールは、単なるプールではなく、温泉水を使ったプールです。 思い出してみれば、普通のプールよりもぬるっと生暖かい感じがあったかも。 そんなに混んでいる感じではなく、1レーン独占できる感じだったので、 クロールしたり平泳ぎしたり犬かきしたり、しばし自由気ままに泳ぎました。 プールで泳ぎ疲れたら、水着を脱いでそのまま温泉に直行しました。 ここの日帰り温泉には、もちろん露天風呂もあります。 露天風呂につかって、何気なく空を見上げました。 なんと、星が輝いているではありませんか! 宿屋に着いた頃は、まだ雲がびっしりだったのに!! いてもたってもいられなくなり、露天風呂を早々に切り上げ、 夜の10時というのに、カメラを持って宿屋を飛び出し、国道の暗がりまで行きました。 見上げると、すばらしい星空が広がっていました。 まだ宿屋の灯りも届き、時折通る車のヘッドライトがまぶしかったのですが、 そんなところでも、東京の何十倍も澄んだ星空でした。 肌寒さと時が過ぎるのを忘れ、しばし呆然と立ち尽くしていました。 明日は網走市街を抜け、釧網本線の藻琴駅を目指します。 明日こそ、こんな空の下で歩くことができますように! |
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