9月6日(金華→北見) 
 全駅間歩き2日目(30.8km)

距離 着時 発時
5 金華 6:55
6 西留辺蘂 4.6km 7:50 8:10
7 留辺蘂 1.8km 8:30 9:00
北見温泉 1.9km 9:22 10:35
8 相内 9.6km 12:28 13:30
9 東相内 4.9km 14:26 14:50
10 西北見 3.2km 15:25 15:55
11 北見 5.2km 17:00  
 今日は、北見市の中心・北見駅を目指します。
 留辺蘂より先は、北見盆地を進むことになるため、
 アップダウンの少ない平坦地が続きます。

 今日の行程は比較的短めの30km余りですが、
 だからといって、いつものペースで歩いても
 北見を出ると、美幌まで宿屋はなさそうですし、
 (実は、端野市街の外れにホテルがあるみたいですが)
 それなりに民家が多い場所にある駅が続くため、
 駅寝ができる駅もしばらくはありません。

 そんなわけで、距離的には比較的短いのですが、
 この日は北見まで歩くことにしました。
 

 朝5時に起きると、空はすっかり明るくなっていました。
 駅のホームに出てみると、線路の先に靄がかかっていました。
 昨日から相変わらずの曇り空ですが、すがすがしい気分になりました。
 始発列車が金華駅に入ってくるまでは、まだ2時間以上あります。

 昨日作ってしまった足の豆をテーピングした後、朝食を食べます。
 テーピングといっても、初めて宗谷本線を歩いた時に教わった、
 豆の周りに絆創膏で「壁」を作り、その上に絆創膏をかぶせ、豆を直接地面に当てないようにするだけなのですが。
 本当は、豆を作ってしまったら潰すのがセオリーらしいのですが、
 どうも潰すのには抵抗があって、今でも豆を作ったときはせっせとテーピングしています。
 もっと歩く距離が長くなれば、今の方法では通用しなくなるのかも知れませんが。

 朝食を食べ終わる頃には、時刻も6時半近くになろうとしていました。
 いそいそと道具を片付け、出発準備を整えます。

 始発列車到着まで30分に迫った6時55分、金華駅を後にしました。

 金華集落を出て、国道を南に進みます。
 集落を出ると、周囲は再び無人地帯となります。
 金華駅の近くに、「緊急時の公衆電話は3km先」的な看板が立っていました。
 このあたりがいかに隔絶されているかを示しているような看板であるような気がしましたが、
 冷静に考えてみたら、携帯が普及している今はあまり必要ないのかもしれません。
 携帯の電波が届かない、集落と集落の間でトラブった時は問題かも知れませんが。

 金華峠から続く下り坂を30分あまり進むと、国道39号と合流します。
 ここから先、網走までの区間は一部を除いて、この国道39号に沿って歩くことになります。
 国道との交点にあるコンビニで飲み物と食料を調達して、留辺蘂市街へと入ります。

 国道は、留辺蘂市街を迂回する形で進みますが、
 西留辺蘂駅に向かうために、市街中心部へ向かう道道に入ります。
 周囲は落ち着いた住宅地です。
 左手に留辺蘂中学校を見ながら石北本線の踏切に向かえば、
 西留辺蘂駅に到着します。

 西留辺蘂駅は、2000年に入ってから開業した新しい駅です。
 駅設備も他の駅に比べると新しさが感じられます。
 近年、石北本線の普通列車に金華行きが設定されましたが、
 この駅が設置されたために設定されたといわれています。
 留辺蘂高校の最寄り駅となるので、
 高校生を中心に多くの利用があるそうです。

 留辺蘂は、人口規模の面からも比較的コンパクトな町ですが、
 それでも西留辺蘂から留辺蘂までは2km近くあります。
 日常利用で鉄道を使うのであれば、確かに1駅欲しいところです。

 次は留辺蘂の中心部を目指します。
 一旦道道まで戻り、東に向かって歩きます。

 留辺蘂駅では、北見行きの普通列車入線と併せて
 駅構内に入場したいと思います。
 西留辺蘂駅でもう少しとどまっていれば、
 金華行きの普通列車が西留辺蘂駅に入ってきたのですが、
 そこまで待っていると、留辺蘂駅で間に合わなくなると思ったので、
 普通列車の到着を見ることなく歩き始めました。
 今から考えると、少しもったいないことしたと思ったり思わなかったり。

 石北本線の踏切を越えると、歩道にも模様がつくようになり、
 中心部らしくなってきました。


 留辺蘂駅に着きました。
 北見行き普通列車の到着時間が迫っていたので、入場券を買ってホームに向かいます。
 3分ほど待つと、金華からの普通列車が到着しました。
 朝ラッシュの通学輸送を担っているためか、列車は3両編成でした。
 数人の乗客を乗せ、列車は留辺蘂駅を後にしていきました。

 普通列車が出て行ってしまった留辺蘂駅の構内は閑散としてしまいました。
 留辺蘂駅前の郵便局に立ち寄りたかったので、郵便局が開く9時まで駅の待合室で休憩しました。
 まだ今日は歩き始めて数キロしか歩いていないので、疲れはほとんどありませんが、
 どうしても空模様が気になってしまいます。
 朝よりも明らかにどんよりとした空になっています。
 この先の北見温泉でも入浴休憩をする予定なので、そこまで天気がもつといいのですが。


 朝9時、駅前の郵便局でポスト型はがきを購入して、北見温泉を目指します。
 留辺蘂橋を渡り、しばらく東に進むと石北本線を越え、さらに進むと国道39号と合流します。
 石北本線の踏切を越え、留辺蘂市街も外れにさしかかったあたりで雨が降り始め、
 たちまち傘が必要なほどの雨になってしまいました。
 北見温泉も近いと思い、傘をささずに歩いたら、ほんの数百メートルでかなり濡れてしまいました。

 北見温泉は留辺蘂市街外れの国道39号線沿いにある温泉です。
 日帰り入浴できますが、宿泊することもできるようです。
 風呂に入る前に思わぬ「シャワー」を浴びてしまいましたが、気を取り直して入浴します。
 普段は気にならない浴場のタイルも、足に豆ができてしまうと歩く度に足に痛みが走ります。
 入浴後、豆ができた場所にテーピングをしますが、これが案外時間がかかります。

 テーピングしている最中に、地元の人に話しかけられました。
 どんな話をしたか、今となっては少し曖昧なのですが、確か
    「歩いて旅行しているのか、今日はルベ(=留辺蘂)から歩いているのか?」
      「昨日は金華駅で泊まって、そこから歩いてきました」
    「そっか、あそこは一応泊まれるもんなぁ」
 というような話をしていた記憶があります。

 北見温泉に1時間あまり滞在したあと、国道39号を東に向かいました。
 幸い、雨はやんでいましたが、空模様は依然として怪しいままでした。
 ここからしばらくは、歩いている人にとってはうんざりする、変化の乏しい直線道路が続きます。
 しっかりとした歩道がついているのがせめてもの救いでした。

 国道に沿って、タマネギ畑が続いていました。
 タマネギといえば、北見の特産品です。

 この時期が、丁度収穫の時期のようで、
 多くのタマネギが掘り起こされていました。
 なぜ掘り起こされたまま放置されているんでしょうか?

 後で調べてみると、これは「根切り」と呼ばれるもので、
 これによって貯蔵性や着色を向上させるんだそうです。

 収穫後は、左写真のようにタマネギをケースに詰め込み、
 乾燥させるんだそうです。
 タマネギに雨が当たらないするためか、
 ケースにはカバーがかけられています。

 とにかくほぼ直線の道路が続きます。
 国道39号は、旭川方面と北見・網走方面を結ぶ幹線道路のため、交通量も多めです。

 歩いている途中、私の横で1台の車が止まりました。
 北見温泉で出会った方が運転する車でした。
   「お、歩いているねぇ」
   「がんばれよ〜」
 一言二言交わすと、車は再び走り去っていきました。

 北見温泉から延々2時間近くかけて、相内駅に着きました。
 気づけばもう12時を過ぎています。
 歩いていると、時間が経つのが本当に早いです。

 またもぱらぱらと雨が降り出したため、
 外に出ることなく、待合室で昼食を食べることにしました。
 重い荷物背負って歩いている最中は体力を使うはずなのですが、
 反面、どういうわけか昼食の食欲はいつもあまりありません。
 「食べるぞ!」と気合いをいれないと(笑)、
 パン2〜3個くらいしか食べられなかったりもします。

 あまり食べなくても、夕食は普通に食べられるので、
 やっぱり単純に「食欲がないだけ」なんでしょうけど。



 相内駅を後にして、次の駅へと向かいます。
 途中、駅近くの相ノ内郵便局でポスト形はがきを求めたところ、
 あいにくの売り切れに愕然…。

 気を取り直して、国道を西に進みます。
 このあたりも、駅から離れると畑が多くなりますが、
 北見市街が少しずつ近づく関係か、
 国道に沿って、事務所やらロードサイド店舗やらが
 ぽつぽつと連なるようになります。





 東相内駅に着きました。
 国道を歩いている限りでは、北見郊外という印象を強く受けます。

 さっきまで空を厚く覆っていた雲が薄くなり、
 少しずつ青空も見えるようになりました。

 東相内駅を後にして、北見市街を目指します。
 東相内駅を出てすぐの踏切で、石北線の北側に出ます。
 畑が点在する道を西に進むと、いよいよ北見市街に入ります。

 北見市街とはいえ、まだここは市街の西の端。
 物流の拠点となる倉庫や関連事務所などがあつまるエリアです。
 生活感のない場所を歩いて進むのは、どことなく違和感を感じます。

 空の雲は消え、青空が広がりました。
 西日が背中から照りつけ、暑さを感じるようになりました。
 西日に向かって歩くよりはましですが、一歩一歩が少し重たくなってきたような感じがしました。


 西北見駅に着きました。
 この駅は、1986年にできた駅ということで、
 開業当時から無人駅で、駅の設備も待合室とホームのみとなっています。

 駅裏手の駐輪場には、多くの自転車が駐輪されており、
 駅の利用者が多いことを物語っています。

 東相内駅からは3km余りの道のりでしたが、
 日が照り始め、気温も上がったためか、随分疲れてしまいました。
 待合室で休憩していると、学校帰りの高校生がぽつぽつ集まってきました。

 いよいよ今日最後の駅間に入ります。
 西北見駅からしばらくの間は、閑静な住宅地の中を歩きます。
 北見駅の方向に向かっているはずですが、住宅地が延々と続き、
 本当に正しい方向に向かっているのか分からなくなり、思わず何度も地図に目をやってしまいました。

 それでも、しばらく歩いているうちに道路に歩道がつき、車の交通量も増え、気づけば商店も増えてきました。

 気温は25度あるかないかといったところだったと思いますが、
 体感気温は、西日の照りつけなども加わり、30度を超えていました。
 北見の中心市街が近づく頃には、汗が噴き出し、歩き続けるのが精一杯という状況でした。

 北見駅の少し南で国道39号に合流し、中心市街を少し進むと右手に北見駅が見えてきました。

 北見駅に着きました。
 道東オホーツク海側の中心都市にある駅だけあって、駅舎も駅構内も立派な造りになっていました。
 北見駅は、かつてこの駅から発着していた「ふるさと銀河線」に乗るために一度来たことがありますが、
 駅構内は、そのときよりも少し寂しくなったような気もします。

 今日は北見駅から徒歩5分ほどのホテルに宿泊します。
 30kmほどの道のりでしたが、距離の割に随分疲れた一日でした。
 やっぱり駅寝では十分に休養をとることができなかったのかもしれません。
 今日はゆっくり寝て、明日に備えたいと思います。
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