9月8日(美幌→藻琴) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
全駅間歩き4日目(35.7km) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
網走市の東にある藻琴駅を目指します。 きりの良さだけ考えれば 今日は網走でゴールにしておけばよかったんですが、 翌日斜里まで歩くことを考えれば、 もうちょっと先まで進んでおきたかったので、 網走市街を通過して、もう少し先まで進むことにしました。 当初は鱒浦まで歩くつもりだったのですが、 翌日のプランを考えるとそれでもちょっと窮屈なので、 藻琴まで無理矢理進むことにしました。 西女満別駅からは歩いて女満別空港に行ってみました。 女満別からは、メルヘンの丘と呼ばれる丘陵地を眺め、 国道に沿って網走市に入ると、網走湖を眺めつつ、網走市街へと入りました。 丘陵を越えるため若干のアップダウンはありますが、 初日や昨日のような、峠越えをともなうような目立ったものではありません。 果たして、今日はどんな駅間歩きになるんでしょうか。 |
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4日目にして、ようやく朝から晴れてくれました。 出発前に朝食を食べました。 ここの朝食はいたってシンプル。 パンとお茶が置いてあって、自由に食べてください的なものでした。 紅茶のお茶っ葉だったかパンのジャムだったか、結構バリエーションがあったような…。 係員はおらず、本当の意味で完全セルフサービスな朝食でしたが、 朝食があるとないとでは大きな違いです。 朝食食べ終わったら、4日目の全駅間歩きに出発です。 朝から晴れているって、ホント気持ちが良いです。 スタートしてまもなく、大空町に入ります。 女満別町と東藻琴村が合併してできた大空町ですが、 ここのカントリーサインは、北海道のカントリーサインで最も新しくできたものだそうです。 デザインは、旧女満別町のそれ(写真中央付近)をベースにしているようにも見えますが。 |
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国道をしばらく進むと、青看板の「西女満別駅」という文字が飛び込んできました。 たびたび秘境駅にも数えられる西女満別駅ですが、 天下の国道の道案内に登場するとは、ずいぶん進化したものです。 国道を右に折れ、町道を10分ほど進んだところに駅の入口がありました。 駅の入口は、注意して歩かないと見落としてしまいそうな場所にあります。 さらに、駅の入口といっても、直接駅が見えるわけではありません。 にもかかわらず、入口付近には駅へと誘導する看板類は一切ありません。 国道ではあんなに優遇されてたのに、町道に入ったらやっぱり秘境駅扱いです。 |
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未舗装の砂利道を少し歩くと、西女満別駅の待合室が見えてきました。 こんな場所にある駅だから、待合室も簡素なものなんだろう…と思いきや、 ここの待合室は案外しっかりした造りになっています。 今となっては驚きとしかいえませんが、この駅が有人駅だった時代もあるようです。 未舗装とはいえ、車も入れるアプローチ道路があったり、しっかりした待合室があるのは、 ある意味有人駅時代の名残なのかもしれません。 周囲の民家はまばらですが、 待合室の横には1台の自転車が止められていました。 今でも、定期的に利用する人はいるようです。 そういや、旅の帰りに西女満別で降りたときに、高校生がもう一人降りていたっけ。 さて、右の駅名標の落書きにもあるとおり、 この西女満別駅は、女満別空港に最も近い駅として知られています。 駅から空港まで2km近くあるため、重い荷物を持った人も気楽に…というわけにはいきませんが、 その気になれば行き来することは十分可能です。 というわけで、女満別駅への駅間歩きもかねつつ、 女満別空港に歩いて行ってみたいと思います。 |
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石北本線を越えるガードにさしかかったところで、 網走方面行きの普通列車が西女満別駅に到着しました。 列車はまさかの4両編成。時間的に、北見近辺の通学列車だったようです。 西女満別駅での乗降は無く、列車はまもなく西女満別駅を後にしていきました。 防雪林と台地の縁に挟まれ、西女満別駅はさながら「森の駅」のような雰囲気でした。 |
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坂道を上り、林を抜けると農地が広がっていました。 その先には女満別空港の建物も見えました。 ターミナルから直接乗降する空港連絡バスやらツアーバスやらで行き来していると、 空港の周囲がどうなっているか、あまり意識する機会がありません。 こう見ると、ずいぶんカントリーな場所に空港がありますよね。 確かに、飛行機で女満別空港に着くと、滑走路からも牧草ロールが転がってるのが見えて、 周辺に牧草地が広がっているってことは分かるんですけど。 |
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女満別空港に到着しました。 どんな場所にあっても、空港の建物はやっぱり立派です。 公共交通で空港行ったり来たりしてると、こんな場所から写真撮ることもあんまりありません。 |
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せっかく空港まで来たので、展望デッキに上がってみました。 真っ正面に滑走路が延び、滑走路をよく見渡すことができます。 訪れた時は、ちょうど札幌行きの飛行機が出発しようとしていました。 滑走路を勢いよく滑り出すと、飛行機はあっという間に北の空へと飛び立っていきました。 |
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女満別空港を後にして、女満別の市街地へ向かいます。 空港から市街へ向かう道には歩道が設けられており、住民の散歩コースにもなっていました。 滑走路の北端付近で、航空機の着陸コースを横切ります。 市街地に近づくと歩道の幅も広がります。 市街の中心で再び国道39号と合流すると、女満別駅はすぐそこです。 |
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女満別駅に到着しました。 駅舎らしからぬ、「おとぎの国の城」をイメージしたような駅舎です。 特急を含めたすべての列車が停車しますが、駅自体は無人駅です。 もっとも、駅舎は女満別図書館と一体化しているので、無人駅という雰囲気はありません。 駅までの道のりは少々雲が厚かったのですが、少しずつ雲がとれてきました。 駅舎とホームを隔てる扉の先には、澄んだ青空が広がっていました。 |
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女満別市街を抜け、次の駅へ向かいます。 市街地の外れには道の駅「道の駅・メルヘンの丘めまんべつ」がありました。 道の駅そのものは、普通の道の駅ですが、 道路を挟んだ向かい側には、北海道のイメージ画像に出てきそうな畑地が広がっていました。 写真だけ見せれば、「美瑛の丘」と言ってもごまかせそうな景色です。 このあたりは「メルヘンの丘」と呼ばれているそうですが、 言われてみれば、おとぎ話に出てくるような風景ともいえるかもしれません。 女満別駅のメルヘンチックな駅舎も、 「メルヘンの丘」にちなんで造られたものなんでしょうか。 |
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道の駅を過ぎた後も、見通しの良い畑地が続きます。 雲はみるみるうちになくなり、ついに空は雲一つ無い快晴になりました。 こうなると厳しいのは日差し。 見通しが良いということは日差しを遮るものもないわけで、 たいしてアップダウンをこなしているわけではないのに、体力はどんどん奪われていきます。 そして、汗が出てきて、のどが乾くという、疲れの悪循環。 長い直線をうんざりしながら歩いて、ようやくカーブが見えてきてほっとする。 でも、そのカーブを曲がったら、また長い直線が待っている…。 北海道の道路は、ドライバーにとっては走りやすいんでしょうけど、 歩く側からすると、だんだん嫌らしくなってきます。 |
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女満別川を渡って、網走市に入りました。 カントリーサインは、流氷とニポポ像です。 ニポポはアイヌの郷土玩具で、網走では件の網走刑務所で製作されるなど、 網走の特産品の一つに数えられています。 長い左カーブと石北線をまたぐ陸橋を越えると呼人(よびと)の集落に入ります。 そこそこまとまった集落で、駅前にはコンビニもありました。 |
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呼人駅に着きました。 次の駅はいよいよ石北本線の終点・網走駅です。 とはいえ、ここから網走駅までは結構距離があるので、ここで昼食休憩にしました。 駅で休憩していると、札幌行きの特急列車が通過していきました。 特急列車の旅は始まったばかり、札幌に着くのは陽が落ちる頃になるでしょうか。 ちょうど、今日の全駅間歩きもその頃にはゴールに着いているはずです。 |
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次の網走駅に向かって、引き続き国道39号を歩きます。 しばらく歩くと、左手に網走湖が見え隠れするようになりました。 歩道も湖寄りに設けられていて、ちゃんと空気を読んでくれています。 |
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湖岸に立ち寄ることができたので、ちょっと寄り道してみました。 網走湖の面積はおよそ30平方キロで、 北は網走市街の入口から、南は女満別駅周辺まで広がる、南北に長い湖です。 湖の標高は0メートルで、オホーツク海の海水が一部流入する汽水湖です。 湖ではボート競技などが盛んで、この日も別の場所でボートの練習をしている人を見かけました。 湖にもかかわらず、この日はちょっと波立っていました。 別に風が強かったというわけではなかったと思うんですけど。 |
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網走湖を抜けると、やがて常呂方面からの国道238号線と合流し、網走市街に入りました。 国道238号線との合流点付近に網走刑務所がありますが、 こちらは今現在実際に使用されている刑務所です。 観光地として有名な「博物館網走監獄」は、南の天都山の中腹にあるので、お間違いなきよう。 「博物館〜」の方は、網走駅から歩くと片道1時間くらいかかるので、 列車やバスで網走に来た人は、素直に路線バスとかハイヤーとか使った方がいいと思います。 とくに、流氷のシーズンとかは。 国道を東へ進むと、周囲の建物も市街地らしくなってきます。 背の高いホテルの建物が見えてくると、網走駅はすぐそこです。 |
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石北本線の終点・網走駅に到着しました。 駅前に掲げられた縦書きの駅名看板は、網走監獄の囚人が二度と網走に戻ってくることが無いよう、 横道にそれること無く生きて欲しいという思いがこめられているといわれています。 網走駅は、石北本線の終点であり、釧網本線の終点でもあります。 呼人駅方面から来た石北線の線路は、そのまま釧網線の線路となって東へ続いています。 ホームも途中駅のような構造で、正直なところ、終着駅という感じはあまりありません。 朝夕には石北本線の列車が、そのまま釧網本線に直通運転しています。 というわけで、全駅間歩きもそのまま釧網本線に直通運転したいと思います。 8km休みなしで歩いたのでちょっと疲れましたが、 もう少し進むことを考えると、あまり休んでもいられません。 休憩もそこそこに、釧網本線の駅間歩きに出かけたいと思います。 |
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網走駅から東に進むと、網走の中心市街地に入りました。 札幌や旭川といった北海道の大都市同様、整然と並んだ方形区画が延々と続きます。 中心市街地は比較的新しい建物が目立ちますが、 国道沿いにある永専寺の山門には旧網走監獄の正門が移築され、有形文化財にも登録されています。 |
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網走の中心市街は比較的コンパクトにまとまっており、 市街地を15分あまり歩くと、郊外へ向かう道道に入りました。 その道道を南へ5分ほど歩くと、釧網本線最初の駅、桂台駅が見えてきました。 桂台駅は、1967年に新設された仮乗降場上がりの小さな駅ですが、 官庁街へは網走駅よりも近いということもあり、利用者は結構いるようです。 坂道の途中に駅へとつながる階段があり、道路側に面した建物は待合室として使用されています。 待合室スペースは人工地盤で支えられていて、何となく無理矢理造った感が漂ってきます。 石北本線の駅ナンバリングは「A○○」という表記でしたが、 ここからは釧網本線となり、ナンバリングも「B○○」という表記に変わりました。 網走駅はA69、桂台駅はB79。 一駅で数字が10増えてしまいました。 これは桂台駅の数字が、札幌から千歳線・石勝線・根室本線・釧網本線を経由した駅数で表記されているため。 ここから1駅進むごとに、この数字も1つずつ少なくなっていきます。 |
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釧網本線の線路は、トンネルをくぐって海岸線へと抜けてしまいますが、 こちらは道なりに台地を登ってみたいと思います。 台地を登ると、網走南東の住宅地、駒場地区に入りました。 本通に沿って南へ下ると、次第にロードサイド店舗が目立ってきます。 中心市街地では見かけなかった大型店舗があちこちに見られ、 市民生活の中心が、網走の中心市街からこのあたりに移りつつあるようにすら感じられます。 |
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本通をさらにまっすぐ進むと、台地を下り、国道244号線と合流します。 左手には鱒浦の漁港とオホーツク海が見えます。 駒場周辺と比べると、ちょっと寂れた感じのする海岸沿いの集落をしばらく歩くと、 これまたちょっと寂れた感じがする鱒浦駅が見えてきました。 駅につながる階段も、良い感じにくたびれています。 駅は木造の無人駅で、ホーローの銘板が雰囲気を醸し出しています。 海から吹きつける風が強いためか、海に面した窓は小さくなっています。 ここから先の各駅も木造駅舎が続きますが、他の駅は駅舎に手が加えられていたりするため、 「ありのまま」の姿を残す駅舎という意味なら、ここが一番のような気がします。 日没時間となり、待合室にいても薄暗さを感じるようになりました。 当初の計画では、今日はここでゴールにする予定でしたが、 体力的には次の駅までなら十分歩けそうなので、もう一駅間歩いてみたいと思います。 |
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引き続き、海岸沿いの国道を歩いて、藻琴駅を目指します。 日没時間はとうに過ぎているため、時間が経つにつれてどんどん暗くなっていきます。 藻琴の手前で陸橋を渡り、釧網本線の線路を越えます。 歩道があるとはいえ、街路灯はほとんどなく、足下も暗さで見えづらくなってきました。 |
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今日のゴール駅・藻琴駅に到着しました。 昔ながらの木造駅舎とホーローの銘板が出迎えてくれたんですが…いかんせん、暗い! 一応写真は撮ったけど、明日の朝もう一度撮らなくちゃ。 かつて駅事務所だったスペースには喫茶店が入居しているのですが、 帰りの列車を考えると、ゆっくりしている時間はないと思ったので、今回はパスすることに。 駅周辺はそこそこまとまった集落で、しかも駅舎には喫茶店が入っているので、 駅寝はせずに、おとなしく網走市街まで引き上げることにしました。 歩いてるうちはあまり寒さを感じないものですが、列車待ちでじっと座っていると次第に寒くなってきます。 やっぱり喫茶店に入った方が良かったかな、と後悔しかかった頃に帰りの列車がやって来ました。 列車はわずか15分ほどで網走駅まで戻りました。 今日の宿は、網走駅に近い、とあるシティホテル。 素泊まりとはいえ、宿代は4000円を切っていて、とてもリーズナブルです。 ただ、部屋の扉を開ける時に思いっきり引っ張らないと開け閉めできないという難点が。 まぁ、あんまり出入りしなけりゃそんなの気にはならないわけですけど。 夕食は、これまた駅近くのステーキハウスで食べることにしました。 さんざん歩いた後にドリンクバーを注文すると、一般人の2〜3倍はドリンクバーを往復するのは約束です。 明日は、いよいよゴールの知床斜里駅を目指します。 |
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