98年6月のMac日記です。

6月1日6月2日6月15日6月16日6月17日6月18日6月24日6月25日6月28日6月29日


6月1日

MP3に興味が出てきて、ネットであちこち調べてみると、どうもダークな雰囲気のサイト
が多い。
やはり著作権がらみの問題が、常に付きまとってくるからだろう。とはいえ、そもそもは
JASRACの動きが鈍かったのも、原因のひとつとして挙げられるのではないかと思う。
まあ海外の音楽に関する問題は別だけど。

MP3にすると、1分あたりの音声データが1MB程度におさまる。音質もさほど劣化しない。
となれば従来のコンパクトディスクのフォーマットも危ないのではないか、という気も
してくる。
すでにMP3専用の小型CDプレイヤーも登場しているから、これが普及するようになると、
クラシックやテクノ、ミニマル系の環境音楽などを収録する形式としては最適だ。
何しろメディアは今までのCDと同じでいながら、一枚に74分どころか、650分の音源を収録
できるのだからね。
それに、この形式を使うと誰でも簡単に音声データをウェブで提供できるから、DTMや
インディーズの音楽家にとっては、非常にありがたい。圧縮率が高いから、聞きたい人間が
気軽にダウンロードできるし。

実際、新人の音楽発表の場にこの形式を使用しているサイトもある。
そこでは30秒程度のMP3データを試聴できるようになっていて、わりとアクセスも多い
ようだ。
ただ、こういったサイトも、ネット検索で「MP3」とキーワードを入れたときには、CDの
アルバム一枚そのままアップしている、といっためちゃくちゃ違法なサイトや何かと一緒に
なってヒットされてくるわけで、MP3というダークなイメージの中に埋没してしまう。
これはとっても残念。

また、MP3データの取り扱いに関しても、統一意見がみられないようだ。

・ダウンロードしてから48時間以内にファイルを削除すること。
・ダウンロードしてから24時間以内に音源を実際にCDショップなどで購入するか、
 データを削除すること。
・すでに音源を所有していないものに関してはダウンロードしないこと。

私が見た限り、以上三つが代表的なルールのようだ。さすがに何も注意書きがないサイトは
ほとんどないようだけど、それにしても、こうした基準もたぶん「自主規制」のようなもの
で、実際業界が乗り出してきた場合、こんな甘い条件で許されるとは思えない。
おそらく演奏時間は30秒以内とかあくまで試聴の域を出ない、そんな規制が施されるん
じゃないだろうか。

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6月2日

CD-R作成ソフトB'S CDR Proの4.0が届いた。先日アップグレードの申し込みをして
おいた
ものだ。いずれはToastを、と願っているから、バージョンアップするかどうかでずいぶん
悩んだんだけど、まあ値段も4980円と安いから、期限の迫っていたSoftWindows5.0の
アップグレードといっしょに申し込んだのだ。
まだ使っていないし、マニュアルを斜め読みしただけだけど、まあまあ使いやすくなってる
ようだ。

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6月15日

今日発売の雑誌MacPeopleには、ほんの少しだけMP3の話題が載っていた。
この日記には、原則としてマックに関係のあるできごとをすべて書くことにしているが、
あまりにもマイナーな話や、危ない話を持ち出してもしょうがないので、その際の公共性や
公益性を判断する場合、マック専門雑誌に掲載されているかどうかを判断の基準にする
場合がある。
MacPeopleもそうした雑誌のひとつだったので、
「これでMP3に関する、くわしい話がかけるかなあ」
なんて期待したんだけど、よく読んでみると、この記事も、やはりはれ物に触るような
トーンで書かれていて、やはりこうした著作権に抵触しそうな話題はタブーなんだなあ、と
あらためて感じた。

今日MacPeopleを買ったのは、もうひとつ理由があった。それはQuickTime3.0日本語版。
今度のインストーラは、英語版が入っていると動かないようになっていて、その理由について
もReadMeを読めばわかる仕組みになってる。親切になったなあ、と思った。
もっともQTにかんしては、いぜんから英語版/日本語版の入れ換えの際にトラブルが必ず
起こっていたから、すでに英語版を入れているぐらいのひとなら、今回も日本語版に入れ
換えるときのトラブルは想定済みだろうし、このReadMeに頼らなくちゃならないタイプの人
なら、そもそも英語版を入れてたりしなかっただろうけれどね。
ただ、QuickTimePROを入手するのに、また米Appleのサイトに飛ばなきゃならないのは、
不自然だと思う。聞いた話によると、英語版ですでにアップグレードしたひとも、日本語版
PROを入手するには、もう一度登録して金を払わなきゃならないみたいだし。

さて、そろそろNortonの4.0にかんする噂があちこちで聞かれるようになってきた。
なんといってもHFS+対応のSpeedDiskには、とにかく期待しているし、一刻も速く出して
ほしいと思っているんだけど、Symantecのサポート用NewsGroupにも、信頼にたる情報
はまだ出てきてない。
今年中には出てくれるんだろうか。
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6月16日

昨日ちょっとNUMに関する話を書いたが、そんなこといっている間にSpeedDisk4.0の
ベータ版が発表された。
これはHFS+対応のデフラグソフトで、日常的な部分では、こいつを期待していたため、
とてもうれしい。
ただ、あくまでベータ版であるから、まだまだ手を出そうとは思っていないけれどもね。
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6月17日

6月に入ってからMP3の話ばっかりしていて、なんか変な雰囲気になってるかもしれないな、
なんて考えはじめていたんだけど、明日発売の「日経Mac」でも、MP3の特集をするみたいだ。
ずっと日の目をみていなかったけど、もう無視できなくなりつつあるからかな?
とにかく、あんまりダークな印象を強めるような記事にならないでほしいと期待している次第。
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6月18日

SoftWindows5.0が届いた。だが今のところ、ハードディスクのあきがあんまりないので
インストールできない。
何のために買ったんだか^^;

さて、昨日書いた「日経Mac」の記事について。特集は2ページのごくちいさいものだった
ので、立ち読みですませてしまった。
内容的にも、記事自体にはたいして見るべきものはなかった。
ただ、画期的だったのは、実際にMP3を再生したり作ったりするソフトの存在について言及
していたことで、いくらこれらの情報がネットでちょっと探せばすぐに手に入るものだとは
いえ、活字にしてしまったのはマック総合誌でははじめてだろうと思う。
もう一度、記事そのものの話に戻る。まあ危惧していたとおり、ダークな印象を読み手に
抱かせてしまう書き方にはなっていたと思うけれど、それは著作権意識の高い、パソコン
業界の雑誌である以上、仕方ないことなのかもしれない。
「著作権意識の高い、パソコン業界」、と書くと、Warezなどを思い浮かべて
「そんなことないぞ」と思うひともいるだろう。
だけど、考えてみれば、個人の思惑よりも、メーカーの意向の方が絶対的に強いのが、この
業界じゃないだろうか。
そもそもソフトウエアの「使用許諾」という考え方が、他の産業ではまずみられない、ごく
特殊なものだ。
自分で代価を払って入手したはずのものが、メーカーから使用する権利をもらっているだ
け、なんて文書で警告される。しかもその使用方法まで制限されていて、より快適で便利
な使い方を見つけだしたとしても、そのためにソフトを改造したり、内容を解析すること
(リバースエンジニアリング)は厳禁だ。
そんな商品、コンピュータのソフト以外に、いったい何があるだろう。
たとえばビデオや音楽CDにしたって、確かに「個人で楽しむ以外の用途には使えない」旨が
記されてはいるが、バックアップ用に一回だけコピーしてもいいですよ、と記されている
音楽CDなんて、お目にかかったことがないし、CDに比べれば、コピーガード信号が施されて
いるなど、多少著作権違反にたいする対策がとられているビデオソフトにしても、これこれ
こういう条項を守らないなら、このビデオを開封しちゃいけませんよ、なんてふざけた表記が
外箱に記されているものなど、まず存在しない。
もっとも価格面をみると、音楽CD < ビデオソフト< コンピュータソフトの順に、高価に
なっていく。
ということは、違法コピーなどされた場合、メーカーの被る損害も、この順番に増えていくわけ
だから、著作権違反に対する警戒が、この順番に大きくなっているのも、メーカーの論理と
しては当然なのかもしれない。
だが問題なのは、そうした警戒心を基準としているこのコンピュータ業界が、音楽や映像の
ソースがコンピュータにかかわってくる際にも、PCソフトにたいする考え方をそのまま当て
はめようとするところにある。

たとえば自分の買った音楽CDを、テープやMDに録音し、自分の好みの順番に編集する、なん
てことは、誰でもやっていることで、こうした趣味も「個人で楽しむ」範囲として、社会的に
容認されている(はずだ)。
それが、CD音源をハードディスクで編集し、自分の好みのCD-Rに焼いたり、あるいはMP3に
して容量を減らしたり、なんてことになると、とたんに悪いイメージで見られたりする。
音源をAiffファイルに変換することは、マックの標準環境でも容易にできるのに、その方法に
ついてはマニュアルでも雑誌でも、ほとんど語られることがない。
動画にしてもそう。高価な動画編集ソフトを購入しなくても、MoviePlayerだけで動画の
一部を取り出したり、順番を換えてみたりなど、編集もある程度はできるのに、どういうわけ
だか、あまり語られることがない。
たぶんこの業界では、ソフトの著作権にたいする警戒が非常に強いがため、たとえ他の分野の
ことであっても、こと著作権に触れそうな状況になると、一様におなじ基準で対応すればよい、
という考え方が強いのだろう。
だから、そういうがちがちの方針が「個人の楽しみ方」に抵触し、なんか不自由な気分を味わさ
れることになる。

音楽CDに使用許諾の契約が明記されていないのは、確かに値段の問題もあるだけろうけど、
同時にそうした条項が、ふつうのひとたちにとってはわずらわしいだけのもので、
「そういうのをいちいち気にしなくちゃならないぐらいなら、もう買わないよ」
と、購買意欲をそぐ結果につながる恐れがあるからだと私は思う。
それをメーカーも承知しているから、「個人で楽しむだけ」との注意にとどめているのでは
ないか。
一時大流行した貸しレコード屋、今なら貸しCD屋が一時はほとんどなくなったものの、いまだ
に残っているのは、完全にレンタルCDを禁止してしまうと、CDの購買層そのものが、さらに
減少してしまうことをメーカーが理解したからだろう。
だからこそレンタル一回ごとに著作権使用料を徴収する、という形で音楽CDのレンタルが
生き残ってきた。
その点に関しては、レンタルビデオもまったく同じだ。

コンピュータのソフトについては、確かに価格の問題もあるし、CDやビデオのように、
コピーでデータが劣化することがほとんどなく、またコピーの防止も困難だから、これら音楽や
ビデオと同じ基準を適用するのは確かに無理だろう。
だけど、「使用許諾」という契約が、コンピュータソフトの使用者の広がりを阻害する要因に
なっていることも、メーカーは理解しておくべきだと思う。
何しろ製品版のソフトは、試しで使うこともできないものね。いわゆる試用版だの評価版と
呼ばれるソフトは、どうしようもないぐらい機能が限定されているし、しかも有名なソフトの
ものしか作られてない。

こうした状況に不満をもつひとたちの一部は、シェアウエアを作ったり使ったりして、市販の
ソフトから離れていく。ひとの善意を信用して、未登録でもほとんどフルの機能を試用できる
ソフトを提供したり、使ったりすることで、できるだけ市販ソフトとかかわらない方向に走る。
FreeBSDやLINUXといったPC-UNIXの人気も、この流れとまったく無関係ではないと思う。
そして、もういっぽうが、いわゆるWarezの世界に入り込んでいく。
この2種類のひとたちは、道徳観には天地の差があるとはいえ、どちらもコンピュータソフトの
「使用許諾」やら著作権問題、試用版の機能制限といったことがらに不満や不自由を抱いている
ひとたちだ。
で、MP3に関しては、今のところこの両者の中間、いわばグレーゾーンに位置している。
だから、あんまりその技術を悪用している話とか、悪い部分ばかりを取り上げたり、話題に
する際にいかにもアングラの話だ、といわんばかりの語り方や記事の作り方をするのは、
できればやめてほしいものだ。せっかくの新技術でもあることだし、うまいこと日の当たる
場所で生き延びていってほしいと思ってやまない。

・・・とか言っているくせに、この日記ではMP3のプレイヤーやデコーダ、つまりMP3を再生
したりWAVやAIFFからMP3を作ったり、その逆を生成するソフトにかんしては、その実名や
ありかを記していない^^;
そういうことを書いてしまうことにためらいがあるのは、やはり私もこの技術を危ないものだと
考えているから、ということになるんだろうか。
だとすれば、自分の意識改革という意味でも、MP3をもっとみんなに伝える手助けをするべき
じゃないか、とも思うんだけど・・・うーん。

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6月24日

PhotoShop5.0のアップグレードを申し込んだ。2万5千円はきついけど、まあ、普通に買うことを
考えれば・・・。
それに、もしかしたら5.0では、最近の症状が改善されているかもしれない、とのいちるの期待もある。
これでもだめだったら、HFS+フォーマットをあきらめないとならないかもしれない。

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6月25日

ClusterWorksとEVEを買った。
ClusterWorksは、以前EXPOでかったフロッピー版とは別の製品版で、ハイブリッドのCD-ROMになっている。
モジュールもいっぱい増えているし、2800円は安い買い物だと思う。
EVEはピーター・ガブリエルの新作ゲームソフトで、実をいうと内容よりもそのコンセプトに惹かれて購入したもの。参加者の中に草間彌生の名前もあって、それでおや、と思った。
ソフトの中のリーフレットに本人が記している通り、草間彌生の作品は、強迫観念がモチーフになっていて、体験した人に強烈な印象を抱かせる。私も大好きというわけではないけれど、どうも気になるところがあったから、このソフトに中で彼女の作品を見るのが少し楽しみになっている。
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6月28日

やっとルータを買った。結局コムスターズになった。価格は4万円台半ばにまで下がっていたが、やはり品薄。マック専門店ではまず見つけられないので、DOS/Vの店で買った。
マック関連のものを買う時にも、今回ほど迷って悩んだことはなかったけれど、それは結局、これを買うってことが、そのままISDNに回線を変えるってことを意味していたからだった。
現在の通常回線より回線使用料金は上がり、しかも一部サービスはなくなってしまう。
そんな状態にしてまで、速い接続を望む必然性があるんだろうか、という気持ちがあったのだ。
が、エリアプラスもISDN回線で実施されるようだし、負担増は回線使用料と各種サービスの基本料金の上昇分だけで済みそうな見込みになってきたため、これで申し込まなかったら、もう当分このままだろう、という気持ちになって、それで後押しされるような感じだった。
さて、そのコムスターズだけど、説明が完全にWindows向けに書かれていることを除けば、それなりに満足できる性能だと思う、もっとも実際に回線につないでみないことには、使用感まではわからないけれど、こればっかりはNTTに早くつなげてもらうのを待つしかない。
そのあたりの話については、また後日に記すことにする。
今日の秋葉原は、色々なキャンペーンがさかんで、Appleも風船を配っていたものだから、私もひとつ、もらってきてしまった^^;

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6月29日

ルータを買ってからISDNの申し込みをする、という段取りの悪さのせいだろうか、工事に入るのが7月下旬になる、と言われてしまった。
たぶんそれよりは少し早くなりそうな感触なんだが、それでもあと半月は、モデムの通信のまま、ということになりそう。
まあ、あわてず待とうとは思っているが。
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随時続く・・・
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