作成:1999/08/18
更新:1999/09/05

読書録

1999年8月分


作者名 脇 英世わき ひでよ
作品名 LINUXがWindowsを超える日 オープン・ソースが世界を制する
出版社 日経BP社
版数1999年7月19日初版1刷
ISBNISBN4-8222-4148-3
フィンランド生まれの
一青年が開発した
無料ソフトLINUXが
無敵のソフトウェア帝国と
その皇帝を震え上がらせている

 LINUX本というよりはむしろ、最近のソフトウェアテクノロジィズのことを文科系の人にも判るようにした脇先生らしい本っていう感じ。
 話題に上っているのは、LINUX、オープンソース、JAVA、WEBブラウザ戦争ということなんだけど、結構面白くまとまっていると思う。
 取り分け個人的にはSambaの話は個人的に知らなかった話だったので笑えました。いやあー流石はWindowsを繋げるだけあって、「わけわかんないけど、できました」というのは、そのままやないかあ・・・(笑)。

 元気があれば「オープンソース」とかと併せて、digitalへまとめる予定。


作者名 合原 一幸あいはら かずゆき
作者名 黒崎 政男くろさき まさお
作者名 高橋 純たかはし じゅん
作品名 神はカオスに宿りたもう 哲学者クロサキと工学者アイハラの
出版社 アスキー出版
版数1999年8月8日初版発行
ISBNISBN4-7561-3133-6
ゲームよりも面白い!
カオスは21世紀の科学を救えるか?
     哲学者が体験する応用数学最前線。
  複雑系を知りたいあなたに贈る、
          前代未聞の解説書!

 工学者じゃ哲学者を超えることができるか?という作品ではないが、結構対決ムードが楽しい対談集である。
     y=ax(1-x)
 から始まるカオス談義は本当に昔失ってしまった研究意欲というか、ものめずらしもの好きの血が騒ぎます。
 おまけで表計算(EXCEL97)でカオスを試しみるというページもあります。
 知的冒険としては面白いです。
 個人的には昔読んだ確か新潮文庫からでているカオス本と並んでお勧めしたいカオス本だったりします。複雑系では個人的には講談社新書の複雑系の本がいいと思います。


作者名森 純もり じゅん
作品名八月の獲物はちがつのえもの
出版社文藝春秋文春文庫
版数1999年8月10日 第1刷
解説小梛 治宣おなぎ はるのぶ
ISBNISBN4-16-725102-7
サントリーミステリー
大賞受賞作 第13回

「あなたに10億円差し上げます」
条件は1カ月間生存すること

 魅力的なキャッチに吊られて購入した作品。いやあうちも8月18日は3億円×2=6億円あたる筈だったんけど、来年まで先送りしました。
 解説によると、森純氏の処女作とのことであるが、残念ながら既に作者は死亡している。残された作品は、1996年の「八月の獲物」、98年の「火曜日の聖餐」、99年「墜ちた鷲」の三作で、未完の遺作とし「銅鑼(ゴング)」があるという。


編著クリス・ディボナ
編著サム・オックマン
編著マーク・ストーン
翻訳倉骨 彰くらほね あきら
作品名オープンソース・ソフトウェア彼らはいかにしてビジネススタンダードになったのか
出版社O'REILLY
版数1999年7月24日 初版第1刷発行
ISBNISBN4-900900-95-8
マイクロソフトれるのは
Linuxだけではない!

"オープンソース"という革新的な開発モデルと
フリーソフトウェアを源流とする文化である。

 色々と話題になっている本である。
 翻訳が超訳(誤訳?)という話もあります。山形浩生さんの「わたくし、倉骨訳『オープンソース・ソフトウェア』(オライリー)の翻訳 に深い憂慮を抱くものでございます。」http://www.post1.com/home/hiyori13/freeware/hdomcorrect.html という過激なページもあったりして。
 といっても、全訳を読むにはこれしか無いわけでありまして・・むにゃむにゃ。


作者名殊能 将之しゅのう まさゆき
作品名ハサミ男SCISSOR MAN
出版社講談社講談社ノベルス
版数1999年8月5日 第1刷発行
ISBNISBN4-06-182088-5
最近、推理小説らしい推理
小説がないとボヤいている
人へ。   −−法月綸太郎


  第13回メフィスト賞受賞作

 タイトルで判る(人は判る)ように、XTCマニアがXTC&ミステリファンに宛てた、本格ミステリである。
 残念ながら、70年代のみのXTCファンの私には、理解できませんでした(^^;;)。でもまあミステリとしてはやられてしまいました(とほほ)。
 ということで、結構お勧めだったりします。ちなみに、もう少したったら(99年9月9日頃?)には、るな先生のXTC関連HPが仮公開される予定(未定)。


作者名北村 薫きたむら かおる
作品名六の宮の姫君A GATE TO LIFE
出版社東京創元社創元推理文庫
解説佐藤 夕子
版数1999年6月25日 初版
ISBNISBN4-488-41304-8
誰もが毎日、何かを失い、
何かを得ては生きていく
”もうひとつの卒論”が語る人生の機微

 ヘビーな作品の後や異常心理を扱った作品を読んだ等は、北村薫さんのこういったほっとする作品は本当に良いです。
 本作は「空飛ぶ馬」(短編集)、「夜の蝉」(中短編集)、「秋の花」に続く<円紫師匠と私>シリーズの4冊目。「私」は大学4年生になっており、卒論を書くということと就職先を探すという状況にある。
 まあ後は読んでのお楽しみなんだけど、個人的にはアプローチの仕方は面白いけど作品の完成度というかミステリ部分の完成度はいまいちだった感もあり。この手の歴史もの関連ならやっぱ、明石散人さんの作品が出色だと思う。


作者名大下 英治おおした えいじ
作品名風と拳小説・大山倍達≪修行編≫
出版社廣済堂出版廣済堂文庫
巻末対談ゲスト:スランシスコ・フィリオ
版数平成11年8月1日初版
ISBNISBN4-331-60764-X
史上最強の武道家
"ゴッド・ハンド伝説"
決定版!!

 世界一強いものは誰か?
 いやいやかっては、世界一のプロレスラーになりたかった。
 今ならば、K−1か?あるいはバーリー・トゥードゥーの1番か?
いずれにせよ、今から25年ほど前、世界最強の格闘技が空手だったと一部では思われていた訳で、それが梶原一騎の発明に近いものであったとしてもそれはそれで良い。
 今なお、その流れを汲むマンガや小説の流れはあるわけで、私がこよなく愛している「グラップラー刃牙」なんぞもこの流れに属していると言ってもいいでしょう。

 この作品ではマス大山の生い立ちから戦争、戦後直後、そして渡米前(昭和26年)までが書かれています。
 何故か、この作品と上の北村さんの「六の宮」とに関連する菊池寛が出てきていたりします(ちょっとだけだけど)。


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