作成:1999-06-03

読書録

1999年5月分(3) & 6月分(1)


作者名:中島 平太郎・井橋 孝夫・小川 博司
作品名:CDファミリー総合マルチメディア選書
出版社:オーム社出版局
版数:平成8年4月25日第1版第1刷
ISBN:ISBN4-274-07834-5

 1982年にCDDA(コンパクトディスク・ディジタルオーディオ)が商品化された。アナログディスクとの売上げの逆転も記憶も新しいがそれでも既に10年近く経過している。
 本書は、CDDAベースに90年代に生まれてきたCD-ROM、CD-R、ビデオCDそして、PC-WAVEをして鬼と言わしめたDVDについてまさにコンパクトにまとめられた、技術解説書である。表現等は平易であり、判りやすい。
 ディジタルオーディオというか主にCDで問題になるジッタ(jitter)についても言及されており、目から鱗が落ちる内容である。
 また、CD-R本は最近一杯でているが、技術的な裏付けのないものが殆どであるが、この本は流石に全然違う。
 一般的な入門書とは全く異なるが、物事の仕組みを知りたい人にとっては、バイブル的な本。
 因みにこの本は、LINKにあるefu's page(ディジタルオーディオ関連、CD-R別ジッタ解析等高度かつ興味深い内容のHP)で参考書としてefuさんが推薦されていた本。
 私も推薦させて頂きます。続編あるいは改訂版も期待します。


作者名森 博嗣もり ひろし
作品名黒猫の三角森ミステリーの華麗なる新展開
出版社講談社講談社ノベルス
版数1999年5月5日第1刷
ISBNISBN4-06-182070-2

 一年に一度、一定のルールに従って 起きる殺人事件!!

 犀川&萌絵シリーズに続く、新シリーズの一冊目。先行して「地球儀のスライス」という短編集が講談社ノベルスから出版されており、その中でもこの新しいシリーズのキャラクタが登場しているが、空白の知識で読みたかったので、こちらを先に読み始めることにした。
 結果は?前半は中の下、中盤は中、後半は中の上といったところか。
 少なくとも「すべてはFになる」程の衝撃はないんだけど、理科系キャラはこのシリーズでも結構面白い(かなりあっちの世界にいっているけど)。
 しかし、それにしても登場人物の「小鳥遊 練無」なんて絶対に読めない(^^;;)。
 因みにネタバレになるからなにも書かない。


作者名法月 綸太郎のりづき りんたろう
作品名法月綸太郎の新冒険
出版社講談社講談社ノベルス
版数1999年5月5日第1刷
ISBNISBN4-06-182065-6

 全編 これぞ 本格!

  • イントロダクション
  • 背信の交点(シザーズ・クロッシング)
  • 世界の神秘を解く男
  • 身投げ女のブルース
  • 現場から生中継
  • リターン・ザ・ギフト
 という、イントロを除き5編から成っている短編集。
 背信の交点ではワイヤーの154が出てくるなど相変わらずのロック好きを露呈しているのが好感が持てます(^^)。
 個人的には、背信、世界の神秘が好きなんだけど、印象深いのが、身投げ女のブルース。この作品の異色・ダークな部分が個人的にはもっとも合っているなあと思った次第。
 因みにこののりりんといえば、私が新本格にはまる直接のきっかけとなった作家であり、思い入れもある。長編読みたい!


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