邪神の像を手に入れた3人は、いよいよ最終決戦に臨むべく、ベラヌールの町を目指していた。ハーゴンはまやかしの術を得意とする邪教の教祖。その配下にはこれまで見たことも聞いたこともない、強力なモンスターたちが控えているに違いない。3人は緊張しつつも、「もうすぐ冒険が終わる」という安堵感から、笑顔を見せることが多くなった。
「あ、雪だ」
りんご君が立ち止まり、ふと空を見上げながらそう呟いた。ゆたすけも、りんご君の目線を追うように空を見上げた。
星のない真っ暗な空から、はらり、はらりと、小さな雪がまばらに落ちて来る。
そういえば、ゆたすけは思った、ぼくたちが冒険を始めてから、もう2年も経ってるんだな(笑うところです)。
長いようで短い、でもやっぱり長い、ところが何となく短い、かといって長いような、なかんずく短い、そんな2年間であった(どういうこと)。ぼくたちもがんばったけど、読者のみんなもよく読んでくれるよなあ(爆笑)。お客様は神様です。
「寒いね」
軽装のりんご君は、そう言ってゆたすけを見た。
りんご君と出会ってから、もう2年近く経つんだなあ。ゆたすけは今までの冒険を振り返ってみた。
りんご君の寝顔を見るためにラリホーアントを利用したり(第14章参照)、空飛ぶマントを使って2人で飛ぶ夢を見たり(第18章参照)、尾崎紀世彦の歌をBGMに踊ったり(第20章参照)、一緒にお風呂に入ってどきどきしたり(第33章参照)、2人きりで海で遊んだり(第45章参照)....。思い出は尽きない。
ぼくたちは、こんなに長い時間を2人で過ごして来たんだね、りんご君。
そんな思いに心奪われながら、ふと隣りを見ると、おさえがめちゃめちゃ幸せそうな顔で温泉饅頭を口いっぱい頬張っていた。
今回はなかなか良いエピソードだったね(自分で言うな)。ちなみに、今回のめちゃめちゃ濃いイラスト(笑)はグーグリーさんが描いてくれました(グーグリーさんのホームページはこちらです)。
何と今回は、まずイラストがあって、そのイラストからストーリーを作りました(笑)。
さあ、いよいよクライマックスに突入です。年内に大団円を迎えることができるのでしょうか(笑)。
ということで、愛は本当に世界を救えるのか!? 次回をお楽しみに....。