勇者ゆたすけの冒険
●第18章●
「翔ぶ夢をしばらく見ない」


 意外な展開にお茶の間釘付けの冒険日記です。2人の恋のアヴァンチュール(ハーレクインか) (しかも意味が違うし)はどうなるのでしょうか? うーん、興奮してまいりました。ふがっふがっ(鼻息荒いぞ)。


ムーンペタの町に ようこそ。
ここは 人と 人が
出会う町です。
 いきなりそんな意味深なこと言われても....。は! まさかそれはりんご君とチャチャイのこと(詳細は前回の冒険日記を参照のこと)を言ってるんじゃ....。まさかまさか。一国の王子たるりんご君が、あんなどこの馬の骨かも分からない下賎の女(差別的表現のオンパレード)と恋に落ちるはずがないさ。そうさ。彼にはもっと高貴な人間が相応しいのさ。例えばぼくとか....。
 ぶるぶるぶるっ(首を振る音)。何を馬鹿なこと言ってるんだ。ぼくらは男同士じゃないか。そんなこと、考える方がどうかしてるよ。まったく....。

 2人はしばらく情報収集に力を入れることにする。

まったく ぶっそうな世の中に
なったもんですなあ。
この前も サマルトリアの近くで
スリに あいましてね。
幸い 犯人は 見つかりましたが。
まあ 今頃は お城の
ろう屋の中でしょうね。
わっはっはっ。
  あいつか(笑)(なぜ笑う)

ムーンブルクの城なら
この町の 南西の方向だ。
  そこにきれいなお姫様がいるのか....。
  りんご君のタイプじゃなきゃ良いけどなあ。

どこかの塔のなかに
空を飛べるマントが
あるらしいぜっ。
そのマントを つけていると
少しだけ 空を飛べるんだとよ。
この話は ぜったいに
おぼえておいたほうが いいぜ!
  恩着せがましい奴だなあ

 それにしても.... 空をちょっとだけ飛べるマントかあ....。

 塔というのだから、きっとそこは高いところなんだろうなあ。もしかしたらりんご君は高いところがダメかも知れない。手強いモンスターたちをなぎ倒し、たかーいたかーい塔のてっぺんに辿り着く2人。塔には壁なんかなくて、太い柱と柱の間はすぐ外だったりして。その柱のすぐそばにマントが落ちている。ぼくがマントを拾い身を乗り出すように下を覗いていると、背後からりんご君のか細い声が。
「そんなことして、怖くないの?」
 声は微妙に震えている。きっと怖いんだろうな。可愛いな。
「大丈夫だよ。ほら、ここまで来てごらん」
「ぼく、高いところは苦手なんだよお」(か.... かわいい)
「大丈夫。ぼくがついてるから」
 恐る恐る柱に近付くりんご君。その時、図ったかのような突風が2人を襲う。
「あっ」
 塔の外に放り出される2人。しかしすでにぼくは空飛ぶマントを身につけている。驚きの表情を隠せないりんご君を強く抱きしめ、ぼくらは空を駆け巡る。

さあ 踊ろう 天使の翼に乗って
手を伸ばして
新たな約束の地が待っている
憐れみの心を持って

さあ 踊ろう 天使の翼に乗って
過去のことは忘れて
この愛を永遠に
きっとうまくいくさ

  (from "Angels Of Heaven" by FAIR WARNING)

ゆたすけ君、犬のうんち踏んでるよ。
  ふわ

 物凄いベタネタで幕を閉じた今回の冒険日記ですが(爆笑)、例によってストーリーは全然進んでいません。でも妄想劇場はなかなか良かったでしょ? (自分で言うな)

 ということで、は本当に世界を救えるのか!? 次回をお楽しみに....。

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