北陸の旅 2005年版

片山津温泉に泊まり、えちぜん鉄道に乗り、東尋坊を訪ねた。
2005年8月23日〜25日

8月23日(火)

 朝食も摂らずに森野バス停05:53で町田へ。横浜線町田発06:11、新横浜着06:31で新幹線のホームへと余裕をもって移動する。ホームには「のぞみ」を待つ客が大勢いる。「ジパング割引」では「のぞみ」を利用できないのだ。06:46発の「のぞみ」が出て行くとホームの客は少なくなり、間もなくわれわれが乗る06:53発「ひかり361」岡山行きが到着、自由席の客となる。
 前日に町田駅のみどりの窓口で指定席を申し込んだ時は、禁煙・喫煙とも指定は満席とのことだったが、自由席はガラガラではないか。

 時刻表通りに名古屋に08:22着。東海道線のホームを一度は間違えたが上りなおして下りの5番線へ。「しらさぎ3号」は、まだ入線していない。

「しらさぎ」のエンブレム

 始発だからとこれも自由席としたが、問題なし。入線して折り返すのはサハ688(金サワ)、前半分は金沢にて富山行きに、後ろの半分は和倉温泉ゆきに分割される。今度の旅では福井までなので、どこへ乗ってもかまわない。福井11:01着、始めての訪問地である。
 ロッカーは駅ビル内の食堂街の中にある。荷物を預けて近くの「越前そば」店に入る。越前そばは、いわゆる「おのしそば」である。美味しかった。

 福井駅の西口はロータリー整備とかで、古い駅ビルを取り壊しの最中だった。その脇を通って福井中央局を訪ねる。県庁が占有している福井城址の前を左折して局へ。駅前に通ずる大通りは、地下駐車場の工事も行われていて、なんとも落ち着かない。

えちぜん鉄道<その1> 勝山線

 案内板に従って駅の東口に回ると、少し離れて「えちぜん鉄道」の福井駅がある。出札窓口で切符を求めたが、行き先別の出発時刻の直前にならないと改札を始めない。仮駅舎の細い通路に立ったままで待つことになる。
 JRの駅ビルとえちぜん鉄道駅の間は、JRが高架になる前の線路敷だったのか、後始末中らしい。北陸新幹線実現の折には駅舎建設予定地のようだ。
 福井12:17発勝山行きは2203号車の単車運行、ワンマン運転だが2人のアデンダントと称する若い女性が同乗する。1人は見習中か。殆どが無人駅だが、乗り込んでくる客には切符を売り、降りる客からは丁寧に声を掛けながら集札していた。車内アナウンスも丁寧だ。ドアの開閉は運転手の仕事である。

 白山が見える方角をアデンダントに教えてもらったが、今日も雲に覆われていて残念。十数年前に登った時も、土砂降りの雨だった。終点の勝山駅は、九頭竜川に架かる橋を挟んで街の中心から離れた場所にある。広くて立派な勝山橋を渡ったところに勝山局がある。

 駅の前には学名イグアノドン、和名「ふくい竜」の像が鎮座している。教育委員会の立てた説明板によると、約1億2千万年前の古代に生息していたらしく、市内で化石が発掘されたという。勝山市のアイドルキャラクターのチャマリン(雌)とチャマゴン(雄)という可愛い恐竜も同席している。

勝山駅に待機する2002号車

 帰りは14:11発、5002号車でクロスシートだ。福井口で途中下車。この駅に車庫がある。下りホームに移り、15:09発の三国港行きに乗り換える。6102号車は名鉄住商工業平成16年製と銘板にある。2駅乗って、田原町で降りる。勝山からだと、福井までと同額の750円であった。隣接する福井鉄道のホームに移る。次の電車まで時間があるので付近を見渡すと、福井田原町局を見つけたので早速立ち寄る。

 スプリングポイントを押しのけて入線してきたのは、相当に時代を偲ばせる2両編成の列車だった。乗ったのはモハ82である。田原町15:29発で福井駅前まで乗る。切符はその間に同乗している車掌が発券する。市役所前電停から本線と分岐して、いったん福井駅前に入る。電車は市役所前まで戻り、方向を変えて本線を武生に向かうのだが、今日はここまでとして降りる。停留所では乗降口のタラップを降ろし、走行中は車体の下に折り畳んでしまう。

折り畳み式のタラップ(福井駅前)

 JR福井駅へ戻り、福井16:16発で加賀温泉駅へ。3両編成のモハ418−8、寝台車を改造した車で天井には上段ベッドがしまい込んだままの姿である。ホテルへ連絡しておいたので、駅前に送迎の車が待っていてくれた。

8月24日(水)

 ホテルから温泉街の中心にある郵便局までは約1.5kmほど離れている。駅までの送迎バスは09:10と09:50の2本ある。前の便で局の近くで降ろしてもらい、次の便で拾ってくれるように頼んで出掛けた。
 バスは通常の経路からちょっただけ外れるが、片山津局の前で降ろしてくれた。運転手氏は駅の帰りに寄るから局の前で待っているようにと言い残して他の客を駅まで送っていった。待っている間に、局の隣にあるタクシー会社の前で、タクシー運転手と立ち話。片山津温泉では最近7軒ものホテルが廃業、跡は老人施設として活用されてはいるが、客が減ったと嘆いていた。

 間もなくホテルの送迎バスが駅から戻ってきた。乗り込むと「スタンプ集めでしょう。ホテルへの帰りに近くの局へ回り道しよう」と、動橋(いぶりばし)駅前局まで回ってくれた。運転手氏の親切なサービスに恐縮する。

= 続く =

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