A 釣り場での基本の考え方


 始めに説明した「自然の法則にそって魚を釣ろうとする行為」を「魚を釣る」という所で、もう少し具体的に見ると「魚が食べているものにまねた毛鉤を使い、本物と同じように釣ろうとする」になると思います。実際の釣りの所ではこのことが基本的な考えになって来ます。


下記の6つの項目に分けて説明しますが、実際にはすべてが繋がっています。


A 釣り場で、基本の考え方 「自然の法則にそって釣ろうとする」と言う考え方。

  A-1 ストーキング

  A-2 組立て   

  A-3 食べ物  

  A-4 真似た毛鉤

  A-5 マッチザハッチ

  A-6 魚




   


ライズ。

岸に近い所でのライズです、ストーキングが重要になります。



  A-1 ストーキング  魚が「すれる」と言うこと。


 実際の釣り場で一番大切なことは「ストーキング」。

ストーキングとは、相手にする魚に釣り人(自分)の気配を悟らせないようにすること。


 自信のある毛鉤やキャスティングの技術より、ストーキングは優先されるものです。魚にとって釣り人はいちばん危険な天敵です。その天敵の存在を自らさらけ出しておいて、自信のある毛鉤をキャストしても、自ら釣れるチャンスをつぶしていることになります。

単に体を低くして釣るようなことだけでなく、ポイントに近づく時の足音や振動。大きな声や目立つ服装。フライラインのピックアップ時の音やかげ等等。魚が警戒するすべての要素を少なくして行くことが必要で、何よりも優先されるものです。


 魚が「すれる」と言う言い方があります。これは魚が警戒してくることです。

同じ所で釣っていると、魚は釣り人の存在や異変を感じて警戒して来ます。またいつも釣り人の多い釣り場では、常に「すれた」状況がおこり、色々な現象が出て来ます。

たとえば釣り人が比較的少なかったり、そこで生まれた魚がいるような所の魚は、釣り人の影を見ると岩陰や深みに隠れてしまいますが、管理釣場と言われる釣 り人が多く、放流された魚も多い釣場だと、魚は釣り人の影を見ただけでは、多少警戒するだけで隠れたりの行動はあまりしません。同じく警戒はしてるがとる 行動は違って来ます。

 よく見る間違いは、管理釣場など人の多い釣場でいきなり水際に立ってしまうことです。

毎日のことなので魚は逃げたりしません。そして魚が釣れるのでストーキングをおろそかにしてしまうことです。ストーキングをきちんとすると、もっと釣れるようになる筈です。

 最初のキャストで釣れることが多くあります。これは魚が警戒する前に釣ってることになります。ポイントを替えて一投目。フライを替えて一投目。この辺を意識することは重要なことで、ストーキングが大切と思われるひとつです。

逆の言い方をすると、同じ所で同じフライを使い同じ釣り方をしてることは、どんどん釣れない方へ行ってることになります。

(イワナ等の魚種では全く違う状況が生まれることがあります)


狙ってる魚にフライが上手く流れても魚が反応しない時は。使ってるフライがその魚に受け入れられていないことになります。魚には「食べてるものと違う」と判断されてることになります。ライズを続けているようであれば、フライを交換して狙ってみるべきです。


 ワンポイント

釣り場でいちばん大切なのがストーキングと言いました。次に同じ位大切なのがキャスティングです。出来るだけ早く、ある程度の精度が表現出来るキャスティ ングを身につけることをお勧めします。釣りが楽しくてキャスティングの練習は後回しになる、その気持ちはよく判ります。しかしキャスティングが上手くなる と、その何倍もフライフィッシングが面白くなります。そしてキャスティングはとてもフライフィッシング的であり、釣り場でない所でのキャスティングも、と ても魅力有るモノです。





  A-2 組み立てと考え方 釣りに行くフィールドで起きてることを考える。組み立てる。

    「自然の法則にそって釣ろうとすること」とは。


 フライフィッシングではあらゆる魚が対象になりますが、ここではヤマメ、イワナ、ニジマス、等のサケ科の魚を対象にしていきます。

そしていろいろな釣り方がある中で、水面近くでのドライフライや、釣る魚を最初から目視してる状態で釣る、サイトフィッシングを中心に進めていきます。

 すべての所で言えることですが、始めから上手く行くことはあまりないと思います。しかし目標にしていく方向が分かることで何をすれば良いか、何が足りないかがハッキリしてくると思います。


組立て

 その日どのような釣りをするのかを組立てておくことは必要なことです。

行ったことのある釣場や通いなれてる釣場の時は、線の情報を持ってる訳ですから、その線の延長線上で組立てていくことになります。始めて行く釣場でも季節や釣場の情報から分かる範囲で、ある程度の組立てをすることが出来ます。

そして釣場に付いたら、まず状況をよく観察します。事前に組立てておいたことと、目の前の状況を判断し、随時確認や修正をしながら探っていきます。

 このように事前に組立てを持ってることで、フィールドで起こってることから得られる情報は、大きく違って来ます。

極端に言うと組立てを持ってないと「釣れた、釣れなかった」の結果だけで、組立てを持ってると「なぜ釣れたのか、なぜ釣れなかったのか」の何故の繋がりが見えるようになってきます。フライフィッシングではこの何故を知りたいと思い、深く入っていく釣りです。

前もっての組立てがあり、フィールドでの状況を判断し、狙って釣るから、1尾の価値がとても高くなり、満足度も大きくなるのです。


 実際の例としての組立て

1)ライズがある間、1カ所で釣り続ける。流下物を考えフライを交換しながら探っていく方法。

2)ポイントを次々に移動しながら探っていく方法。

 この2つの方法のどちらを選択するかで、何をするべきかがある程度ハッキリして来ます。


1)は、始めに何が流れているかを見つけるか、又は想像することが必要です。

  ストーキングが重要です。

  数回流して反応がなければ、フライを交換するか、立つ位置を変えて流し方を変えてみ  

  る。またはフライの水面への接し方を変えてみる(少し沈めてみる等)。

  同じポイントで同じフライを使い、同じ様に釣り続けることはどんどん釣れない方へ

  行っています。何かを変えて様子を見てみることが必要です。

  (イワナが対象の時は、同じことを繰り返すことで反応してくることがあります)

  ライズが続いていて、フライへの反応がない時は使ってるフライが魚が求めてるモノと  

  違ってることになります。


2)は、比較的浮きやすく見やすいフライを使っていきます。もちろん魚が受け入れてくれ

  る範囲での選択になります。

  下流から上流へ順番にポイントへフライをキャストしながら釣り上がっていきます。

  ひとつのポイントで(魚がいると思われる点のポイント)2〜3回キャストしては次ぎ

  2〜3回流しては次ぎと、テンポよく釣り上がっていきます。季節やその日の時間帯により、

  どのようなポイントに魚が付いてるか、等を探っていきます。


大雑把に分けてみましたが、2)の状況でも魚が「すれてる」と思われる釣場では1)で使うような、

フライを選択する必要が出てくる時も多くあり、一概には言えません。

釣場環境の違いや対象の魚の違い等で色々です。

しかしこのように整理し組立てを持つことで、方向性がある程度見えてきます。

そしてフィールドで起きてることを感じながら探っていくことで、実際に何が起きていて、

何が必要か、何が足りないかが見えてくることになります。


 時間帯の分け方

朝まずめ=夜明け前1時間から夜明け後1時間

早朝=朝まずめ後から8:00ごろまで

午前中=早朝後から12:00ごろまで

午後=13:00から17:00ごろまで、シーズンにより変動する、日が陰るまで。

夕マズメ前=午後の後から夕マズメ前までトップシーズンは17:00~18:30位

夕マズメ=薄暗くらる頃から完全に暗くなって1時間程度トップシーズンは

 18:30から19:30ぐらいまで


  ワンポイント

 最初は釣場をどこにするか、わかりづらい所があると思います。名前の知れた釣場でも、とっかかりがつかめず迷うことが多いと思います。

ひとつのヒントとして、その釣り場の水生昆虫とそれに伴うライズを意識すると、入り口が見つかりやすくなります。

ここで取り上げてるドライフライでの釣りでは、魚が居ればいつでも釣りになるということではありません。水生昆虫が流下またはハッチし、魚がそれを食べ始 めて初めて、釣りが出来る状況になります。つまりひとつの釣場を考えたとき、この辺の季節や時間帯等を意識してないと、漠然としてしまいます。

 瀬を釣る。

川の流れの中で水深が10センチから50センチ位の水深で、流れがあまり速くなく、全体に同じ流速で流れてるような所。水深がある程度一定で勾配があまりなく、ある程度の幅と長さを流れてるポイント。

もっと深かったり規模も色々ですが、ドライフライで釣りやすい場所として、この程度の瀬が良いポイントになります。その瀬の中で食べ物がいちばん集まりやすい所に、一番お腹が空いた魚が付いてる筈です。

春先のまだ水温が低い時は魚が付いていない時もあります。逆に言うと瀬に魚が入っているということはドライフライのベストシーズンということになります。

瀬以外のポイントも全て重要です。全てがポイントになります。

対象の魚、釣り場の環境、季節、時間等等、いろいろな事でポイントは変化し続けます。

フィールドで起きてる事を観察し、総合的に判断する必要があります。





アカマダラカゲロウのダン.

テール以外のボディー長さが8ミリ有ります。

フックサイズにすると#18程度になると思います。



  A-3 食べ物 フィールドで起きてることを元に考えた毛鉤を使う。


 対象にしてる魚たちの食べ物とはどのようなものがあるか。

水生昆虫、陸生昆虫、小魚、甲殻類、貝、等になります。

これらの食べ物は釣場の状況、渓流か湧き水の川か、湖か、又は季節やその日の時間によって変化し様々です。

 水生昆虫は種類も多く覚えにくいとの声を聞きます。無理して覚える必要はないと思います。必要なのは自分の釣りに関係する食べ物を知ることです。いちば ん重要と思われるひとつを選んで、深く調べていくとよいと思います。必要と思う所まで調べたら次の昆虫を探っていくようにすると、自然に頭に入っていきま す。



 川や湖で水面近くでの、ドライフライの釣りをイメージしていきます。上流から水面近くを流れ下ってくるもの、もしくは上空から水面に落ちてくるもの等が メインの補食物になります。湖ではハッチ(水生昆虫の羽化)に伴い水面近くにいるものや。風により出来た表層流等に、集まってくるものが対象になります。

ここでは水生昆虫と夏のシーズンの陸生昆虫を中心に見てみます。


季節        昆虫の種類              フックサイズ

春  3月、4月  ユスリカ(1年中) 小さいカゲロウ  #26〜#18

初夏 5月、6月  多くのカゲロウ、カディス、ストーン   #18〜#14

夏  7月、8月  陸生昆虫(甲虫、蟻、毛虫、バッタ等) #20〜#10

秋  9月     カゲロウ カディス          #18〜#14


 これはとても大雑把な分け方ですが、シーズンを通してのイメージは、このようなものです。この先はここのフィールドでの違いや季節の変化等を、細かく見ていく必要が出て来ます。


ストマックを見てみる。

 釣れた魚の胃の内容物を見る方法があります。ストマックポンプと言う簡単な道具で、魚が食べたものを吸い出して確認することが出来ます。

慣れれば魚に負担をかけずに出来て、リリース出来ます。

実際に魚が食べたモノであり重要な情報です。どんなフライを使うかのヒントを見つけることが出来ます。

また何故釣れたのか、魚はそのフライをどう見たのか、等の繋がりを垣間みることが出来ます。


 ストマックの内容

レベル1  1匹のみ

レベル2  2~4匹

レベル3  他の物よりいちばん多く5~9匹入ってる

レベル4  食べたばかりの物で10~19匹入ってる

レベル5  ほとんどそのモノのみで、食べたばかりの物が20匹以上入ってる


  ワンポイント

 単に魚が釣れることだけでなく、魚や餌となる昆虫、それらをとりまく自然環境を深く見ていくと、多くのヒントや楽しさがあります。

フライフィッシングで求める多くのものは、釣場の自然の中にあり、素直に注意深く自然に接することがとても大切です。


魚のリリースに付いて。

魚にとって負担の少ないリリースの方法は、魚を水から上げないで、魚に触れず鈎を外すことです。

ランディングネットを使用したとしても、出来るだけ魚を水から出さないようにします。

フックを外すような時に手で掴む場合。魚が暴れている時に無理に掴むと、より暴れます。静かになるまで少し待ち、

下から軽く包むようにすると比較的暴れ難くなります。




   A-4 真似た毛鉤


 対象にしてる魚たちはいろいろなもので釣れます。

何もしてない(タイイングしてない)鈎(フック)だけでも釣れます。ですから釣れるということだけを求めていくと幅があり過ぎ際限ありません。

ここでは「食べてるモノにまねた毛鉤で本物と同じように釣ろうとすること」という範囲で考えていきます。まねた毛鉤で本物と同じように釣ろうとする。なぜ本物を使わず真似た毛鉤を使うのでしょうか、ここにフライフィッシングの本質と面白さがあると思います。

 魚はどう見ているのか、水生昆虫は何をしているのか等等、夢中になる元がここにあります。フライは偽物です。本物を追いかけるのではなく、偽物としてのフライの在り方を探し続けていくことだと思います。

人それぞれでこの辺の理解は変わってくる筈です。なぜ本物を使わず真似た毛鉤を使うのかを、自分に問い続けてください。


  ワンポイント

 最初に知識を頭に入れるのではなく、釣り場で起こってる分からないところを探っていくことをすると水生昆虫の知識は積み重なっていきます。

水生昆虫とそのフライパターンを紹介してる情報がよくありますが、どのようなフライパターンにしていくのかは、自分が感じたイメージやインスピレーション を大切にするべきです。魚はその水生昆虫をどう見ているのか、どのような時に口のするのかを考え、フライを選択し又はフライを作ります。すべて自分の感じ たことを表現し、自分の思いを魚に聞いてみます。出来るだけ多くの所に、自分の思いを強く持つことで、釣れた時の達成感が大きくなり、フライフィッシング らしくなります。

 釣りをフライフィッシングから始める時は、フライフィッシングの入門書より、渓流釣りの入門書の方が必要な情報が多くあります。





   A-5  マッチザハッチとライズ


 ライズという現象があります。水面近くの食べ物を魚が食べたときに出来る波紋や、魚のその行為を総称してライズと言います。

フライフィッシングでは、このライズと言う現象をとても象徴的にらえています。いちばん大きな意味は「魚が食べてるモノに真似た毛鉤で本物と同じように釣ろうとする」という、フライフィッシングの舞台がそろっていることを意味してるからです。ライズを意識してください。

ライズがあるということは、釣場で求めるほとんどがそろっているということになります。

 もうひとつの象徴的な言葉に、マッチザハッチという現象があります。

使う毛鉤をハッチ(水生昆虫の羽化)してる昆虫に合わせる。流下して食べられている昆虫等にフライを合わせて釣る、と言うことです。

フライフィッシングそのものです。

ハッチでなくても空中から落ちてくるスピナー(カゲロウの成虫、主に交尾や産卵が終わって水面に落ちたもの)等も総称して言います。

 マッチザハッチの考えや、ライズを釣ることは、経験がないと出来ないことではありません。多くの経験や、豊富な知識が必要なことではなく、ハッチやライズを意識することが重要なことです。けして難しいことではありません。フライフィッシングそのものです。

フライフィッシングを深めていくことはここがスタートであり、限りなく続くものです。

けしてベテランだけが行うものではありません、フライフィッシングをする全ての人が意識する、一番楽しい所です。


 ライズの頻度

レベル1  ほとんどなし。あってもたまに     ライズを狙っての釣りは成り立たない

レベル2  数分に1回、1尾がライズをしている  ライズを狙っての釣りがぎりぎり出来る

レベル3  同時に2~3尾程度がライズする状況  いい状況

レベル4  同時に5~6尾がライズしてる状況がある程度続く  とてもいい状況

レベル5  多くの魚がポイント全体で一斉にライズしてる状況   天国

「同時に」は3~5秒程度の間に起こるライズの数。


  ワンポイント

 ライズを見つけやすくするには、ライズを見つけようと目をこらすのではなく、焦点を合わせず全体をボーッと見ることです。すると視界の何処かで水面に変化が出ます、そこを焦点を合わせて見るとライズが確認できます。

いちばん最初はライズというものがどのようなモノなのかを、よく観察する必要があります。

 焦点を合わせずボーッと見ることを周辺視と言います。この見方は釣場では必要不可欠なものです。このことが出来ないと、釣場で起こる多くの情報を感じることが出来ません。

水面上を流れる自分のフライをこの周辺視で見てると、フライに出る前の魚の動きが分かるようになったり、見失ったフライが見つかったりします。

車を運転する方だと分かると思いますが、運転中前方を周辺視でボーッと見てる時、後ろの車がパッシングをするとルームミラーで確認が出来ます。

しかし前を走る車のナンバープレートを焦点を合わせて読んでいる時は、パッシングをされてもルームミラーで確認出来ません。この辺が周辺視と焦点を合わせた見方の違いです。

慣れると何の問題もなく、使い分けることが出来てきます。

 フィールドでライズが有ったら、何を食べているのかを考え推測してみましょう。

水面の上を流れているものを注意深く探す。空中を飛んでるものを見つける。シーズンを考え、大方の流下物を推測する等、考えられることを出来る限りやってみます。

季節やその日の天候、時間帯等、自然は刻々と変化し続けていきます。その変化を感じることが大切です。

 見たり感じたりだけだと、すぐに忘れてしまいます。メモを取る、写真に残す、フィールドノートを書く等やることがいっぱい出てきます。

フィールドで起きてることのすべてを深めていきます。この行為がフライフィッシングそのものです。

 



   A-6  対象の魚とその環境


 相手にする魚のことをよく知ることは重要で、興味深いことです。

ヤマメ、イワナ、ニジマス等を釣ろうとした時の水温は5度位から20度位が一般的です。

対象にしてる魚たちにとって快適な水温は10度前後です。

釣り場に付いたらまず水温を測りその日のコンディションを見ましょう。出来たら前日の水温や天候を参考にし推測すると良いと思います、線の情報を見ることです。

 まだ寒い春先の、適水温より低い時は前日より1度でも水温が上がることで、魚の活性は上がってきます。

適水温の10度前後でなくても、前日が6度で当日が7度だとライズが起こる可能性は高くなります。

人間も春先の15度は暖かくなったと感じ、秋の15度は寒くなったと感じます。

夏水温が20度を超えると渓流魚たちにとっては厳しい状況になります。上流の水温の低い所に移動したり、湧き水や伏流水がある、少しでも水温の低い所で過ごします。

水温は魚だけでなく、餌となる水生昆虫にも大きな影響があります。

むしろ魚の活性が上がるということは、水生昆虫の流下が水温の影響で多くなり、魚の補食活動が活発になると言う方が大きいかも知れません。

 次にどのようなポイントに魚は居るのか、何をしているのかを観察したり想像してみましょう。魚は水中で何をしているのでしょうか?

餌を食べたり、食べようとしてる魚。何もしないで休んでる魚。又は危険から逃れる為に隠れてる魚。釣り人としては前者の「餌を食べたり、食べようとしてる魚」を対象にしていくことになります。

 そして魚は、流れてくる水流に対して、流れてくる方向に頭を向けて定位しています。

多くは上流に頭を向けて、エネルギーを使わず危険を回避出来る所に留まって、流れてくる餌を待っています。

と言うことはポイントは点です。私たち釣り人がいちばん意識しなければならないのは、流れの中の何処かの点になります。その点を意識することが重要になります。漠然とフライを流すのではなく、この点にフライを流し込むことが必要になります。

この点を意識することで初めて、なぜ魚はそこにいるのかや、そのポイントの意味が理解出来てきます。そしてそこを釣る為に何をしなければならないかがハッキリしてきます。

実際の釣り場で「どうやって釣れば良いか判らない」の答えは、この点を明確にすることで、多くは解決します。



  ワンポイント

 この釣るべきポイントを明確にしてるということは、そこで釣れることをイメージしてる訳で、そのポイントにフライが入ったとき期待は頂点に達しています。食べてるものを推測し思いを込めて、タイイングして来たフライがそこに届く瞬間です。

何の反応もなければ、流し方が悪いのか、フライが気に入らないのか、等等考え次に続けます。またうまく魚が反応すれば「やったー思った通りだ」と言うことになります。

漠然と流れの何処かで釣れる様に流してる時には、このようなドキドキした高揚感は大きくなりません。

何を選択するかは個々の問題ですが、フライフィッシングはここが一番興奮する所です。




 始めに            

   

    B キャスティング        


    C タイイング          

 

    D 釣場環境           

  

    E ルールとマナー