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■「さようなら原発1000万人署名・流山実行委員会」が活動を開始

 
12月17日(土)に、さようなら原発1000万人署名・流山実行委員会が発足しました。
 実行委員会の最初の行動は、12月24日(土)の「おおたかの森」駅の自由通路での署名集めでした。午前11時〜午後1時まで、午後4時〜6時までの二回、活動を行い、たくさんの方から署名をいただき、「頑張って下さい」「本当に無くさないといけないですよね」等々の激励を受けました。

 次回は、1月9日(月)成人の日に 一般の住宅街で署名集めを行います。時間は午後2次から、集合場所は「森の図書館」前です。どなたでも参加できます。「脱原発」を願う皆さんのご参加を呼びかけます。参加する時間は、30分でも、1時間でも、可能な範囲でOKです。

 年が明けて1月の行動予定は、以下の通りです。
 1月14日(土)住宅街での署名集め 午後2時 宮園「マルエツ」前集合
 1月21日(土)「田中優講演会」
 1月22日(日)「おおたかの森」自由通路での署名集め 午前11時〜、午後4時〜

■原子力村の巻き返しを許すな
市民運動の広がり、1千万人署名の成功で脱原発を実現しよう!

 福島原発の事故から9ヶ月が過ぎました。それまでは、放射能被爆のリスクは、定期検査や事故処理の際にもっぱら電力会社の下請け労働者が引き受けていました。事故後は、大量の放射性物質が東北ばかりでなく東日本一帯にばらまかれ、日本のおよそ半分の地域が放射能による健康被害におののきながら暮らさざるを得ない場所に変わりました。一時は減少した汚染水の海への垂れ流しも再び再開されました。

 国と電力会社の「安全」キャンペーンに対して市民の激しい抗議が起き、9月19日には脱原発を掲げてかつて無い規模の大集会が開催され、そしていま国会前でのテント村をはじめ全国の各地で連日のように学習会、集会、デモなどの市民の行動が繰り広げられています。

 しかし、国・電力会社・プラントメーカーやゼネコンなどの原発推進勢力=「原子力村」は、いまだに原発優先のエネルギー政策を放棄しようとしません。定期検査などで停止していく原発の再稼働を狙い、高速増殖炉もんじゅの開発に固執し、原発の海外輸出を目論もうとしています。九つの電力会社すべての資力を投じても賄い切れないほどの被害を目の前にしても、官僚たちと計らって「被害を低く見積もればよい」と算段しています。おまけに復興・除染を新たなビジネスチャンスと見なして、これをしゃぶり尽くそうとしています。原子力村は、人間と自然環境のかくも大規模な破壊を前にしても何の痛痒も感じておらず、しかも未だに強固な結束を維持しているのです。

 私たち市民の側にも、闘いの新たな飛躍が求められています。原子力村の巨大な力は、カネと国家権力とによって直接に支えられてきただけではありません。それは、電力会社の正社員と現場で汚染水のぞうきん掛けを行う下請け労働者。電力を使う都市部と原発を押しつけられる過疎地の農漁村地域。原発が生み出す経済力や政治的軍事的ステイタスを享受する先進国民と、追われた住地でウラン鉱を採掘し被曝労働を押しつけられる途上諸国のマイノリティーの人々。それらの間にある格差や差別や収奪の関係によっても支えられてきました。

 脱原発を現実のものにしていくためには、こうした差別や収奪の構造をはっきりととらえ、それを乗り越えていく方向性を持った運動をつくりだしていかなければならなりません。内外の民衆の広範な連帯を追求し、脱原発を実現しましょう!

■ 流山市の井崎市長がツイッターで本音を吐露
 母親たちの怒りが爆発、流山から引っ越しを決断する人も

 
ご存じの方もいるかと思いますが、流山市の井崎市長がツイッターでトンデモ発言を行っています。
 私も、11月24日に知人のメールで問題の発言を知らされ、愕然としました。
 内容はと言うと、「年間20ミリ、毎時3.8マイクロで問題なし」「ストロンチウムなど無い」「100ミリのしきい値は長期被曝の場合は存在する」等々の主張を行っている郡山の塾の先生の考えを、「世間に流布している情報や有名教授の誤情報についても明快な解説でとても分かりやすい」と賞賛したというものです。

 私も、この塾の先生の作った資料を読みましたが、どう見ても科学的とは言えません。むしろ、何が何でも原発事故による放射能汚染のリスクを小さく見せようと、無理に無理を重ねた議論を展開しています。

 例えばこの人は、「年間20ミリ、毎時3.8マイクロでも大丈夫」だとして、事故直後に政府が打ち出した「基準値」を擁護しています。今は、当の政府自身も、表向きは取り下げざるを得なかった「基準値」であるにもかかわらず。

 また、「ストロンチウムやプルトニウムは無い」と断言しています。横浜で、実際に測定され、その存在を横浜市も政府自身も認めざるを得なくなったにもかかわらず。

 さらにこの人は、これ以下の放射線量なら大丈夫とする「しきい値」なるものは確かに存在する、と断言しています。瞬間被曝だとしきい値はないが、長期間にわたって徐々に被曝する場合は「しきい値はある」のだと言うのです。
 放射線の問題に対しては保守的な立場のICRPも日本の政府でさえ、これ以下は大丈夫という「しきい値はない」、つまりどんな低線量の被曝でも、その線量に比例した健康へのリスクが存在すると言っています。また食品安全委員会も、放射線医学総合研究所も、100ミリという線量は生涯にわたっての被曝量だ、と明言しています。しかしこの人は、そうした説が気に入らず、低線量の長期被曝だと100ミリ以下はまったく心配いらないと、独特の説を展開するのです。

 もちろんこの塾教師が自分の説を宣伝するのは自由です。問題は、井崎市長がこれを賞賛していることです。もちろん井崎市長が、どんな愚説を信奉していても、それは彼の思想信条の自由と言えば言えます。しかし、井崎市長が、ツイッターでの発言を、市長として市民にメッセージを発する上での「公的な手段」だと公言しているとすれば、「どうぞご自由に」と言って済ましているわけにはいきません。

 井崎市長は、郡山の塾講師の考えを賞賛することによって、年間20ミリ・毎時3.8マイクロでも大丈夫、100ミリ以下の被曝なら問題は無い、ストロンチウムなどは無い、というメッセージを、自ら市民に向かって発したのです。

 ここには、口では市民受けをすることを言っている井崎市長の、どうしようもなく保守的で、愚かな本性が、露呈されています。
 これは、子どもの健康を心配する保護者、放射能対策に一生懸命に取り組んでいる市の職員を、侮辱するものです。

 放射能汚染対策が現在の市政の最重要課題だと公言している井崎市長が、放射能というものの正体について、実は何にも理解できていないということです。放射能とは一体どういうものかという肝心の点の認識で、極めて保守的で、非科学的な見解に染まっているのです。この9ヶ月間、この人は一体何をやっていたのだろうか、と言いたくなります。

 井崎市長のツイッターを読んで、多くの市民が怒りの声を上げています。東大の先生からも、その間違いを指摘されました。若い夫婦の中には、流山からの引っ越しを決意した人たちもいます。流山市に納税するのが嫌になった、買い物も出来るだけ他市でする、子どもたちが守られないなら高い家を買ってここに住んでいる意味はないと、市民は憤りと落胆の声を漏らしています。

 今、井崎市長はこの件の沈静化に躍起となっています。しかし、本音、根っこにある認識が変わらないのであれば、再び同じ過ちを繰り返さざるを得ないでしょう。
 「一部不適切な表現があった」などと後のツイッターでつぶやいていますが、どこのどの点が不適切であったのかは、語っていません。

 流山市の職員の中には、「市の『放射能対策室』は放射能が危険と騒ぐ市民に対する対策室ですから」と愚痴る者もいます(「騒ぐ」というのは本当に失礼な言葉!)。 しかし、「放射能対策室」自体は、真剣に仕事をしているはず、と考えたいと思います。流山市のツートップが、彼らの足を引っ張っているのです。
 残念でもあり、悲しくもある、話です。

■流山市の放射線基準が阿部の議会質問で破綻
 放射能問題など大したことは無い、騒ぎすぎ、とする市長・副市長の本音が露呈
 ――子どもと女性の安全のためより厳しい基準をめざせ


 流山市の放射線量の独自基準は、年間1.64ミリ、毎時0.3マイクロと設定されていました(地表5センチで測定)。
 (国は年間1.34ミリ、毎時0.23マイクロ、地表1メートルで測定)
 しかし、昨日の議会における阿部の質問によって、流山市の論拠が破綻しました。

阿部の指摘のポイントは
@流山市は宇宙放射線を計算に入れているが、宇宙線は通常の線量計では測れない。だから、今は多くの自治体も、国も、宇宙放射線は組み入れていない。
 (市や県が持っている程度の線量計では測れない。広い盆地、特別な測定器などの条件、機器が必要。ニュートリノを検知するスーパーカミオカンデは地中深くの巨大な機械装置)
A流山市は大地放射線にまで低減係数(0.4)を乗じているが、大地放射線は屋内では低減しないで逆に増高する。だから、今は多くの自治体も、国も、大地放射線に低減係数をかけるなどということは行っていない。
 (大地放射線の主な線源は気体のラドン。だから、屋外と遮蔽された部屋の中では逆に密度が高くなり、線量も高くなる。冬の北海道の屋内、高気密住宅などで線量が高い。低減係数ではなく、「増高」係数をかける必要あり)

 この問題は、流山市の「放射能対策」なるものがいかにいい加減か、を明らかにしました。本気で放射能汚染と向き合っていれば、こんな初歩的なミス、おもてづらだけの「数字合わせ」、「どんぶり勘定」は避けられたはずです。ここにも、放射能汚染など大したことは無い、騒ぎすぎ、市民がうるさいからとりあえず格好だけ繕っておこう、という市長や副市長の本音が、露呈しています。放射能汚染問題に真剣に取り組んでいる真面目な職員の気持ちを思うと、やりきれません。

 いずれにせよ、 昨日までの基準は、破綻しました。11月30日が流山の独自基準の「命日」となりました 。
 今日から、流山市は新たな基準の設定に向けての検討を始めなければなりません。
 その際に重要なことは、子どもや女性の放射線への感受性の高さを配慮して、また低線量被爆のリスクが高いことが明らかにされつつある中で、国よりも厳しい基準をめざすこと。
 流山市は、もしかしたら、どさくさに紛れて「国は地表から1メートルだが、流山市は5センチ」という測定方法を投げ捨てる可能性もあります。
 しかし「5センチは国よりも優れている、市民の健康のことを考えた測定方法だ」と自慢してきたわけですから、5センチ以上への引き上げは許されません。
 重要なことは、市民の健康を危険にさらさないこと、そのためには、出来るだけ厳しい基準が求められています。
 そうした基準でさえ、実は「安全を保障する基準」というわけではなく、単なる「がまん量」にすぎないのですから。
 放射線量は、自然放射線にしろ、医療放射線にしろ、その他の放射線にしろ、出来るだけ浴びないことが基本です。
 流山市の動きを、チャックしていきましょう。
  
■鎌田慧さん講演会=「さようなら原発1000 万人署名・千葉の会」発会式にご参加を

  脱原発1000万人署名を成功させるため、千葉県内の諸個人・諸団体が集まって、11月29日にネットワーク組織を立ち上げます。
  その発会式に、鎌田さんをお迎えして講演をして頂きます。
  鎌田さんは、1000万人署名のそもそもの言い出しっぺとうかがっていますので、最適の講師です。

  脱原発、エネシフトを実現するためには、1000万人署名は絶対に成功させなければなりません。
  そのためには、東葛ホットスポットの市民が行動することが決定的に重要です。
  1954年の第五福竜丸被曝事件をきっかけに大きく盛り上がり、全国で数千万、全世界で数億の原水爆禁止署名を集めた原動力になったのは、杉並のお母さん達でした。
  今回の原発震災にあっては、被災地・福島では声を上げたくても上げられない、行動したくてもできないという厳しい現実があります(もちろん、そうした中でも頑張って声を上げている市民はたくさんいます)。福島における息苦しさは、第五福竜丸事件の時の、焼津や静岡の状況と似ているかもしれません。

 だとすれば、私たち東葛ホットスポットの市民は、第二の杉並市民になるくらいの決意で、この1000万人署名に取り組んでいくことが求められているのではないでしょうか。東葛ホットスポットから、全国に向かって、「1000万人署名を何としても成功させよう!」という強いメッセージを発していく必要があるのではないでしょうか。
 「集めよう! さようなら原発1000 万人署名・千葉の会」発会式=鎌田慧さんの講演会に、ぜひご参加を。 

日 時:11月29日(火)18:30〜
会 場:船橋市勤労市民センター

鎌田慧さんの最近の発言風景

http://www.youtube.com/watch?v=dakWWLvW-oE

■市民のイニシアチブで行政を動かそう
  流山市での市民と議員の取り組み

 まず、ホットスポット流山市の放射線量の一例を報告します。
 阿部の自宅の駐車場のコンクリート部分が1・961マイクロシーベルト毎時、ベランダが0・904マイクロ。今朝依頼があって測った市内のK氏宅の庭は0・563マイクロ、その近くのビニールハウスの雨樋の下は、なんと9・999マイクロシーベルト毎時(要するに振り切れ)。
 こうした線量は流山市では珍しくなく、住宅の庭で2〜4マイクロ、雨樋の付近では10マイクロを超えることも当たり前の光景となりました。

               *   *   *   *

 流山市当局はいま、小中校・幼稚園・保育所・公園などの除染に取り組み、放射線量の測定も一時よりはきめ細かく実施始めました。当局は「千葉県東葛地域で最も先進的」と自賛しています。
 しかし市民の側から見れば、今頃になってようやく少し市民の要求に近づいてきたか、というのが実感です。
 市民・議員と市当局との最初の攻防は、6月議会でした。6月議会で私は、「年間20ミリシーベルトを撤回し年間1ミリシーベルト以下をめざせ」「市の独自測定を行え」「地表面や農地なども含めたきめ細かな測定が必要」「線量の高いエリアの除染、立ち入り禁止措置をとれ」「子どもたちへの安全対策を直ちに行え」等々の厳しい質問・要求を突きつけましたが、市の対応はまったくひどいもので、以下の有様でした。
・年間20ミリシーベルト、1時間3・8マイクロシーベルトの指標でよし。
・市独自の線量限度、除染の基準は設けるつもりは無し。
・幼稚園・保育園での対策は手洗いなど「従来の衛生管理を徹底」する程度。小中学校についてはそれすら無し。
・国に対して福島県以外でも基準を定め、対策費用は国が負担することは求める。
・放医研などの「専門家」を呼んで講演会を行う等々。
 要するに、市内の線量は市民が騒ぐほど高くない、市独自の測定はやらないし、除染などは毛頭やる気無し、国や県の様子を見、東葛6市と協議する、御用学者の安全キャンペーンに期待する等々というものでした。

               *   *   *   *

 6月議会の後も、市民と議員の側から「年間1ミリ」を踏まえた独自基準の設定、もっときめ細かな測定、高線量エリアへの立ち入り禁止措置や除染、低線量被曝のリスクを認めることなどの要求がますます高まりました。
 流山市が、少しきめ細かな測定、「学校等」に限定した上での年間1ミリの指標値設定、「学校等」の限っての除染などに乗り出してきたのは、ようやく7月末から8月にかけてでした。6月議会で厳しい批判受けたことに加え、市民の声が高まってきたこと、クリーンセンターの溶融飛灰が28100ベクレルという高濃度の汚染を示したことも、市当局が放射能問題を少しは勉強し、重い腰を上げるきっかけになったと思います。

               *   *   *   *

 2度目の攻防は9月議会でした。9月議会では、私は、年間1ミリの指標値を「学校等」に限定しているのはインチキ、これを全生活時間・全生活空間での1ミリに転換すること(「学校等」に限定すると全生活時間・全生活空間で計算した場合と比べて10分の1以下の値となる)。線量測定と除染活動を「学校等」以外の市街地にも広げること。欧州放射線防護委員会(ECRR)などが主張する低線量被曝の危険性をきちんと承認すること。『広報ながれやま』紙上での非科学的で誘導的な「安心・安全」キャンペーンを中止し、猛省すること、等々の批判を行いました。
 また、東日本の何千万人の市民に塗炭の苦しみを押しつけ、労働基準法違反や労働安全衛生法違反を山ほど繰り返し、流山市の賠償請求にも平然とゼロ回答を返してきた反社会的企業=東京電力を自治体の入札に参加させるのは問題であること。流山市の電力調達の入札に、特定規模電気事業者(PPS)も入札に参加させること、そうすれば東電は自ずと排除され、おまけに電力料金を2割は引き下げられる、との提起も行いました。これは行政コストは「安ければ安いほど良し」「電力市場にもっと資本主義を」という主張ではなく、何よりも電力の生産・消費・流通のあり方、日本の経済や暮らしのあり方、民主主義をより深め発展させていく課題、こうしたことを市民全体で考えていくためのより広い土俵を提供したい、という趣旨から行われたものでした。
 以上のような追求と問題提起に対して、市の健康福祉部長は、ECRR(欧州放射線防護委員会)などが主張している低線量被爆のリスクについて、「無視できない」と回答せざるを得ませんでした。
 また9月議会の後少しして、「学校等」から少しだけ外に出て通学路の除染にも着手し始めました。
 さらにPPSの入札参加(簡易プロポーザル方式)も決定せざるを得ませんでした。議員からの問題提起でPPSを入札に参加させることになったケースは全国的にも稀で、画期的と言えます。

               *   *   *   *

 しかし線量が極めて高いホットスポット流山市においては、さらなる取り組みが求められていることは明らかです。ストロンチウムやプルトニウムなどの核種も測定できる体制を整えること。「学校等」の外のより広範囲な地域の除染に、まずは市内の側溝等を手始めに開始すること(市街地における線量の高い地点の除染は、これから冬になり、土埃が舞い上がり始める前に何としても完了させる必要があります)。食品の検査態勢のいっそうの充実や健康調査にも着手すること。そして、脱原発の姿勢の断固たる表明、市民によるエネルギーの生産と消費のコントロールなどの展望も持ちつつ、市の施策の範囲内でやれることを最大限に追求していくこと、などが求められています。
 流山市での取り組みから、市民や自治体議員がイニシアチブを発揮して行動すれば、自治体は後追いではあれ着いてこざるを得ない、という教訓が引き出せます。
 全国のホットスポットの市民が手をつないで、人が生きられる環境の奪還をめざして、ともに頑張りましょう。(10月25日記)

■流山市がようやく「年間指標値1.64ミリシーベルト」を打ち出す


2012年1月21日(日) 記
■『いまからできること!〜放射能とエネルギーのはなし』・田中優さんの講演会に800人

 
1月21日(日)に、松戸市民会館ホールにて、『いまからできること!〜放射能とエネルギーのはなし〜』が開催されました。

 前半は「知る見るバザール」と銘打って、東葛地域の市民が自らの活動を紹介した様々なブース展示を行い、参加者との間で活発な交流、意見交換の輪が広がりました。

 後半は、田中優さんの講演。田中優さんは、反原発の立場で活動を続ける評論家、実践家で、未来バンク事業組合理事長、自然エネルギー推進市民フォーラム理事などをされています。

 田中さんの話は、放射能の危険性、子どもや女性たちをどう守るか、こうした問題に対する政府や電力会社の数々の嘘の暴露、日本の電力は原発がなくてもピークカットの省エネだけで十分に賄える事実、危険な原発を止めるには原子力村=原発マフィアに流れる資金源を絶つことが効果的であること、日本は自然エネルギーの豊かな可能性を持っていること、市民による自給・地産地消・自己コントロール可能なエネルギーの生産・消費のシステム作りの技術的条件は整っていること、すでにそうした試みは始まっていること等々、広範囲にわたり、そのそれぞれが非常に分かりやすく、かつデータに基づいた説得力のあるものでした。

 こうした催しに、松戸で800人超の参加者が得られたこと。このことは、原発がもたらした放射能汚染に対していかに多くの人々が不安と危機感を抱いているか、また脱原発の強い願いを抱いているかを、示すものでもありました。

 流山では、5月に市民団体が主催して、田中優さん同様に長年にわたって脱原発を強く訴え続けてきたジャーナリストの鎌田慧さんを招いての講演会が行われます。松戸市の800人に負けない参加者を集め、原発の問題点について、脱原発の可能性、その現実性について、市民の皆さんとともに学び、大いに議論を巻き起こしていきたいと思います。会場や日程などが決まり次第、このサイトでもご紹介します。ぜひご参加を!


2012年1月11日(水) 記
■「脱原発」の戸別署名活動 1時間で60筆
 1月9日に、「さようなら原発1000万人署名」活動の一環として、流山市の北部地域の住宅街で、戸別署名活動を行いました。
 1時間と少しの活動でしたが、60筆の署名を頂けました。事前にチラシと署名用紙をポスティングしていたこともあり、すでに署名をして待っていてくれた人も何名かいらっしゃいました。
 署名活動の後、この日は回りきれなかったエリアのお宅から、「署名したから用紙を取りに来て」「郵送で送ります」等々の電話も頂きました。
 駅頭や街頭での署名活動に加え、今後も引き続き、住宅街を一軒一軒訪ねての、署名活動も行っていきます。
 次回は、14日(土)に、鰭ヶ崎団地内にて署名活動を行います。午後2時に宮園のマルエツ前集合、その後戸別署名に回ります。飛び入り参加大歓迎です。脱原発を実現するため、頑張りましょう。


2012年1月10日(火) 記
■成人式に思う
 
流山市の成人式は、1月8日(日)に行われました。「九条の会・流山」の会員とともに、毎年恒例となっている、新成人の若者たちに対するチラシ配布を行いました。
 最近の成人式では、排気量の大きな車に乗ってくる若者が減り、自転車でやってくる者も目立つようになりました。若者のクルマ離れ、エコのための自転車利用と見ることも出来ますが、背景に若者たちのフトコロ事情が厳しくなっていることもあるようです。知り合いの若者たちの中には、「クルマなんて夢の夢」「持ちたいとも思わない」と言う者もいます。
 今年の成人式に参加した若者たちは、日本の経済が高調子の姿を見たことがない、「失われた20年」の間に育った者たちです。こうした若者の間から、「成長至上主義」とは異なった世界観が育ち、「ともに生きる」「分かち合い」の社会を求めるうねりが立ち上がってくることを、期待したいと思います。

●「九条の会・流山」が成人式に配布したチラシ

■「さようなら原発1000万人署名・流山実行委員会」が活動を開始

 
12月17日(土)に、さようなら原発1000万人署名・流山実行委員会が発足しました。
 実行委員会の最初の行動は、12月24日(土)の「おおたかの森」駅の自由通路での署名集めでした。午前11時〜午後1時まで、午後4時〜6時までの二回、活動を行い、たくさんの方から署名をいただき、「頑張って下さい」「本当に無くさないといけないですよね」等々の激励を受けました。

 次回は、1月9日(月)成人の日に 一般の住宅街で署名集めを行います。時間は午後2次から、集合場所は「森の図書館」前です。どなたでも参加できます。「脱原発」を願う皆さんのご参加を呼びかけます。参加する時間は、30分でも、1時間でも、可能な範囲でOKです。

 年が明けて1月の行動予定は、以下の通りです。
 1月14日(土)住宅街での署名集め 午後2時 宮園「マルエツ」前集合
 1月21日(土)「田中優講演会」
 1月22日(日)「おおたかの森」自由通路での署名集め 午前11時〜、午後4時〜


■原子力村の巻き返しを許すな
市民運動の広がり、1千万人署名の成功で脱原発を実現しよう!

 福島原発の事故から9ヶ月が過ぎました。それまでは、放射能被爆のリスクは、定期検査や事故処理の際にもっぱら電力会社の下請け労働者が引き受けていました。事故後は、大量の放射性物質が東北ばかりでなく東日本一帯にばらまかれ、日本のおよそ半分の地域が放射能による健康被害におののきながら暮らさざるを得ない場所に変わりました。一時は減少した汚染水の海への垂れ流しも再び再開されました。

 国と電力会社の「安全」キャンペーンに対して市民の激しい抗議が起き、9月19日には脱原発を掲げてかつて無い規模の大集会が開催され、そしていま国会前でのテント村をはじめ全国の各地で連日のように学習会、集会、デモなどの市民の行動が繰り広げられています。

 しかし、国・電力会社・プラントメーカーやゼネコンなどの原発推進勢力=「原子力村」は、いまだに原発優先のエネルギー政策を放棄しようとしません。定期検査などで停止していく原発の再稼働を狙い、高速増殖炉もんじゅの開発に固執し、原発の海外輸出を目論もうとしています。九つの電力会社すべての資力を投じても賄い切れないほどの被害を目の前にしても、官僚たちと計らって「被害を低く見積もればよい」と算段しています。おまけに復興・除染を新たなビジネスチャンスと見なして、これをしゃぶり尽くそうとしています。原子力村は、人間と自然環境のかくも大規模な破壊を前にしても何の痛痒も感じておらず、しかも未だに強固な結束を維持しているのです。

 私たち市民の側にも、闘いの新たな飛躍が求められています。原子力村の巨大な力は、カネと国家権力とによって直接に支えられてきただけではありません。それは、電力会社の正社員と現場で汚染水のぞうきん掛けを行う下請け労働者。電力を使う都市部と原発を押しつけられる過疎地の農漁村地域。原発が生み出す経済力や政治的軍事的ステイタスを享受する先進国民と、追われた住地でウラン鉱を採掘し被曝労働を押しつけられる途上諸国のマイノリティーの人々。それらの間にある格差や差別や収奪の関係によっても支えられてきました。

 脱原発を現実のものにしていくためには、こうした差別や収奪の構造をはっきりととらえ、それを乗り越えていく方向性を持った運動をつくりだしていかなければならなりません。内外の民衆の広範な連帯を追求し、脱原発を実現しましょう!


■ 流山市の井崎市長がツイッターで本音を吐露
 母親たちの怒りが爆発、流山から引っ越しを決断する人も

 
ご存じの方もいるかと思いますが、流山市の井崎市長がツイッターでトンデモ発言を行っています。
 私も、11月24日に知人のメールで問題の発言を知らされ、愕然としました。
 内容はと言うと、「年間20ミリ、毎時3.8マイクロで問題なし」「ストロンチウムなど無い」「100ミリのしきい値は長期被曝の場合は存在する」等々の主張を行っている郡山の塾の先生の考えを、「世間に流布している情報や有名教授の誤情報についても明快な解説でとても分かりやすい」と賞賛したというものです。

 私も、この塾の先生の作った資料を読みましたが、どう見ても科学的とは言えません。むしろ、何が何でも原発事故による放射能汚染のリスクを小さく見せようと、無理に無理を重ねた議論を展開しています。

 例えばこの人は、「年間20ミリ、毎時3.8マイクロでも大丈夫」だとして、事故直後に政府が打ち出した「基準値」を擁護しています。今は、当の政府自身も、表向きは取り下げざるを得なかった「基準値」であるにもかかわらず。

 また、「ストロンチウムやプルトニウムは無い」と断言しています。横浜で、実際に測定され、その存在を横浜市も政府自身も認めざるを得なくなったにもかかわらず。

 さらにこの人は、これ以下の放射線量なら大丈夫とする「しきい値」なるものは確かに存在する、と断言しています。瞬間被曝だとしきい値はないが、長期間にわたって徐々に被曝する場合は「しきい値はある」のだと言うのです。
 放射線の問題に対しては保守的な立場のICRPも日本の政府でさえ、これ以下は大丈夫という「しきい値はない」、つまりどんな低線量の被曝でも、その線量に比例した健康へのリスクが存在すると言っています。また食品安全委員会も、放射線医学総合研究所も、100ミリという線量は生涯にわたっての被曝量だ、と明言しています。しかしこの人は、そうした説が気に入らず、低線量の長期被曝だと100ミリ以下はまったく心配いらないと、独特の説を展開するのです。

 もちろんこの塾教師が自分の説を宣伝するのは自由です。問題は、井崎市長がこれを賞賛していることです。もちろん井崎市長が、どんな愚説を信奉していても、それは彼の思想信条の自由と言えば言えます。しかし、井崎市長が、ツイッターでの発言を、市長として市民にメッセージを発する上での「公的な手段」だと公言しているとすれば、「どうぞご自由に」と言って済ましているわけにはいきません。


 
井崎市長は、郡山の塾講師の考えを賞賛することによって、年間20ミリ・毎時3.8マイクロでも大丈夫、100ミリ以下の被曝なら問題は無い、ストロンチウムなどは無い、というメッセージを、自ら市民に向かって発したのです。

 ここには、口では市民受けをすることを言っている井崎市長の、どうしようもなく保守的で、愚かな本性が、露呈されています。
 これは、子どもの健康を心配する保護者、放射能対策に一生懸命に取り組んでいる市の職員を、侮辱するものです。

 放射能汚染対策が現在の市政の最重要課題だと公言している井崎市長が、放射能というものの正体について、実は何にも理解できていないということです。放射能とは一体どういうものかという肝心の点の認識で、極めて保守的で、非科学的な見解に染まっているのです。この9ヶ月間、この人は一体何をやっていたのだろうか、と言いたくなります。

 井崎市長のツイッターを読んで、多くの市民が怒りの声を上げています。東大の先生からも、その間違いを指摘されました。若い夫婦の中には、流山からの引っ越しを決意した人たちもいます。流山市に納税するのが嫌になった、買い物も出来るだけ他市でする、子どもたちが守られないなら高い家を買ってここに住んでいる意味はないと、市民は憤りと落胆の声を漏らしています。

 今、井崎市長はこの件の沈静化に躍起となっています。しかし、本音、根っこにある認識が変わらないのであれば、再び同じ過ちを繰り返さざるを得ないでしょう。
 「一部不適切な表現があった」などと後のツイッターでつぶやいていますが、どこのどの点が不適切であったのかは、語っていません。

 流山市の職員の中には、「市の『放射能対策室』は放射能が危険と騒ぐ市民に対する対策室ですから」と愚痴る者もいます(「騒ぐ」というのは本当に失礼な言葉!)。 しかし、「放射能対策室」自体は、真剣に仕事をしているはず、と考えたいと思います。流山市のツートップが、彼らの足を引っ張っているのです。
 残念でもあり、悲しくもある、話です。


■流山市の放射線基準が阿部の議会質問で破綻
 放射能問題など大したことは無い、騒ぎすぎ、とする市長・副市長の本音が露呈
 ――子どもと女性の安全のためより厳しい基準をめざせ


 流山市の放射線量の独自基準は、年間1.64ミリ、毎時0.3マイクロと設定されていました(地表5センチで測定)。
 (国は年間1.34ミリ、毎時0.23マイクロ、地表1メートルで測定)
 しかし、昨日の議会における阿部の質問によって、流山市の論拠が破綻しました。

阿部の指摘のポイントは
@流山市は宇宙放射線を計算に入れているが、宇宙線は通常の線量計では測れない。だから、今は多くの自治体も、国も、宇宙放射線は組み入れていない。
 (市や県が持っている程度の線量計では測れない。広い盆地、特別な測定器などの条件、機器が必要。ニュートリノを検知するスーパーカミオカンデは地中深くの巨大な機械装置)
A流山市は大地放射線にまで低減係数(0.4)を乗じているが、大地放射線は屋内では低減しないで逆に増高する。だから、今は多くの自治体も、国も、大地放射線に低減係数をかけるなどということは行っていない。
 (大地放射線の主な線源は気体のラドン。だから、屋外と遮蔽された部屋の中では逆に密度が高くなり、線量も高くなる。冬の北海道の屋内、高気密住宅などで線量が高い。低減係数ではなく、「増高」係数をかける必要あり)

 この問題は、流山市の「放射能対策」なるものがいかにいい加減か、を明らかにしました。本気で放射能汚染と向き合っていれば、こんな初歩的なミス、おもてづらだけの「数字合わせ」、「どんぶり勘定」は避けられたはずです。ここにも、放射能汚染など大したことは無い、騒ぎすぎ、市民がうるさいからとりあえず格好だけ繕っておこう、という市長や副市長の本音が、露呈しています。放射能汚染問題に真剣に取り組んでいる真面目な職員の気持ちを思うと、やりきれません。

 いずれにせよ、 昨日までの基準は、破綻しました。11月30日が流山の独自基準の「命日」となりました 。
 今日から、流山市は新たな基準の設定に向けての検討を始めなければなりません。
 その際に重要なことは、子どもや女性の放射線への感受性の高さを配慮して、また低線量被爆のリスクが高いことが明らかにされつつある中で、国よりも厳しい基準をめざすこと。
 流山市は、もしかしたら、どさくさに紛れて「国は地表から1メートルだが、流山市は5センチ」という測定方法を投げ捨てる可能性もあります。
 しかし「5センチは国よりも優れている、市民の健康のことを考えた測定方法だ」と自慢してきたわけですから、5センチ以上への引き上げは許されません。
 重要なことは、市民の健康を危険にさらさないこと、そのためには、出来るだけ厳しい基準が求められています。
 そうした基準でさえ、実は「安全を保障する基準」というわけではなく、単なる「がまん量」にすぎないのですから。
 放射線量は、自然放射線にしろ、医療放射線にしろ、その他の放射線にしろ、出来るだけ浴びないことが基本です。
 流山市の動きを、チャックしていきましょう。

  
■鎌田慧さん講演会=「さようなら原発1000 万人署名・千葉の会」発会式にご参加を

  脱原発1000万人署名を成功させるため、千葉県内の諸個人・諸団体が集まって、11月29日にネットワーク組織を立ち上げます。
  その発会式に、鎌田さんをお迎えして講演をして頂きます。
  鎌田さんは、1000万人署名のそもそもの言い出しっぺとうかがっていますので、最適の講師です。

  脱原発、エネシフトを実現するためには、1000万人署名は絶対に成功させなければなりません。
  そのためには、東葛ホットスポットの市民が行動することが決定的に重要です。
  1954年の第五福竜丸被曝事件をきっかけに大きく盛り上がり、全国で数千万、全世界で数億の原水爆禁止署名を集めた原動力になったのは、杉並のお母さん達でした。
  今回の原発震災にあっては、被災地・福島では声を上げたくても上げられない、行動したくてもできないという厳しい現実があります(もちろん、そうした中でも頑張って声を上げている市民はたくさんいます)。福島における息苦しさは、第五福竜丸事件の時の、焼津や静岡の状況と似ているかもしれません。

 だとすれば、私たち東葛ホットスポットの市民は、第二の杉並市民になるくらいの決意で、この1000万人署名に取り組んでいくことが求められているのではないでしょうか。東葛ホットスポットから、全国に向かって、「1000万人署名を何としても成功させよう!」という強いメッセージを発していく必要があるのではないでしょうか。
 「集めよう! さようなら原発1000 万人署名・千葉の会」発会式=鎌田慧さんの講演会に、ぜひご参加を。 


日 時:11月29日(火)18:30〜
会 場:船橋市勤労市民センター

鎌田慧さんの最近の発言風景

http://www.youtube.com/watch?v=dakWWLvW-oE

■市民のイニシアチブで行政を動かそう
  流山市での市民と議員の取り組み

 まず、ホットスポット流山市の放射線量の一例を報告します。
 阿部の自宅の駐車場のコンクリート部分が1・961マイクロシーベルト毎時、ベランダが0・904マイクロ。今朝依頼があって測った市内のK氏宅の庭は0・563マイクロ、その近くのビニールハウスの雨樋の下は、なんと9・999マイクロシーベルト毎時(要するに振り切れ)。
 こうした線量は流山市では珍しくなく、住宅の庭で2〜4マイクロ、雨樋の付近では10マイクロを超えることも当たり前の光景となりました。

               *   *   *   *

 流山市当局はいま、小中校・幼稚園・保育所・公園などの除染に取り組み、放射線量の測定も一時よりはきめ細かく実施始めました。当局は「千葉県東葛地域で最も先進的」と自賛しています。
 しかし市民の側から見れば、今頃になってようやく少し市民の要求に近づいてきたか、というのが実感です。
 
市民・議員と市当局との最初の攻防は、6月議会でした。6月議会で私は、「年間20ミリシーベルトを撤回し年間1ミリシーベルト以下をめざせ」「市の独自測定を行え」「地表面や農地なども含めたきめ細かな測定が必要」「線量の高いエリアの除染、立ち入り禁止措置をとれ」「子どもたちへの安全対策を直ちに行え」等々の厳しい質問・要求を突きつけましたが、市の対応はまったくひどいもので、以下の有様でした。
・年間20ミリシーベルト、1時間3・8マイクロシーベルトの指標でよし。
・市独自の線量限度、除染の基準は設けるつもりは無し。
・幼稚園・保育園での対策は手洗いなど「従来の衛生管理を徹底」する程度。小中学校についてはそれすら無し。
・国に対して福島県以外でも基準を定め、対策費用は国が負担することは求める。
・放医研などの「専門家」を呼んで講演会を行う等々。
 要するに、市内の線量は市民が騒ぐほど高くない、市独自の測定はやらないし、除染などは毛頭やる気無し、国や県の様子を見、東葛6市と協議する、御用学者の安全キャンペーンに期待する等々というものでした。

               *   *   *   *

 6月議会の後も、市民と議員の側から「年間1ミリ」を踏まえた独自基準の設定、もっときめ細かな測定、高線量エリアへの立ち入り禁止措置や除染、低線量被曝のリスクを認めることなどの要求がますます高まりました。
 流山市が、少しきめ細かな測定、「学校等」に限定した上での年間1ミリの指標値設定、「学校等」の限っての除染などに乗り出してきたのは、ようやく7月末から8月にかけてでした。6月議会で厳しい批判受けたことに加え、市民の声が高まってきたこと、クリーンセンターの溶融飛灰が28100ベクレルという高濃度の汚染を示したことも、市当局が放射能問題を少しは勉強し、重い腰を上げるきっかけになったと思います。


               *   *   *   *

 2度目の攻防は9月議会でした。9月議会では、私は、年間1ミリの指標値を「学校等」に限定しているのはインチキ、これを全生活時間・全生活空間での1ミリに転換すること(「学校等」に限定すると全生活時間・全生活空間で計算した場合と比べて10分の1以下の値となる)。線量測定と除染活動を「学校等」以外の市街地にも広げること。欧州放射線防護委員会(ECRR)などが主張する低線量被曝の危険性をきちんと承認すること。『広報ながれやま』紙上での非科学的で誘導的な「安心・安全」キャンペーンを中止し、猛省すること、等々の批判を行いました。
 また、東日本の何千万人の市民に塗炭の苦しみを押しつけ、労働基準法違反や労働安全衛生法違反を山ほど繰り返し、流山市の賠償請求にも平然とゼロ回答を返してきた反社会的企業=東京電力を自治体の入札に参加させるのは問題であること。流山市の電力調達の入札に、特定規模電気事業者(PPS)も入札に参加させること、そうすれば東電は自ずと排除され、おまけに電力料金を2割は引き下げられる、との提起も行いました。これは行政コストは「安ければ安いほど良し」「電力市場にもっと資本主義を」という主張ではなく、何よりも電力の生産・消費・流通のあり方、日本の経済や暮らしのあり方、民主主義をより深め発展させていく課題、こうしたことを市民全体で考えていくためのより広い土俵を提供したい、という趣旨から行われたものでした。

 以上のような追求と問題提起に対して、市の健康福祉部長は、ECRR(欧州放射線防護委員会)などが主張している低線量被爆のリスクについて、「無視できない」と回答せざるを得ませんでした。
 また9月議会の後少しして、「学校等」から少しだけ外に出て通学路の除染にも着手し始めました。
 さらにPPSの入札参加(簡易プロポーザル方式)も決定せざるを得ませんでした。議員からの問題提起でPPSを入札に参加させることになったケースは全国的にも稀で、画期的と言えます。

               *   *   *   *

 しかし線量が極めて高いホットスポット流山市においては、さらなる取り組みが求められていることは明らかです。ストロンチウムやプルトニウムなどの核種も測定できる体制を整えること。「学校等」の外のより広範囲な地域の除染に、まずは市内の側溝等を手始めに開始すること(市街地における線量の高い地点の除染は、これから冬になり、土埃が舞い上がり始める前に何としても完了させる必要があります)。食品の検査態勢のいっそうの充実や健康調査にも着手すること。そして、脱原発の姿勢の断固たる表明、市民によるエネルギーの生産と消費のコントロールなどの展望も持ちつつ、市の施策の範囲内でやれることを最大限に追求していくこと、などが求められています。
 流山市での取り組みから、市民や自治体議員がイニシアチブを発揮して行動すれば、自治体は後追いではあれ着いてこざるを得ない、という教訓が引き出せます。
 全国のホットスポットの市民が手をつないで、人が生きられる環境の奪還をめざして、ともに頑張りましょう。(10月25日記)


■流山市がようやく「年間指標値1.64ミリシーベルト」を打ち出す


 
流山市はこれまで、「学校等で」年間1ミリシーベルトをめざす、としてきました。
 校庭の線量が毎時0.35マイクロだと、生徒・職員の年間被曝量は0.17ミリにしかならないという、市にとって極めて都合の良い目標でした。
 しかし、10月20日になってやっと、新しい目標として、年間1.64ミリが打ち出されました。
 自然放射線を0.64と見なし、人工放射線の公衆被曝限度の1.0を加えて1.64という計算です。
 1日あたりの線量の指標は、0.312マイクロです。

 阿部はるまさは本会議や委員会でずっと、年間1ミリを「学校等で」に限定するやり方はインチキではないか、と主張してきました。
 市民にも呼びかけて、市に是正を求めて欲しいとお願いをしてきました。
 そして市民の中から、「学校等で」への限定を問題視する人々がたくさん出てきてくれました。

 市民の皆さんのアクションの成果として、確認したいと思います


■阿部の議会質問に応え流山市が電力調達においてプロポーザルコンペを開始

 9月議会での阿部はるまさの質問と問題提起を受け、10月18日、流山市が電力調達においてプロポーザルコンペを開始しました。

 日本には東電など9つの電力会社以外にも50数社の電気事業者(PPS)が存在しており、それらの企業は概ね電気料金が東電などの8割ほど、C02係数も低いなど9電力よりはクリーンなエネルギーを提供しています。。流山市の電力調達をPPSに切り替えれば市の経費を大きく削減することが出来るばかりでなく、環境の改善にも資することが出来ます。

 東電など9電力の電気代が高いのは、原発の推進、それにまつわる政官財癒着、マスコミや学者・研究者を抱き込む費用、さまざまな補助金等々のためです。

 東電からPPSへの切り替えは、単に「安ければ良し」という発想ではなく、今や完全な「反社会的集団」と化した東電を自治体との契約から閉め出すという意味でも、意義のあることです。

 電力の生産・消費・流通のあり方、日本の経済や暮らしのあり方、民主主義をより深め発展させていく課題、こうしたことを市民全体で考えていく機会として、電力調達のあり方を考えていくこと、そしてPPSへの切り替えをはかっていくことは、大いに意義のあることです。

  今後の課題は、発送電分離、エネルギーの地産地消に向けて取り組みです。

 まずは、流山市の取り組みを歓迎したいと思います。

以下 流山市の仕様書より
流山市役所他47 施設における電気の調達に関する簡易プロポーザルコンペ仕様書 平成23年10月18日修正版
本市では、公共施設を財産と捉え戦略的な施設経営を行うファシリティマネジメント(以下「FM」という。)を推進し、公共施設の品質・財務・供給の質の向上を図っている。
平成17年4月の電力の規制緩和に伴い、高圧電力で受電している施設は、電力の購入先を自由に選択できることとなったことから、FM 施策の一環として、1に定める流山市役所他47 施設における電力調達(以下「本業務」という。)について、コスト削減・環境配慮・データの収集などの総合的な観点から、電力の調達先を簡易プロポーザルコンペにより選定するものである


■「子どもを放射能から守りたい!」市民との意見交換会に参加

 
10月18日、参議院議員会館にて、「子どもを放射能から守りたい!」市民との意見交換会が開催されました。

 柏市、鎌ヶ谷市、所沢市、横浜市、江東区をはじめとする都内などから集まったお母さん達と、社民党の国会議員・自治体議員とが、関東地方の放射能汚染の問題とどう向き合うか、子どもたちをどう守るか、自治体の取り組み、国の取り組み等々について活発な意見交換を行いました。

 柏市や鎌ヶ谷市は、まさにホットスポット。この地域から参加したお母さん達の切実な訴え、自治体に対する活発な要請行動などが紹介されました。
 また、市民の取り組みによってストロンチウムを検出した横浜市からの報告は、今後はヨウ素やセシウムだけでなく、別のより深刻な核種による汚染の問題へと、東日本全体の汚染問題が展開していかざるを得ないことを予感させるものでした。

 私も、流山市での市民の活発な活動、市行政の対応の問題点、3月以降の私自身の取り組みについて報告をしました。線量が高い流山市では、学校などからさらに外に出て市街地の除染も課題にならざるを得ないこと。とくにこれから空気の乾燥し、土埃が間合いあがる冬に向けて、総延長数百キロになるやもしれぬ市街地の側溝の除染に早急に取り組まなければならないこと。また剪定枝や草や葉の管理、焼却灰の管理と処分の方途についての国政への問題提起なども行わせて頂きました。

 地域のお母さん達による、自力での、真剣な、そして先進的で先駆的な取り組みが、多くの無理解や障害を乗り越えつつ、地域の世論や行政を少しずつ変えてきました。彼女たちの取り組みと連携・連帯しながら、自治体議員としての活動を、さらに強化していきたいと、決意を新たにしました。


■東京電力東葛支社に向けて市民がデモを行いました

 
東電の東葛支社に向けてデモを行いました。
 デモと言うには、本当に地味な準備活動だったようですが、それでも70人ほどの市民が参加しました。

 参加者は、各自のぼり旗、横断幕、プラカードを掲げながら東電の東葛支社の周辺を元気に行進。普段は静かな通りに、「子どもを守れ」「大地を返せ」「海を返せ」「原発を止めろ」「東電は被害者に賠償を行え」等々のシュプレヒコールがこだましました。

 東電東葛支社前で、東電への要求書を読み上げ、応対した職員に手渡しました。東電前では、応対の職員に対して、参加者から激しく、強い声で、抗議の声もぶつけられました。
 以下が、要求書です。

2011年10月11日
東京電力株式会社
社長 西澤 俊夫 様

 東京電力が引き起こした福島第1原子力発電所の事故についての抗議及び要求書

原発止めよう! 東葛の会
さよなら原発 10・11東電・東葛支社前デモ参加者一同

 2011年3月11日に発生した東京電力福島第1原子力発電所の大事故によって放出された放射性物質は、約200キロも離れた私たちが住む千葉県東葛地域にも事故の前と比べると数倍から10倍以上にもなる放射線量となって降り注いだ。その結果、水道水をはじめ野菜やコメなどからも放射性セシウムなどが検出されている。


 そのために、この東葛地域に住む小さい子を持つ母親、妊婦さんなど多くの市民が外部被曝ばかりでなく、食べ物や飲料水などからの内部被曝も懸念され、生活への大きな不安にさらされている。さらに農家の方々には営農への不安も与えている。

 また、子どもたちが集う保育所・幼稚園・学校などは、運動場の表土を削ったり、給食の食材の放射線量
を測定したり、等々、子ども達を放射能から守るために必死になっている。そして、子ども達は、放射能によって動植物等の自然から遠ざけさせられている。このように、被害の及ぶ範囲は計り知れないほど重層的であり、かつ広範囲である。

 さらに、東葛地域の自治体のゴミの焼却灰や下水汚泥からも高濃度の放射性物質が検出され、これらの処理に自治体当局も苦境に追い込まれている。

 このような実態を踏まえ、松戸市・野田氏・柏市・我孫子市・鎌ヶ谷市の各市長が連名で「放射線量測定等に関する緊急要求」を東京電力に対して提出した。各市長連名の要求書によれば、8月下旬の段階で、東京電力の事故による放射線量測定に費やされた市民の税金は既に180万円を超えている。さらに環境から放射性物質を取り除く除染作業のために億を超える税金が費やされているのである。

 にもかかわらず、この住民の代表である各市の市長による要求に対して、東京電力は、誠意ある回答をしようとしていない。

 一私企業がもたらした環境汚染の除染のための経費は、その企業がすべて負うことは民主主義社会の常識であり、企業の社会的責任であることは言うまでもない。東京電力によってもたらされた市民への被害除去のための経費は、当然東京電力がすべて負担すべきである。私たちの税金を使うことを許すわけにはいかない。

 福島原発の事故の責任はひとえに東京電力にあるのである。だが、事故によって発生したさまざまな被害に対して誠実に対処するという姿勢が東京電力にはまったくないと言わざるを得ない。

 私たちは、このような不誠実な東京電力の事故への対応に対しての心からの憤りを表明するものである。


 
と同時に、下記のように東京電力は、多くの市民が被っている被害に誠実に対処することを強く要求する。

                           記

1.東京電力は、千葉県東葛6市による「緊急要求」に、誠実に応えること。
2.東京電力は、事故の責任を認め、福島県の市民をはじめとする多くの市民が心身に被っているさまざまな被害に対して誠実に補償すること。
                                                     以上



 最近の阿部の自宅の庭の線量は、0.46μSv毎時、側溝は2..3μSv。
 南流山の駅前の歩車道の間の薄く土が溜まったところは、5.2μSv。
 このままでは、冬になって、土埃が舞い始めれば、確実にひどい内部被曝にさらされることになるでしょう。
 最近は、ホントに、流山に住んでいるのが怖くなっています。
 同時に、憤りがますます募ってきます。
 このかん私の周りでも、子どもを抱えた若い保護者が、流山から引っ越す事態が相次いでいます。「ここでは子どもを育てられない」と、申し訳なさそうに断りながら。
 私は、他に行く当てもないので流山に住み続けますが、そのかん何度でも、東電にデモをかけるつもりです。デモの隊列は、どんどん増えていくにちがいありません。


  
東葛支社前で抗議のシュプレヒコール  流山の状況を報告する阿部はるまさ 抗議文を手渡す主催者と小宮県議

●2011・10・12 セミナー「自主的避難と東電賠償の最新情報」 in 福島の報告
●2011・10・7 原発の運転再開を止めよう! 政府交渉の報告


■さよなら原発 10・.11東電・東葛支社前デモ にご参加を


 3.11福島原発事故で、東葛の地にも放射能が降り積もりました。東葛に暮らす私たち、とりわけ幼子、小中学生の子どもをもつ親たちは、今後子どもたちに何が起きるのか不安でたまりません。農家の人々の生活不安、祖父母から受け継いだ田畑でこのまま農作物を作り続けられるのか、精魂込めて作った農作物は売れるのか…様々な不安や葛藤、苛立ちの中で半年以上たちました。しかし、原発事故は収束の兆しは見えず、海も大地も山も放射能汚染は続き、食物汚染もじわじわと広がっています。東葛以上に高濃度の放射線量の下で暮らす福島の人々、子育て中の親や農民の不安、悔しさ、怒り、絶望、とてつもなく汚染された原発現場で収束に命を削って働く作業員の苦闘、いかばかりでしょう。
 でも、とにもかくにも、私たちは子どもたちの命、未来を守らなければなりません。ホットスポットにされてしまった東葛の私達は、幼稚園に、学校に、教委に、市に、除染や給食の安全を要求してきました。東電・東葛支社に、私たちが生きる東葛の地を放射能汚染させた責任、損害賠償、原発はいらない、再稼働阻止を突き付けていきましょう!

誰でも参加できます。


日   時  10月11日(火)14:00〜16:00
集合場所  東武野田線「新柏」駅前ロータリー
       (常磐線「柏」駅乗り換え、船橋方面に乗って1つ目。改札口は1つ)
日   程 14:00  集会開始
       14:30  デモ出発
       14:40  東電・東葛支社訪問(抗議文・要請書提出)
コース  新柏ロータリー→東電・東葛支社前→ケイホクスーパー
       →東電・東葛支社前→東武ストア→新柏ロータリー(解散)

主催:原発止めよう! 東葛の会
連絡先:日下部信雄
Eメール:kusakabe-nobuo@nifty.com
電話:04−7143−2583

■2011年9月16日(金)

 「放射能問題及び災害対策等に関する特別委員会」で市民の陳情を採択

 
 9月16日の特別委員会において、市民からの陳情を採択しました。
 午後2時から市民自ら陳情の説明があり、当局がそれに答え、それに対して議員から様々な質問が出され、最後に陳情についての討論が行われ、全員一致で採択となりました。
 市民と議員の、そして良心的な職員の努力の勝利だと思います。

 しかしながら、陳情に対する当局の回答は、依然として優柔不断、中途半端さの目立つものだったと言わざるを得ません。

 近隣市では「年間1mSv以下を目指す」と明確に宣言した自治体もあるのに、流山市の当局は絶対にそうは言いません。あくまでも「学校等で」1ミリシーベルトを目指す、との発言にとどまっています。

 現状の流山市の放射線量が人の健康に影響を及ぼす、危険である、とも絶対に言いません。「安全であるか、安全でないかは、よく分からない」というのが公式見解です。街中で0.3〜0.6μSv/時、側溝等では0.8〜1.2、雨樋周辺では5.0〜10μSv/時の値が普通に計測されているというのに。

 『広報ながれやま』紙上での一連の、「とにかく安全」「大丈夫」キャンペーンに対する反省は、まったく聞かれません。そこでは、さんざん、でたらめで、非科学的なことが書き散らされてきたのですが。ここには井崎市長の体質が最も正直に示されているように思います。

 阿部の賛成討論を、以下掲載します。(陳情は後日掲載します)

 <陳情9号 放射能対策に対する陳情書 に対する討論>
                                      阿部治正


 採択すべきとの立場で討論します。
 陳情では、流山市がすでに実施し始めている対策、まだ手が着けられていない対策などが述べられています。
 いずれも、現在の流山市で、最低限必要だと思われる放射能対策が、提案されています。
 特に、子どもたちや妊婦など、放射線に対する感受性が高く、健康への影響も大きい人々に対する対策として、重要な内容が含まれています。
 「放射能対策協議会」を設置すべきとの提案は、市民の持つ先見性・行動力・幅広い動員力と、市が有する権限・予算的裏付け・専門的知見を結びつけて、放射能汚染との闘いを効果的に推し進めていく上で、有効と思われます。
 ホールボディカウンターを用いた検査については、直ちに実施することは困難であることから、代替措置を追及することも考えられます。
 以上の理由から、陳情第9号を採択すべきと考えます。

●クリーンセンター、森のまちエコセンターの現状は?

 9月16日、クリーンセンターと森のまちエコセンターの視察をして参りました。

 クリーンセンターは3度目の視察ですが、以前に比べ焼却灰の量が確実に増えています。このままでは9月22日までに満杯になるというのもうなずけます。
 以前には無かった、コンクリート壁(厚さ15センチ、高さ2メートル)が、二つあるテントのうちの一つで設置されていました。コンクリートの壁は、放射線を遮る効果は確かにあるようです。逆に言うと、テント保管だけだと線量が高すぎて危ない、と言うことです。

 エコセンターの状況は以下の通りです。
 センター内に、高さ2〜3メートルの鋼板で囲った広い空間(2000〜2500u)を作り、そこに草や葉っぱ・剪定枝などを、ショベルカーを使って積み上げています。
 草・葉っぱと剪定枝とは、区別して保管しています。剪定枝はかさばるし、枝など固い部分を含んでいるので、草とは分けて置いているようです。腐敗臭を防ぐために、薬剤をまいています。発酵による発熱にも注意をしているそうです。
 職員の話では、あと2ヶ月くらいは持つかな、ということでした。

 現在は草刈りや剪定の時期の真っ最中で、搬入も多いようです。これからの秋から初冬にかけては、落ち葉の搬入も増えることが予想されます。
 剪定枝や草の束の上を線量計で測ると、0.45〜0.55μSv/時でした。普通のお宅の、刈って集めた草木などと、ほぼ同じ値です。時が経って草や剪定枝などの自重などで体積が減ってくると、体積あたりの線量は確実に増えると思います。

 チップ化と堆肥化は、とっくに中止をしています。再開の目途は立っていません。保管場所のスペースを延命させるために、チップ化の再開の検討もしているそうです。が、家庭から集めた草木などの中に異物も入っているため、チップ化をする機械の歯が痛みやすくなるのが悩みのようです。

 問題は、クリーンセンターの焼却灰と同様、最終的な処分方法と保管先の目途が、まったく明らかでないという点にあります。クリーンセンターほど線量も高くなく、空間的にも余裕があるとは言え、いずれは限界が来ます。

 クリーンセンターの方はもっと深刻で、今月いっぱい持つか持たないか、という感じです。もしかしたら、もっと広い仮置き場、セメント固化など管理型最終処分場と同じくらいの処理をした上で廃棄物を仮置きするための、大きな置き場をつくる必要に迫られるかもしれません。

 クリーンセンターの焼却灰(溶融飛灰)の放射線量は、9月9日のものが22,900ベクレル/s、その前の8月 2日が20,210ベクレル、最初の7月5日は28,100ベクレルでした。
 9月9日の測定では、線量を減らすために剪定枝などを入れずに焼却をしたはずであるのに、8月と比べて線量が上がっています。その理由は、調査中だそうです。「燃えるゴミ」の中に草木などが混じっている、9月以前のゴミもピットの中に残っている等々の理由が考えられそうです。もしかしたら、それ以外にも理由があるのかもしれません。草木以外の燃えるゴミが放射能を帯び始めているとすると、これはやっかいな問題となります。

 これらの焼却灰は、最終処分場を持つ他の自治体はどこも簡単には受け入れてくれません。それら自治体の住民も「8000ベクレル/s」は実は甘い基準なのだということを学び始めているので、「8000ベクレル/s以下でも受け入れない!」となる可能性もあります。ますます市外への持ち出しは難しくなってくるでしょう。
 とは言っても、それは市内も同様です。市内に処分場をつくるということは、安全性が担保される保障がない以上、絶望的でしょう。

 クリーンセンターとエコセンターが、「クリーン」でも、「エコ」でも無いことが明らかになりました。
 福島も第五福竜丸も、ラッキーではありませんでした。
 憤懣やるかたなし!


2011年9月10日(土)

 9月9日の議会で「放射能問題及び災害対策等に関する特別委員会」が発足
 1ミリシーベルト以下を目指すとはっきり宣言し、通学路、市街地の除染にも着手を

 
昨日の議会で、「放射能問題及び災害対策等に関する特別委員会」をつくることが決まりました。市民の声の勝利、と受け止めたいと思います。

 今後、小中学校・幼稚園・保育園など子どもたちが日中に過ごす場だけでなく、通学・通園路、そして市街地(まずはどこも高い線量が確認されている側溝等)の除染などが課題になってきます。これから寒い季節がやってきます。空気が乾燥し、土埃が舞い始める前に、市街地の線量の高いミニホットスポットの除染が必要です。食品の検査態勢の充実も急務です。

 多くの市民が好意的に誤解してしまっていますが、流山市の当局は「年間1ミリシーベルト以下を目指す」とは、実は言っておりません。市が言っているのは、「学校等で」1ミリシーベルト以下を目指すというに過ぎません。本当なら、子どもが過ごす学校以外の生活空間、生活時間まで含めて年間1ミリシーベルト以下を目指すと言うべきなのですが、市民の好意的誤解を良いことに、1ミリ宣言を行っていません。

 ゴミを焼却処理しているクリーンセンターや、剪定枝や枯葉・草などが持ち込まれている森のまちエコセンターは、今大変な状態になっています。クリーンセンター内にため込み続けている汚染焼却灰は、9月22日くらいには満杯になってしまいそうです。そうなってしまえば、ゴミを燃やすことも出来なくなります。場内の放射線の値も極めて高くなっており、作業に従事する人々の健康への深刻な影響が心配されます。

 市は剪定枝や落ち葉や草などの収集方法変更への市民の協力を呼びかけていますが、なかなかうまく進んでいません。それもそのはず。市は、これまでさんざん、放射能汚染は“たいしたことはない”、“安心して下さい”などと根拠無き「大丈夫」キャンペーンを展開してきたのですから、市民の側が「あんなことを言っているが、たいしたことはないだろう」と受け止めても仕方がありません。市は、これまでのキャンペーンを猛省し、『広報ながれやま』で書き立ててきた非科学的な「大丈夫です」記事への訂正と謝罪文を載せるべきです。市民に正しい危機意識、問題意識を持ってもらう、これが市民の協力を得る前提です。


 町内の方から依頼され庭などの線量を測定 排水口近くはなんと5.28マイクロ/時

 
排水口近くは5.28マイクロ/時、庭は0.31〜0.49マイクロ/時、雨樋下は0.75マイクロ/時でした。排水口の近くは、年間に換算すると46.25ミリシーベルト! とんでもない値です。市民による自宅周辺などの自主的な除染に対する行政からの支援も急務となっています。

■2011年9月7日(水)
 9月6日定例会で、 市の電力調達の東電からPPSへの切り替えを提案し、
 放射能汚染の実情とそれへの対策を問い、『広報ながれやま』の偏向をただしました


 《9月定例会で阿部治正の一般質問 要約》
 私の一般質問は、原稿読み上げスタイルではないので、議場での実際の発言と少し異なっている部分もあります。

1.市の施設の電気料金の低減策について

 まず、質問の背景や意図について説明させて頂きます。
 日本の電力は、ご存知のように東京電力、関西電力等々の10電力、原発を持っていない沖縄を除けば9電力会社によって主に供給されています。9電力会社が、それぞれ地域独占企業として排他的に市場を占有し、またこの9電力が発電と送電の両方を一手に握っています。この地域独占・発送電一体の仕組みが様々な問題を生んできたこと、今我々が苦しめられている原子力発電所の事故も、この電力の地域独占、発送電一体の仕組みに象徴されるエネルギー政策の問題と無関係でないことは、今では多くの識者が指摘しているとおりです。

 もちろんこの地域独占、発送電一体化は、これまで何の挑戦も受けなかったわけではありません。旧通産省の中でも、この独占体制を問題視する動きがありました。しかしこの動きは、巨大な電力独占、それと結び付いた政治家、官僚たちによって封じ込められました。しかし、この独占体制への挑戦は、わずかですが、爪痕を残しました。そのひとつが、特定規模電気事業者(PPS)です。

 日本の電力は9電力会社によって主に供給されていると言いましたが、実は9電力と並行して、その何十分の一、3.95%ののシェアしかありませんが、PPSが電力を供給しています。9電力や政治家や官僚によって大きな手かせ足かせをかけられていますが、日本には9電力以外に50社近くの電力会社がPPSとして存在しています。この千葉県内にも数社、流山市や柏市にもPPS事業者が営業をしています。

 手かせ足かせと言いましたが、手かせのひとつが契約電力が50キロワット以上でなければならないという制約です。一般の家庭や小さなオフィスやお店はだめ、大型店舗や大きなオフィス以上でないとPPSは電力を売れない。
 そしてもうひとつ足かせがあり、それが9電力が握っている送電網を利用せざるを得ない、電力会社に高い宅送料、PPSの電力料金の2割を占めるほどの料金を払わざるを得ないという仕組みです。

 しかし、そうした悪条件のもとでも、PPSは9電力と比べるとはるかに安い、75%から80%という料金で電力を供給してきています。そして、3月11日の福島原発の事故という悲劇的な出来事があって以来、改めて9電力独占体制、発送電一体化の問題点が指摘され、日本のエネルギー政策の是非が議論をされ始める中で、単に安さという点ばかりではなく、CO2係数が小さいなどエネルギー生産におけるクリーンさなどから、このPPSに関心が注がれるようになっているわけです。

 実は、日本の中央省庁は、防衛省を除き、すでにPPSから電気を買っています。9電力の後ろ盾、原発推進政策の司令塔であった経産省が真っ先にPPSと契約を交わし、電力料金を大幅に引き下げました。そして、すでに多くの企業や自治体がPPSから電力を買うようになっています。

そこで質問をします。
(1)特定規模電気事業者(PPS)と契約が可能な市の施設(契約電力が50キロワット以上)の施設名・施設数を問う。
(2)立川市と同様に流山市においては小中学校を「グループ1」、各種会館等を「グループ2」とし、それぞれの特定規模電気事業者(PPS)の電気料金(「グループ1」が東京電力比マイナス19%、「グループ2」が同18%)で試算した場合、流山市の施設全体でどれくらいの経費削減が見込めるかを問う。
 以上(1)(2)は、出来るだけ詳しくお答え下さい。
(3)市の電力調達にあたりPPSも参加させ、電気料金を低減すべきと考えるがどうか


<当局の答弁>
 「(1)の特定規模電気事業者(PPS)と契約が可能な市の施設の施設名・施設数」についてですが、平成23年8月現在、PPSの契約対象となる高圧受電をしている市有施設は、51施設となっており、代表的なものとしては契約電力320KWの市役所本庁舎をはじめ、クリーンセンター、市内全23校の小中学校、福祉会館9施設等となっています。
 次に「(2)立川市が契約したPPSの電気料金で試算すれば、市の施設全体でどれくらいの経費削減が見込まれるか」についてですが、議員ご指摘の通り、立川市では立川競輪場でPPSへの切り替えにより、約20%の電気料金が削減されております。
 立川競輪場の事例では契約変更だけではなく、電気使用量の減少など様々な要因が相まって、結果的に電気料金の削減となったもので、PPSで契約している他の施設についても、契約変更だけではそこまでの成果は出ていないと聞いております。
 PPSへの切り替えによる削減効果は、施設の契約方法、使用形態やPPSが提示する基本料金・従量の単価、契約施設数、期間等の契約上の諸条件により大きく変わりますので、現段階での詳細にわたる積算は難しいと考えます。仮に流山市内の小中学校を立川市と同じように東京電力からPPSに切り替えると年間約690万円の削減が見込めることになります。
 また、小中学校以外のそのほかの施設についても、用途、規模がそれぞれ異なり単純比較は難しいですが、一例として、市役所本庁舎を東京電力からPPSに契約を変更し、立川市と同じように、1KWの単価を18%低く試算すると、概ね年間170万円の削減が見込めることになります。

 次に「(3)市の電力調達にあたりPPSも参加させ、電気料金を低減すべきと考えるがどうか」についてですが、現在、ファシリティマネジメント施策の一環として、先進自治体やPPSの事業者からヒアリングを実施し、施設のグルーピングや契約期間などの諸条件整理を行っているところであり、前向きに検討しております。

<阿部の再質問>
 小中学校と本庁舎だけで860万円、それ以外にも多くの施設があるわけですから、全体とすれば大変な額の経費節減効果があることが改めてよく分かりました。そうである以上、流山市でもPPSを入札に参加させる、これが当然の答となるはずだと思います。

 そこで、改めて私の質問の本意を補足的に述べさせて頂いて、その後、市長に簡単な再質問をさせて頂きます。

@まず言っておかなければならないのは、私は単に安ければよい発想だけでこの質問をしているわけではありません。安ければ良いという発想だけが一人歩きすれば、福祉でも、教育でも、様々な住民サービスでも安ければ安いほどよいとなりかねませんが、それらの分野は、対人サービスの質の維持と充実を考えれば単に安ければよいというわけにはいかない。
 しかし電気は、東電で高いものを買わされようが、PPSから賢くその8割の値段で買おうが、中身は同じ電気です。

@もう一つ、我々が考えなければならないのは、東電の電気はなぜPPSより高いのか、ということです。原発重視でやってきたことがそのひとつの要因です。原発が、決して安い発電方法ではないこと、むしろ日本の電力料金を高くしてきたことは、立命館大学の大島賢一教授など多くの識者が指摘しているとおりです。

Aしかも、最初にも言った通り、PPSの電気はCO2排出係数が総じて小さい、つまりクリーン度が高い。

Bそして、これが決定的に大事な点ですが、PPSの導入は、日本のエネルギー政策のあり方を考え直す良いきっかけになる、しかも広い市民的な土俵でこの問題を議論するよい材料になる、と言うことです。私は、日本のエネルギーの生産と消費の在り方、産業や暮らしの在り方、民主主義社会の健全性の問題など、重要な問題を考えさせてくれる素材のひとつとしても、PPSの問題を考えて頂きたいと思っています。

C最後にもうひとつ、東電など原発を推進してきた9電力の体質の問題も指摘せざるを得ません。事故隠し、ウソの報告、やらせ。30数年間で膨大な数の作業員が被曝をし、闇に葬られてきたと言われています。そして今回の福島原発事故により、東日本の何千万人の市民の健康と暮らしに取り返しがつかないような多大な被害を与えましたが、そのことに未だに無反省です。
 普通、自治体の入札、総合評価方式の考え方、その精神に立てば、こうした企業にそもそも入札に参加する資格があるのかどうか、そういうことさえ問われかねない問題ではないかとも考えています。

 そこで、再質問です。これは市長にお聞きします。
 「前向きに検討する」と言う言葉から更に一歩踏み込んで、はっきりと次回の入札に際しては、PPSを加えると言うことを市長の口から明言すべきだと思います。この明言を控える合理的な理由があれば別ですが、そのようなものはないと思います。是非、ここで明言して頂きたいと思うのですが、どうでしょうか。市長の見解をうかがいます。

<市長の答弁>
 担当部長が答えたとおり、前向きに検討して参ります。


2 放射能汚染対策について

 まず、「(1)放射線量の実情についての認識を問う」ですが、これは、福島原発の事故発生以来の執行部と議員とのやりとりの中で、自然放射線は0.2μSv毎時くらいだとか、だから今流山で出ている0.3だ0.5だという数字はあたかもたいしたことはないと言わんばかりの発言があったわけですが、さすがに今はそのようには考えていないと思いますので、現時点ではどのように見ているか、これは、これ以降の測定結果の評価や、除染対策等々の様々な問題を考えていく際の重要な前提にもなりますので、その点をお聞きしたいと思います。

 ア 首都圏、東葛地域、流山市域における自然放射線量はおよそどのくらいと理解しているか。
 イ 東京電力福島第1原子力発電所の事故によって流山市域の放射線量はどの程度増大したと捉えているか。

 次に「(2)放射線被曝の健康への影響についての認識を問う」。
 ア 東京電力福島第1原子力発電所の事故に由来する流山市域における放射線量の増大は、人の健康に影響を与えると考えるか、そうでないと考えるか。
 イ 低線量被曝やそれに伴う内部被曝の危険性を指摘する専門家の見解についてどう考えるか。

 次に、「(3)放射能汚染・被曝対策の現状について」質問をします。
 ア 放射線量の測定体制の充実についてどのような具体策を考えているか
 イ 除染対策の拡充についてどのような具体策を考えているか。

 次に「(4)クリーンセンターの焼却灰の処分方法について」お伺いします。
 ア 国・県に対する働きかけをどのように強めていくか
 イ 流山市として独自の対策をどのように考えているか
 ウ 国が最終処分場で埋め立て可能な焼却灰などの放射線濃度基準を引き上げる可能性があるが、それに対する市の対応について問う


<当局の答弁>
 テープ起こしを終え次第、掲載します。

<阿部の再質問>
(1)放射線量の実情についての認識を問う


 アについて
 広報などが言っている自然放射線量1.4ミリは、公報には書いていないその内訳まで示せば、内部が0.9〜1.2ミリ、空間が0.2〜0.5ミリが正解(毎時に直すと0.02〜0.06マイクロ)。
 多くの研究者・機関(産業技術総合研究所、地質学会等)が述べている空間線量は0.02〜0.05マイクロ毎時、市当局の見解とは違うが、阿部はこれを支持している。放医研でさえ、首都圏・東葛は年間0.99ミリ以下(0.113マイクロ毎時)と言っている。
 広報8/1のP2の図では、全国平均と言うことで空間が年1.26ミリ、毎時0.144マイクロと書いている。先の当局の説明は、『広報ながれやま』が書いている自然放射線量とも食い違っているが、この点について、質問します。

 イについて
 原発事故で増えた放射線量は、市の測定による空間線量でも毎時0.08〜0.6マイクロくらいに達しているから(7/21号)、私の見方(0.02〜0.06マイクロ毎時)からすればおよそ原発事故前から観測されていた自然放射線の4倍〜10倍くらいの値と考えられる。こうした数値を認めるかどうか。

<当局の答弁>
 テープ起こしを終え次第、掲載します。

<阿部の再質問>
(2)放射線被曝の健康への影響についての認識を問う
 アについて
 東京電力福島第1原子力発電所の事故に由来する流山市域における放射線量の増大は、人の健康に影響を与えると考えるか、そうでないと考えるか。
 この問題について、これまで執行部は、議会・議員との議論の中でも、『広報ながれやま』紙上でも、「問題なし」「安全です」と発言してきていますが、しかしその一方で最近はやっと除染活動にも手を着けるようになってきている。本当に安全なら除染活動は必要がないわけですし、必要がないのに市民の「安心感」ということを理由にやっているのだとすれば、それは市民を非常に馬鹿にした話ですし、税金の無駄遣いです。やはり、「安全とは言い切れないのではないか」と本当は考えているからこそ、除染活動にも手を着け始めたのだと受け止めたいと思ってきました。
 そこで、この点を改めてはっきりとさせるためにお伺いします。安全だと言いながら、なぜ除染活動を行っているのか。安全とは言い難いから、行っているのではないのか。健康への影響をきちんと認識し、認めるべきではないか、質問します。

<当局の答弁>
 テープ起こしを終え次第、掲載します。

<阿部の再質問>
 イについて
 低線量被曝やそれに伴う内部被曝の危険性を指摘する専門家の見解についてどう考えるか。
 この低線量被爆、それに伴う内部被曝の危険性というのは、たとえば、典型的には、欧州放射線防護委員会(ECRR)などが主張している見解と言うことです。
 簡単に言えば、低線量の被曝は、直線の確率的影響ではなく、上に膨らんだ円弧の形になる。要するに低線量被爆は大量被曝より健康への影響が確率的には高くなるということ。もう一つは、発がんのリスクだけでなく、乳幼児死亡率の増大、死産や流産の増加、循環器・呼吸器・免疫系等々、そのほかの様々な影響が見られる、という見解です。
 ICRPは核兵器や原発を推進する側の人々が拠り所にしている機関ですが、ECRRは先ずは起きている現実から出発し、それを説明するために形成されてきた理論・仮説です。チェルノブイリ事故、原発や廃棄物処理場周辺で起きている様々な健康障害を説明することに成功したことで、評価を高めてきた理論です。このECRRの見解を積極的に評価する立場に立つかどうか、質問します。

<当局の答弁>
 「ECRRの見解は無視できない」との回答あり。詳細はテープ起こしを終え次第、掲載します。

<阿部の再質問>
(3)放射能汚染・被曝対策の現状について
 測定と除染について、ようやく学校・幼稚園・保育園・公園などで開始されましたが、私は、これからは市街地、子どもたちの通学路や子どもたちが踏みいりそうな場所、そして線量が高い側溝や歩車道の間の窪地などの測定と除染に取りかからねばならないと考えています。当局はどのようにお考えか、再質問をします。

<当局の答弁>
 通学路については除染を考えるとの回答あり。詳細はテープ起こしを終え次第、掲載します。

<阿部の再質問>
(4)クリーンセンターの焼却灰の処分方法について
 ウについて

 この質問のウにつきましては、放射能汚染物質を拡散させてはいけない、というのを基本として、原則として、考えていく必要がある。原発事故に対する原則は、「止める、冷やす、閉じ込める」だと言われますが、閉じ込めに失敗して東日本一帯に拡散してしまいました。これをこれ以上拡散させてはいけない。
 ところが、政府は、流山のような放射性汚泥、焼却灰を抱え込んで悩んでいる自治体があることを口実にして、この放射性廃棄物を普通の廃棄物の最終処分場に埋め立てても良いようにと、放射能の濃度基準を引き上げようとしてきました。現在は8000ベクレル、これでも高いと言わなければなりませんが、これよりもはるかに高い10万ベクレルまで引き上げようか、そんな話も聞こえてきます。
 引き上げることで、汚染汚泥や焼却灰を埋める、道路舗装資材や農業肥料に加工できるようにしようという動きです。これを許してしまえば、危険な放射性物質が日本全土、生活の中にまき散らされてしまう。このことには、はっきりと、反対していかなければならないと思います。
 それと同時に、放射性廃棄物を、薄めて、希釈して処分する、これも禁じ手です。剪定枝や草などを、少しずつゴミに混ぜれば8000ベクレル以下になるのではないか、との誘惑に駆られがちですが、これもやってはいけないということです。
 あくまでも、国に対して、集中型の厳格な管理方法を要求していく必要があると考えますが、再質問として当局の見解をうかがいます。

<当局の答弁>
 テープ起こしを終え次第、掲載します。

3 市の広報活動のあり方について
(1)「広報ながれやま」における原発事故及び放射能汚染による健康への影響に関する記述について問う。


 これは具体例を挙げた方がわかりやすいと思うので、いくつか指摘する。(以下の@〜Dは事前に当局に伝えていた内容ですが、議会質問では時間の関係で@とDのみ指摘)

@ 8月21日号 2面の「放射線と生活習慣による発がんリスクを比較」
 多くの市民が放射線被曝による健康への影響を心配している状況下で、どうして「たばこや大量飲酒」の発がんリスクとの比較を問題にしなければならないのか。
 ここで求められているのは、放射線被曝と発がん等の健康リスクを素直に論じることではないのか。
 また、なぜ「発がんリスク」だけを取り上げたのか。被曝が健康に与える影響は、発がん以外にも、乳児・新生児の死亡、死産、脳血管、循環器系・呼吸器・消化器への影響、そのほか多種多様な影響が指摘されているが、それがなぜ無視されているのか。
 「同じ線量であれば低線量被爆の蓄積は、一度に被曝したときよりも発がんリスクへの影響が小さいはずと考えられています」とは、どのような研究を参照。

A同2面の「放射線のことを詳しく知ろう」
 自然放射線が「日本では年間1.5ミリシーベルト」としているが、外部被曝と内部被曝のそれぞれの線量を示していないのはなぜか。1.5を空間線量と読み間違える人も出てくると思われるが。

B8月1日号 1面のリード部分
 「(ICRP)の勧告に示された目安を尊重し、小・中学校、幼稚園、保育所などの施設において、管理の基準を年間1ミリシーベルト以下(自然界からの放射線を除く)とすることを目標とし」とあるが、ICRPの勧告が示しているのは学校等に限らず全生活空間、生活時間を通しての年間1ミリシーベルトのはず。学校等に狭めた上での年間1ミリシーベルトを言っているのは日本の文科省。

C同 2面の「『放射線基礎講座』での質問と回答(一部抜粋)」
 回答のA5「線源や線質が異なっても、影響(危険度)は同一です」は間違い。
 そもそも質問のQ5は、「X線や宇宙線と福島原発から出される放射性物質とは、種類がまったく違うので、数値のみでの比較はできない」のではないかと問うている。はるか宇宙の彼方からの放射線、医療行為の際に医療機関で受ける放射線は、線源が風に舞って、あるいは食物に混じって身体の中には入ってくることはないし、皮膚にもつかない。影響(危険度)はまったく違うというのが、科学的に正しい答え。

D7月21日号の2面「学識経験者の見解」
 ●藤井博史氏の見解
 致死的発がん率は10万人に29人増、遺伝的影響は10万人に7.4人増。「統計学的に考えて有意な増加とはいえません」とあるが、そもそも統計学的有意云々が問題になっているのではない。統計学的に有意でなくても、医学的・臨床医学的には、問題となる。健康被害を受けた個人とその家庭にとっては、大問題となる。そもそも、ICRPなどが採用している陳腐な統計学を元にしており、ECRRなどが用いているベイズの統計学を用いた研究では、発がん率も遺伝的影響もこれよりはるかに高くなる。
 「通常でも年1.5ミリシーベルト程度の内部被曝を受けている」と言っているが、こうした見解は寡聞にして知らない。果たしてどういう知見に基づくものなのか。

 ●中村尚司氏の見解
 論評に値しないくらいにひどい、非科学的。「5ミリシーベルトというのは今の法令に照らしても問題ない値」と書いてあるが、その根拠は何だろうかと市のHPに掲載されている元の文書を読むと、ICRPの勧告を完全に読み間違えている。(読んでいないか、読解力がないか)。
 広報に掲載する際には、「日本の法令では正しくは年間1ミリシーベルト以下となっています」と言う趣旨の但し書きくらいは入れておくべきではないか。
 「セシウムは土にしっかりと固着され空中に飛び散ることはありません」もひどい。セシウム自体が飛び散るなどとは誰も考えていない。土に固着されており、その土が乾燥して舞い上がったときには、空中に飛び散ることを心配しているのだ。

<当局の答弁>
 阿部議員のご質問のうち、私からは第3点目の「市の広報活動のあり方について」のご質問にお答えします。
 福島第1原発の事故に伴う、流山市の放射線量の現状や放射線量低減策については、広報ながれやま6月11日号から毎号の洋の掲載しています。
 放射線に関する掲載内容は、兼や東葛6市による協議会、更には市独自での放射線量測定の結果や、その結果に基づく学識経験者の意見、市の放射線量低減に向けた取り組み、水道水やながれやまの野菜などの放射性物質検査、放射線に関する基礎知識、家庭で出来る放射線量低減策等です。
 ご指摘の健康への影響についての記述は、専門家役に並びに公的機関の見解を掲載したもので市独自の考えを述べたものではなく、特に、市民の皆様を作為的に安心させるような意図があるものではありません。出来る限り事実をわかりやすくお伝えすることを編集の基本としています。
 また、低線量の影響については、様々な学説等、確固としたものが無く、検証すること自体非常に難しいものと考えており、6市協議会の専門家の見解を削除することは、適切ではないと考えています。
 市民の皆さんからは、市長への手紙や市政へのメール、電話等で放射線についての不安や放射能対策についての問い合わせやご意見が数多く寄せられています。
 広報としては、市民の皆様が今、どういったことに関心を持ち、何を知りたいのかを、的確に把握し広報に反映してまいりたいと考えています。

<阿部からの強い要望>
 「市の見解を述べたものではない、市民を作為的に安心させるような意図はなかった」と言うが、例え専門家と称する者の見解、国並びに公的機関の見解であっても、間違ったもの、偏向したものを見分ける力を自治体職員は持たなければならない。御用学者だらけ、原発事故と放射能被害の問題について国や公的機関の信頼性が地に落ちている今は、なおさらそうである。
 また、『広報ながれやま』、あそこまで頻繁に、系統的に、間違った、特定の傾向的な見解を掲載した以上は、作為的な意図があったと見なされても仕方がない。
 なぜこのことを指摘するか。それは、これからは市民と協力しながらやっていかなければならないことが山ほどあるが故。さらにきめ細かな測定、汚染マップの作成、通学路や市街地の側溝の除染等々。市民の信頼が得られないと、そうした活動も不可能となる。
 今の『広報』の内容は、放射能汚染の問題に関心の高い、小さな子供を持った若い母親・父親たちから笑われている、あるいは彼らが悲しむような内容になっている。今、子どもたちを心配して行動し始めている若い母親・父親の中には、理系の学位を持っている人たち、研究機関や大学で働いている人たちも少なくない。彼らから笑いものにされるような、彼らが悲しく思うような、今の『広報』のあり方を、大いに反省して欲しい。これまでのような偏向をただして欲しい、と強く要望して、時間もありませんので質問を終わります。

■2011年9月1日(金)
 9月議会が始まりました
 本日はポスティング、議会での諸会議、本会議等々で日が暮れました

 
いよいよ9月議会が始まりました。本日9月1日は、早朝から朝9時まで議会傍聴の案内チラシのポスティング、朝10時から議会報告会の班会議、お昼ご飯の後すぐに本会議、それが終わったら会派代表者会議の傍聴、そして夕方からまた夜7時までポスティングという、密度の濃い一日でした。
議会傍聴の案内チラシ

 「9・19 さようなら原発100万人アクション」に大結集を!
 民主党の党首が野田氏に決まり、民主党の自民党化が急速に、はっきりと、進み始めています。歩調を合わせて、原発推進派の巻き返しが猛烈に強まっています。その意味でも、9月19日に予定されている「さようなら脱原発 100万人アクション」は是非成功させなければなりません。原発推進派は、9・19にどれだけの市民が立ち上がるか、を見ています。彼らの思惑を完膚無きまでに打ち砕く、大結集を実現したいと思います。このサイトを見ている皆さんも、ぜひ9・19は明治公園へ!

■ 2011年8月29日(月)
  9月議会の質問で、流山市の電力調達にPPSを参入させるよう提案します
  PPSへの切り替えで市の電気料金を2割減らし、削減分を放射能対策へ


 9月議会において、市の電力調達を東電からPPSへ切り替えるよう提案すべく、26日に一般質問通告書を出しました。
 質問日は9月6日午前10からです。可能な方は、是非傍聴に来て下さい。
 特定規模電気事業者(PPS)の電気は、東電など9電力会社と比べて7割〜8割。もちろん、ただ「安ければよい」ということではなく、PPS導入を提起するより積極的な意義は以下の諸点にあります。

@自治体にとって大きな経費削減が確実に出来る。削減分を放射能汚染対策に回すことも可能。

A東電などの電気がなぜ高いか。そのカラクリを暴くことが出来る。
 ●カラクリとは?
 ・他の電源開発を切り捨てての原発拡大路線
 ・包括原価方式など恣意的な価格設定
 ・原発立地自治体への交付金・迷惑料等
 ・政治家・官僚群・御用学者・御用メディアを養うための巨額の費用
 
B地域独占・発送電一体化の問題点を暴くことが出来る。
 ●地域独占等の問題点とは?
 ・自然エネルギー・再生可能エネルギーの普及を阻んでいる。
 ・小システムの地域エネルギー、エネルギーの地産・地消を阻んでいる。
 ・巨大かつ硬直した、災害に弱いエネルギーシステムとなっている
 ・巨大企業による政治・行政・科学研究・メディア・文化支配を生み出している。
 ・民主主義の発展を阻害し、歪めている。

C東電の反社会性を暴くことが出来る
 ●東電の反社会性とは?
 ・やらせ、事故隠し・情報隠し、原発労働者の被爆(30数年間で数万人の深刻な被爆者を生み出していると言われる)、福島事故によって膨大な市民と社会経済に取り返しのつかない被害を与えた責任。

D脱原発・自然エネルギーへの転換の必要について、市民的論議の広い土俵を提供できる。
 ・誰もが関心を持たざるを得ない「電気料金」「税金の使い道」を切り口にして、エネルギーの生産と消費、エネルギー政策のあり方についての議論を提起できる

<一般質問通告書>
1 市の施設の電気料金の低減策について
(1)特定規模電気事業者(PPS)と契約が可能な市の施設(契約電力が50キロワット以上)の施設名・施設数を問う。
(2)立川市と同様に流山市においては小中学校を「グループ1」、各種会館等を「グループ2」とし、それぞれの特定規模電気事業者(PPS)の電気料金(「グループ1」が東京電力比マイナス19%、「グループ2」が同18%)で試算した場合、流山市の施設全体でどれくらいの経費削減が見込めるかを問う。
(3)市の電力調達にあたりPPSも参加させ、電気料金を低減すべきと考えるがどうか

2 放射能汚染対策について

(1)放射線量の実情についての認識を問う。
 ア 首都圏、東葛地域、流山市域における自然放射線量はおよそどのくらいと理解しているか。
 イ 東京電力福島第1原子力発電所の事故によって流山市域の放射線量はどの程度増大したと捉えているか。
(2)放射線被曝の健康への影響についての認識を問う
 ア 東京電力福島第1原子力発電所の事故に由来する流山市域における放射線量の増大は、人の健康に影響を与えると考えるか、そうでないと考えるか。
 イ 低線量被曝やそれに伴う内部被曝の危険性を指摘する専門家の見解についてどう考えるか。
(3)放射能汚染・被曝対策の現状について
 ア 放射線量の測定体制の充実についてどのような具体策を考えているか
 イ 除染対策の拡充についてどのような具体策を考えているか。
(4)クリーンセンターの焼却灰の処分方法について
 ア 国・県に対する働きかけをどのように強めていくか
 
 イ 流山市として独自の対策をどのように考えているか
 ウ 国が最終処分場で埋め立て可能な焼却灰などの放射線濃度基準を引き上げ
る可能性があるが、それに対する市の対応について問う

3 市の広報活動のあり方について
(1)「広報ながれやま」における原発事故及び放射能汚染による健康への影響に関する記述について問う。

■2011年8月28日(日)
  8月25日 対政府交渉の報告 「子どもたちを守れ 食の安全と避難の権利の確立を」

 8月25日の対政府交渉に参加された方からの報告です。 是非、ご覧下さい。

 ●8月25日 対政府交渉 子どもたちを守れ 食の安全と避難の権利の確立を


■2011年8月23日(火)
  8月17日「福島の子どもたちの声を政府に届ける集会」報告

 8月17日の集会に参加された方からの報告です。子どもたちの声がたくさん紹介されています。
 是非、ご覧下さい。

 ●8月17日「福島の子どもたちの声を政府に届ける集会」報告

■2011年8月14日(日)
 玄海原発再稼働に失敗した原発推進・固執派が巻き返しの動き
 「再稼働ではない」と強弁して泊原発の稼働を狙う
 現地の市民と全国の市民が抗議行動に立ち上がる

 原発推進・固執派は、玄海原発の再稼働に失敗する中で、北海道の泊原発の再稼働に狙いを定めて必死の巻き返しを行っています。これを突破口に、今停止中のすべての原発の再稼働をめざそうという魂胆です。
 こうした中、泊原発の再稼働を許さぬため、8月11日、衆院議員会館にて緊急集会と対政府交渉が行われました。
 集会と交渉の様子を伝える報告が送られてきましたので、掲載させて頂きます。
 

■2011年8月7日(日)
 福島原発爆発後5ヶ月近く経った後の流山の放射線量
 自宅周辺で0.43〜1.1μSv、南流山駅前では5.1μSv毎時も

 
福島第1原発が水素爆発を起こして5ヶ月近くが経ちましたが、流山の放射線量は高い値を示したままの状態が続いています。

 自宅の庭と自宅横の側溝をほぼ毎日測定していますが、庭は0.43〜0.45μSv毎時、側溝は1.0μSv台です。

 8月5日の朝の南流山駅頭での宣伝活動の際に、歩道と車道の間に溜まった泥の上を計ると、5.0μSv毎時台を記録しました。1週間前に計ったときと同じ値です。全体として放射線量が高い流山市内でも、特に線量が高いミニホットスポットが、至る所に形成されています。

 前夜に強い雨が降った翌日に計っても、ほぼ同じ値が計測されます。雨によって放射能を含んだ物質が流されても、そこに同じ程度の線量を含んだ物質が流されてきて、線量自体は変わらないという状況だと思います。このことは、流山に降り注いだ放射性降下物が、環境の中で循環をし始めていることを物語っているのでしょう。

 ミニホットスポットを手始めに、大規模な除染活動が、流山市において求められていることは明らかです。市民自身が行えることは、汚染に十分に注意しながら自主的に取り組む。そのためにも行政が率先して行動しなければならず、特に行政にしかなしえない広範囲で大規模な除染活動は、責任を回避することなくしっかりと取り組む。このことを、議員の立場から、推し進めていきたいと思います。

    
▲南流山駅南口の     ▲南流山駅北口の       ▲南流山駅南口緑地    ▲自宅近くの公園砂場
歩車道の境          歩車道の境


 
▲自宅近くの公園の    ▲自宅近くの側溝の泥の上
滑り台下


■2011年8月6日(土)
 「自主避難者への賠償を!」集会の報告
 保安院の「やらせ」発覚についての考察

 
知人から、「自主避難者への賠償を!」集会の報告と、保安院の「やらせ」が発覚に至った原発をめぐる動向についての考察が寄せられました。大事な内容ですので、以下に掲載します。参考にして下さい。

 ●「自力(自主)避難者への賠償を! 紛争審査会は中間指針に明記を!」集会(7/29)の報告
 ●保安院「やらせ」発覚に至った原発をめぐる動向


■2011年8月2日(火)
 流山市クリーンセンターを視察
  溜まり続ける溶融飛灰をどう処理するか
  求められる労働者と地域住民の安全確保


 流山市のクリーンセンターの焼却場の溶融飛灰などから、国の基準である8,000ベクレルの3.5倍の28,100ベクレルに達する放射能が検出され、いったん持ち込んだ秋田県小坂町と北九州市の処分場から持ち帰らざるを得なかった経緯、井崎市長が小坂町に謝罪に出向いた事については、マスコミでも報道されました。

 こうした状況を受け、8月1日(月)に、流山市のクリーンセンターの視察を行いました。阿部と小宮清子県議の2人で、クリーン推進課の岡田課長と松本副工場長の案内のもと、クリーンセンターの内部に入りました。

 先ずは小坂町などから持ち帰った溶融飛灰などを詰めた容器。これは、敷地内に、ブルーシートをかぶせて、仮置きされていました。持って行った線量計を近づけると2.5マイクロシーベルト毎時、2メートルくらい離れると0.8マイクロシーベルト毎時の線量を示しました。

 次は、敷地内に二つ張られたテントの一つ。ここではフレコンバック(フレキシブル・コンテナ・バック)に詰められた溶融飛灰などが、整然と並べられていました。これからは2段、3段と積み重ねていかなければなりませんが、バック同士がくっつかないように、建築現場などに見られるような金属製の足場を組み、バックとバックの間に少し隙間を空けながら積み上げていくことを検討中ということです。

 次も、フレコンバックを収容するための、先のものよりも大きなテント。ここでのバックから数センチの放射線量は、5.8マイクロシーベルト毎時でした。

 フレコンバックの大きさは、身長170センチの私の姿から推察して下さい。一袋に、約350キログラムの飛灰などを詰めますが、現在は一日16から18袋ほど出ています。一つの炉で一日2トン、三つの炉をすべて稼働させれば6トンの飛灰などが出るわけです(三つの炉の能力自体はもっと大きく、合計で一日207トンを処理できます)。

 フレコンバックは、流山市内の各所から見ることが出来る巨大な煙突の下部の床にも、仮置きされています。一日でも仮置き期間を延ばすために、置けるところならどこへでも、という状況です。いずれにしても、このままでは2ヶ月半くらいで満杯になってしまうということで、その処分方法、処分先を探し出すことが切実な課題となっています。

 視察を行って感じたことを、以下に記します。

@国は、処理基準を8,000ベクレルから一挙に10万ベクレルに引き上げようとしていますが、これを許してしまうと、放射能で高濃度に汚染された物質が、安易に埋設処分され、コンクリなどに混ぜられて街の中の至る所に広がってしまいます。引き上げを許さない取り組みが急務です。それと合わせて、その処分方法と処分先を探し出すことが求められています。

Aクリーンセンターなど廃棄物処理施設で働く労働者の安全衛生をしっかりと確保することが重要です。放射能で高濃度に汚染された物質を焼却・管理することなど想定していなかった施設で、十分な事前準備もなく、この課題に取り組むことを強いられています。市の責任で、危険有害業務の回避、安全衛生に、今まで以上に真剣に取り組むことが求められています。
 これまでのすべての公害において、真っ先に犠牲になったのは、実は公害の発生源となった労働現場で働いていた人たちだったということを、今思い起こす必要があります。これは原発の場合も同様で、おびただしい数の下請けの現場労働者、ウラン鉱山の労働者などが、人知れず犠牲になってきたのです。

B働く人々の安全衛生の確保とともに、地域住民に影響が及ばないように万全の対策をとる必要があります。敷地内に借り置きされたフレコンバックは、数センチの距離では5.8マイクロシーベルト、2メートル離れても1.3マイクロシーベルト毎時の値が出ています。もし地震によって積み上げられたフレコンバックが崩れればどうなるか、台風でテントが吹き飛ばされればどうなるか等々、この借り置き状態が長く続けば続くほど、近隣への影響も懸念されます。

C最後に、民間の検査会社に委託をして行った今回の放射能測定が、本当に信頼できるものかどうかも、検証する必要があります。特に、排ガス中の放射能が「不検出」とされていますが、これは事実を言えば「低い値」は検出されなかったものとして扱ったと言うことで、放射能がゼロということでは決してありません。
 今回委託を行った検査会社が用いた排ガスの測定方法が、放射能を相手にした方法として果たして本当に適切なものだったのかどうか、これはきちんと検証されるべきです。放射性物質を吸着させる媒体として、円筒濾紙、活性炭などが本当にふさわしいのか、もっと正確な値を検出できる物質(ゼオライトや粘土鉱物)があるではないか、という疑問がすでに提起されているのですから。

   
▲持ち帰った廃棄物    ▲テント内のフレコンバック   ▲高い値を示す線量計    ▲テントの外観

■2011年7月29日(金)
 本物の学者の、本物の怒り
 東大アイソトープ総合センター長 児玉龍彦氏の国会での発言
 慢心の怒りを込めて政府・東電を糾弾し、子どもたちを守るための方策を提起


 7月27日に衆議院厚生労働委員会における児玉龍彦氏の発言をご紹介します。
 世の中には、こんな真面目で、本気で、子どもや市民の命と健康を守るために全力で行動をしている学者もいるんだ。
 ↓
 児玉龍彦氏の発言
 児玉龍彦氏との質疑

 それに比べて、流山市など東葛6市が放射能対策協議会なるものをつくって、そこに呼び集めた自称「専門家」たちの「学識」の、何とみすぼらしい事よ。
 ↓
. 東葛6市放射能対策協議会の「専門家」の見解

■2011年7月28日(木)
 流山市議会に「放射能問題及び災害対策等に関する協議会」が発足
 市当局の現実把握能力の欠如、危機感のなさに再びがっかり


 しばらくの間、市政ニュースのポスティング、そのほかの雑事などに明け暮れていて、日誌の更新が出来ませんでした。特に、夏場のポスティングは大変で、一日の予定枚数がはけるころには身体がぐったり、他にも朝は駅頭宣伝、夜は様々な事務仕事や行事出席などがあり、パソコンの前に座る気力が残らないのです。しかしようやくそれらもほぼ片がつき、やっと時間がとれたので、久しぶりに日誌を記します。

 7月27日(水)に、流山市議会の中に「放射能問題及び災害対策に関する協議会」が組織されました。当初は、特別委員会をつくろうという話もあったのですが、特別委の組織化を求める会派は私たちの会派と共産党だけにとどまり、他会派の意向も踏まえ「協議会」となりました。私も協議会の委員となりました。

 協議会が発足した27日、市の執行部から放射能汚染に対する各部署ごとの対応の説明がありました。流山市における放射能汚染が、街中や公園、学校、幼稚園や保育園の汚染にとどまらず、ゴミ焼却施設の溶融飛灰、屎尿処理施設の汚泥、剪定枝の資源化施設の堆肥などの高濃度での汚染にまで拡大する中で、そしてまた汚染肉牛の全国的広がりが問題となる中で、流山市もこれまでと比べれば少し焦りを見せ始めたように見えます。

 特に、屎尿処理施設や剪定枝から出る汚泥と堆肥、ゴミ焼却場から出る溶融飛灰や溶融スラグなどが高濃度で汚染されていた事実、秋田県の処理場から搬入を拒否されたしまった事態は、放射能汚染問題に対して鈍感であった流山市当局にとってもショックだったようです。特にゴミ焼却施設から出る溶融飛灰の放射線は、低レベル放射性廃棄物として厳重管理しなければならない8000ベクレル/sをはるかに超える28100ベクレル/sに達していたのです。

 市は、今のところ、ゴミ焼却場施設内にテントを張ってフレコンパックに詰めた焼却灰を積み上げていく以外の対策は思いつかないようです。それ以外は、市役所各課に草木の搬入の抑制を求める、国が何らかの処理基準を示すのを待つ、処理場の斡旋や処理にかかる費用の負担を国に求めるなどの対応にとどまっています。フレコンパックに詰めた汚染溶融飛灰を焼却場施設内に積み上げておくやり方は、おおむね3ヶ月くらいで満杯となり行き詰まってしまうこと必至です。

 国は、埋設処理などが出来る汚染の度合いを8000ベクレルからいきなり10万ベクレルにまで引き上げようとしています。間をとって5万ベクレルくらいにしよう、などというふざけた話も聞こえてきます。いずれにせよ、8000ベクレルをはるかに超える汚染物質が、地中に埋められたり、コンクリなどに混ぜて街中に流出することは、何としても阻止しなければなりません。

 汚染された汚泥や焼却灰は、福島原発の敷地内に持ち込んで、壊れた福島原発と一緒に巨大なドーム、地下の岩盤まで達するシールドの中に閉じ込めて、外部環境から遮断する以外にとりあえずの処理方法はあり得ないように思われます。もちろん、福島原発周辺の人々がそれを許してくれるなら、という条件付きです。彼らに、「いい加減にしてくれ!」と言われれば、別の方策を考えるしかありません。

 27日の協議会の場では、溶融飛灰やスラグは放射能を検出となっているが、ゴミ焼却施設の煙突のドレン部や円筒濾紙部、活性炭部、排水口の排水などがすべて「不検出」となっているのを見て、温厚な私もさすがに頭にきてしまいました。
 「“不検出”として無いものと扱った元の値を公表しろ」
 「東葛6市放射能対策協議会が三名の専門家の見解を公表しているが、三名の言っていることがそれぞれひどく矛盾している。うちのひとり(年間5ミリシーベルトまでは大丈夫と言い、除染などする必要はないと言っている者)はICRPの主張さえまったく理解出来ていない。こんな者たちを専門家と称している流山市は何なのか。保育課は保護者を集めて専門家に説明させると言っているが、こんな者を呼んで説明させるとすればとんでもないことだ」等々と、執行部を批判せざるを得ませんでした(6市の放射能対策協議会の見解への批判は後日きっちりと行う予定です.。なお、私自身はICRPにではなくECRRにシンパシーを感じています)。

 これに対して執行部は、煙突のドレン部の排ガス検出限界濃度は、それぞれ濾紙が0.5ベクレル、ドレン部が1ベクレル、活性炭0.5ベクレル。排水口の排水は検出限界値が12ベクレルだと答えました。それならなぜ、最初からそう説明しないのか。
 結局、「不検出」とは、放射能がゼロだったと言うことではなく、検査機関や流山市が「無いものとして扱った」というにすぎなかったのです。特に、排水の12ベクレルは、決して無視して良い値ではありません。我々の身体は、大気や水や土壌や飲食物等々のあらゆるものから放射線を浴び、それらが日々積算されていっているのですから、例え小さい値でも、市民に対して公表されるべきなのです。

 8月1日に、流山市のゴミ焼却場(クリーンセンター)に調査に赴きます。結果は、後日ご報告します。

■2011年7月12日(火 )
 6・26福島ハンカチパレード参加の報告


 
知人から6月26日に行われた福岡ハンカチパレードの報告が寄せられました。
 皆さんにも是非読んで欲しいレポートなので、以下に掲載させて頂きます。
 
●福島ハンカチパレードに参加して


■2011年7月9日(土)
 核による被害を繰り返すな
 原発と核兵器の根っこはひとつ


●ふる里を奪い、命と健康を脅かす原発


 
地震と津波により多くの人々の命と暮らしが奪われただけでなく、原発の事故によって新たに何万という人々がふる里を追われ、健康と命の危険にさらされ続けています。
 放射能は気流に乗って東葛地域にも達し、流山や柏などをホットスポット=高濃度汚染地域に変えました。子どもたちが通う学校や幼稚園などの敷地内でも、放射線管理区域を越える汚染が確認されています。
 問題が放射能汚染であるために、私たち市民は、今後も長期間にわたって、この問題と向き合うことを余儀なくされています。

●原発と核兵器の根っこはひとつ

 広島・長崎への原爆投下は何十万人という犠牲者を出しました。ビキニの水爆実験によってマーシャル諸島の人々や第五福竜丸の船員が犠牲になりました。チェルノブイリ原発事故はウクライナを超えて全世界に被害をもたらしました。東海村JCOの臨界事故では2名が死亡、数百名が大量被爆しました。日本に原発が建設されて以来、正確な数字は不明なものの、おびただしい数の下請けや日雇いの労働者が犠牲になったと見られています。
 原子力発電と原子爆弾の原理は、同じです。最初に戦争の道具として核兵器が生み出され、次にその巨大なエネルギーを産業に利用しようと原子力発電所がつくられました。核分裂のエネルギーを、一方は戦争の道具として、他方は発電の熱源として用いたものですが、どちらも人がコントロール下に置くことが不可能な、莫大な量と、遺伝子を直撃するミクロレベルの破壊力を持った、死の灰=放射性物質を生み出さずにはいません。

●核と戦争に反対しよう!

 原発で経済を支え、ゆたかな暮らしを実現しようという主張は、多くのウソの上に成立したものであり、結局は破綻せざるを得ませんでした。
 今も核兵器によって平和を維持しようとの主張が唱えられ続けていますが、この主張も、原発と同様、おびただしいウソや欺瞞や利権に支えられたもの、そして暴走の危険性を胎んだものです。
 憲法九条を捨てろと言う人々の中には、「日本も核武装を」と唱える者も少なくありません。戦争と核による犠牲者を再び出さないために、「九条守れ、活かせ」の声をともに上げていきましょう。
(「九条の会・流山」のチラシより)



■2011年7月5日(火)
 補正予算案に反対討論
 公立保育園民営化、リサイクル館の包括委託、原発震災に対する危機感の
 まったき欠如と後手に回るホットスポット対策を厳しく批判して

 7月5日の議会最終日に、補正予算案への反対討論を行いました。
 理由は三つ、@保育所の民営化、Aリサイクル館の委託問題(このふたつは雇用問題とも関連)、Bそして流山市の、なさけない限りの原発事故・ホットスポット対策。
 以下ご検討下さい。


                 
      ☆           ☆ 

 
議案第31号 「平成23年度 流山市一般会計補正予算」について、反対の立場から討論します。

 今回の補正予算案については、三つの点で、問題があると考えています。

 第1は、現在公立で運営されている長崎保育所を民営化することを前提にした補正予算案となっている点です。

 長崎保育所の民営化については、保護者への説明も、保護者の理解もまだまだ不十分です。少なくとも私が参加した、同じく市が民営化を考えている別の保育所の保護者への説明会では、市当局の説明は、圧倒的な情報格差のもとで民間に移行させることの利点が一方的に強調されるのみで、説明責任を十分に果たしたと言える話し合いの場ではなかったと、言わざるを得ません。

 また、臨時職員の雇用問題が発生する可能性も否定できません。にもかかわらず、この問題への有効な解決策も示されないまま、事が進められようとしています。

 さらに、長崎保育所が立地する流山市東部地域では、名都借も含めて二つの保育所が民営化されてしまうと、結果的に、公立を選ぶか、民間を選ぶかの、保護者の選択の余地も狭まってしまいます。

 3月11日の東日本大震災を受けての耐震化などの安全対策も、民営化を急ぐ理由にあげられていますが、耐震化を急ぐ必要は保育所の経営形態とは別個の問題です。耐震化が急務であることは言うまでもありませんが、それは公立の保育所であっても行わなければならないことです。

 当局は、公立だと経費がかかりすぎる、民営にすると国からの補助も降りて安上がりで立て替えや運営が出来る、とも言います。国による民営化誘導策に乗っかったままの議論です。与えられた条件の下で施策を考えざるを得ないというのも事実ですが、他方で、その条件自身を常に問い直し、それに働きかけ、変えていくことも、市政を預かる者の重要な責任であると思います。

 保育所の運営にとって重要なことは、コストやサービスの量的拡大もそうですが、何よりも子どもと保護者が安心できるより質の高いサービスを提供していくことがそのカナメです。その点では、保育所の民営化の構想の中に、現在の保育士の加配が引き継がれる保障がないことは、大きな問題です。

 そもそも、保育所を民営化するかどうかは、条例事項のはずです。流山市には「流山市立保育所の設置及び管理に関する条例」がありますが、この条例の改廃を提起することなく、補正予算案で民営化を前提にした予算を提案すること自体、手続き的にも奇妙な話と言わざるを得ません。

 この点については、この予算案は、震災を口実にして、保護者の納得も、働く人々の雇用問題も、保育サービスの質を保障する課題も素通りしたまま、当局がかねてから追求してきた民営化路線を前倒ししようとするものと言わざるを得ません。

                       ☆     ☆      ☆ 

 補正予算案の第2の問題は、リサイクル館の「包括管理運営業務委託事業」に関わる債務負担行為が設定されている点です。

 当局の説明では、修繕費などを平らにならすための「包括委託」と言われていますが、従来の委託事業から転換することによって、リサイクル館で働いている労働者の雇用や労働条件が脅かされる可能性があります。

 当局からは、雇用などへは一定の配慮を行うとの答弁もありましたが、流山市の 総合評価一般競争入札の方式では、雇用や労働条件を守る点での、確たる担保はありません。だからこそ、公契約条例の制定が求められているわけですが、そのことは別としても、雇用にも配慮するという一片の言葉だけを頼りに出来ないことは、これまでの多くの事例からも明らかです。たとえば、4年前の3月に、40人近い清掃関係労働者が解雇を余儀なくされたことを、私たちは忘れるわけにはいきません。

 実際、リサイクル館で働く労働者の間では、いま新たな雇用不安が生じています。当局は今、集団回収への移行計画を打ち出していますが、これによってこれまで瓶・缶の手による選別の仕事をしていた労働者が必要なくなるのではないか、という不安がその一つです。そして、当局は、この不安を裏打ちするような発言を行っています。これまで「手による選別の作業員が減少することはない」と言っていたにもかかわらず、その言葉を翻して「言った覚えはない」と言い始めているとの話が、伝わってきています。

 今は、数年前のゴミ収集事業で起きた雇用不安の時以上に、東日本大震災の影響もあり、雇用問題が深刻化しています。今のような経済状況の下で、いったん仕事を失ってしまえば、新たな仕事先を見つけるのはきわめて困難です。

 労働者の雇用継続や労働条件の維持改善、これが仕様書や協定書の形で明確に担保されないままのリサイクル館の包括委託への移行は、大いに問題があると言わざるを得ません。

                       ☆     ☆      ☆

 第3点目ですが、この補正予算案には、放射能汚染問題が、流山=ホットスポットと言われるほど深刻になっているにも関わらず、このことへの危機意識がまったく見られず、必要な施策も講じられていません。

 3月11日に地震と津波が発生し、3月12日から15日にかけて原子力発電所の水素爆発が連続しておきました。この時点で、市民の安心・安全を守ることを自らの責務と考えている行政マン、首長なら、その政治的な立場は様々でしょうが、大変な事態が起こっているということは容易に理解できたはずです。政治上のスタンスは抜きにしても、この原発事故がもたらす影響が、単に東北六県にとどまらず、茨城や千葉にも大きな被害をもたらさずにはおかないと言うことは、予想できたはずなのです。

 事実、この東葛地域でも、多くの市民が、事故発生直後から、事態の深刻さを直ちに理解し、放射能の自主測定などの行動に取りかかりました。私もその一人ですが、放射能の自主測定を行う、自主的に行える放射能防護策を可能な限り試みる、という行動をとりました。これは決して、情緒的な不安心理などから出た行動ではありません。原発に対する、そして放射能に対する正確な知識に基づいて、きわめて冷静沈着に行われた行動です。

 ところが、流山市の当局は、同じ状況を前にしながら、きわめて反応が鈍く、必要とされている行動をとることはありませんでした。この間の市当局の対応を見ても、市民や議員の側からの自主測定、自主基準、除染への取り組みなどへの提案を積極的に受け止めることなく、周辺市が自主的対策に乗り出すのを見て後、やっと対応を検討し始めるという有様で、後手後手の対応が続いています。

 危機意識のまったき欠如、それ以前に原発や放射能に対する正確な、科学的な知識の欠如という点で、行政マンとして、首長としての資質が問われていると言わなければなりません。原発や放射能に対する正確な知識は、何も原発が立地している自治体の首長にだけ求められることではありません。地震・津波大国と言われながら54基もの原発をつくってしまった日本に住む以上、全国どこの自治体の首長にも求められている資質であることは明らかです。

 今回の補正予算は、原子力発電所の過酷事故という事態を前にして、必要とされている施策がほとんど反映されていないという点で、まことに無惨な補正予算と言うほかありません。

 主に以上の三つの理由で、この補正予算案には賛成することが出来ないいと言うことを述べて、討論を終わります。



■2011年7月2日(土)
 「災害福祉学」よ起これ!
  防災・減災への取り組みと福祉学の連携・共同は待ったなし

 災害が起こるたびに、お年寄り、子どもたち、障害者、生活困難者が、真っ先に厳しい状況に追い込まれ、そして見落とされ、ひどい場合には忘れ去られてしまいます。阪神淡路大震災の時も、中越地震の時も、そして今回の東日本大災害においても、同じことが繰り返されています。普段から、厳しい生活状況に追いやられている人々に、自然災害が追い打ちをかけ、彼らをさらに困難な状況に突き落としていくのです。

 災害と立ち向かうための防災・減災の試みについての、実践やその学的整理の努力は、積み重ねられてきています。他方で、福祉を必要とする人々への社会的・行政的対応策も、様々な福祉実践、その学的探求として大きな成果を上げています。

 しかし、いざ災害が起きると、依然として、社会的弱者が最も厳しい状況に突き落とされ、その対応が後回しにされている現実があります。その背景、要因の一つとして、防災・減災を対象とする実践や学的探求と、福祉的課題を追求する実践や学問とが、バラバラに取り組まれてきていることがあるように思えてなりません。

 東日本大震災の現実を前にして、私は、「災害福祉学」を建てることを提案したいと思います。防災・減災に関わる専門家、そして福祉に関わる専門家の共同で、この二つの分野に橋を架ける仕事が開始されるなら、自然災害と社会問題の二つの敵に対して、より効果的に立ち向かっていくことが可能となるに違いありません。

 両分野の研究者は、ただちに対話を開始し、可能な分野から共同の仕事に取り組もう!



■2011年7月1日(金)
 流山市が放射能汚染問題で新方針
 遅きに失した対応、中身も中途半端
 「安全」基準・除染基準の設定は国任せにせず、市独自のイニシアチブの発揮を

 6月30日の流山市議会会派代表者会議において、流山市が放射能汚染問題で新しい見解を表明しました。
 以下簡単に報告します。

●流山市における放射線問題への対応策について
●流山市独自放射線量測定マニュアル
「放射線問題への対応策について」の内容は、箇条書きにすれば、以下の通り要約出来ると思います。
@流山市内の学校・幼稚園・保育園などでの測定は、これまでの1点測定から5点測定とする(サイコロの5の目と同じ)。
A測定においては、100センチ、50センチに加え、5センチでの測定も加える。
B学校・幼稚園において、水がたまりやすい場所や吹きだまりなどを教職員が引き続き清掃する。
C保育園の園庭内の側溝汚泥の排出、園庭の除草や落ち葉の排除を行う。
D保育園の建物周りの側溝・雨水枡の清掃を市・委託業者が行う。
E市が管理するすべての公園で、夏休みまでに草刈りを行う。
  放射線量が高いと思われる植え込み、樹木の根元などの測定を行う。
  測定結果によっては、立ち入り禁止措置をとる。

●福島県以外の学校・幼稚園・保育園等における放射線量の安全基準値の早期設定を求める緊急要望(東葛6市の共同要望)
 6市の共同要望の要点は、福島以外での安全基準と除染基準に関わる線量などの設定と除染など安全対策にかかる費用の負担を、東葛6市共同で国に要望する、というものです。流山市独自ではやらない、という意思表示でもあります。

<市の方針への評価>
 上の三つの文書に対する阿部の評価を述べます。
 5センチでの測定、側溝や雨水枡などの除染、線量が高い地点への立ち入り禁止措置などは、私が議会で質問・追求してきたことが反映されています。
 しかし、やはり中途半端です。私が考える問題点を、以下に列記します(上の連番と対応はしていません)。
@5点測定では、本当に放射線量が高い地点が測定されない。むしろ吹きだまり・側溝・雨水枡、芝生や草の上、植え込みなど高い放射線量が予想される地点での測定が重要。
A市・委託業者が側溝や雨水枡などの清掃を行うというが、線量が高い場合には作業に当たって職員・作業員の十分な安全対策が必要。
B側溝や雨水枡から出た汚泥は、線量を測定した上で、安全な管理と処理を行う必要がある。野積みなどはもってのほか。
B線量が高い場所への立ち入り禁止措置は、公園だけでなく、学校・幼稚園・保育園等のグラウンド・園庭でも必要。
C表土の入れかえなどの対策がまったく語られていないのは問題。
D「安全」基準(本当は「がまん基準」と言うべき)と除染基準に関わる線量を国に決めてもらうなどといっているが、それでは遅すぎる。川口市も、野田市も、そのほかの市も、国の対応を待っていると手遅れになるということで、自治体が独自に基準を設定した。流山市は、表向きは国に決めてもらうしかない、と言っているが、実際には柏・我孫子・流山の三市で独自基準と対応策の策定に動いているとも言われている。いずれにせよ、流山市が独自にイニシアチブを発揮して、市民と子どもの健康と命を守るという姿勢がまるで見られない。

 放射線量の自主測定も後手後手にまわり、周辺市が実施し始めて後にやっとこさ取り組む。安全基準と除染基準の設定についても、同じことが繰り返されようとしている。
 総じて、上(国・県)と横(近隣市)のことばかりを気にして、市民の方に目が向いていない。このことを浮き彫りにした新方針と言わざるを得ません。

 流山から引っ越す住民、それに伴って保育園を退園する子どもたちが出てきています。
 マンションや戸建ての新規契約も難しくなるでしょう。
 このままでは、企業誘致もうまく進まなくなるでしょう。
 シティセールス、流山ブランド、マーケッティング戦略などと浮かれているときではありません。
 「風評被害」などと言って、現実から目を背けている場合ではありません。
 このままでは、映画ジョーズに出てきた、観光客が減るという理由で人食い鮫による被害を隠し続けた愚かな市長と同じことになります。
 今求められていることは、何よりもまず、市が率先して市民と子どもの安全を守るという毅然とした態度を打ち出すこと、それに見合った実効性ある対策を打つこと以外にありません。



■2011年6月29日(水)
 2011年度一般会計補正予算案に反対討論
 民営化ありきの保育政策、リサイクル館の雇用・労働条件悪化の懸念、放射能汚染への危機意識の欠如と無策を批判して

 6月27日に総務常任委員会が開かれました。議題は、2011年度流山市一般会計補正予算案、財産(化学消防車)取得についてなどでした。ここでは、補正予算案をめぐる討議について報告をします。

 議論になった主なテーマは、他の会派や議員の見方は別にして、私の立場から整理すれば、@公立の長崎・名都借保育所の耐震化や民営化、Aリサイクル館の包括管理運営業務委託事業、B放射能汚染対策の三つ。

 @については、長崎・名都借の両保育所を民営化することを前提にした補正予算案になっていることが問題です。
 両保育園の民営化については、保護者への説明や保護者の理解も不十分、保育士とりわけ臨時の職員の雇用問題の解決などが置き去りにされたままです。
 そもそも、両保育所を民営化するかどうかは、条例事項のはずです。流山市には「流山市立保育所の設置及び管理に関する条例」がありますが、この条例の改定を提起することなく、補正予算案で民営化を前提にした予算を提案すること自体、手続き的にも奇妙な話です。
 3月11日の震災を受けての耐震化などの安全対策、も民営化を急ぐ理由にあげられていますが、耐震化を急ぐ必要は保育所の経営形態とは別個の問題です。耐震化が急務であることは言うまでもありませんが、それは公立の保育所であっても行わなければならないことです。
 当局は、公立だと経費がかかりすぎる、民営にすると国からの補助も降りて安上がりで立て替えや運営が出来る、とも言います。国による民営化誘導策に乗っかったままの議論です。
 震災を口実にして、保護者の納得も、働く人々の雇用問題も素通りしたまま、当局がかねてから追求してきた民営化路線を前倒ししようとするもの以外ではありません。

 Aについては、リサイクル館で働いている人々の雇用や労働条件が脅かされる可能性があります。当局からは、雇用などへは一定の配慮を行うとの答弁もありましたが、流山市の総合評価一般競争入札の方式では、雇用や労働条件を守る点での確たる担保はありません。だからこそ、公契約条例の制定が求められているわけですが、そのことは別としても、雇用にも配慮するという一片の言葉だけを頼りに出来ないことは、これまでの多くの事例からも明らかです。
 労働者の雇用継続や労働条件の維持改善、これが仕様書や協定書の形で明確に担保されない限り、反対せざるを得ません。

 Bについて言えば、放射能汚染問題が流山=ホットスポットと言われているほどに深刻となっているにもかかわらず、そのことへの危機意識がまったく見られない補正予算となっています。この間の市当局の対応を見ても、市民や議員の側からの自主測定、自主基準、除染への取り組みなどへの提案をことごとく無視し、周辺市が自主的対策に乗り出すのを見て後、やっと対応を検討し始めるという有様。後手後手の対応が続いています。
 クリーン作戦で集められた高い放射線を発する側溝汚泥などが、流山警察署の前、保育園から100メートルと離れていないゴミ回収業者の敷地内に野積みにされている問題についても、回収業者の責任で対処する他ないという答弁(6月30日の会派代表者会議で、市内の回収業者と答えたのは間違いで、実は市外の回収業者だったと訂正。市外業者による汚泥の管理・処理の現状については説明無し)。これは緊急を要する事柄、また業者に責任を押しつけて済む問題でないのは明らかであり、市の責任で早急に取り組むべき課題です。こうした点にも、この間の市当局の、放射能汚染問題への危機意識の恐るべき欠如が如実に表れています。そのことを実証するかのような補正予算案には、やはり賛成をするわけにはいきません。

 以上の立場から、補正予算案に反対討論を行い、採決で反対の意思表示を行いました。


■2011年6月26日(日)
 原発事故発生後の流山市の動き

 市民の声に背を向け、国・県・周辺市の動きばかりを気にかける市当局

 以下、備忘録を兼ねて、原発事故後の流山市の動きとその問題点を簡単に記します。

●2011年3月11日14時46分、東日本大震災発生
 直後から東京電力福島第1発電所がコントロール不能に陥る

●福島原発事故直後から東葛エリアで放射能を自主測定する市民が登場
 実は、福島原発事故前から放射能を測定していた人たちがいた。チェルノブイリ問題、食品の安全性への関心などが背景。

●3月12日〜15日の水素爆発連続の後、自主測定をする市民がますます増える
 1号機原子炉建屋爆発(3月12日)、3号機原子炉建屋爆発(3月13日)
 2号機圧力抑制プール爆発、4号機建屋爆発(3月15日)

●3月下旬頃から研究者なども測定を始める
 筑波大の末木啓介准教授がその結果を発表(6月14日東京新聞、TBS報道番組)

●5月21日に、阿部議員も自主測定を開始
 HPでデータを公開中

●5月23日に松戸市が自主測定を開始

●5月23日に流山市学校教育部に対し議員として公立学校・保育所などへの立ち入り測定を要請

●5月25日に流山市が拒否回答
 “東葛6市が県に対して要望をしているので、それを待ってほしい。学校内にまで立ち入っての、公的機関以外に者による調査は、遠慮してほしい”“「生徒や園児が不安に思う”

●5月26日の流山臨時市議会 放射能汚染問題で3会派が質問
 質問は、いずれも、流山市も県や東葛6市の動きも待たず早く自主測定をし、情報を公開せよ、という内容。
 市長は、“千葉県に要請している、東葛6市で協議会をつくり専門家に依頼する、流山市独自ではやらない、安全基準は文科省の言うとおり年間20ミリ・1時間3.8マイクロでよし”という見解を表明。

●5月30日に千葉県が東葛6市の放射線量を測定する計画を発表
 5月31日〜6月1日にかけて実施(6市×3地点)

●6月3日午後の会派代表者会議で流山市に自主測定をせよとの声が再度上がる
 市議会として市長への要望書を出すことを決定
 市は、“東葛6市で対策協議会をつくり行う、市で独自に実施することは考えていない”と回答

●6月3日夕方に、流山市自主測定の方針を発表
(直前の会派代表者会議で「やらない」と回答した2時間後)

●6月6日、流山市議会が市長に対し7項目の要望書を提出
 市議会の市長への要望書
 
●6月6日に、柏市が自主測定を開始

●6月6日に流山市もようやく測定を開始

● 6月14日の東京新聞、TBS報道番組で流山の汚染状況が大きく報道される

●6月14日〜16日に、東葛6市が設置した東葛地区放射線対策協議会が外部機関に委託して第1回目の測定を開始

●6月20日に市長が市議会の要望書に回答
 市長の市議会への回答書(追って掲載します)

●6月21日の市議会で、阿部議員が放射能汚染問題に対する市の対応を問いただす。進歩はあまり無し
 阿部議員の通告書
 市の答弁の要旨は以下の通り
 (当局が、質問の後も答弁書を阿部議員に提出しないので、詳しい報告は録画から再現の後行います。しばらくお待ち下さい)
 ・年間20ミリシーベルト、1時間3.8マイクロシーベルトでよしとの姿勢を改める気は無し
 ・他市のように市独自の線量限度、除染の基準は設けるつもりは無し
 ・幼稚園・保育園などでの対策は「従来の衛生管理を徹底」という程度
  小中学校についてはそれすらも無し
 ・国に対して福島県以外でも基準を定めることと、対策費用は国が負担することを求める予定
 ・放医研などの「専門家」を呼んで講演会を行う予定、などと答弁

●6月22日に川口市が年間1.64ミリを独自基準とすることを表明
 同日、野田市も年間1ミリ・1時間0.19マイクロを独自基準とすることを発表

●6月23日の流山市議会で、クリーン作戦で収集した側溝汚泥などが、100メートルほど近くに保育園がある市指定の回収業者の残土置き場に野積みされていることが明らかになる。
 保育園や学校で、弁当持参、給食で出された牛乳は飲まない子どもが増えていること、流山から引っ越すため保育園を退園する子どもが出てきていることも明らかに。


■2011年6月15日(水)
 流山=ホットスポットの現実はもはや否定できない
 市は、実情を見据え子どもと市民の安全対策に真剣に取り組め

 6月14日の東京新聞朝刊、同日夜のTBSの報道番組でも、流山の放射能汚染問題が取り上げられた。

 実はもっと以前から、SPEEDIの映像からもこの事実は明らかになっていた。多くの市民、そして私も、流山市内の各地点の放射能測定を自主的に行い、その結果に基づいて警鐘を鳴らしていた。

 ところが井崎市長は、問題の深刻さを何ら理解できず、市長取巻き会派の議員も「一過性のもの」「そのうち騒ぎは収まる」「もう下火になりつつある」などとしたり顔で語って、ノーテンキぶりを競っていた。その責任は重大だ。

 流山=ホットスポットの現実はもはや隠しようが無い。この現実を真正面から見つめ、市民と子どもの安全対策のために、流山市は真剣な取り組みを行うべきである。

 TBSは、「放射線管理区域を越える値」と報道しながら、「健康に影響はない」とのコメントも加えている。しかし、放射線管理区域内で人が生活しても問題ないのだとするならば、何のための「管理区域」なのか。原子力村の一角を構成してきたマスメディアの習い性がまだ抜けないようで、残念だ。

 ▽『東京新聞』6月14日


 6月14日夜のTBS報道番組
 
tbs110614

 SPEEDIの映像(先月16日とは3月16日のこと)


■2011年6月11日(土)
 6・11脱原発百万人アクションに参加
 新宿アルタ前広場は2万人の市民が集まり「解放区」に


 子ども連れの若い男女、杖をついたお年寄り、コスプレに身を包んだ人、外国の人たち…… 、様々な人々が、夕刻の6時頃から東京新宿のスタジオ・アルタ前に続々と集まり始めました。その数は 、とにかく多くて数え切れない。主催者発表では2万人。

 私は、午前中は別用があったために当初予定していた芝公園の集会に間に合わず、新宿中央公園のデモが出発する直前に到着。その後、都内各地のデモを終えた人々の一部がアルタ前に集合し、かつて無い大規模な集会となったのです。

 私は、アルタの真ん前の小高い植栽の中に陣取る形で集会に参加。次から次へと人が集まる中で、路上が満杯となり、やむなく植栽の中に入らせて頂きました。

 集会では、「素人の乱」の松本哉さんの司会のもと、ミュージシャンが歌やパフォーマンス で反原発をアピール。中学2年生のアイドル・藤波心さんも原発はいらないと堂々と主張。ま たグリーンピース・インターのメンバーが諸外国の動向を紹介し、社民党党首の福島瑞穂さんが「脱原発 は可能だ」と力強く訴えました。石川大我くん、司会者からせっかく「しゃべらないの?」と声をかけられたのだから、何かアピールすれば良かったのに。

 集会の途中、アルタビジョン(CM用の大画面)の上のビル壁面に、「NO NUKES」の文字や政府への5項目の要求 が映写された(壁面ジャック?)時には、広場から大きな歓声が上がりました。5項目は以下の通りです。

 1.稼働中の原発の停止
 2.定期検査中等で中止している原発を再稼働しないこと
 3.原発の増設中止
 4.児童への許容被曝量20ミリシーベルト/年の完全撤回
 5.原子力発電から自然エネルギー発電への政策転換

 以下、デモと集会の様子をとらえた写真をご紹介します。

    
「解放区」のようなアルタ前広場    誰も近づいてくれない建屋くん   わんこも「NO NUKES」

    
殺人労働に怒る寄せ場労働者     路上からもずっと連帯ピース!    親子連れはふうせんに祈りを

■2011年6月10日(金)
 流山市もようやく測定を開始、しかし課題は山積

 市内の放射線の自主測定を頑なに拒んでいた流山市ですが、6月6日からようやく開始し、市のHPでもデータの公開を始めました。市民や議員による自主測定の結果を突きつけられて、また市で自主測定をせよとの市民の声の高まりを受けての方針転換です。一歩前進と評価したいと思います。

 しかし、まだまだ課題は山積です。

 第1に、流山市が行っている測定は、測定地点(地表面や、芝生・草地・植栽などが含まれていない)、測定方法(クロスチェックが不十分)、測定対象(土壌・農産物などが含まれていない)などの点で改善が必要です。

 第2に、市民と子どもの安全対策が不十分です。学校、幼稚園、保育所(園)、公園などで、毎時1.0マイクロシーベルト以上の線量が確認される場所は直ちに除染すべきです。また放射線管理区域と同様の毎時0.6マイクロシーベルト以上の線量が継続して確認される土壌では、まずは注意喚起の表示、そして速やかな除染作業が必要です。また、学校、幼稚園、保育園、公園などでの子どもや教職員の活動について、健康への影響を配慮したさらにきめ細かな注意・指導、場合によっては制限も必要です。

 対応が後手後手になったり、中身が中途半端になってしまっている一番大きい原因は、やはり市長の姿勢にあると言わなければなりません。
 井崎市長は、東葛ホットスポットの問題が顕在化して以降も、安全の指針は「年間20ミリシーベルト」「毎時3.8マイクロシーベルト」だと繰り返し公言してきました。日本の法律、国内・国外の専門家の批判を無視し、5月27日の文科省の新しい目標(年間1ミリシーベルトをめざす)さえ意に介さず、未だにこの見解を改めようとしていません。

 「子どもと市民の安全を第一に考えろ」、この声をさらに大きくしていくことで、流山市の姿勢を転換させていきたいと思います。

 私は、民主党の菅政権を支持する者ではありません。しかし、菅降ろしの背景に、反原発・脱原発世論の高まりに対する原子力村=政・官・財・学の保身と反撃の意図があることは明白です。市民や子どもたちの命や健康よりも、自らの利権や権力の維持に腐心する、腐りきった原発クアルテットに大打撃を与える必要があります。
 6月11日(土)の反原発100万人アクションに、私も参加します。おそらく、芝公園の集会になるでしょう。皆さんも、ぜひご一緒に。↓
http://nonukesmorehearts.sblo.jp/article/45863118.html

■2011年5月31日(火)

 流山市内の放射線量を自主測定しました
  
 5月23日に、流山市に対し市議会議員として小中学校などの放射線量の独自調査の申し入れ行いましたが、5月25日に市は拒否回答をしてきました。

 「東葛6市が県に対して要望をしているので、それを待ってほしい。学校内にまで立ち入っての、公的機関以外に者による調査は、遠慮してほしい」という理屈です。「土曜・日曜だとしても、学校のグラウンドは生徒や市民が利用しており、線量計を持った人の姿を見ると、不安や憶測が広がる」などとも言いました。

 事態の緊急性、問題の深刻さをまったく理解していない回答です。市側の理屈を批判するのは簡単ですが、それよりも何よりも、放射能汚染の実態を出来るだけ早く知る必要があるということで、学校や幼稚園などの施設内ではなく、子どもたちが集まり、利用する公園などを中心に、自主測定を実施することにしました。その結果を、以下に紹介します。

 一部は、5月23日以前に計測したデータも載せています。測定はこれからも継続し、範囲、地点を増やしていく予定です。

  ●流山市内の放射線量自主測定データ

 下の映像もぜひ見て下さい
 ●今知りたい放射能のこと、今とるべき対策
 
http://www.youtube.com/watch?v=M90OCg4pp3s&feature=related

■2011年5月26日(木)
 流山臨時市議会が「ホットスポット」を討議
  県の対応を待たず直ちに独自調査を!

 
5月26日は、市議会の臨時議会でした。通常の臨時議会なら、議員の議席や、正副議長、各委員会のメンバーや正副委員長を決めることが主な課題となる議会なのですが、「東葛ホットスポット」の問題が持ち上がったこともあり、3つの会派(流政会、公明党、共産党)が緊急質問をしました。

 三会派の質問は、普段の議会質問よりは、市の執行部に対して厳しいトーンとなりました。共通しているのは“県の対応など待たず市で独自に出来るだけ早く放射能測定をしろ、子どもたちの安全を第一に考えろ”というもの。
 “原発事故・放射能汚染をテーマにした特別委員会をつくる必要がある”との意見も出されました。
 こうした発言が、保守も含めた大方の会派から出てきたということは、問題の深刻さを示すものと言えます。議会の姿勢としては、積極的だと評価できます。
 ただ、市長与党会派の「みんな・一心」は、予定していた質問を取りやめてしまいました。

 私の会派はといえば、質問通告の締め切りをめぐる事務的なミスで、大事な質問の機会を逃してしまいました。期待をされていた市民の皆さん、ほんとうに申し訳ありませんでした。

 もっとも注目すべき点は、質問に対する答えの中で、井崎市長が、明確に“子どもの安全は3.8μSv/h(マイクロシーベルト毎時)を基準に考えている”と答えたことです。

 この3.8μSv毎時という数字は、ご存じの通り「年間20mSvまでOKです」と言う、文科省と厚労省の見解を踏襲しています。
 年間20mSv(ミリシーベルト)を前提にして、1日に屋外で8時間、室内で16時間過ごし、室内の放射線量を屋外の0.4倍としてはじきだした数字です。
 この数値は、PSR(社会的責任を果たす為の医師団)など世界の研究者・研究者団体から大きな批判を受けています。

 この3.8μSvシーベルト毎時という線量がどんなに危険か、以下に箇条書きをします。
 ・3.8μSv毎時は、労働基準法で18歳未満の作業を禁止している「放射線管理区域」(0.6μSvシーベルト毎時以上)の約6倍に相当。
 ・20mSv/年はドイツの原発労働者に適用される最大線量に相当。
 原発労働などによって白血病を発症した場合の労災認定基準は、5mSv×従事年数。実際に白血病の労災認定を受けているケースで、20mSv/年を下回るケースもあります。
 ・この本基準は、子どもの感受性の強さや内部被ばくを考慮に入れていません。
 ・この本基準により、子どもの被ばく量を低減するための取り組みをやめてしまった学校も多くあります。
 ・3.8μSvシーベルト毎時を下回った小中学校・幼稚園・保育園・公園におけるモニタリングが行われなくなりました。

 井崎市長は、年間20mSv派だと公式に宣言をしたわけです。大変な愚挙、暴挙と言わなければなりません。

 “県の対応を待たないで、市で独自に取り組むべき”という要求に対しては、“市にはそうした能力はない。科学性・客観性を担保するために、専門家を用いて調査をする県の対応を待つ”という趣旨の答に終始。

 以上、臨時議会の簡単報告でした。


■2011年5月21日(土)
 流山=放射能汚染「ホットスポット」を実感
 1.40〜1.65マイクロシーベルト毎時の地点も

 本日、5月21日、私の住む鰭ヶ崎地域の公園と、小学校でのガンマ線の線量を計測しました。計測器は、文科省が教育機関に貸し出している「はかるくんU」と同じ製造元・富士電機の製品です。

 計測結果は、流山を含む東葛地域が「ホットスポット」と呼ばれていることを裏付ける内容でした。しかも、かなり高濃度の汚染を示す、高い線量が確認されました。この結果に、改めて驚くとともに、恐ろしさがこみ上げてきました。

 特に、小学校の動物飼育小屋のトタン屋根の真下では、年間に換算すると国の決めた安全基準の十数倍の線量が計測されました。この地点の計測においては、小屋のトタン屋根が集めた雨水によってわずかに穿たれた跡が芝上にライン状で残っており、その上で計測しました。この地点での線量が極めて高い値を示したのは、3月21日にしたたり落ちた雨水の量と関連があると推測されます。

 公園では、草のある公園の方が、無い公園より地表面で高い値が出ています。

 本日の測定は一市民の手による限られた条件の中での測定ですが、この結果を見ても、一日も早い、専門家による、核種も特定できる調査の実施が求められていると思います。

 近く、議員としても、流山市内の全小中学校・幼稚園での計測を行いたいと考えていますが、とりあえず21日の計測結果を、以下に示します。
 小学校については、二つの地点で三つの高さについて3回ずつ測りました。線量計は、1分くらい同じ場所に置くと、上下の振れ幅がほぼ定まってきますが、その下〜上の値を記します。( )内は、あくまでも、現時点での線量をそのまま年間に換算するとどうなるかという参考数字です。

●鰭ヶ崎団地1号公園(草あり) 午前8時10分〜測定
 地表  0.91マイクロシーベルト毎時 (年間8ミリシーベルト)
 30p  0.51マイクロシーベルト毎時 (年間4.48ミリシーベルト)
 100p  0.4マイクロシーベルト毎時 (年間3.5ミリシーベルト)

●鰭ヶ崎団地2号公園(草無し) 午前8時30分〜
 地表  0.50マイクロシーベルト毎時 (年間4.38ミリシーベルト)
 30p  0.49マイクロシーベルト毎時 (年間4.29ミリシーベルト)
 100p 0.43マイクロシーベルト毎時 (年間3.77ミリシーベルト)

●小学校 芝生 午前10時〜
 芝生上  0.5〜0.7マイクロシーベルト毎時 (年間4.38〜6.13ミリシーベルト)
 30p   0.52〜0.6マイクロシーベルト毎時 (年間4.56〜5.26ミリシーベルト)
 100p   0.45〜0.52マイクロシーベルト毎時 (年間3.94〜4.56ミリシーベルト)

●小学校 動物飼育小屋のトタン屋根の直下 午前10時25分〜
 芝生上  1.40〜1.65マイクロシーベルト毎時 (年間12.26〜14.45ミリシーベルト)
 30p   0.80〜0.95マイクロシーベルト毎時 (年間7.01〜8.32ミリシーベルト)
 100p   0.45〜0.54マイクロシーベルト毎時  (年間3.94〜4.73ミリシーベルト)