PDAで読書 ポケットにbibleを(3)
というわけで、モノは引っ張り出しましたので、あとは見るだけ。キリがないので網羅は目指しません。個人的判断で適すると認めた環境をを挙げます。あ、普通の読み物でしたら、青空文庫などから版権切れの文学資産を入手できますし、こちらに結構なリストが(あっさり)。
謎パー/HPn00LX(DOS/C)
- MIEL
- windows95以前には解説の必要などなかったのですが。書庫直読が可能な高速テキストファイルブラウザです(モザイクすらなかったころは当然この語が直ちにwebブラウザを指すようなことはありませんでした)。拡張子はユーザーが自由に決める時代のものなので、とりあえずなんでもテキストとして開けることができます。LXer時代、ファイラFSのビュアにMIELを指定して使用していました。FSも標準機能でテンポラリに解凍する書庫擬似直読が可能なのですが、標準ビュアはサイズ制限がない代わりにあきれるほど遅かったので。
- LogExpress
- LXerのデファクトスタンダードLogExpressを私があまり使わなかったは、自分のオリジンがNif者ではなくNiftyのlogを読む需要がなかった事もありますが、書庫直視機能や検索の非実装のほうが要因として大きいです。平文の通読にはよいのですが、ランダムアクセスが必須な聖書閲覧には全く適しません。それに、これはLXの独自機能を直接たたいているので、他の機体で使えません。
- Jupiter
- 縦持ち専用ビュアです。自動スクロール機能を持ち、平文通読には適していますが、これも検索機能がありません。
- EBR.exm
- 他にご紹介しているソフトとは根本的に異なる、電子ブックデータビュアです。これは.exmなのでLXのシスマネ上でないと動きません。電子ブック新改訳を利用している実例あり。実は自分ではまだ試してないのでこれに関しては詳細がわかりません。Mobilinksで200LXや電子出版のカテゴリーに挙げた各先達サイトをご参照下さい。
アプリケーション | 種別 | 桁折 | 検索 | スクロール | 書庫直読 | レジューム | 栞 | フォント可変 | 縦書表示
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MIEL | テキストビュア | 指定 | 前後 | 行・頁 | 可 | 有 | 無 | OS依存で自動 | -
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LogExpress | ログビュア | 画面枠 | − | 行・頁 | − | − | 無 | 設定file | 正方フォントは可(縦持縦書)
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Jupiter | テキストビュア | 画面枠 | − | 行・自動 | − | 有 | 有 | 設定file | 可(縦持横書も可・横持不可)
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EBR.exm | 電子ブックデータビュア | 画面枠 | 全域 | 行・項目? | − | − | − | ? | −
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P/PC,H/PC(WindowsCE)
海外では専用アプリケーションが落ちてたり売られてたりして羨ましい限りですが、ま、需要と歴史(50年経てば…)が違いますからね。
- TascalLHA+PWZeditor
- 使用感はかなり前述のFS+MIELの環境に近づいてますが、設定の仕方がまるで違っていることに我ながら時代を感じます。上では、FSの設定ファイルで擬似直視機能LZHモードでのビュアとしてMIELを指定するというアプリケーション主導の環境なのですが、こちらはOSの拡張子連動機能に従っているだけです。また、書庫内のテキストファイルをテキストと認識させるために、LX時代には要らなかった拡張子.txtを振る必要がありました。
- Ruby Reader
- 電子書籍リーダーです。プログラム名からも判るとおりルビ表示に対応しています。テキストのほうに独自の拡張子を付けてそれをレジストリに書いてしまえば連動起動や書庫直読も可能なのでしょうが、青空文庫などの蔵書は大抵.txtなので、連動に頼るとエディタで開いてしまうのが難。
- ブックリーダー
for PocketPC
- 電子書籍リーダーです。こちらもルビ表示に対応しています。
- ViewPage for WindowsCE
- テキストリーダーです。こちらはルビ表示には対応してませんが、なんとpalmのDOC,MeDOC形式に対応しています。
- STextViewer
- P/PC用の横持ち精細テキストリーダーです。
- TTV Book Reader
- 電子書籍リーダーです。対立候補として他のmoreソフトを挙げる気を完全に失わせるほどの優れものです。ZaurusOSは基本的に本体メモリとストレージの__ZAURUSディレクトリの中のファイルしか見に行かないので__ZAURUSの中身が収集がつかなくなってしまいがちなのですが、TTV Book Readerではストレージに\booksと\books2というディレクトリを設けて、その中にデータを整理しておくことができます。私のTR-1では、\booksには青空文庫から落としてきた一般の文学などを置き、\Books2のほうに新共同訳聖書が続編込で全部詰まっています。なお、ブンコビューアver.1はかつて同ソフトのOEMでしたが、ver2からは独自のものとなったようです。
- ブンコビューアver.2
- ザウルス文庫専用電子書籍リーダーです。レビューは少々お待ちください。
アプリケーション | 種別 | 桁折 | 検索 | スクロール | 書庫直読 | レジューム | 栞 | フォント可変 | 縦書表示 | ルビ
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TTV Book Reader | 電子書籍ビュア | 画面枠 | 前後 | 行・頁 | 不可 | 有 | 有 | 可 | 可 | 可
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- ブンコビューア
- ザウルス文庫専用電子書籍リーダーです。レビューはやはり少々お待ちください。
palm(PalmOS)
- モバイブル
- 他のご紹介ソフトとは異なり、海外の専用アプリと同様の専用聖書リーダーです。J-ばいぶるのデータを吸出して用います。本体メモリに任意に2訳までインストール可能で、随時相互参照が可能です。データは圧縮して保持されるため、一訳おおむね2MB程度になります。Visorのフラッシュモジュールには移動することができます。ClieのVFSに対応しており、外部ストレージが存在すれば5訳全部をインストールすることができます。但し、全ての互換機のVFSへの対応は保障されていません。作者サイトの動作報告にない場合、自ら人柱になって(不)動作報告してあげてください。
- 使勝手は、かなり改善されました。かつては…章を跨った箇所を読むと、戻る操作が「前章の冒頭に飛ぶ」しかなく、直前のページに戻れなかったのですが、ver1.1から後退も自由に、ver1.5からはスタイラスでのスクロールも実装されました。
- DOCアプリ類
- palmはもともと4kBを超えるテキストファイルを扱えませんでした。そこで考え出されたのが、.DOCというフォーマットです(MSのアプリケーションとは全く関係ないので、互いに読み書きできません)。内部的に頁分割と圧縮を行っています。また、大量のメールを一纏めに携帯するために.docを拡張しインデックスを持たせた上位互換フォーマットがMeDOCです。これらを読み書きするpalmwareをDOCアプリと総称し、さらにMeDoc対応アプリではMeDoc形式のファイルでインデックスのハイパーリンクと本文の整形表示をさせることが出来ます…って、PDA筋からここに来た方には釈迦に説法ですね。このDOCアプリにもエディタとビュアがあります。
- Docアプリはpalm機のハード・OSそれにもちろんDOCフォーマットに縛られ、結果、大抵のものの操作感は似通っています。さらに公開あるいは引き継がれたソースから派生する親戚筋のpalmwareなどがあり、もちろん同系統のものはさらに似ています。
- しかし、4kBの壁を破ったこれらのDOCアプリですが、読込データ量に上限を持つものがあるので注意が必要です。ファイルサイズなのか論理行数なのか条件が不明ですが、Haut-MeDoc・Crs-MeDoc・SimpleDOC・ZDOCm・Pen Document Reader ・TealDocでは、270kB程度のWANI-BBSのlogのDOC(圧縮)を読み込ませると最後尾まで表示させることが出来ませんでした。QED とJ-DOC Reader、POOK ではそのファイルもちゃんと最後まで読めましたし、それより大きいファイルでもそう言う経験をしたことはありません。もっとも、私がDocファイルを作るのに使っているMakeDocWとの相性なども考えられますので、一概にナニが原因とは断定できませんけれども。
なお、palm用の電子書籍店としてはクリエの本屋さんがあります。
アプリケーション | 種別 | 桁折 | 検索 | スクロール | 書庫直読 | レジューム | 栞 | フォント可変 | 縦書表示 | ルビ
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モバイブル | 電子聖書 | 画面枠 | 後・書巻全域 | 頁・章 | 専用形式 | 有 | 有 | 可 | 不可 | -
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DOCアプリ類 | ビュア・エディタ | 画面枠 | 前後 | 行・頁 | 専用形式 | 有 | 有 | 可 | Crs-MeDocと其の子孫は可(LineUpは行方不明) | -
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電子書籍閲覧機としてPDAを選んだら(ハードウェア)
注視すべき要件は、
- 外部ストレージ
- 画面解像度
- 外部接続手段
です。聖書は4MBあるので、内蔵メモリだけで凌ごうとするのはかなり無理な発想になります。また、肝心の画面が見づらくてはなんにもなりませんし、どこかから書籍データを取り込めなければどうにもなりません。これは、自宅で母艦から入れてもいいのですが、モバイル環境でどこでもDLできたほうがずっといいのはもちろんです。
なお、こちらでは各種PDAでの画面表示が見られます。
さしあたり安く上げるなら
- SHARP ザウルスアイゲッティ MI-P1 実勢\8800(2002/6現在)
- モノクロQVGAは炎天下でもよく見え、CFtype1スロットを備えておりストレージにはまったく不安なし、通信環境としてはCFスロットを用いなくても携帯電話・PHS類がすべて繋がります(接続コードは別売)。また、シャープは独自に電子書籍・電子マンガを斡旋・配信するサービスを行なっており、それを利用できるメリットも見逃せません。
- 各種旧世代palm互換機
- 2002/6現在、具体的には、以下の機種が投売り状態です。いずれもモノクロ標準液晶を装備(160*160)、メモリは8M、バイザーのスプリングボードの他はストレージは付きませんが、少なくとももばいぶるの標準インストールには十分で、なお30%ほどは余裕がありますから、何らかのdocリーダと小説の数冊分は入ります。
表示性能重視で最上級を求めるなら
電子表示文字の見易さには、大きさ太さももちろん影響しますが、実は文字のプロポーションに依存する部分がかなりあります。小さい字で一覧性よく表示するより、省略の少ない大きな字体で美しく表示したほうが見ていて楽です。それだけでは、効いているのはフォントのシェイプなのか物理寸法なのか判りませんが、高精細液晶を搭載した機体のほうが、文字サイズが逆転している様な場合でも見やすいことから、やはりサイズよりシェイプだということが認知されてきました(知ってる人は6年前からPC110の24ドットフォントの見易さを知ってましたが)。これはおそらく低解像度の略字フォントを読取る際には脳のパターン認識機能を相当酷使していて、その負荷が低減されることによるのだと思います。
と言う訳ですので、「王様の電子書籍リーダー」は、高精細液晶と16ドット四方を超えるフォントを搭載した、いわゆる「ハイレゾの無駄遣い」をしている機種に自ずと絞られます。それだけだとVAIO GT系とかLibretto L1とかVictor InterLinkなども入りそうなんですが、こと電子書籍リーダーとしてはキーボードはむしろ邪魔なだけなので、それらはばっさり省きました。
- SONY CLIE
- 他のpalm互換機の四倍かそれ以上(320*320、あるいは320*480)の解像度を同面積に押し込んだ機体。高解像度化と従来互換性確保としてして一番無難な方法を採用したため、文字数4倍にも4倍角で4倍美しくも表示できます(ンとソが区別しづらいらしいですが)。どちらも電子書籍として他のpalm機とは大きな差別化ポイントです。ストレージとしてメモリスティックが使え、通信環境としては別売アダプタで携帯電話・PHS類がすべて繋がります。
メーカー | 機種 | 液晶 | CPU | 質量 | 外寸(W×H×D,mm) | 実勢価格 | その他
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SONY | PEG-NZ90 | 320*480*65536色 | PXA250 200MHz | 293g | 75×141×22.2 | 79800 | 将来の評価がちょっと楽しみな欲張旗艦。KB、2Mpx(中堅級)カメラ、蒼歯、FeliCaリーダー、OS5。なぜかFM音源が削れている。
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SONYPEG-NX60 | 320*480*65536色 | PXA250 200MHz | 220g | 72.3×136×23.5 | 49800 | KB付き蛤e。OS5。音声機能付。カメラつき機種(NX-70)もあり(+\10,000)。
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PEG-SJ33 | 320*320*65536色 | 66MHz | 172g | 72.5×107.8×22 | 29800 | ベーシック機カジュアルクリエにも音源搭載・66MHz。音源を乗せたSJ30というより、電池を増やしたT650Cかという重量増。
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PEG-SJ30 | 320*320*65536色 | 33MHz | 139g | 71.8×104×16.8 | 24800 | 一回り小さい筐体の(ソノ分厚くて質量変わらず)カジュアルクリエ。音源非搭載のベーシック機。
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PEG-T650C | 320*320*65536色 | 66MHz | 140g | 71.8×118×12.5 | 39800 | 1つ前の世代。KBは別売り外付け、KBと液晶以外はNR70と同装備?。
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PEG-T400 | 320*320*16階調白黒 | 33MHz | 122g | 71.8×118×9.9 | 29800 | 2つ前の世代。玄人好みのモノクロ。質実剛健に音源非搭載。
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- サイバーバンク ジャパン PC-EPhone U
- windowsCEをベースにVGAタブレット端末として独自の実装を施した韓国製のマシン。
- SHARP ザウルスアイクルーズ MI-EX1 or MI-TR1
- パワーザウルス級の筐体にVGA(640*480、これまた多機種比で四倍画素)を押し込んだ、まさに「液晶のシャープ」の真骨頂のような機体。液晶表示用に開発されたLCフォントはその視認性に定評があります。ストレージとしてはPC Cardスロットを備え、アダプタ越しにでもここに刺さるフラッシュ・HDDメディアなら大抵のものが利用できます。通信環境としてはアイゲッティと共通の別売コード群で携帯電話・PHS類がすべて繋がり、しかもモデムを内蔵しています。
- しかし、アイクルーズは辛うじて現行機種とはいえ、二年前のリリースでしかも依然高価なので(投げ売りTR-1を捕獲できれば別ですが)、まさに最新機種ということではMI-L1がそれです。画面は1/4になってモデムがなくなりましたが、SDカードとCFtype2の2スロット構成になりましたので、ストレージを気にせずCFモデムやPHSカードが使えます。LCフォントや別売コード群での携帯電話・PHS接続機能ももちろん健在です。
最安価でおちゃめだが要技術
- NTT DoCoMo / CASIO ポケットポストペット \19800〜\500、実勢\4000(2001/9現在)
- キーボード付ですが、今あんまり安いので。カラーQVGAとしては比類なき最安値。ストレージとしてMMCが使え、改善された後期型では64MBも使えます。前期型でも動作保証のあるメーカーの品で64MBまで動作報告があります。通信環境としてはDoCoMo以外の携帯電話も繋がるようです。テキストを見るものとしては、さしあたりGSFinder+TQとポケットメモ帳、Ruby Reader、ViewPageが動きますが、「CE化」といわれるメーカー保証外運用処置が必要です。
(2002/10/02)