トーレンス TD126マークIII レコードプレーヤー


2024年2月ベルトを交換
2020年10月 新しいパイロットランプ用麦球を輸入
2020年10月 パイロットランプを交換
2019年12月 自動アームリフター
2018年5月
 パネル再塗装を追記 
2018年8月 プラッター周囲に滑り止めベルトを追加
2019年4月 交換用アームチューブを追加

 


Thorens TD-126 Mk3 と Van den Hul MC-10 Special
左上は Octave EQ.2  フォノイコライザー

 フローティングサスペンションで有名なトーレンスの往年の名器。オーディオ初心者のころの私に、ターンテーブルだけで音がこんなに変わるのだ、という真実を教えてくれた製品でした。単なる憧れから1984年頃に、当時で20万円以上した新品を手に入れて、最初に音を聞いたときは本当に驚きました。だって、カートリッジ以下は完全に同じシステムなのに、この低音の安定感は一体何なのか・・・。これまではハウリング音を聞かされていたのか・・・・。

往年の、といってもレコードプレーヤーとしては現代でもトップクラスの性能といえます。消耗品さえ変えていけば、その性能は維持されます。一生手放すつもりはありません。

 アームはトーレンス製ストレート型 TP16 が付いているタイプです。2020年7月の時点では、Denon製 DL-103 と、Van den Hul製 MC-10 Special の2つが、2本の交換アームに付けてあって、差し替え可能な状態にあります。(以前はMC*30ωが付いていましたが、その取付では、少々改造が必要でした。改造レポートはこちら)。

フォノイコライザ―はOctave EQ.2と組み合わせてあります。

  次第にCDを聞く機会のほうが多くはなりましたが、いまもLPの音がCDに劣るとはとても思えません。 トーレンスTD126MkIIIこそ、CD時代の今も、私のシステムのなかの重要度NO.1です。WADIA-6を継ぐCDシステムとして、オラクルCDドライブというフローティングタイプを選択したのも、フローティングシステムの振動遮断性能を高く評価したからなのです。



再塗装作業

 ターンテーブルのフローティングしているパネルは、もとものオリジナルはグレーでしたが、10年くらい前に黒に塗り替えました。しかし、その時は下地で手を抜いたので、すぐに色が変色してしまいました。
 新品での購入からは30年以上が経過しています。これからも大事に使いたいし、性能には関係ないのではありますが、やはり美しくないと気持ちがよくないので、思い切って表面塗装を少し削り、再塗装してみました。

 分解するのでなく、車の改造で得意だったマスキングで、分解は最低限度で再塗装。前回の失敗に懲りて、下塗り剤と合わせて3重塗装になっております。




仕上がりを見て、ニンマリしています。
他人にはわからない差だとは思いますが(^^;



針圧の精度
 トーレンスのアームは、ダイナミックバランス型です。購入以来、30年以上も使ってきて、加圧バネがヘタっているかもしれないので、これを機会にこれまで使っていたシーソー式針圧計(だいたい2gとわかる程度)から、電子式に乗り換えて、確認することにしました。
 SUMIKO Starling の適正針圧は 2g となっているので、アームの針圧目盛を2gに合わせてから、針圧計で測ると、2.03g。 意外と針圧目盛とよくあっていてびっくり。



トーレンスのアームの針圧精度が、今もこんなに信用できるとは意外。これからも、使える限り、大事に使おうと思います。



TP-16アーム用交換チューブ
 ebayで何げなく、Thorensと入れたところ、下の写真のような、交換アームチューブがヒットしました。TP-16アーム用の交換アームチューブ(TP63)ですが、Ortofon MC*30ωの取付でも困っていた下からネジを入れるタイプでなく、上から入れるタイプに改良されているではありませんか!しかもアジマスが調整できるネジまでついている。



 これがあったら、カートリッジの選択肢も広がります。後々の事も考えれば、これは即落しかない、と思いまして、買いました。

 で、来たものを見ると、
Thorensのロゴも一切なく、アフターマーケット品っぽい。でも、使用上は問題ないです。チューブの太さが純正より若干太く、TD-126MkIIIのアーム受けにハマらない、という問題がありました。仕方がないので、少しだけチューブを万力でつぶしました。

現在は、Van Den Hul MC-10 Special が付いています。アジマス調整も役立っています。

 


内部の二重シールド化
 内部のアーム下の配線から、信号の内部配線全体を、アース線に繋いだアルミホイルでくるみ、二重シールド化を行いました。サスペンションの動きを損なうので、太い線は使えませんので純正の細い線のままとしています。ここを太くしたら音が良くなる、なんてことはなかろうかと。
 S/N比の改善に多少の効果はあります。ただ、プレーヤー内部で拾うノイズは、ほとんどがカートリッジ内部のピックアップコイルなので、そんなに大きな効果は期待できませんけれど。



パイロットランプを新品に交換
 TD-126Mk3には、6つのパイロットランプ内蔵の動作切替スイッチがあって、その動作状態を示すランプが点灯するようになっています。



1980年台の製品ですから、
パイロットランプは白熱灯です。当然、長く使えば切れていきます。
 電源を入れると常についていた一番左の 
33回転のランプ が、25年以上前に、まず切れました。45と78はめったに点灯しないので切れていません。 その後、演奏中にずっと点いている一番右の回転・オートストップ状態のランプが切れました。
 もう15年間くらい、この二つは切れたままでした。したがって、演奏中は、上の写真のように、パイロットランプが一つもついていない状態。

 不完全なのが嫌いな私は、電球交換をしたかったのですが、
スイッチの蓋を開ける方法がどうしてもわからない。

 傷つけないように気を付けながら、ピンセットでつまんだり、ドライバーでこじったり、裏を開けて回路を覗いたり。でも、
どうしても電球にアクセスできなかったのでした。

ところが、ある日
Van den Hul MC-10S用に導入した、ゲル状針先クリーナーを、使おうとしたとき、手が滑って、
TD-128MK3のスイッチの上に、ゲル状粘着面!から落ちたのです。 

 慌てて持ち上げると、粘着面にくっついて、ランプカバー部が取れたじゃありませんか! 内側の部分が真上に抜けるのでした。

クリーナーが落ちたときの再現写真


ランプカバーが一緒に取れた!



これはまさに怪我の功名の大発見。こんなに簡単とは・・・。
 この後、ガムテープの粘着力で真上に引っぱると、どのランプカバーも簡単に抜けることが判明。 さらに中の電球(麦球)は、ピンセットで取り外せました(ねじ込みではないので引っ張るだけ)。

だた、外せはしたものの、麦球の替えは手元にない。そこで、よく考えて、ほとんど点灯する機会がない 45回転 と 78回転 の麦球を抜き、切れていた二ヶ所に使いました。
ほらね、33回転で使っている限り、すべて正常に点灯。



新しい麦球を輸入

TD126用の麦球は、日本ではうまく見つかりませんでしたが、 ebay で発見したので、予備も兼ねて6個も買っておきました。コロナのせいか、一度行方不明になり、再度、送ってもらって、2ヶ月もかかってやっと来ました。

意外とまともな商品。純正とまったく同じでした。まあ、規格の麦球だから当然ですが。

6個も買ってはみたものの、まだ切れてないのまで交換することはないので、古い玉は45回転と78回転に付け、一番切れやすい33回転と演奏中のランプを新品にしました。まだ新品が4個手元に残って、すべてのランプがつくようになりました。


小さいことでも意外と気分が良いもんです。

ついでながら、私のTD126IIIは、回転監視用のネオン灯もちゃんと点灯します。


回転も、十分に安定しています。


ベルトを交換

 回転が立ち上がるのに時間がかかりまじめました。経験上、ベルトが交換時期であるサインです。さらに放っておくと、回転監視像(上の写真)がわずかに揺れ始めます(やってしまった経験者ということです)。そこまで放置してはいけません。1984年に買って以来、いまや40年目ですが、その間、もう何回かわからないほどベルトは変えています。
上が使用済、下が新品。
どちらもトーレンス純正品ですが、やはりだいぶ伸びてました。



気持ちよく、新品になりました。慣らし回転が1時間ほど必要です。
音は良くなったりはしないと思いますが、なんだか、良くなったような気がします。ダイレクトドライブでは、こういう楽しみがないので、私はこの手間がかかるベルトドライブが好きです。

2024年2月20日追記

 



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