演奏後にアームを自動でリフトアップ
トーレンスのレコードプレーヤー TD-126 mk3 にはレコード演奏終了後に、自動で回転をOFFし、アームをリフトアップする機能がありました。
しかし、2015年頃、そのリフトアップモーターの劣化により、アームが上がるけど下りない、という故障が発生。モーター交換はできなかったので、やむを得ず、元のアームリフターは取り外し、そこに山本音響工芸のオイルダンプ式アームリフターを取付けて使っています。
TD126 mk3は、演奏終了後に、ターンテーブル・モーターは自動停止するので、うっかり居眠りしていても、再内周で プッチン、プッチンを繰り返している、 ということはないのです。しかし、回転が停まるだけで、オートリフトはもちろん機能しなくなっていました。
最後にモーターがOffになっても、慣性で回りつつ最内周に到ると、1,2回は、「プッチン」が聞こえます。結構大きな音です。音は別に気になりませんが、これって針先に負担をかけていないかな、と気になっていました。
アームが最内周に来ると、アームをを自動で上げる装置を市販しているのは知っていましたが、いまいち知らないメーカーで、どうも怪しげ・・・・。そう思って導入しておりませんでした。
しかし、昨年2018年に、私が信頼するオーディオテクニカから、同様の商品が登場しました。それがこのAT6006R。
「アームリフター」では本来のリフターと紛らわしいためか、メーカーは「セーフティーライザー」と呼んでいます。
アームが最内周に来ると、トップの写真で黄色頭のピンにアームが触り、リフターが起動するという単純な仕組み。
アームの根元付近で当たるので、「逆てこの原理」で、針先に伝わる横向きの力はまったく微小です。
インサイドフォースの方がよほど大きいくらいなので、この点は全く安全と私は思っています。

リフター起動後のリフトした様子が上の写真。

針先は、しっかり上がりました。
難しい点は、この黄色頭のピンの位置を、微妙に調整する必要がある点。
最内周ぎりぎりでなければならないが、必ず起動する、ちょどよい位置を見つけないといけない。
TD126mk3は、その直前に、内周部に針先が入って内向きの動きが早くなるのを速度検出して、モーターを停止します(位置検出ではない)。この停止前にオートリフトしてしまうと、モーターは止まらない。 故に、黄色頭ピンの最適位置は、一段と微妙な設定が必要。
ちょっと苦労しながら、見つけました。モーターは必ずOFFになり、慣性で回っているうちにオートリフトも確実に作動する最適点。
これでオートリフト&オートストップ機能が、久々にもどったわけです。
演奏終了後は、
1)本来のアームリフターをレバーで上げる
2)アームをアームレストに戻す
3)AT6006Rのリフターを指で押し下げる
という操作が必要。つまり3)が増えます。
ルーチンになってしまえば、忘れることはないですが、万が一忘れたときには、大丈夫か・・・・
大丈夫です。リフターを押し下げ忘れていると、演奏するべく、アームリフターレバーを下げても、アームは、AT6006Rのリフターに乗っかっていて、下がりません。それが下の状態。

なかなか、よくできています。オートストップ機能を持たない普通のターンテーブルでも、オートリフトアップだけでも便利じゃないかと思います。これはお薦めグッズ。迷ってないで早く買えばよかったです。
個人的には、高級プレーヤーにもこの機能はあるべきだと思います。最初からついていれば、今の時代、アーム位置検出はメカニカルでなくて、レーザーとかでもできるし、針先に影響がある(かも)、という大昔の説はもはや成立しないです。
(2019年12月1日)
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