Accuphase DP-720
SACDプレーヤ


アキュフェーズ DP-720 SACDプレーヤ
 エソテリックD-02xに引き続き、試聴結果に沿って、アキュフェーズDP-720を導入しました。 
 なんでP-02xじゃないの?と言われそうですが、SACDをPCM化するためのADコンバータを入れるためにはSACDのアナログ出力が必須で、P-02xは選択肢にならず、深く考えた末の選択です。 こんなおかしな組み合わせを思いついた人は、きっと他にいないと思うけれど、じつはかなり名案だった気がしてます・・・。

左から、ADC-1(SACD用ADコンバータ)、DP-720、DEQ2496x2台とD-02x、DA-3000(デジタルレコーダ)とデジタルスイッチSRC2496

 
並べてみて、想像したほど見た目も変じゃないような気がしてきました。SA-11S3の横では、あんなに威風堂々と大きく見えたD-02Xが、DP-720の横では普通の大きさに見えますね。


まずそのSACDの音は
DP-720(アナログバランス出力) 
  → ADコンバータADC-1(ABS/EBU)
      → デジタルイコライザDEQ2496 (ABS/EBU)
             → DAコンバータD-02x 

の組み合わせて出てきたSACDの音は、さすがと思わせる独特の音色をもっていて、ピアノもバイオリンも美しく演出され、期待していた通りの美音でした。 さすがはMDSD方式。

 次に記載するCDの音も含め、DP-720+ADC1+D-02xという、一見して非常識な組み合わせ、実は最高の組み合わせなんじゃないでしょうか。

 あくまで、同時比較じゃないんですが、試聴した記憶からすると、SACDの音は、DP-720単独より、また、P-02x + D-02xの組み合わせより、よい音の気がします。
 明らかに、両方の特長が、相乗効果を発揮しているのです。例えば、美しい高域はDP-720、圧倒的なS/N感はD-02x。



CDドライブとしての注意点

 
上記はSACD再生の話でした。CDの再生では、もちろんデジタル出力を使い、DEQ2496経由でD-02xに入力します。ただ、それにはDP-720には機能上の困難がありました。

 DP-720のデジタル出力は、アキュフェーズ独自のHS-Link以外には、RCA(75Ωのアンバランス)のS/PDIF出力しかないのです。

 一方、受ける側DEQ2496 はPA用機材なので、RCA入力がないのです。信号はABS/EBUでもS/PDIFでも受けられますが、入力端子がTOSかXLR(インピーダンス110Ωのバランス)です。

 アナログ入力の場合なら、バランス入力の片方はショートの、いわゆる「なんちゃって式」RCA/XLR変換アダプタ(300円くらいで買える)で無理やり繋ぐのも、(音質は知らんけど)インピーダンス上の問題はありません。

 しかし、MHz帯を送るデジタルラインでのインピーダンス・ミスマッチは、経路内で反射が発生してまずいです。
 仮につながっても、こんな重要な部分で、ミスマッチ接続は、精神衛生上、受け入れがたいです。

 
だからDP-720 とDEQ2496は、簡単には繋がらないのです。(他社のようにDP-720 もTOSくらい付けといてほしかった・・・)。


 調査の結果、解決策を見つけました、
デジタル信号用の変換トランス入りアダプタです。デジタルフォーマットは変更しませんが、インピーダンスと、バランス/アンバランスの変更をしてくれます。CANARE製です。




 入手してテストした結果、正しくデータ伝送できることを確認したので、安心してDP-720の導入に踏み切れたのでした。アダプタはDEQ2496側に刺し、DP-720との間は、最短長さで繋げるデジタルケーブルを特注しました。



CDドライブとしてのDP-720の音は

 
DP-720 (S/PDIF) → DEQ2496 → D-02x と送り込んで、エソテリック自慢の36ビットPCM処理をしたCDの音は、ORACLE、SA-11S3のデジタル出力、PC + uDSDのどれをドライブとして使った場合とも違います。読み落としがないことはわかっているので、デジタル出力なのに音が変わるのはジッターの差だという説がもっともらしいですが、それだけにしては変わり過ぎな気もする。SA-11S3などはDSPでいじってあるかも。DP-720も、CDドライブがFPGAで制御されているようなので、なにかなされていることはありえるかもしれないです。まあ、それぞれに音がよければそれでよいのですから、気にしてません。

 DP-720のデジタル出力の音は、ORACLE CDドライブを使った時の音に近いですが、それをさらに高分解能にした感じで、私は、DP-720経由が、ORACLEの音と一番違和感がなく、気に入りました。ヒステリックなところがなく、安定感がある安心して聞ける音です。

 いずれにしても、D-02xを通すので、所有しているCDが、ハイレゾになったかのように鮮明な音によみがえります。CDをハイレゾやSACDで買いなおさなくてよいなら、こんなにありがたいことはないですね。

 SACDに続き、CDの音も成功です。しかし!


USB入力はちょっと意外な結末に

 SA-11S3のUSB入力はWINDOWS-7までしか対応しておらず、DDコンバータとしてNuprime uDSDを導入していました。

 DP-720のUSBドライバーは、WINDOWS-8.1に対応しますので、早速PCをつないで見ました。難なくつながり、Foober2000の設定も簡単。uDSDはもういらないかと思ったのですが・・・

しかし、ここで想定外の事実が判明!!!
 DP-720のUSBドライバーは(そう、DDコンバータが、ではなくて、ドライバーが
)、どんなサンプリングレートの音楽ファイルでも、ドライバー設定で指定した一つのフォーマットにPC内部で変換して、USBから出力するのです。
 96kHz/24ビットをドライバーで指定すれば、CDのリッピングデータも96kHz/24ビット、192kHzのハイレゾも96kHz/24ビットで出てきます。

 D-02Xのような高度な変換機能を持たない「普通のDAコンバータ」なら、ここでアップサンプリングしても良いと思いますが、
D-02Xの、FPGAを用いた超高度な演算で36ビット&384kHz化する前に、PCのUSBドライバーでさらっと補間して元データを変換されてしまったら、本来ならD-02Xが抽出できたであろう情報が取り出せない。

 
実際、CDをリッピングした音を聴いてみると、いわゆる「アップサンプリングした音」になって、元のCDを直接再生した音とも違うし、リサンプリングをしないuDSDで再生した音とも全然違ってしまう。D-02Xらしい音は失われてしまいます。

 PCにはアップサンプリング処理の負荷がずっとかかるので、USBをDP-720につないでいる限り、再生していなくてもPCがスリープモードに入りません。
 ちなみに、uDSDでは、非演奏中は、PCはさっさとスリープモードに入ります。

 ハイレゾを含めて試聴テストの結果、私のシステムでは、DP-720のUSB入力を使うより、uDSDでDD変換して、DEQ2496のデジタル入力に送り込む方が良いと判定しました。


 uDSDのDDコンバータ、なかなかやりますね。DP-720より設計が新しいだけのことはある。さすがはNuprime。今後も新製品に期待したいです。

 uDSDは小さいので、陰にちょこっと置けて、ちょっと日陰者っぽいですが、実は、縁の下の力持ちです。



DP-720の設置(自作インシュレータ)

 SA-11S3の時と同様、私が開発しました「ガラスプレート+超低反発半球形ゴム20個」にて、振動を遮断します。半球形ゴムを大量に使うのは、一個当たりの負荷を減らし、半球形をあまりつぶさずに使うのが最低共振周波数を下げるポイントだからです。


  
 個人的には、金属などの固い足では、振動伝導の調整はできますが、インシュレーション(隔離)はできるはずはないと考えます。固い素材の足による音響調整を行うなら、外来振動のインシュレーションをしたプレートの上で行うのが基本かと思っています。
 ちなみに、カタログによると、DP-720 の内部でも、ドライブは低反発ゴムで浮かされています。さらに全重量を負荷としてDP-720 全体を浮かすことで、振動に対しては万全と思います。
(ご興味があるかたはご連絡ください。重さ、大きさにあわせて製作が可能です。)

 このような柔軟なばねやゴムによる支持方法は、重心から等距離の点で支えないと(わずかですが)傾くことになります。私は、もちろん重心を測定して支持点を決めています。SA-11S3では、かなり重心が左に寄っていたので、インシュレータの配置を左寄せにしてバランスを取っていました。しかし、DP-720は筐体の4つ足の真ん中に重心があり、さすがはアキュフェーズの設計と感心しました。筐体が3つ足でない点も好ましいと思います。



現状のダイヤグラム
 最終的に私がたどり着いた機器のダイヤグラムを以下に示しておきます。かなり知恵を絞りました。
 こんなに複雑でも、TOSリンクを上手く使って、一か所もアースループができていない点にもご注目ください。



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