わんだふる ニュージーランドアルプス (5−1)

  1.プロローグ 
  2.ニュージーランドへ向けて出発 : 12月22日(日) 
  3.マウント・クック山麓へ : 12月23日(月) 
  4.マウント・クック山麓(セアリー・ターンズ) : 12月24日火) 
  5.マウント・クック山麓(フッカー谷) : 12月25日(水) 
  6.ミルフォード・トラック(グレイド・ハウスへ) : 12月26日(木) 
  7.ミルフォード・トラック(ポンポローナ・ロッジへ) : 12月27日(金) 
  8.ミルフォード・トラック(クインティン・ロッジへ) : 12月28日(土) 
    ミルフォード・トラック(クインティン・ロッジへ) : 12月28日(土) 続き
  9.ミルフォード・トラック(ミルフォード・サウンドへ) : 12月29日(日) 
  10.ミルフォード・サウンドとクライストチャーチ : 12月30日(月) 
  11.さよならニュージーランド・アルプス : 12月31日(火)
 

                                             
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8.ミルフォード・トラック(クィンティン・ロッジへ) : 12月28日(土)

 夜はあまりよく眠れなかった。朝6時15分頃2段ベッドから抜け出し、外へ出て見て驚いた。何と昨夜の大雨がうそのように、空は真っ青な快晴であった。皆で’信じられない!’、’私の行ないが・・’といった声が聞えてくる。これはもちろん’私の日頃の・・・’たまものである。すぐに準備をし、食堂でそれぞれが今日のランチ・パックを作り、7時に朝食をとった。
 朝8時ちょっと前に、さわやかな気分でロッジを出発した。今日は、今回のミルフォード・トレッキングのハイライト、マッキノン・パス(Mackinnon Pass)越えである。このロッジの辺りは標高およそ400mくらいであり、マッキノン・パスの上にある休憩小屋がおよそ1,170mである。標高差およそ750mの峠越えで、今日の宿泊地クィンテン・ロッジ(Quintin Lodge)まで、約15Kmの歩きとなる。
 最初は緩やかな山道を歩く。昨日と同様、道の両脇は緑の絨毯の上にうっそうとした木々が生い茂り、冷温帯の’ジャングル’のなかを歩くようだった。昨日の大雨で、コケや木々はしっとりと濡れている。道も少し水溜りもできていた。
早朝のMackinnon Pass
ポンポロナ・ロッジ付近 フォックス・グローブの一種? 木々の間から見える高山
 9時半に最初の休憩地であるミンタロ・ハット(Mintaro Hut:標高約610m))に到着した。ここで小休憩の後、いよいよ峠への登りに入る。小屋を出るとすぐ右にミンタロ湖(Lake Mintaro)があった。それはひっそりとした林の中に隠れているような感じであった。道は、壁につづら折りに作られたような感じで、確かに急な登りである。道はしっかりしており、日本の山のように、大きな木の根があったり、岩が出ていたりということはないので、着実に1歩1歩進めば、どんどん高度を稼ぐことができた。


コケ、シダ類と高木 Mt.Hert(1782m)を望む

 高度を稼ぎ、標高も800mを過ぎた頃になると、高木は少なくなり視界も開けてきた。振り返ると、クリントン渓谷が展望され、ミンタロ湖も見えた。また、道の脇には、マウンティン・デージ(Mountain Daisy)などの花が見られるようになり、目をなごませてくれた。

ClintonValley Mountain Daisy Unknown

 標高900mくらいまで来ると、木はなくなり、コケや草と石の斜面に出た。日本で言えば、標高2500mくらいの感じだろうか。周りは雪に覆われた山々が取り囲む。道には、昨日降った雪がまだ残っており、暖かい日差しに溶かされて、あちこちを水が流れている。ときどき雷のような轟き音が聞える。最初は雷と思ったが、快晴の空に雷はおかしい。音の聞えるほうをよく見ると、周りの山で起きている雪崩の音であった。すさまじい量の雪が岩壁から落ちて行くのが間近に見えるのである。まるで、なだれの競演であった。
 11時30分、ようやく1,045mの峠に到着した。峠からは360度の展望が楽しめる。エリオット山(Mt. Elliot:2,003m)の南面の巨大な滑り台のような氷河がまず目に入る。ドーム型のハート山(Mt.Hert:1,782m)とそこから連なるアーチ型の釣り尾根が美しい。峠は広い草地となっており、大きな石のモニュメントが立っていた。ここで、ガイドからのジュースのサービスがあった。一気にジュースを飲み干し、ようやくたどり着いたという達成感と感激に浸りながら、しばらく峠で休んだ。といっても、周りの景色が素晴らしいので、あっちこっちと写真を撮るのにも忙しかった。

Mt.Elliot(2003m) Mt.Hert(1782m) 無名峰(1878m)?
Mt.Balloon(1853m) Arthur Valley方面 Clinton Valley方面 荷物を狙うKEA君
 しばらく休憩し、周りの景色を堪能した後、ランチ場所であるマッキノン峠避難小屋(Mackinnon Pass Shelter)に向かった。草原を緩やかに登って行くと、湿原が広がっており、あちこちに小さな池が点在していた。その池の澄んだ水面に、真っ青な空と白い岩山が映り、コントラストが素晴らしく、またまた写真をぱちりと撮った。10分くらい登った所に標高1170mの非難小屋が立っていた。着いたのはちょうど12時であった。ここでコーヒーをもらいランチをとった。ここには、工事現場にあるようなトイレがあり、その窓から見る山の景色は絶品ということで、皆トイレに入って感激??していた。

Mt.Elliot(2003m) 無名峰(1878m)
 ランチを食べた後、スケッチブックを取り出し、特異なドーム型のハート山(Mt.Hert)のスケッチをしてみたので、掲載する。昨夜の雨がうそのような快晴に恵まれ、ニュージーランドの白い山々を見ることができ、爽快な気持ちになってしまった。またまた、’私の日頃の・・’などと思ってしまった。もう風邪は完璧に直ってしまった。





ハート山と避難小屋


                                                                  2003年2月8日完

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