Bon Voyage! HOME > PRIVATE DIARY > 1999年2月中旬

迷狂私酔の日々


2月11日(木・祝)

たしかに寒いな、とは思ったのだ。少しだけ、雨も降ってきていたし。なのに、傘も帽子も手袋ももたず、Palm3とDSC-X100をポケットに突っ込んで出かけたのだ。

渋谷に着いたら大雨だった。いや、雪かみぞれだったのか? 「ラブゴーゴー」を観たあと、雨はさらに強くなっていた。デジカメのテストどころではない。Tower Recordsや東急ハンズを冷やかすつもりもあったのだが、とにかく駅へ走り込み、人の弱みにつけ込んでブースを出している東急東横で傘を買った。

新宿のVirginで、3,000円のCDを探す。つまり、スタンプが50点たまったので、「3,000円以内の商品1点」をもらえるのだ。ちなみに、Towerでは、500円ごとに1ポイントで、100ポイントで「お買い上げ額から3,000円を値引き」である。同じようで違うのだ。Virginでは、1,800円と1,400円の2枚を買うと、1,800円のCDはもらえるが、1,400円の方はふつうに買うことになる。Towerでは、合計額の3,200円から、3,000円を引いた200円を払えばよい。実は一度痛い目に遭っているわけで。

さて、珍しいことにJ-POPの棚に行ったのはそういうわけである。ここなら輸入盤か日本盤か悩まなくてよいし、新譜はたいてい3,000円くらいだし。せっかくだから本日のお買い上げリスト。

ADIEMUS/Songs of Sanctuary
(探したけどないのでもう1回買った。なんと、ボーナストラックの入った日本盤・再発が輸入盤より安いことに寸前で気づいた)

DEEP PURPLE/LIVE IN JAPAN
(実家にはLP2枚組がまだあるのだろうか? かつての名盤。私はこれを聞いてから「マシン・ヘッド」を聞いたため、そのテンションの差に唖然とした)

渡辺香津美/KYLYN
(マイク・マイニエリとの「TOCHIKA」の前に出した70年代後半のアルバム。坂本龍一との共同プロデュースで、全曲で共演。さらに、村上ポンタ秀一(dr)、益田幹夫(p)、小原礼(b)、ペッカー(perc)、向井滋春(tb)、清水靖晃(sax)、本多俊之(sax)、矢野顕子などのサイドミュージシャンは夢のような構成だったりする)

Cannonball Adderley/Somehin' Else
(むかあしのじゃずのめいばんなのだ。以上)

Robbin Lloyd, Ema, Esoh, Hachiro Sugiyama/EARTH TAPESTRY
(よくわからないが、中国やらアフリカやらネイティブアメリカンの楽器がたくさん出ているみたいなので買った)

憂歌団/UKADAN LIVE '89〜Big Town Tour〜
(ブルースは大阪に限る。それもミナミね、当然)

Mr. Children/DISCOVERY
(いちおう新譜をチェック。カラオケ用というウワサもある。もはや年に1回行くか行かないかだが)

the brilliant green/the brilliant green
(京都出身というだけで、聞いてみることにする)

こんだけ買って、15,000円とちょっとであった。わっはっはっは。

ようやく当初の目的を思い出して撮影を敢行。片手に傘とCD8枚を持ち、片手でしかも液晶を切ったままで撮るのだが、ファインダーと実際の画角がけっこうずれる(というより、小さいのと軽いのとで安定しないのだな)。しかも、シャッター音がまったくしない(当たり前か。光学シャッターだもんな。そういう言い方かどうかも知らんが)。私の好みにしたがい、フラッシュは強制不発光にしているので、実にカンタンに盗み撮りができる。ファインダーを覗きさえしなければ、カメラ持ってることも気づかれないぞ。いやあすごい。難点といえば、撮れたかどうかがすぐにわからないことだ。レンズカバーを開いて数秒で待機状態になるのだが、液晶をオフにしているのでよくわからず、それを待ちきれずにシャッターを押すと、当然映っていない。

2枚撮ってもう疲れたので、ビールを飲む。ここは、生のギネスを出すところである。メニューを眺めるヒマもなく(というか、パブでメニューが各テーブルにあるってのもすごいが)注文を取りに来たので、ギネスが生であるのを確認してハーフパイントを頼み、そういえば昼飯を食っていないので小手調べにフィッシュアンドチップスがあるか聞いてみた。ある、というのでそれもお願いする。で、メニューを見るとフィッシュアンドチップスが750円もする! いくら円高とはいえ、ロンドンの屋台なら100円か200円だろうに。しかも遅い。ギネスを飲み終えたあとにやってきたそれは、まるで巨大なアジフライのポテトフライ添えであった。いや、もちろん魚はタラなんだけどさあ。なんか肉屋の店先で売ってた80円のコロッケが出世して場違いな高級レストランに来てしまったような。真正のフィッシュアンドチップスは、新聞紙に包まれていなければならない。それに塩と酢をかけて素手でガンガン食うもんである。新聞紙はタイムズかサンか、という議論はあっても、新聞紙に載っていないフィッシュアンドチップスはない。そういうもんなのだ。しかも、ナイフとフォークで食べるとは、なんて俺も堕落したんだ・・・。そうブツブツ言いながら、しっかり食べて帰った。あの量はひとりで食うもんじゃないな。半日は気持ち悪かったぞ。

2月12日(金)

連休にするわけでもなく、出勤である。というより、ここを休めば4連休になることに気づいていなかったのである。11日が休みなんて忘れていたので、仕事の予定がてんやわんやである。休んでいるヤツラ、もとい、方々も多いのである。

2月13日(土)

酒も飲まず。Macも起動せず。外にも出ないでOvationを弾いていたら、腰が痛くなってベッドに倒れ込んだ。ちなみに指も痛い。やっぱりブランクが大きいかもしれん。ベースどころではないな。

簡単アイリッシュシチューを作った。30分で作ったせいか、味が全然丸くないのであった。市販のルーなら、もっとおいしいのだろうか?

2月14日(日)

ラグビー日本選手権。関東学院大に少しは期待したのだが、結局後半はいろんなチャンネルを浮気した。なんか、全然気合がはいっとらんがな。まるで実戦練習のように見えた。たしかに立川と淵上はいいタレントだと思うが。選手個々の力の差はもちろんあるのだが、それ以上にトレーニング方法と、いろいろな相手との経験の差が大きいのではないか? ナショナルトレセンとか、学生と社会人の交流とかを組織的に考えないと、代表レベルでの素材の発見・育成に問題が起きてくるだろう。別にラグビーに限った話ではないのだが。

ペルージャ対インテル。何よりも注目は、サポーターがどんな意志表示をするか、である。ガウチ会長は記者会見から新聞記者を閉め出すという昔の日本の首相みたいなことをやってますます反感を買っている。さてさて。しかし、WOWOWからは現場のノイズがあんまり伝わってこないのであった。なんか抗議のフラッグがたくさん出ていたのはわかったけど。

さて、試合の方だが、新監督のボスコフはたしかに大物だけど、あまりに状況が悪い。しかも相手はインテル。が、そのインテルは「夢の3トップ」と言われたロナウド、ロベルト・バッジョ、サモラーノが揃って欠場。アタッカーのインフレ状態から一挙に戦力ダウンしてしまっている。それでも、ヴェントーラとジョルカエフの前線、さらにシメオネ、サネッティ、ヴィンテル、コーエという中盤、ベルゴミ、ヴェストらのバックス、GKにパリュウカという陣容はワールドクラスである。ちいと年齢が高めだが。

ペルージャは右のサイドバックにソリアーノに代えてポルトガルから来たイラーリオ、中盤の底をレーコスオからテデスコに戻した以外は先週と同じ布陣。

インテルが調子が悪いのか、ペルージャがホームで元気がいいのか、ペルージャの方が決定的なチャンスが多い。ラパイッチのフリーキックにカヴィエデス、うまくキックがミートしない。見事なコントロールの落ちるボールだったのだが、ヘッドにしてもボレーにしてもむずかしい体勢からのシュートではあった。さらに、こぼれ球に寄った中田のシュートは前に出ていたパリュウカの股間を抜けたのに、カバーしていたヴェストの左足でクリアされた。そして今度は左からの長いラパイッチのフリーキックに走り込んだテデスコが短く流してカヴィエデスが右足アウトサイドでゴール右上隅に蹴り込んでペルージャが先制。この若者、ただ者ではないかも。素早い反応とアウトサイドであれだけの強さで狭いコースへ決めるあたり、みっけもんか。ただし、オフサイドを取りに行ったベルゴミに対して、シメオネらがマークについていったせいでゴールできたわけで、このへんもインテルには問題がありそうだ。

個人的に注目のペトラッキ、見せ場はあったんだけどねえ。3回連続でチャンスに絡み、うち1回はGKと1対1まで行ったのに。3回目に中田に走らされた時は辛そうだったなあ。正直なヤツだ。

予想通り、後半からインテルの猛攻にペルージャが必死の防戦。とくにGKマッザンティーニのセーブは神懸かりに近かった。ジョルカエフ、サネッティ、シメオネらが降り注ぐシュートはことごとく枠の外か、マッザンティーニに弾き返される。なぜか、ヴェントーラのシュートがあんまりなかったなあ。なかでも、ジョルカエフ(右)、シメオネ(左)、ジョルカエフ(右)と左右に振られながらもゴールを守ったシーンは圧巻。さらにオリーヴェが2枚目のイエローで退場になってからは、完全に守備固めに入る。だが、ジョルカエフもシメオネも天を仰ぐのみ。インテルはゼ・エリアス、ピルロ(19歳!)を投入するが、得点は生まれない。

そして、もはや全員攻撃のインテルに対して、ペルージャがカウンターからチャンスを作る。ベルゴミを抜けば、あとはGKと1対1なのだ。カヴィエデスが2回トライするが、ゴールに嫌われる。カヴィエデスを下げたあと、今度はラパイッチが1対1に。パリュウカが間を詰める。ラパイッチがタイミングを図る。ベルゴミが追いつきかけている。ラパイッチが左足で慎重に送り込んだボールはパリュウカの足先をかすめて左ゴールポストの内側に転がっていった。2-0。すでに残り時間は10分を切っている。

中田はゴールにこそ絡まなかったが、もはや大黒柱。攻撃の起点となり、ペナルティエリアに走り込み、守備でも何度かインターセプトやいいプレスをかけていた。ヴィンテルが手こずっていたもんな。

ロスタイムの最後にPKをとられたものの、結局は耐えて金星。何とか14位以上をめざしてほしいものだ。実はスクデット争いよりもB降格かA残留かの争いの方がはるかに熾烈だったりする。勝ち点19〜22の3ポイント差の中に、12〜15位の4チームがひしめいていて、ペルージャはまさにその境目にいたのだ。これで25ポイントまで伸ばしても、まだまだ安心はできない。う〜ん、いつのまにか弱小ペルージャに肩入れしてしまっているぞ。

2月15日(月)

昼休み、いい天気だ! と勇んでDSC-X100をポケットに外へ出た。さあ、このへんがフォトジェニックかなあ〜、と取り出したDSC-X100は「再生」モードになっていた。ん? ということは、ずーっと「再生」してたってことか? 案の定、電池は切れていた。これって自動電源オフじゃないの? あるいは、自動でオフしても、モード切替スイッチが「再生」に入ったままだと、また電源が入っちゃうわけ?

とにかく、やっぱり予備のニッケル充電地が必要なことは明らかになったわけだ。

movie「ラブゴーゴー」、wine第34回をお届けします。

2月16日(火)

今日こそ、と充電し直してDSC-X100を持って出勤。右ポケットにデジカメ、左ポケットにPalm3。で、ようやく昼休みに撮影しまくる。静かなところだと、わずかにシャッター音が聞こえる。しかし、非常にかすかで、ファインダーに眼をくっつけた状態でやっと聞き取れる程度。1枚撮ってから再度撮影可能状態に入るまでに要する時間は、体感速度で3秒くらいだろう。シャッターボタンを押してから実際に撮れるまでの反応速度は、体感速度では1.7秒。物理シャッターに慣れている者にとってはかなりとろい。たぶん、この85万画素クラスではものすごく速いのだろうけど。だいたい、私はコンパクトカメラでもオートフォーカスは使わないのだ。信頼できないってのもあるが、シャッターボタンを押し込んでからピントを合わせてシャッターが下りるまでのタイムラグがいやなのだ。DSC-X100では、動物や子どものように不意に動く被写体はシャッターチャンスを予測する必要がある。あ、そのために連写があるのか。

快感なのは、とりあえずたくさん撮って、気に入らないものは捨てていけばいい、ってところ。さらに露出7段階撮影とか、動画撮影もやりたかったが、モードを選ぶ段階が意味不明で挫折。まあ、例によってマニュアルをまったく読んでいないのでいたしかたない。

それにしても、モードセレクト画面でアイコンだけってのはやめてほしい。某MS製品でもそうだが、グラフィカルインターフェースってったって、なんでも絵で示そうなんて無理がある。

それから、レンズが左端に寄っているため、普通のポジションで構えると必ず(といっていいほど)左手の指がかぶる。これを避けるには片手撮りをするか、左手のポジションを意識的にボディを上下あるいは前後にはさむようにするなどの対応をしなければならない。もともと軽すぎて安定しないだけに、すばやく確実に撮影するためには慣れる時間がいるだろう。

でも、右手にだらんとぶら下げてガシガシ撮るってのも隠し撮りっぽくって楽しかったりする。もともとメモカメラだから、テキトーに遊ぶのには似合いのマシンだな。意外にニッケル電地がもつし。液晶オフとはいっても、モード変更や撮影したものを確認や捨てるためにはどうしても液晶画面を見るし、本当は露出状態のチェックのために液晶オンで撮りたいわけで。

会社からの帰り道に、EXPOネタと抽選券目当てに「Mac Fan」を買う。つらつら見ていたら、新製品プレビューにDSC-X110が。なんとバージョンアップして撮影間隔が1.5秒から0.5秒に短縮されたそうだ。さらに、ブレを起こさないように改良されているらしい。ガーン。さすがに新製品サイクルが速いぞ。X110が出たら、X100は値下がりしたはずだし。しかし、EXPOに間に合うことを考えたら、このタイミングしかないよなあ。そう考えて自分をなぐさめる。

GoType!日本語版ドライバをダウンロード。Vis-a-Visの水谷さん、ありがとうございます。で、Palm3からオリジナルのドライバを削除してからインストールしたのに・・・。なんと、HackMasterでGoType!日本語版ドライバを選択したとたんにハングしてしまう。2回目も同じ。ああ、私ってなんか悪いことしたかしら?

2月17日(水)

ヨドバシカメラのサイトを覗いたら、2月13日からDSC-X100のパソコン接続キットを値下げしていた。11,000円が6,480円に。ああ、それはないよなあ。あと1週間待てばよかったのか。運命はかように残酷である。ちなみに、ここのサーバーの回線はかなり細いのではないか? あるいはシステムが古いか。なんか異様に遅いんだけど。

自宅で取り扱い説明書を読んで、DSC-X100の操作を完全に会得した(たぶん)。しかし、露出7段階連写で、7枚をいっぺんに比較できないのかなあ? 連続して見るだけでは、その場でセレクトする判断をするのはむずかしくないかい? 9枚のサムネール一覧が可能なんだからできないはずはないんだけど。連写はいいが、当然記録枚数を食うから、その場で不要なカットは削除したいわけで。端的に言うと、EXPOのような屋内撮影では露出がキー(デジカメは暗いところでは非力、とくに色再現に難点がある)なので、露出7段階連写ってのは、大事な写真では威力を発揮するはずなのだ。でなければ、液晶で確認しながら露出補正を手動でやる手なのだが。

Palm Desktop2.0をアンインストールし、Pilot Desktop1.0を再インストールした。日本語パッチも再度当てて、出直しである。ウワサでは、そろそろMacPack2.0の正規版が出るらしいが。

2月18日(木)

Macworld Expo/Tokyo'99開幕。スティーブ・ジョブズのKeynoteを見に行きたかったが、社内工作に失敗した。それどころか、ちょうどその時間は社長とミーティングである。ああ、なんてことだ。

ZD NETのライブは不調でやってない。いくら探してもApple Store Japanがオープンした、というニュースしかないぞ。結局、P1もWebMateもMacMateもLombardもQuickTime4.0も発表はなかったのか?

某所1に寄ったら、「どうしたの? 頬が腫れてるわよ?」と言われた。いいえ。単に太っただけです。心配してくれてるのか、からかわれているのか、ようわからん。

某所2では、せっかくなので、DSC-X100のテストをした。オートフラッシュだと、当然フラッシュをたくのだが、かなり明部が白っぽく飛ぶので、強制不発光にする。けっこう撮れるものである。全部、液晶オンにして、撮った画面をみんなに回して見せる。ガンガン電力を消費するが、どうせ家に帰ったら充電するからいいのだ。「あとで出来の悪いのはカットしちゃおう」とか漏らしたら、猛然と反発された。そりゃそうか。

2月19日(金)

EXPO特別ページをつくることを決定! ただし、役に立つ情報は、たぶん(いや、間違いなく)ない。

うまく行けば、午後の後半は早退扱いで幕張に行けるかもしれない。うひひひ。さあ、どこを回ろうかな? とか考えていて思い出した。充電するのを忘れた! DSC-X100のニッケル電池は、昨日ガンガン飲んで騒いで遊んだままだ。ガーン。

しかし、今日果たして幕張に行けるのか?

初台で打ち合わせを終えて会社に電話したら「雪降ってる?」といきなり聞かれた。多摩川の向こうはみぞれらしい。肝心のメールはまだだった。やっぱり外で通信できる環境がいるのかもしれない。この瞬間、EXPOは夢と消えた。ああ、おしごと、おしごと。

スマートメディア16MBとニッケル電池を買って帰る。昨日、『マイクロソフト帝国 裁かれる闇』読了。Ovationを夜中に弾きまくる。

2月20日(土)

この日の日記は特別ページMACWORLD Expo/Tokyo '99個人的レポート(ただし、写真はまだ。99.03.01現在)へどうぞ。

帰途、某所にて飲む。牡蛎とブロッコリーのグラタンと、セリのおひたし。『OUT』を借りる。家に帰ってそのままダウン。『業火』読了。


最新の「迷狂私酔の日々」へ
1999年2月上旬の「迷狂私酔の日々」へ戻る
1999年2月下旬の「迷狂私酔の日々」へ進む
過去の「What's New」という名の日記へ

All Rights reserved by (C) Takashi Kaneyama 1997-1999