◆ 遺伝子の操作、プライバシー、保険 ◆


> 遺伝子テクノロジーは、 バイオ技術を使って有効な医薬品を作ることから、
> ヒトの遺伝子そのものを操作する方向へと進みつつある。

> 大事なのは「遺伝子」だ、という 考えが進むと、
> 受精卵の遺伝子操作が正当化されるようになるのはもちろん、
> 病院で、「複製」や「ブレンド」された 「良い受精卵」を買うという
> ところまで行くかも知れません。
受精卵の遺伝子操作、クローニングや売買によって、 全く同じ遺伝子を持つ人間があちこちで生まれるようになると、 個人のアイデンティティというものが曖昧になります。

現在、DNA 鑑定は法的に有効な証拠となるそうですが、 全く同じ容姿、同じ指紋、同じ DNA の人間がその辺に何人もいるとしたら、 なにかの事件の犯人を特定することはたいへん困難です。 自分と他人を客観的に確実に区別するものがなくなってしまうからです。

それを避けるにはどうするのでしょうか?
「生まれてすぐに紫外線バーコードで額に ID を焼き付ける」 なんて方法をとるのかもしれません。


> 遺伝子が分かれば、その人の体質や性格、能力まで分かる。
> ヒト個人の遺伝子情報のプライバシー について、現在は何の規制もない。
> 遺伝子による入学試験、結婚相手の選択、保険加入の拒否、などが
> 将来行われるようになるかもしれない。
保険屋は、「ガン遺伝子を持つ人には高い保険金を払ってもらう」 「保険契約を受け付けない」ことを当然考えるようになるでしょう。

それを逆手に取ることもできます。保険屋がそういうことを始める前に、 こっそり自分から遺伝子鑑定を受けて、自分の寿命や病気確率を予め知って しまうのです。
ガンになる確率がとても低いなら、ガン保険に入る必要はないし、 寿命が分かるなら死ぬ直前だけ生命保険に入るのがお得です。

そういうことを想像すると、「遺伝子鑑定」という職業がこれから とっても儲かりそうなものに思えてきます。 「手相鑑定」なんかよりもずっと科学的で信頼できる。
誰かやらないかな?(そういうサービスはすでに存在するようです。)



映画「ガタカ GATTACA」(Andrew Niccol 監督 1997)は、 まさにこういう遺伝子至上主義の行き過ぎた世界を描いていた。 ただし、この映画の中ではクローンについてはほとんど触れられていなかった。


・2000/02/09 遺伝子情報での差別禁止、米大統領令に署名 / 新聞記事
1994/08/17 T.Minewaki
1996/06/24 modified for HTML T.Minewaki
2001/11/21 last modified T.Minewaki
遺伝子操作について
遺伝病をなくす、ある方法
バイオ・科学者たちの夢と不安 / NHK / TV番組
遺伝子データ保護 / 新聞記事

科学 vs 宗教
生命のよもやま話
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T.Minewaki / minew@post.email.ne.jp