秩父巡礼

第1回 1番から27番へ

かねて企画中であった山木会の有志による秩父巡礼は2006年5月21-22日にかけて1泊2日で行われた。幸い天候に恵まれて快適な巡礼ができた。

参加者は西川、北澤(章)、北沢(栄)夫妻 、青木(一)の計5名。

第1回-第1日

前日から鎌倉見物を兼ねて鎌倉に滞在中の北沢夫妻と一緒に5:25始発の江ノ電で出発。池袋で購入した朝食を車中でとる。東京と千葉からの参加者を含め全5名が車中で合流。定刻に西武秩父駅に到着。

時間節約のために タクシーで1番札所四萬部寺(しまぶじ)に向かう。ここで全員、秩父霊場専用の納経帳を買い求める。グリーンウッド氏は西国最後の33番華厳寺で買った御朱印帳を継続して使うことにした。

西国を満願したばかりの西川が般若心経を読経し始めたのには驚いた。西国巡礼で覚えたという。秩父霊場専用の納経帳には経文が印刷されている。風邪で声の出ない北澤(章)に納経帳を借りて北沢(栄)ともども2番真福寺から唱和してみた。案ずるは生むが安し。継続して試みるうちに次第に上達した。江ノ島にある最福寺別院の池口恵観のCDで聞いた記憶をたよりにフラットで息継ぎせずに唱えると仲間の声とハーモニーを生じ恍惚感に浸れる。合唱の心得のある西川は1度位ずらすといいのだという。

1番四萬部寺

四萬部寺で巡礼仲間と

四萬部寺の施餓鬼堂

2番真福寺に向かう路は2006年5月6日の予備調査の時より路傍の花が減り、調査時に聞こえたガビチョウの流麗な鳴き声の代わりにウグイスの鳴き声が聞こえる。2番真福寺は無住のため光明寺に立ち寄って納経する。

3番常泉寺に向かう途中、荒川の支流、横瀬川にかかる山田橋を渡る。深い渓谷の中腹にある岩棚にギリギリ茅葺の民家が1軒しがみついている。

2番真福寺

3番常泉寺

4番金昌寺仁王門

3番常泉寺から廃業した山田温泉脇の人道橋を渡って4番金昌寺に向かう。4番金昌寺は秩父札所の中で屈指の仁王門をもち、石仏の寺としてもよく知られている。大わらじがかけられた仁王門をくぐれば、どこを見回しても石仏だらけ、その数、1,319余体 。マリヤ観音、慈母観音ともよばれる子育て観音像がある。

金昌寺本堂

金昌寺の子育て観音像

5番語歌堂

西川の提案を受け入れ、歩く距離の節約にはならないが、同じ道を往復しないように番号を無視して横瀬川をジグザグに横断しながら南下することにする。従って5番語歌堂の後、語歌橋を渡って10番大慈寺に向かう。語歌橋のたもとでちょうど12:00を過ぎた。感じの良い粋心亭あじ岬(Restaurant Serial No.282)で海鮮丼の昼食とする。

10番大慈寺

6番ト雲寺

8番西善寺

10番大慈寺からは横瀬大橋を渡って7番法長寺に向かう。これで横瀬川を4回渡ることになる。西川の持つ案内書に従い、横瀬川の断崖の上の細い道をたどって7番にたどり着く。7番は撮影忘れ。

7番法長寺から6番ト雲寺は簡単。6番ト雲寺をでるとイチゴ食べ放題のグリーンハウスがあるがかまっていられない。坂を下り、権現橋で5度目の横瀬川横断をして8番西善寺に向かう。ここまで遡上すれば大渓谷だった横瀬川もささやかな川となる。そもそも横瀬川は武川岳の尾根がつくる山伏峠を分水嶺として流れ下ってくる川だ。西善寺の庭には紅葉の巨木がある。

坂を下って横瀬川の支流の生川を渡り、登り返せば三菱マテリアルを横目に西武秩父線に沿う道に出る。巡礼道案内に従い、9番明智寺から横瀬駅に向かい、地下道をくぐって 線路の反対側にでて坂氷交差点に向かう。宇根川の作る窪地の底には豪農の屋敷がみえる。美しい。

9番明智寺

12番野坂寺

13番慈眼寺

11番常楽寺は国道299号線に面した騒々しいところにある。ここから羊山公園の麓の細い道をたどって12番野坂寺に向かう。12番野坂寺は白壁が美しい時代を感じさせる黒い楼門がそびえ、寺院というより城門といった佇まいである。

急げば納経所が閉まる17:00に間に合うと、全員の納経帳を持って13番慈眼寺に走る。5分前に滑り込みセーフ。

今夜の宿は13番慈眼寺前の旅館たちばなHotel Serial No.347)だ。現在の女将の母が巡礼向けの宿を始めたのだという。一風呂浴びて、夕食をとり、北澤(章)が調達した米焼酎で団欒後21:00には就眠。

第1回-第2日

車、列車の音、夜中に鳴き出すニワトリ、哀しげな犬のうめきで安眠は妨げられたが、6:30起床、7:00朝食で7:45宿をでて8:00には15番少林寺の納経所で呼び鈴を鳴らす。

15番少林寺

16番西光寺

17番定林寺

15番少林寺から14番へゆくには少し戻ることになる。14番は撮影忘れ。16番西光寺では四国88所めぐりをする。17番定林寺で方向音痴となって反対方向に歩き出すも北澤(章)が他の巡礼者の道案内を聞いていたため、無駄な時間を浪費せずに済んだ。 相生町交差点からは気持ちの良い古道をたどって18番神門寺につく。ここから19番龍石寺へも気持ちの良い古道をたどれる。

18番神門寺

19番龍石寺

20番岩之上堂

19番龍石寺の参道を入ると六地蔵像が出迎えてくれる。そのあたりは起伏のある岩盤が露出しており、その大きな岩盤の上に本堂が建てられている。

19番龍石寺からは坂を下って荒川を秩父橋脇の人道橋を渡る。荒川は大きく、深い。群馬県の叶山(かなやま)から石灰石を運んでいる長さ30kmのベルトコンベヤが遂に地上に姿を現し、荒川を専用の橋で渡り、秩父太平洋セメント工場に入るのを目撃した。

20番岩之上堂はその深い渓谷の縁に鎮座していて気持ちのよいところだ。21番観音寺は県道72号に面していて味気ない。路傍でイチゴを一箱買う。22番童子堂は県道から少し下った畑のなかにあって気持ちが良い。ここで皆でイチゴを平らげる。

21番観音寺

22番童子堂

23番音楽寺

22番童子堂から23番音楽寺までは江戸巡礼古道を歩く。畑のなかの古道は心和む道だ。県道を横断すると急な山道となる。23番音楽寺は山頂近くにある。23番音楽寺前の不老庵(Restaurant Serial No.281)で天婦羅ソバの昼食とする。23番音楽寺から24番法泉寺も江戸巡礼古道を歩く。24番法泉寺には百十六段の急な石段がある。

24番法泉寺から25番久昌寺までも江戸巡礼古道を歩く。しかし途中道を見失い、宝林院からしばらく県道72号を歩く。律儀に江戸巡礼古道を歩いた人は大分遅れて到着する。25番久昌寺は徳川光圀公の生母、久昌院靖定大姉の菩提所とのこと溜池の脇にある。

24番法泉寺

25番久昌寺

27番大淵寺

25番久昌寺からは柳大橋で荒川を渡って27番大淵寺に向かう。ここで27番大淵寺と26番圓融寺奥の院岩井堂までは琴平ハイキングコース経由で連絡されていることを知る。予備調査で琴平ハイキングコースは気持ちの良いなだらかなコースであったことを思い出し、琴平ハイキングコースを採用することにした。しかし 従走路は岩場、鎖場、ロープのある険しいコースと判明する。26番圓融寺の納経所まで15分のはずが、三点確保の山岳歩きの初歩常識を披露しているうちに1時間以上かかりそうと分かった。再び全員の納経帳をもって山岳マラソンをするはめになった。 奥の院岩井堂は巨大な岩盤の上に建てられている。これを瞬間目に入れて長い階段を下る。昭和電工の構内を通過してようやく圓融寺の納経所に5分前に滑り込む。圓融寺も無住で納経所はボランティア2名が交替で8:00-17:00の間詰めているのだという。朱印を押して時間だからと帰ってゆく。

26番圓融寺奥の院岩井堂

10分遅れで全員が揃う。全員疲れ果ててしまったためタクシーを呼ぶ。西武秩父駅で簡単な打ち上げパーティーをして普通列車で帰る。北沢夫妻とは東飯能で分かれる。

万歩計の歩数は2-3万歩といろいろだが、地図上の距離は21.9kmだ。歩幅70センチとすれば2万8,500歩となる。

秩父巡礼 28番から34番へ

May 26, 2006

Rev. July 8, 2010


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