秩父巡礼

第2回 28番から34番へ

山木会の有志による5月の1番から27番までの秩父巡礼に引き、後半の巡礼は2006年6月4-5日にかけて1泊2日で行われた。天候に恵まれて結願できた。全4日間、毎日20km前後歩いた計算になる。

参加者は西川、北澤(章)、北沢(栄)夫妻、池田(司)、青木(一)の計6名。

第2回-第1日

今回は池田が途中参加で全6名のメンバー。今回は7:10池袋集合とし、座席指定券をまとめて買う。池袋7:30発特急秩父7号にて予定通り西武秩父駅8:51着。時間を節約するためにタクシーにて 今回のスタート地点である28番橋立堂に向かう。橋立堂は65mの切り立った岩壁が覆いかぶさったところに三間四面の縁を回した朱塗りのお堂である。ここで全員そろって記念撮影。横にある鍾乳洞はパス。

28番橋立堂にて巡礼仲間と

コンクリート製の重力式の浦山ダムを横目に見ながら29番長泉院に向かう。29番長泉院には葛飾北斎の描いた「法楽和歌」の板額があるというが見落とした。ここから彩甲斐街道(国道140号)は敬遠して古道を昌福寺までたどる。途中、しだれ桜のあるという清雲寺の名前がみえる。彩甲斐街道を道の駅入口まで歩き、再び裏街道で白久駅に向かう。白久駅から谷津川沿いに山間あいにある30番法雲寺に向かう。30番法雲寺は花木の多いお寺とのことであるが、ちょうど花の時期は過ぎていた。

29番長泉院

30番法雲寺

32番法性寺

当初の計画では白久駅から三峰駅経由で31番観音院に向かうことにしていたが、西川の提案を入れて32番法性寺を先に廻ることにする。平和橋で荒川を渡り、彩甲斐街道を少し戻って左折し皆野荒川線(県道43号)を北上するわけだ。この丁字路の角にあるレストラン 「ちちぶ路」で昼食とした。

皆野荒川線はゴルフ場のある丘陵地を迂回するため長い。柴原温泉から近道をしようと昭文社の県別マップル地図にある古道に入るが、倒木と土砂崩れで行く手をはばまれて前進不可能となる。 山蛭が出てきそうなところだ。どうも小鹿野町は古道のメンテナンスを放棄したらしい。そうならそうで通過不能とでも表示してくれれば良いのだが。柴原温泉まで1kmを引き返す決断の直後、気が緩んだか北澤(章)が転倒し、頭皮裂傷の怪我を負う。約1時間のロスタイムとなった。結局、皆野荒川線を長若交差点まで歩いた。 道で老婆に会うと、優しく挨拶してくれる。巡礼地ならではの気風だ。途中のスーパーで消毒薬をもらい傷口の消毒をする。32番法性寺には17:00前に到着できた。

32番法性寺は別名お船観音と呼ばれている。秩父盆地西部の丘陵地帯は第三紀奈倉層に属する粗粒砂岩層からなっている。ちょうどここの露岩が50mの断崖になっていて船首のように見えたことからそう呼ばれるようになったようだ。この崖下の岩面がオーバーハングした下に舞台造りにした観音堂が建っている。お堂に靴を脱いで上がり、木魚を打って心経をあげる。ロスタイムのため、31番観音院近くの民宿、岩殿荘に歩いてゆく時間がなくなる。ロスタイムがなくとも無駄に歩いた距離2kmを含め21kmを歩いていたので疲労がたまり、タクシーのお世話になることは同じであったろう。

岩殿荘(Hotel Serial No.349は近くの地蔵寺に水子供養のため来ている親子が同宿だった。女将は40年民宿をしているという80才の元気なおばあさんであった。窓からの景色はよく、ガビチョウのさえずり も聞こえる。食材はサシミを除きすべて自家菜園から取れた野菜や梅を使ったものだ。

第2回-第2日

7:00朝食、8;00出発。水子供養の地蔵寺は14,000体の水子地蔵があり、8月15日の供養の日は14,000本のローソクがともり、花火が打ち上げられて壮観であるとのこと。

31番観音院は般若心経の漢字の数347段プラスだけの階段があるとか、経文を唱えながら階段を上がる。この観音院も32番法性寺と同じ断崖の直下のオーバーハングになったところにあり、迫力がある。ただ観音堂がコンクリート製であることが惜しい。境内には約1万8千体の石仏があり、巡拝コースや胎内くぐり、鎖場、展望台とやや体力が必要な霊場である。たまたまNHKが秋に放映予定の時代劇をこの断崖の上で撮影中だった。

31番観音院

34番水潜寺

取って返して小鹿野町バイパスの直線道路を33番菊水寺に向かってただひたすら歩く。途中スーパーおがわやで絆創膏や抗生物質、飲み水を買う。群馬県の叶山(かなやま)から石灰石を運んでいる長さ30kmのベルトコンベヤ用地下トンネルが地表にでて雁行しているところが見えないか注意していたがついに見ることはできなかった。

赤平川の奈倉橋を渡ると道は次第に高台に登り、見晴らしがよくなる。左手の丘陵の上にはユニオンヴェール・ホテルが見える。前方には34番水潜寺に行くとき越さねばならない山並みがみえる。その稜線近くには電波反射板が設置されている。郵政省の役人だった池田によれば電波反射板は無給電中継装置ともよばれ、電波を反射させて通信回線を確保しているのだという。33番菊水寺は撮影忘れ。5月15日にこれから通過する札立峠にクマが出没したという注意書きがあった。ここで北澤(章)は病院に間に合うように本隊と分かれる。頭部断層写真及び頭部X線では、頭蓋骨の損傷や脳内出血等は認められなかった。ただ、傷口の開口部がやや大きいので縫合し、念の為破傷風の予防注射をしてもらったという。

赤平川にかかる桜井橋を渡ったところにあるリゾートホテル「バイエル」付属の温泉「星音(せいね)の湯」のお食事処でソバとイナリの昼食とする。このかいわいで食事のできるラストチャンスであったので幸運だった。一般に秩父盆地の川はいずれも深く大地に切り込んでいて渓谷美を満喫させてくれる。奈良川橋を渡り、馬頭尊から谷間に入り込み、途中から古道に入る。頼母沢に下り、再度古道に入って札立峠を越える。 もう普通の登山と変らぬ山道である。西川はちゃっかり山用のストックを持ってきていたが、用意のないメンバーは木の枝をストック代わりに使っての山越えである。クマよけの鈴を持ってこなかったため、この木の枝を路傍の竹に打ち付けて音を発しながら登った。

札立峠には昔は茶屋が4軒あったという。谷筋を下れば34番水潜寺である。34番水潜寺の観音堂は修理中だった。 ここに湧き出る長命水は美味。空になったペットボトルを満たす。これで満願。バスは終わっていたので満願の湯まで2.5km歩く。

満願の湯の露天風呂からは滝が見え、なかなかよかった。この休憩室で生ビールで乾杯。18:30西武秩父駅発の電車に間に合うようにタクシーを呼ぶ。各人15,000円出資した資金で宿代、昼食代、タクシー代、飲み代を支払って余りが出た。

西川と池田は西国33ヶ所を全て廻っているようだ。 ニューヨークマラソンにも参加している池田は秩父の前半はマラソン巡礼をしてみようかと言っている。グリーンウッド氏も年内には西国のめぼしいところを廻って見做し満願ということにしたい。そして坂東33ヶ所廻れば100霊所満願御礼参りができるというものだ。

June 15, 2006

Rev. April 8, 2007


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