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大鳥神社~等乃伎神社 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
<大鳥神社> 石津神社を出ると古道は、町中を抜ける。周辺は古い建物と、新しい工場が混在している。 古道は石津川を渡り、府道に沿ってのびている。府道をJR鳳易に向けて歩を進めると、大鳥大社につく。 町中の古道であり、風情もなく歩いていても、車がうるさく行き交う。 しかし少し中にはいると旧家がお寺のような軒先を誇り、歴史の古さの一端がうかがえる。 鳳神社の祭神は、日本武尊(やまとたけるのみこと)と大鳥連祖神(おおとりむらじのみおやのかみ)の2柱である。 和泉国一の宮にあたる延喜式名神大社であり、同じく式内社の大鳥北浜神社・大鳥美波比神社・大鳥井瀬神社・大鳥浜神社と併せて、大鳥五社明神と呼んでいる。 境内には日本武尊と神馬の立派な銅像がある。 本殿は、わが国神社建築史上、大社造りにつぐ古い様式で、大鳥造と呼ばれている妻入り神社建築であるというが、見るからに由緒正しい神社の様式という感じがする。 この本殿は明治38年に焼失し、同42年に古式どおり造営されたものという。 神域は千種森(ちぐさのもり)といわれ、樹木が密生し、うっそうとしているが、中でも鳥居をくぐるとすぐに迎えてくれる大楠はすばらしい。 奉祀の時一夜にして種々の樹木がはえた、という伝説をもっているが、そうした伝説がふさわしい杜を作っている。 文武の神として、古来より武家の信仰が厚く、平清盛・重盛父子も平治元年(1159)熊野参詣の途中に参拝し、清盛は、 かいこぞよ、帰りはてなば飛びかけり、育み立てよ大鳥の神 と一首よんでいる。 富岡鉄斎(大鳥神社大宮司)の筆になる歌碑もある。 現在は、初詣の名所として正月にたいへんな賑わいをみせ、また4月には花摘祭が、6月には菖蒲祭がおこなわれ、堺市民に親しまれている。 私たちが訪れた折りも、宮参りの親子3代連れが2組お祓いを受けていた。 また木陰や待合所のようなところでは、梅雨の晴れ間の暑さをしのぐようにして憩っていた。 2010年2月に歩きなおしたが、この周辺はほとんどかわりがなかった。 境内では自動車の御祓いや宮参りをする家族がいた。 プロバイダのサーバの記録を見ると、前回は2000年に歩いている。ちょうど10年経ったのである。街も変わって当然である。大鳥大社をでてJR阪和線の踏切を越えると、駅前商店街がある。にぎやかな商店街で、たくさんの人が行き来していた。 そこを少しいくと、昔ながらの商店街があり、ここは簾やのれんが掛かっているお店が多い。 日本らしい店があるとほっとする。看板もしゃれており景観もいい。 商店街近くのNTTの建物近くに、大鳥新王子の碑があると、物の本に書いているのでみなで探したが見つけることはできなかった。 2010年2月に歩き直したが、上の写真に写っていたビルがなくなって更地になり、それに伴ってアーケード入り口もデザインが変わっていた。日曜日だったので商店街も休みで、人通りも少なく閑散としていた。 アーケードのあちこちに熊野古道(小栗街道)を示す看板がある。 これはうれしいし、道の確認ができるのでいい。しかしこの辺は街によって熊野古道の呼び方が違う。
<等乃伎神社> 大鳥神社から、JR阪和線、駅前商店街をぬけ、府道を右折すると等乃伎神社にでる。 府道から小川に沿った細い道へ右折しなければならないが、注意していないとやり過ごす。 静かな住宅街を、くねくねと行くと等乃伎神社がある。 2010年2月に再訪したが、周囲の建物群は様変わりしていた。 道も新しく舗装され、周りには高層アパートが建っていた。 都会の中にあってほっとする空間がだんだんなくなっていく。 『古事記』下巻の仁徳天皇の頃に、巨木伝説があり、「冤斗河(とのきかわ)の西に巨木があり、朝日の影は淡路島、夕日の影は高安山を越えた。 この木を切って枯野という船を造り、朝な夕なに淡路島の聖水を運んで天皇に献上した。 この船が壊れてからその廃材を焼いて塩を作り、燃えない部分で琴を作ったところ素晴らしくいい音色を発し、遠くの村里まで響き渡った」と伝えている。この枯野という船がカヌーに通じる。 神社のなかは、よく手入れされており静かであった。 大阪を歩いて思ったことだが、こうした神社の手入れが非常にいいと言うことである。地域の人々が氏神様を大切にしていることがよく分かる。 それは、災害の時などにも大いに役立つことである。 また、社の木々は少なくなった自然のスペースでもあり、これからも大切にしてほしいと思う。 2010年2月に再訪したが、神社は変わってなかった。少しほっとしたが、宮司さんがご病気で、朱印を書くことが出来ず、判子だけをいただいた。
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