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大日越え~湯の峰温泉 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
大日越え 大日越えの登りはじめはいきなり急な坂である。 民家の庭先を抜け、ぐんぐん登る。坂の途中で、大斎原の杜が見える。 道は昔ながらで、快適である。 しかしまもなく汗びっしょりになった。小春日和とはいえ、手袋をしなければならないほどの冷え込みである。 汗をかくくらいにハードな登りなのである。登り始めてすぐセーターを脱いだ。 この道を湯の峰まで、湯ごりの為に越えたのであろう。 登り始めて30分ほどすると、月見が丘神社に着く。 そう広くない平坦地に、農耕神とあがめられている巨大石仏を祀った月見が丘神社の祠がある。 神社周辺にはかなりの樹齢であろうと思われる檜がある。 なぜか色が浅いと思ったら、表皮がはぎ取られれている。 大社の屋根の修理にでも使ったのだろうか。 周辺の数百年はたっていると思われる杉や桧は、自然のすばらしさと本宮の地の歴史の深さをうかがい知ることができる。道はさらに上に続いている。 中腹で、景色が開け、右手に熊野の山並みが見える。そこからまもなく道はなだらかとなる。 その山頂付近に鼻欠け地蔵がある。ここまで1,010mとあり、ほぼ半分以上歩いたことになる。 鼻欠け地蔵は、鼻と言うより顔全体が欠けている。 手前に板碑がある。 鼻欠け地蔵を過ぎると、下りが続く。 快適な歩きとなり、山越えが終わりに近いと自然と足も速くなる。 今まで聞こえなかった車の音が、はっきり聞こえるようになった。 湯の峰王子の近いことがわかる。 本宮大社から、1時間30分ほどで、湯の峰王子に着く。
湯の峰温泉 現在の湯峰王子は、湯峰の温泉場を見下ろすような位置にある。もともとは、薬師堂(東光寺)のそばに祀られていたが、明治の火災で焼失し、今の位置になったという。 院政期には湯峰は参詣コースから外れており、王子の存在も考えられないが、鎌倉末期の熊野縁起に湯峰童子とあるのが多分この王子であろうといわれる。 本宮参詣前などに、この温泉でゆったり浸かれば、最高の気分であったろう。 今もたくさんの人でにぎわっている。 「熱いやろ」「うん熱いけど胃が悪いさかいな」たくさんの一升瓶いっぱいに温泉を詰めていた。 この湯峰温泉の湯は90度もある。 おじさんは熱いので手を振りながら湯をビンに詰めていた。 温泉の湯をお金を取っているところもあるが、ここは無料である。 東光寺と並んである共同湯。 ここは誰でも気軽に入れるので、私は本宮を抜けるときは必ず浸かる。 曲がりくねった国道を走ってきての温泉は気持ちがいい。 この山の上に湯峰王子が見えている。 湧出する温泉の温度が90度と高いため、簡単に温泉卵ができる。 近くの売店で生卵を買い、湯につけておくと、10分もすれば温泉卵がゆであがる。 温泉の臭いがする湯気の中で、卵ができるのを待つのは楽しい。 この湯でお粥を作るとまたおいしい。 このあたりの旅館や民宿では必ず出てくる。 名物番外として、熱帯魚のティラピアがある。 もうかなり以前から、温泉の熱を利用してこの魚を養殖している。 味もいいらしく、確か紀州ダイとかいって、一時宣伝されていたが私はまだ食べたことはない。
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