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熊野古道 和歌山
熊野古道陸路はいよいよ中辺路のメインルートです
峠をいくつも越え熊野三山への参詣道を歩きます。
熊野古道の奥深さを感じながら歩きます。
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滝尻王子
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滝尻王子
滝尻王子は、国道311号線の石船川が富田川に合流する所にかかる滝尻橋のたもとにある。
滝尻王子社は、県史跡で十郷神社と呼ばれている。
十郷という名のいわれは、戦時中近辺10字の神社を合祀してそう呼ばれたという。
かつてはいわゆる五体王子の一つとして尊ばれ、ここで開かれた歌会の詠草が、現存する熊野会誌30余通のうちの9通とされている。
境内には、鎌倉・室町期の笠塔婆や宝篋印塔があり、また奥州平泉の藤原秀衡奉納と伝えられる黒漆小太刀(国重文)を蔵している。
境内はかなり広く、屋根のある休憩所があり、昼食などにはもってこいの王子社である。
また石船川向かいには熊野古道館があり、熊野古道を中心とした中辺路の観光案内と歴史紹介を兼ねた休憩施設がある。
様々な古道グッズや陶芸作品を販売している。
王子社に向かって左側の山道が古道であるが、御幸記に言う「身力尽き了んぬ」にふさわしい厳しさである。
古道のなかでも急で長く続く坂としては1,2を争うのではなかろうか。
そしてここが熊野への霊域の入り口とされている。
後鳥羽上皇一行は、ここで和歌会を開いている。
当時はここまで20カ所ほど川を渡らなくてはつかないということで、いくら浅い富田川でも大変だったろう。
2011年5月8日に10年ぶりくらいで滝尻から近露までのルートを歩きなおした。
うれしかったのは案内板がきれいになり統一されていることで、修景もよくなった。
やれば出来る。
これも世界遺産に登録されたからだろうか? 。
(古道案内所)
(法螺貝に似た音色の竹笛を吹く。うまく鳴らない)
(2011年5月8日)
王子の入り口には、「ヨッシーの店」があり元気なご主人が愛想よく応対してくれた。
この檜の傘は500円で安い。
私も持っているが、もう15年近く経ってほどよい飴色になっている。
今度歩く時は、作務衣とこの傘がいいかもしれない。
この滝尻王子を歩く時はいつも雨か曇りだが、今回は初めて晴れた。
車を今日の終点に一台置き、歩き始めた。午前9時50分であった。
古道は、この滝尻王子右山麓を行くが、定家の明月記によれば、この滝尻王子へは京都から10日目につき、ここで和歌会を開いている。
宮仕えの大儀さを知っている人なら、総務部長的な定家のつらさは分かるだろう。
体調も悪かった。山の中の仮屋は寒風吹き抜け、寒さと恐ろしさで震えていたのである。
この急坂を御輿に乗って登るのは大変だったろうと思う。
まさに「身力尽き了んぬ」感じだろう。
たぶんここは歩いて登ったのではなかろうか?
御輿に乗っても斜めとなり、転がり落ちるだろう。
それほど急坂である。登り口に看板があって、急な坂道を告げていた。
「よっしゃがんばるぞ!」
(2011年5月8日 9:52)
<胎内くぐり>
滝尻王子社の左脇から熊野古道の階段を登り、急な坂道を行くと古道に沿って横たわる巨岩がある。
それには人ひとりがやっと通れる程の穴があいていて、胎内くぐりとよばれている。
以前歩いた時私が中へ入ろうとすると、なかでごそごそと人の気配があり、びっくり仰天した。
そこをねぐらにしているのかどうかは分からないが、人がいた。
胎内くぐり岩のその胎内に人がいるのは当然かと思ったのだが、さすがに今回は誰もいなかった。
(2011年5月8日 10:00)
<乳岩>
胎内くぐりの大岩の上方に、奥州平泉の豪族藤原秀衡にかかわる伝説の乳岩がある。
藤原秀衡夫妻が熊野詣での途中、夫人がここで産気づいて男を出産し、この岩穴に残して参詣をすまして戻ってきてみれば男子は、オオカミに守られて、岩から滴る乳を飲んで成長していたと伝えられている。
よくよく考えてみれば、子供を産んですぐにこの急峻な坂を登るのはいかにも酷であり、体力が持たないであろうし、また産み落とした子供をそのまま岩穴に残すのも・・・・。
とか言うことは考えないでおこう。
こうした伝説は、藤原秀衡という実際と、オオカミに育てられたという絵空事とが混ざり合っているところが面白い。
(2011年5月8日 10:04)
(急峻な山道を行く。普段の運動不足が・・・・)
(なかなか快適な道)
(木漏れ日がきれいである)
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