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九度山駅~薄峠~高野龍神スカイライン | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
九度山駅 町石道を歩き、熊野古道小辺路ルートを歩き始めたが、今回は高野山から十津川の三浦口まで歩いた。 今回は初めて泊まりのあるルートとなった。 メンバーは、8名で歩いた。 家の近くまで迎えに来てもらい、南海九度山駅から高野山に向かった。駅に着いたのは、8時30分頃で9時9分の出発まで時間があった。 ちょうどスケッチブックを持っていたので、駅をスケッチした。 高野山へは、極楽坂からケーブルでいく。 ケーブルカーは、階段が少し傾いているため、立っているとめまいがした。からくり館の斜めの建物と同じ感覚になる。普段乗り慣れないこうした乗り物に乗るのは楽しい。 終点からはバスで千住院前に行く。 小辺路のルートはここから始まる。歩き始めたのは10時30分であった。 高野山大学の前抜け、金剛三昧院の石塔の手前を右折する。 私たちは境内の中に入ってしまい、お坊さんに聞いた。 金剛三昧院は国宝だけあって佇まいがすばらしかった。今度ゆっくり来たい。 歩き始めて15分程でろくろ峠の大滝口女人堂跡についた。 女人堂跡を示す看板が立っていたが、それは携帯電話アンテナの施設の中に隠れていた。 ここから右手は展望がいい。 ろくろ峠から30分ほど歩くと薄峠で、ここは標高1040mである。 この道は未舗装で、バイクで走るにはもってこいの道である。KLEで走りたい。途中トラック2台とすれ違った。道が狭いので側壁によけた。 薄峠からは左に折れ、下りとなる。 道は、この古道を世界遺産に登録するということで、整備されていた。 偽木などで整備されすぎると、古道本来の雰囲気が薄れてくる。 ただし、要所要所で修景を壊さない、東屋などの休憩施設が欲しい。 たぶん往時は、歩き疲れる頃に何らかの東屋があり、旅に必要なものを売っていたはずである。 京都方面から来た場合には、それほど荷物は持てないので、旅人のための食べ物やわらじなどを販売していたであろうことは、想像に難くない。 中辺路ルートは王子がその役目を担っていた。
道は、なだらかに降りていく。途中メンバーが大きな椎茸を二つ見つけた。 そう頻繁に歩く人もいないので、そのまま残っていたのであろう。昼飯のおかずにすることになった。 薄峠から30分ほど降ると赤い鉄橋がある。 12時10分に着いた。真っ黒い蛇が迎えてくれ、我々の顔を見てから藪に消えた。 橋の下は清流が流れ、ウグイスが鳴いていた。 ロケーションはすばらしかった。そこで昼食にした。 メンバーがガスコンロで椎茸を焼いたが、これまで食べた椎茸で一番うまかった。 産地直食なのでまずいはずはない。 集落を左に登り、30分程で尾根にで、さらに10分程歩くと龍神スカイラインにでる。 12時40分にそこを立ち、15分ほど登ると陣ヶ峰にある大滝集落につく。大滝集落に入ったあたりから、空模様がおかしくなってきた。遠くで雷鳴も聞こえている。 大滝集落はコウヤマキが我々を迎えてくれた。生け垣の花も綺麗で、石楠花などの栽培をしている。 花の種類はわからないが、季節柄いろんな花を楽しめた。 道ばたの花を見るのも山歩きの楽しみの一つである。 (2014年4月27日) 大滝を再訪した。 世界遺産となってかなり整備されていた。かわいい神社もまわりの木が伐採されて、表に出てきていた。 我ここにあり、と主張している感じである。 相変わらず古道周辺はきれいな花が咲いていた。ちょうどチューリップや水仙が満開であった。早生のシャクナゲもきれいであった。 かわいい神社もそのままあった。少しまわりの木がきれいにされていた。 以前は見過ごした神社に上り、拝殿をみた。少し情けなさそうな狛犬が守っていた。 拝殿の横に祠があり、のぞくと菩薩?がまつられてあった。 道沿いの家から出てきたおばあさんに、 「きれいな花がいっぱい咲いていますね」と声をかけると、 「ワシはもう少し若いときは目いっぱい働いた。重い炭を担いで高野山まで売りに行った。そら大変やった。ここから見えるあの峰まで行くんやからね」 その峰は、深い谷を越えてまた上っている。 その苛酷さは山の高さを見ただけでもわかる。 「人は70歳までは何とか動けるけれど70を超したらいっぺんにあちこちワルなって今は仕事をようせんからこうして花いっぱいにしてるんや」 「いいですね。歩いていても楽しいです」 「みんなそういうてくれる。それでも最近は足腰がいとなって思うように植えられんのが残念や」 これだけきれいにしてくれたら誰も文句は言わないでしょう。 古道の近くに大きな檜があり、その下に水飲み場がある。 以前歩いたときは気づかなかったが、江戸時代からの水源で、夏は冷たく冬は湯気がでるくらいに暖かいという。 こういう水源は大事にしなければいけない。 ちょうどタンクを持っていたので、水を汲んだ。 おいしいコーヒーが飲める。
高野龍神スカイライン 龍神スカイラインは小雨の中水しぶきを上げて車が走っていく。 古道らしさの微塵もない光景である。 そんなスカイラインを20分程歩くが、途中野迫川方面とかいた看板があり、そこが降り口かと思ったが違った。 そこから少し歩くと、左手に白樺の木と古びた鳥居のちかくに、熊野古道の地図看板がある。 小さな坂が山の中に登っており、そこからはスカイラインと別れるのである。 スカイラインから20分程で、杉の古木がある水ガ峰集落跡にでる。 標高は1040mで、かなり高くまで上がったことになる。 集落跡からしばらくすると、いかにも年月を感じさせる杉がたくさんあるところに来る。 杉の古木はなぜそうなったか分からないが、いつもはすっくと立つ杉らしくなく、枝が曲がりくねって拡がっている。 伸びやかに育ったとも見えるし、反対に何となくいじけているとも見える。 (2014年4月27日 再訪 この日大滝地区から来るまでいったんスカイラインに戻り、小辺路ルートを歩いた。 道は以前より整備されており歩きやすくなっていた。 以前は車の轍の跡があったが、今回はバイクのタイヤの跡しか見えなかった。 水が峰集落跡は、木が伐採されていて鹿よけの金網が張り巡らされていた。 以前はお地蔵さんや墓などをみつけることができなかったが、木が伐採されてよく見えるようになったのだろうか? 周りはブナの原生林となり若葉が美しい。 霧のかかったブナ林は、古道らしさを演出してくれている。 水が峰の集落跡から小一時間で東屋のあるところにでる。小休止をした。 そこからは護摩壇山の展望台や、そこに供給する電気をまかなうのか風力発電機などがよく見える。 古道は、舗装道路と山道を繰り返し、1時間ほどで平辻につく。 雨は降り続いたが、杉木立やブナの葉でそれほど濡れることもなく歩き続けられた。 雷は遠くに近くに鳴り続けたが、稲光も弱いのでそれほど気にはならなかった。 今回は林道と交わるところから同じ道を引き返した。
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