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熊野古道 伊勢路

伊勢神宮と熊野三山を伊勢路は結びます 

伊勢神宮外宮から熊野速玉神社まで170kmの道のり。
和歌山の古道とはまた違った自然と街歩きが楽しめます。

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熊野古道伊勢路

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つづらと峠
つづらと峠
早くから伊勢路を歩きたいと思いながら、実現していなかった。
今回、バスツアーがあるということで下見を兼ね、それに便乗することにした。
朝7時30分にバスは出発した。
バスは阪和高速を走ると思ったが、西名阪に向かった。これは一つ参考になった。費用も安くあがる。
時間的にはこちらの方が早いかもしれない。途中、岸和田と関でそれぞれ10分ほど休憩した。
高速1000円となった日であり渋滞を心配したが、もともと無料の西名阪はすいていた。
それにこの区間を使うと、高速を二つ通ることになり2000円いるので、名神のほうに回ったのだろう、とは添乗員さんの話である。
岸和田サービスエリアのトイレは車の台数が多く、ちょうど団体がバスから降りたこともあり長蛇の列であった。
中には男性トイレで用を足す豪傑のおばさんがいた。

関サービスエリアには9時40分、大内山インターには10時45分についた。
大内山インターを下りてすぐ信号があり、ここで国道42号線に入らなければいけないのだが、運転手さんが右に走り反対方向へと行ってしまった。少し走ってから気がつき引き返した。20分くらいロスをした。

出発点の梅ヶ谷駅近くには、11時頃についた。
ここ紀勢本線はまだ電化されていない。電線のない線路は気持ちがいい。古道巡りSL列車などが走ってくれたらいいななどと勝手なことを思った。列車の時刻は、帰ってから時刻表を見ると、2時間に一本である。
新宮方面行きが10時52分にあるのでこの列車に間に合うようにやってくればいい。
長島からの帰りは、16時13分がある。肝心の、14時、15時の2時間は列車が来ない。
16時に乗り遅れると次は1時間後である。

踏切を越えてまもなくトイレのある小公園に着く。ここがつづらと峠の出発点である。
バスの迂回所には花山法皇の遙拝所を示す石碑があった。
かわ いい地蔵さんもある。ちょっとした公園とトイレがあった。歩き始めのスペースとしてはなかなかいい。
東屋があり、そこで少し昼食にしたが、風が強く吹いて何もかもが吹き飛ばされそうになった。
つづらと峠 つづらと峠
昼食を終わるとまもなく出発した。
11時45分から歩き始めた。
すぐ橋があり小さな案内板が立っているが、どちらもつづらと峠であった。
語り部さんが、

「この道は町の教育委員会でもはっきりしません。どちらも古道には違いないのですが、左の山手の道は雨の日などはヒルが落ちてきます。今日はこちら右手の道を回ります。なお、道は少し先で合流します」

と説明してくれた。
ヒルが落ちてくる山、それも古道らしくていいと思う。
そちらを歩いてみたかった。 道はなだらかで、風がきつく気温が低いことをのぞけば、快適なウォーキングとなった。桜は5分咲きというところであった。道の両側は杉や檜が植林されていたが、間伐された木はそのまま放置されていた。 まっすぐな素性のいい木ばかりで少しもったいない気がした。途中所々にシシ垣がある。かなり崩れているが、面影をとどめている。快適な山道をしばらく歩くといよいよ坂道にかかる。そこからが世界遺産の入り口である。
12時15分についた。
公園から30分の所にある。ここからの1.8kmの山道が世界遺産に登録されているのである。 世界遺産の道はもっと厳しい道を想像していたが、適度のアップダウンで、楽しい道であった。擬木や妙な手すりなどを設置していないのでいい。世界遺産に登録されていいところは、こうした手つかずの感じを保ちつつ手を入れて、より自然ないい状態が保てることだろう。

語り部さんがここからは非常にきつい山道になると説明してくれたが、ちょうどいい勾配で古道を歩いているという感じになった。足の弱い人にはかなりきついかもしれないが77歳というお年にあわせたペースで時々休んでくれた。
100mおきに、道標があり残りの距離がよくわかった。こういう配慮はうれしい。デザインも景色にとけ込んでいる。さらに警察と消防の電話番号が書かれてあり、もし怪我や以上があった場合は、この番号をいえばいいのである。中辺路にもこういう道標がほしい。(もうあるのかな)世界遺産に登録されている同じフィールドとしてデザインや施設なども同じものがほしい。今の日本では無理かな。

最近は日本の行く末を信じられなくなっている。
特に文化的な面で本来の日本の良さが発揮できていない。
こうした文化的な人類にとって貴重なものに対する統一的な施策がほとんどないのは情けない。
最近ハイビジョン特集などで世界各地の施設や景色を見るとき、日本との差を強く感じる。
明治維新前まではこうではなかったはずである。
かのペリーも感心するくらい世界に誇れるすばらしい国だったはずである。
つづらと峠 つづらと峠 つづらと峠
つづらと峠 つづらと峠
ツアーでもらったガイドブックを見ると、ここ伊勢路の梅ヶ谷から長島までのルートは二つある。
もう一つのルートは荷坂峠で、国道42号線と並行して続いている。
古道歩きの完璧を期すなら一度は歩かなければいけない、荷坂峠のルートも世界遺産に登録された部分がある。
距離は荷坂峠の方が1kmほど短い。江戸時代に、このつづらと峠ルートから荷坂峠の方に移ったらしい。

伊勢路歩きには、このガイドマップが良くできている。
写真も地図もわかりやすい。
最寄りの駅を起点にしてルートを紹介しているため計画が立てやすい。
サイズもA5で、1ページに1ルートを紹介しているため、そこを表にして折りたたんでおけば歩いている途中でもすぐ確認できるのでありがたい。
さらに無駄な案内が書かれていないのでわかりやすい。
これがあれば、あとは列車の時間や車の駐車位置などを決めればいい。
ページの最後にスタンプを押すようになっていて、押しながら歩く楽しみもある。
これから伊勢路を歩こうとする人は、このガイドブックがおすすめである。 
登りの道は続くが少し広い道とクロスする。そこから頂上の東屋が見えた。
12時50分であった。
ここからつづらと峠の頂上は5分ほど、12時15分に到着した。歩き始めてちょうど1時間半である。
頂上はすばらしい眺望が開け、長島の町が一望できる。下から見えた東屋には椅子があり、くたびれた足を休ませるのにちょうどいい。東屋の梁につづらと峠のことを詠んだ短歌の板が掲げられている。心が和む。
東屋から少し上に峠の頂上があり、そこからの景色がまたすばらしい。
中辺路は山の中であるため、道のおもしろさはあるが、こうした眺望の良さは少ない。
大雲取りや小雲取りなどは山並みのすばらしさがあるが、海が見える眺望というのはまた格別の味がある。
特に串本の海で育ったものにとっては、海の見える景色というのはいろいろな思いが去来する。
伊勢路を熊野に向けて3日ほどかけて歩いてきた人にとってもこの景色はうれしかったと思う。
つづらと峠
つづらと峠
つづらと峠
峠では10分ほど休憩し、今度は下り坂となる。
歩き始めがいきなり急なくだりになり、スリップによる転落防止のためのロープが張られている。
それにつかまりながら降りていく。こういう道はおもしろい。
途中いくつか石積みがあるが、それが野面乱層積みで、先人の知恵が生かされたもので、水を地面にためずはき出しながら、雨による崩落の被害を防ぐためのものという。山崩れの多い山間の道などこうした工法を学び活用すればいいのにといつも思う。
無表情なコンクリートの側壁よりは遙かにいい。
道は緩やかにアップダウンしながら、続いている。快適な道である。
途中ケルンを積んだ石やお地蔵さんが目を楽しませてくれる。
炭焼窯の跡があり、語り部さんが、

「この地域は炭焼きや山仕事で生計を立てており、裕福だったと聞いています。子供に親の職業を聞くと山師というのが多かった。こちらでは山師というと炭焼きの人のことで、いったん炭をくべると、何日も山に入って、焼き上がりを見たそうです」

と説明してくれた。語り部さんがいると、地域の細部が分かる。

炭焼き窯跡をすぎるといよいよ石畳となる。それまでの道も結構いい道であったが、このあたりから本来の古道としての面影を残しているのである。この石畳が世界遺産になるきっかけとなったという、。
この道は、土に埋もれていたが、古い町の地図をみてこの道の存在がわかり、町民が協力し合って元の道にしたと語り部さんが教えてくれた。埋もれていたので開発されず、今では世界遺産である。  
つづらと峠 つづらと峠 つづらと峠
つづらと峠 つづらと峠
つづらと峠
(「山の神は家の中にいる」と誰かが・・)
つづらと峠
つづらと峠 つづらと峠  つづらと峠
つづらと峠 つづらと峠
つづらと峠
つづらと峠 つづらと峠
石畳が切れる頃に橋があり、そこをわたると世界遺産の終わりを示す石碑がある。
1時55分についた。ここまで2時間10分歩いたことになる。そこからは平坦路がずっと続いている。
途中、棚田跡があり、往事の面影を残す石積みが杉林の中にあった。この段々畑が残っていればさらにいい景色であったろう。林が切れて一気に明るくなるところに、地元の方が作ったビオトープがある。
その道向かいには、小さなお地蔵様があるが、熊野詣での途中で行き倒れ多人のものだという。
ビオトープには、いかにも素朴な鹿威しや「メダカの分校」があった。分校には、メダカやオタマジャクシが群れていた。タガメの小さいのもいた。
しかし何となく荒れていたので聞くと、

「少し前まではもっと整備されていたのだが、ここを管理していた人たちが高齢化し十分管理できなくなり、それとともにあまり顧みられることがなくなった」

ということである。こうした施設は維持が難しい。しかし昆虫たちにとってはこれのほうが居心地がいいはずでこのままでも十分だと思う。蟻の熊野詣での看板は傑作である。  終点からバス停までは1時間足らずで着く。
2時45分であった。ちょうど3時間かかったことになる。
時間が許せば峠の頂上であちこち見たかったし、棚田の上の方まで見たかった。団体ではそれが許されなかった。
3時間半位の予定で歩けばいいのではないかと思う。

近くにはJR紀伊長島駅がある。鉄道でくるとすれば、ここに車を駐車し、いったん梅ヶ谷駅まで戻り、歩き終わってくるまで帰るのが一番スムーズではないかと思う。後は列車の時間にきちんと到着するかである。
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カメラ:ニコンD70
ニコンD40x
レンズ:AF−S NIKKOR ED18−55mm
AF NIKKOR 70−300mm
シグマ AF DC18−200mm