*花組をどり97*





CONTENTS

ようこそ

更新したよ

サウンド

花組芝居

MUKU

お部屋

ackeeとは


ENGLISH



nt7a-skmt
@asahi-net.or.jp

花組をどりちらし  正直言って、最初は戸惑いました。だって、台本も何もなかったんです。そう、これはお芝居ではなく踊りの公演だったのです。振り付けするためには曲がなければならぬ。そのために稽古初日までにある程度を用意しておかなくてはなりません。日舞などのように芸能として確立される前の日本の踊りに着目して、踊りの原点を検証しようと言う方針だったわけですが。加納さんは、自由に発想して作ってください。曲を聞いて振り付けや構成を考えますと。
 そうなると私としても、踊りと来れば私の得意なクラブ系サウンドのオンパレードで行きたいなと思いましたので、その系統の曲を意識して作りました。しかし、日本的な動きを意識して曲のテンポはBPM70〜80のかなりゆっくりした物を多く作りました。今回のキーワードは三味線。また、途中から常磐津の歌などもあしらったりしましたが。ちょっと一本調子だったかな?でも、今回のコピー”オリジナル・ダンス・ミュージック”は的を得ています。
 古来の踊りは、たとえば豊作や天候の安定などを神に祈る、あるいは感謝する行為であったりするわけですが、その他の宗教的儀式と同様に、踊るという行為は精神的なトランス状態を生み出す方法として古くから存在したのではないかしら。そして、今日クラブなどで夜通し踊ったときのトランス状態は、実は本質的には、神にご奉仕して踊った人が、あるいは盆踊りで取り付かれたように踊る人が感じる高揚感と共通するのではないか。などと、今回の曲調を正当化してみたりして。
 常盤津の歌や長唄を歪ませて入れたところ、中近東のモスクで音質の悪い拡声器を通してコーランの教えを流しているように聞こえて面白かったので、何曲かに使いました。宗教儀式の高揚感に通じるでしょ?
 さて公演についてですが、見る人によって賛否両論でしょうね。腕組みして難しい顔をして見ていたのでは、きっと面白くないでしょう。だってクラブやディスコへ行って(あるいは盆踊りでも)そうしていたら面白くないでしょ?

*** サウンドファイル ***
TitleComment Real Audio
祭り  最後にお客さんと一緒に全員で踊る”祭り”という踊りが、1つの収束点になっている訳ですが、この曲は実は一番最後にできました。曲数的(尺的)には必要量できていたので、座長の加納さんからは新しい曲はもう良いですよ、といわれていたのですが、一発こういう曲を入れたいとお願いして追加していれていただきました。
作ってよかった。
 その後さかのぼって途中に伏線を入れる事になって、その変形パターンを加えたわけです。役者さんの唄うあの歌は姫島の盆踊りを参考にしていますが、混沌とした各パートの絡みはバリ島のケチャ(これも一種のトランス状態を生むと思うんですけど)にも通じるイメージ(ケチャのようにリズミカルではありませんが)で作りました。よく聴くと本当にぐちゃぐちゃですけど、勢いというかテンションは表現できていると思いますが、トランスしました?
八百屋お七  八百屋お七の語りは、からくり芝居が元ですが、インドネシアの影絵芝居(名前を失念しました)が、ふとイメージに浮かんだのでガムラン風の味付けしてあります。これはトランスするかな?
ゆき  80年代風のP-Funk的な音に地唄を乗せたものですが、まさかこの振り付けがミュージカル映画”雨に唄えば”を日舞的に発展させたような群舞になるとは驚きました。
琉球舞  舞台での沖縄風の静かなゆっくりとした動きの振りと、曲のマッチングが面白かったですね。この曲は先にも書きましたが常磐津を歪ませて入れてあります。曲を作っている最中にこの常磐津を入れたところ、これが中近東風に聞こえてきて自分でも不思議でした。やはりアジア的な共通点があるのでしょうか。ファイル冒頭部の音はギターのようにも聞こえますが、三味線の音にフィルターをかけたものです。”花組をどり97”では、ギターは一切入れていません。それ風に聞こえるのはギター用のエフェクターを通した三味線です。
Copyright: 1997 by Akira Sakamoto, Hanagumi-shibai & Grass Fruits All Rights reserved.


戻る