*ジャンヌ・ダルク*





CONTENTS

ようこそ

更新したよ

サウンド

花組芝居

MUKU

お部屋

ackeeとは


ENGLISH



nt7a-skmt
@asahi-net.or.jp

 98年の7月に加納さんより連絡をいただき、9月に静岡で上演される公演を演出するので、曲を作って欲しいと依頼されました。
 日程的にかなり詰まっているのと、稽古が静岡に籠もって行われるのでやりとりがちょっと面倒だった。一度打ち合わせに行きましたが、外界と隔絶された崇高な(?)場所にあって、芝居にどっぷり浸かれる環境です、日本平は。
 主催企画は、財団法人静岡県舞台芸術センター(SPAC)で、鈴木忠志さんが1年前に立ち上げた組織だそうだ。[制作]SPAC・[演出]加納幸和・[出演]SPACカンパニー+外部招へい・[スタッフ]SPACカンパニースタッフ、という当初の企画。
ところがふたを開けてみると、スケジュールの都合でカンパニーからの出演は2名、スタッフも演出助手なし・舞台監督・音響・照明などのスタッフは掛け持ち、ということで、役者は花組から数名参加(ク・ナウカの美加理さんも参加)、スタッフワークは演出家自身が兼任という体制に。
台本が確定せず(脚本家とSPACの間で何度か手直しのやりとりがあったらしい)、さらにそれを演出しやすいように加納さんが手直しするということで、演出プランは2転3転。曲の方針もなかなか定まらなかった。
SPACは地元志向の運営方針で(県の財団法人ゆえ当然と言えば当然)、お客さんも地元の方が多いとのことで、歌と踊りを多く取り入れた見ていて楽しくわかりやすいお芝居にする事に。
となると、必然的に曲は歌が多くなり、これまでで一番多くなった。

 本番用の編集は8月30〜31日に荻窪のサウンドクラフトさんのスタジオで。 以下がその時の画像です。

歌のコンセプトは民謡。比較的有名な民謡をアレンジして詩を変えて使っています。また、通常の花組の公演とは異なり、紅一点の美加理さんが歌のバリエーションを豊かにしてくれました。素敵ですねぇ、美加理さん。
芝居のコンセプトとして、宗教の自己都合的側面やら乙女の恋愛的心情と使命感などがありますが、ご覧になった方がどの様に感じられるのかが楽しみです。(98.9.3)


前日のゲネから初日2日目と静岡合宿してきました。野外劇場での公演のため雨を嫌うピンマイクが使えなかったので、音響の方は台詞とサウンドのバランスに苦労しているようでした。歌は事前に録音したものだけで、役者の方は舞台上で歌っていません。

ジャンヌ・ダルクの時代は英仏の100年戦争を背景としているので、それぞれを象徴する国歌をそのまま使ったり、メロディーをアレンジして使いました。仏国歌は特徴的なメロディーなのでアレンジしても仏国歌から持ってきたというのがわかりやすいのですが、英国歌はあまり特徴的なメロディーではないため、アレンジするとよくわからなくなってしまいがちでした。
元々、英国歌が国歌の最初のものらしいですが、標準としてなるがためにバリエーションも多く、結果的にありきたりなメロディーとして埋没してしまうのかもしれません。
仕方ないので、意図的に国歌として聞かせたい場合にはバグパイプの音色を使ってみましたが、じつはこれも嘘なんですね。バグパイプはスコットランドであって、イングランドではないので。

上の画像は、ゲネの時の様子を収録したものです。(私のページで今回の公演に関連する情報を公開することに快諾いただいたSPAC制作の方々に感謝いたします)
左側は殺陣を含む戦闘シーンですが、ここでの曲は、阿波踊りをベースに気持ちEarth, Wind & Fire(どこが?)、気持ちチャイコフスキー(大序曲?)、英仏国歌入り乱れ、で構成したつもりです。傘を持って阿波踊りのステップを踏む部分がとても好きです。

右の画像は、エンディングの部分で元曲は島原の子守唄です。娘を思う母の気持ちを表した詩なので情緒的なストリングスを多用しています。意外にも(?)唄がうまく録れましたね。

まだ、公演は終わっていませんので、ここで宣伝を・・・
まだご覧になっていない方は是非1度、ご覧になった方は是非もう1度お運び下さい。
(ページで公開する条件として、”公演の宣伝をすること”を約束したもので・・)

SPAC制作・加納幸和演出・美加理主演

”ジャンヌ・ダルク”

98年9月11, 12, 17, 18, 19日 19:30開演
静岡県舞台芸術センター野外劇場にて
入場料:4000円
お問い合わせ:静岡舞台芸術センター
tel:054-208-4000

ちなみに東京からは新幹線こだまで1時間半くらい。静岡駅から日本平方面へタクシーで20分くらい(2000円程度)です。車でもOK
終演後、駅まで臨時バスが出て、静岡駅22:15発の最終の新幹線に乗れます。
(ちなみに私も12日はこの新幹線で帰りました)(98.9.17)

余談:稽古場や劇場ひいては宿泊施設までがSPACの施設なので、制作費として直接的には金がかからないとはいえ、劇場のキャパが400程度のところで5回公演。1ヶ月半拘束する外部の役者やスタッフにギャラを払ったら赤字なのでは? さすが財団法人。財政赤字大丈夫か?静岡県


*** サウンドファイル ***
TitleComment Real Audio
Kingston Hi-Ya  キングストン・ハイヤと読みます。ジャマイカ系のリズムにハイヤ節を絡めて、ダブ風にアレンジした感じです。この曲は台本もそこそこの状態で、どのシーンに当てるかは考えずに作りました。加納さんの場合、台詞バックに曲を多用するので、色々とバリエーションをそろえておこうと。
Gregorian Gagaku  劇全体の場面設定が教会での魔女裁判ということで、パイプオルガンや混声合唱など重厚さを持った音を要求されました。宗教的・儀式的重厚さと言うと宮中の雅楽などもそれに値するので、グレゴリオ聖歌と雅楽を組み合わせてしまおうかと。
乙女の怒り  ジャンヌが裁判で尋問する司教に対して怒りを表す際の音です。怒り・重厚・荘厳・超常現象などのキーワードを与えられて曲にしたわけですが、能の乱舞(というのかしら?)が時としてこの世のものでない存在を表したりするので、それをヒントに作りました。雰囲気出ているかなあ。
Copyright: 1998 by Akira Sakamoto, Hanagumi-shibai & SPAC All Rights reserved.

戻る