レオス・カラックス監督、ギューム・ドパルデュー、K・ゴルベワ。
カラックスという事で「汚れた血」「ポンヌフの恋人」の様に、スリリングな愛の映画を期待していたのだが、なんか退屈だった。冗長な展開で、緊張感がまったく感じられなかった。映像は奇麗だったけど。
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菅原浩志監督脚本、辺土名一茶(DA PUMP)、上原多香子、袴田吉彦、原田健二。
なんか、どーしようも無い映画。音楽好きな少年マサト(ISSA)が古いレコード屋に出会い、そこを再建させるメインのストーリに、レコード店の少女美希(上原多香子)との恋物語が絡む…。しかし、音楽好きの映画のはずなのに、まったくノリが悪い。恋愛部分も古臭くてダサいというか、どうしようもないし、ラストは理解に苦しむ。
所詮、アイドル映画は適当でいいという考えかもしれないけど、たとえばSMAPの「シュート!」なんかなかなか立派な映画に出来ている。DA
PUMPが出ている「アンドロメディア」だって酷かったけど、まだマシだった。まったく情けない映画。
ヒュー・ウィルソン監督脚本、ブレンダン・フレイザー、アリシア・シルヴァーストーン。
キューバ危機の1962年、核戦争勃発との勘違いから核シェルターで育てられたアダムが主人公。90年代になり外の世界に足を踏み出したアダムが産み出す、カルチャー・ギャップ、そしてイヴとの恋物語。
設定は結構面白いし、主演の「ハムナプトラ」のブレンダン・フレイザーは印象的。なんか馬鹿らしいトコも多いけど、気軽に笑って楽しめる映画としてはいい出来。60,70,80,90年代と、時代の変遷をみるのも面白い。
キューバ危機と核シェルターと言えば、映画「マチネー」を思い出させた。
→ 「タイムトラベラー」Official Website
ゲーリー・マーシャル監督、ジュリア・ロバーツ、リチャード・ギア。
結婚式を3度も逃げ出した経験のあるマギー(ジュリア・ロバーツ)と、それを取材にきた人気のコラムニスト、アイク(リチャード・ギア)とのラブ・コメディ。
監督主演が同じ「プリティ・ウーマン」も好きじゃないけど、これもまあ、その人気にあやかった映画としか思えない。そもそも原題の「Runaway
Bride」が「プリティ・ブライド」なんて名前に変えられしまっているのが気に入らない。
映画としてはそこそこは面白いかもしれないけど、結婚を拒否する花嫁の心情が上手く出ているとは思えないし、二人が惹かれあう過程が不明確なのが致命的。
ジュリア・ロバーツだけみても「ノッティングヒルの恋人」の方がずっとよい。
→ 「プリティ・ブライド」
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1999年東京国際映画祭コンペティション。
マリアナ・ロンドン監督、サルヴァドル・デル・ソラル、マリア・フェルナンダ・フェロ、コスタンサ・モラレス。
大津波が襲うとしている南アメリカのある港町、主人公セバスティアンとアナ、少女の三人の物語。不思議な雰囲気の映画だった。繰り返されるモチーフ。眠たくなるようなリズムの展開。ひたすら眠たくなる感覚が心地よいのは、ちょっとタルコフスキー的。
1999年東京国際映画祭コンペティション。
デヴ・ベネガル監督、ラフール・ボス、ライラ・ローアス、シヴァジー・サタム。
結果的に今年の東京国際映画祭の中では一番面白かった。舞台はボンベイ、誘拐された花売りの娘を追う男が主人公。現代のインドがリアルに感じられる。近代的なTV局と、埃にまみれた裏町との対比なども上手い。
インド的でありながらポップな感じの映像。役者はちょっと古臭いけど、世間の底辺の人間にスポットをあてている雰囲気が上手い。底辺の人々とマスコミを、光と影で対比させ、マスコミ批判、メディア論をうまく絡めている。、
インド映画に、映像的にポップな感覚があるのが意外というか不思議な感じがした
1999年東京国際映画祭コンペティション。
デニス・イェフスティグニェフ監督、ノンア・モルジュコーワ、オレグ・メンシコフ、ウラジーミル・マシオフ。
6人兄弟からなる人気音楽バンド、その未亡人の母の指揮のもと、演奏旅行中に米国への亡命を求めてハイジャック事件を起こす…。「7人のシメオン」というバンドの、実際の事件をベースにした物語。
なんかとりとめもない展開でひたすら眠かった。ただ最初と最後のシーンの移動撮影は素晴らしかった、ここだけは見ごたえがあるけど、他の部分はまったく退屈だった。
1999年東京国際ファンタスティック映画祭。
ジョゼフ・ラスナック監督、クレイグ・ビアーコ、グレッチェン・モル、ヴィンセント・ドノフリオ。
ヴァーチャル・リアリティで実現された1937年のロサンゼルス。ボスが殺害され、容疑者となった主人公が真犯人を追うために現実と仮想世界を往復する。SFタッチのサスペンスと、その設定に期待して見たのだけど、まったくの外れだった。同じヴァーチャル・リアリティものと言っても、「マトリック」とはエライ違いだ。
中川信夫監督、天知茂、沼田曜一、三ツ矢歌子。
1999年東京国際ファンタスティック映画祭。、中川信夫没後15年追悼上映会。
特殊メイク、特殊効果では古典的、歴史的な作品と言われるけど、改めて映画として見直すとなんとも、古臭いというか、笑っていいのか、驚くシーンなのか判らなくて戸惑ってしまう。個人的には、神代辰巳の「地獄」と同じで、地獄に落ちるまでの方がずっと面白かった。
ゲストが中田秀夫だった。中田は徹底的に中川信夫が好きらしい。
ヤン・デポン監督、リーアム・ニーソン、キャサリン・ゼタ=ジョーンズ、オーウェン・ウィルソン、リリ・テイラー。
マロー教授の被験者として不眠症の男女がヒル・ハウスに集められる…。奇怪な装飾に埋めつくされた城と、CGで作られた怪奇現象はなかなかいい。主人公の過去との絡み方などもいいとは思うのだけど、実際にストーリ展開はちょっと退屈。主人公が魅力不足だし、脇役も甘い。それぞれのストーリの中での役割がまったく曖昧。「エントラップメント」などで人気上昇中のキャサリン・ゼタ=ジョーンズもまったく魅力が出てない。
当然「ヘルハウス」を連想させるしが「ヘルハウス」のような魅力が無い。ラストはまったく納得出来なかった。
原作「山荘奇談」は未読。
→ 「ホーンティング」
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朴哲沫(パク・チョルス)監督製作、柳美里原作、梁石日(ヤン・ソギル)、伊佐山ひろ子、柳愛里、中島忍、松田いちほ。
98年韓国芸術映画賞、原作「家族シネマ」は第116回芥川賞受賞作品。
韓国映画ではあるのだけど、全編日本語、日本ロケ。
バラバラだった家族5人が、映画に出るために20年ぶり集まる。借金まみれで暴力的な父親、若い愛人のいる母親、マザコンの息子、AV女優の次女、一番まともそうだけど実はヘンな長女。役柄的にも変人の集まりだけど、それを演じる役者もかなりヘン。父親役作家の梁石日の一本調子の台詞の怪演、原作柳美里の実の妹の柳愛里も怪しいし、役者がやたらに怪しいのばかり。
最初は役者の縁起に馴染めなかったけど、後半は楽しめた。まあ、そこそこには面白かったかなあ。
→ 「家族シネマ」
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→ 原作「家族シネマ」感想
カーク・ジョーンズ監督脚本、イアン・バネン、デヴィッド・ケリー、スーザン・リンチ。
舞台は南アイルランドの小さな村。12億円の宝くじが当たったために起こる大騒動。初監督作品とは思えない冴えた演出で、テンポもよく、また人々の描き方が暖かいのが素晴らしい。結構ブラック・ジョークも効いていて面白い。
→ 「ウェイクアップ!ネッド」
Offcial Website
ジングル・マ監督撮影、イーキン・チェン、チャン・シウチョン、ケリー・チャン。
CIA特殊機関でVR技術を使った戦士育成を受けるタンゴ、C.S.、ブルーの昔馴染み三人。ある日、テロリストにC.Sの婚約者が殺され、ブルーが誘拐される。香港映画得意の友情、愛憎、アクションを絡ませた展開は面白いが、全体には粗っぽい。そこそこの見せ場はあるけど、ちょっと退屈な部分もある。
→ 「ヴァーチャル・シャドー/幻影特攻」
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レニー・ハーリン監督、トーマス・ジェーン、サフロン・バローズ、サミュエル・L・ジャクソン、ジャクリーン・マッケンジー、LL・クール・J、マイケル・ラパポート。
レニー・ハーリン監督と言えば、「ダイ・ハード2」「クリフハンバー」「ロング・キス・グッドナイト」…大作の様であって、まあそれなりには見せる所はあるけど、実はたいした事ない映画が多い。この映画もそんな一つ。
太平洋上にある海洋医学研究所アクアティカ、スーザン・マカリスター博士(サフロン・バローズ)はサメを使ったアルツハイマー病の特効薬を開発している。遺伝子操作による高度な知能を持ったサメに襲われる恐怖…という設定は面白いんだけど、ストーリ展開はつまらない。
→ 「ディープ・ブルー」
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ジョナサン・カプラン監督、クレア・デインズ、ケイト・ベッキンセール。
高校の卒業旅行でタイを訪れたアリスとダーリーン。魅力的な白人の青年と知りあうが、その直後に二人はヘロイン所持で逮捕される…。実話をベースにしているらしい。
退屈はしないけど、つまらないという感じの映画。主人公は被害者意識だけ強くて罪を犯したのは事実であるのに、まるで反省してない。刑務所はたいして悲惨でもないし、おまけにその中でマリファナ吸っているし、ラストはまるっきり納得出来なかった。タイ政府がロケを許可しなかったのは当然でしょう。
「ミッドナイト・エクスプレス」みたいなもんかと思っていたら、あまりの甘さに愕然とした。
→ 「ブロークダウン・パレス」 Official Website
デヴィッド・ウィンクラー監督、ハーヴェイ・カイテル、ジョナサン・シャーチ。
妻を交通事故で亡くし、青いキャデラックで傷心の旅を続けているバイロン(ジョナサン・シャーチ)は、自分をエルビス・プレスリーと名乗る中年の男(ハーヴェイ・カイテル)と出会う。二人は、プレスリーが生涯を終えた邸宅、グレイスランドへ向かう…。
プレスリー=ロックンロールとくるとノリのいいテンポの映画かと思いきや、まったく逆なのが凄い。心にしみる、ファンタジックな映画になっている。ハーヴェイ・カイテル、ジョナサン・シャーチともにいい演技。
→ 「グレイスランド」
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面白い!これだから英国映画からは目を離せない。
マーク・ハーマン監督、ジェイン・ホロックス、ユアン・マクレガー、ブレンダ・ブレシン、イケル・ケイン。
レコード屋の父親の死後、自分の殻に閉じこもり無口になったLV(リトル・ヴォイス)が主人公。母親の恋人、レイ・セイが彼女の声に目をつけ、金儲けを企むが…。リトル・ヴォイスに思いを寄せる、ハト好きの青年役のユアン・マクレガーもいい。
「ブラス!」の監督マーク・ハーマンだから期待大だったが、それをまったく裏切らない出来栄え。
ヒット・ミュージカルの映画化。是非ともミュージカル版も観てみたい。
→ 「リトル・ヴォイス」
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