■ 地下ピット 〜自宅ガレージの紹介〜 ■ |
DIY作業の着手可能範囲拡大と効率アップを実現させた、自宅敷地内
の簡易地下ピットについての紹介と、稼動するまでの苦労話の公開。
●2003-04-02:新製、●2003-04-19:校正&仮公開、●2003-04-20:追加校正、●2003-04-24:再校正&第8章に画像追加
【図1】 完成した自宅玄関前の脱着式地下ピットの外観。未使用時はクルマが乗り上げてもOK。
< も く じ > 1. はじめに 2. 二柱リフトか地下ピットか? 3. 地下ピット建造時の懸念点 4. 画像でつづる建造風景 〜地下ピット本体の基礎工事〜 5. 画像でつづる建造風景 〜水中ポンプとAC電源の設置〜 6. 致命的な問題発生!の巻 7. 解決に向けて 〜グレーチングの仕様選定(その1・代替案)〜 8. 解決に向けて 〜グレーチングの仕様選定(その2・工務店案)〜 9. 解決に向けて 〜グレーチングの仕様選定(その3・オリジナル案)〜 10. 採用案の決断 〜支柱の設置について〜 11. DIY塗装作業・床と壁を塗ろう 12. 完成を迎えて 13. あとがき |
(注): The number of visitors |
1.はじめに |
|
自宅を新築することになった際、敷地内の駐車スペースに簡易型の地下ピットを建造することにした。ここでは、その地下ピットの立案から完成までの様子について紹介する。同時に、実際に利用できるまでの間に発覚した様々な課題、およびその解決策について述べる。 |
2.二柱リフトか地下ピットか? |
|
DIYで車輌点検や簡単な整備を行おうとする場合、どうしても車輌の下に潜らないと実施できない場面が出てくる。特にミッションや脚周り関係、排気系の点検整備や部品脱着がそれにあたる。例えば以前、クスコの
ロアアームバーVer.2 を家の前の道路 (公道ではない)
で装着したことがあるが、その作業手順は次のような感じであった。 ◎クルマをなるべく水平な場所に止める。 こうした 「潜り込み系」
の作業には危険がいっぱいだ。車輌をウマ (リジッドラック)
に載せた後であっても、サイドシルと路面との間にタイヤホイールを置き、万が一の車輌落下の際にも作業者を直撃しないように配慮するとか、2人以上で声を掛けながら作業するといった、2重3重の安全策を講じる人も少なくないだろう。だがいくら注意していても、予期せぬ不可抗力
(例えば作業中の地震など)
が起きてウマ自体が倒れる・・・といった可能性もまったくゼロとは言い切れない。「そんなバナナ こうした安全に対する配慮以外にも、現実的な話しをすると、車輌の下に潜って寝そべったままの姿勢では、実際にはなかなか 「力を込めた」 作業が出来づらいといった不便さもある。脚周り関係のボルトは高トルクで締結されているし、排気系関係のボルトは固着していることもある。仮に工具に力を入れられる体勢が取れたとしても、それらのボルト類と格闘しているうちに、いつのまにか車体全体が揺れてしまい、あやうくウマから外れそうになる(汗)・・・といった経験をお持ちの方々もいるのではないだろうか。 これらの問題を解決するために、「いつかは自宅敷地内に地下ピットが欲しい」 と考えるようになったのである。もちろん、二柱リフトも欲しいのだが (理想を言うと 「地下ピット+二柱リフト」 の組合せ)、次の理由により、今回はリフトの設置は見送り、地下ピットのみの建造を考えることにした。 <今回、二柱リフトの設置を見送った主な理由> どうしてもリフトが必要となる場合にはレンタルガレージなどを利用すれば良いし、またリフトを必要とする作業は、そうそう頻繁には発生しないだろう、との予測もあった。つまり大げさに言うと、使用頻度と設備投資のバランスも考慮したつもりであった。 実は地下ピットについても、上記の 「二柱リフトの設置を見送った主な理由」 の一部はそのまま当てはまるのだが、少なくともピット上にクルマを置いて人が中に入れないようにしておけば、近所の子供達がその中に落ちてケガをする (^_^;) とかイタズラされるといった心配は排除できる。また、ピットを利用しないときには、スタッドレスタイヤなどの保管庫として機能させることもできる。これなら盗難の心配も無いだろう。大物部品の保管庫代わりになるという特徴は、二柱リフトにはできない利点である。 ということで、地下ピット建造についての具体的な検討に進むことにした。 |
3.地下ピット建造時の懸念点 |
|
実際に地下ピットを建造するとなると、いくつかの懸念点が考えられ、その主なものとして次の3点が挙げられる。以下、順にその内容と初期検討結果について述べてみる。 <建造時の主な懸念点> ◎法的に建造が可能かどうか? ◎排水処理をどうするか? ◎クルマの乗り上げが可能な上フタ (グレーチング) をどうするか? (3-1).法的に建造が可能かどうか? この件に関しては、土地の仲介業者さんに調べてもらった。結果、「自宅敷地内であれば問題無い。」 とのことであった。 考えてみると、オーディオマニアの中には、防音防振の観点からリスニングルームを地下室に造る例がある(※)。また、今回建造を検討している土地は一般宅地であり、その下に地下鉄など公共交通機関が通っているわけでもない。・・・ということで、個人的に一番懸念していた心配は、あっさりと解決したのであった (注:本格的な地下室を建造する場合には、それなりの制約があろう。(例)→ こちら )。 法的に建造可能であるならば、あとは技術的 (物理的) な懸念点と金銭的な懸念点を克服すれば良い。まずはこちらの要求仕様を施工業者に提示し、それが技術的 (物理的) に建造可能かどうか。建造可能であるならば、想定している費用に収まるかどうか。・・・といった見積もりをすることになる。もちろん、その過程で何らかの問題点 (両者のギャップ) が生じた場合には、こちらの要求ランクを下げるとか、相手業者に泣き落とし作戦を入れる (^_^;) ・・・などといった 「歩み寄り」 をしなければならない。 (3-2).排水処理をどうするか? さて本題の排水処理の件であるが、念のため、この土地の下水処理管の埋設深さについて仲介業者さんに確認してもらったところ、やはりピットの想定床面よりも上位にあることが判明した (近隣数件ぶんが道路下に集合する形となっている)。ピット内に溜まった水は、ポンプで下水処理管以上の水位に汲み上げなければならないことになる。 結論から先に書くと、本件については、対策として 「水中型ポンプ(メンテナンスフリータイプ)」 をピット内に設置することにした。雨水だけでなく、少々の汚泥も圧送できるタイプだ。メンテナンスフリータイプとした理由は、故障による非稼動状態を極力排除させたいと考えたからであった。これから先、20年になるのか30年になるのか分からないが (あるいはそれ以上かも?)、とにかく長期間、ポンプには故障無しで稼動してもらいたいと考えた結果である。 実際の適用に際しては、地下ピットの床になだらかな傾斜を付け、その先端に一時的な水槽部分 (幅100cm×奥行き30cm×深さ20cm程度) を造る。ポンプはその中に固定設置させるのだ。ポンプボディは半分水没する形となる (だからメンテナンスフリー型でもあるわけだが)。一時的な水槽を造る理由は、ポンプの排水効率アップのためである。その他の理由としては、家庭用洗面台の下にあるS字型排水パイプと同様、降水時の下水処理管側からの臭気流出防止と、(万が一の際の) 汚水逆流防止のためでもある。ちなみにこの水槽部分は、通常の非降水時には乾燥し水が無い状態となる。 (3-3).クルマの乗り上げが可能な上フタ(グレーチング)をどうするか? 【図2】 グレーチングの例 ところで、今回予定している地下ピットのサイズ (開口部) は 縦4.0m×横1.0mだ。この寸法は、愛車・BG型レガシィの車体寸法から割り出したものである。レガシィのホイールベースは2630mm、トレッドは1470mm(フロント)〜1460mm(リヤ)、タイヤサイズは215/45ZR17 であるから、この 「縦4.0m×横1.0m (@内寸)」 という寸法 は、建ぺい率やピットにあてがうことのできる土地面積という制約も考慮すると、ほぼ妥当であろうと思っている。 【図3】 BGレガシィのサイズとピット開口部の大きさ この 「縦4.0m×横1.0m」 という開口部を複数のグレーチングでカバーすれば良いわけだが、グレーチング1枚あたりの面積をあまり大きく取ってしまうと、単体重量が重くなり、ピット利用時の脱着の際に苦労することになってしまう。したがって、比較的簡単にハンドキャリーできる重量に収まるように、グレーチングの分割枚数を決定しなければならない。とすると、前述の 【図2】 のように、必然的に市販の ”長方形型の” グレーチングを適用することになる。 ところが市販のグレーチングは、そのままでは私の地下ピットには適用できないという決定的な課題があるのだ。これを以下に説明する。一般的なグレーチングは、適用に際し、「短辺と長辺のうち、支持スパンの短い長辺側で支えられる」 という基本原則がある。例えば、横幅100cm×縦長30cmのグレーチングがあったとすると、そのグレーチングの支持構造は次のようになっている。 【図4】 一般的なグレーチングの支持構造 つまり、1枚のグレーチングを四辺ではなく二辺(両端) で支持する場合、支持点が短辺側に来る=支持スパンが長くなることは無いのだ (【図2】参照)。ところが私がピットでやろうとしていることは、まさにそういった支持形態であり、具体的には、複数のグレーチングを横方向ではなく縦方向に並べた上で、その各々を短辺側で支える・・・というものになってしまうのだ。果たしてそのような適用法に耐え得る車輌用のグレーチングは存在するのだろうか? これは非常に大きな懸念点である。 【図5】 今回、ピットに適用する予定のグレーチング支持構造 ところが工務店によると、こうした懸念点に対しても、ピットに適用可能なグレーチングが手配可能だという。ピットの建造見込みが立たない場合は、家屋自体の新築契約
(発注)
をしないつもりであったが、ピットの建造が可能だというのであれば、技術的な問題は何も無いことになる。・・・ということで、土地仲介業者を介して工務店と正式契約を取り交わし、家屋の新築と同時に地下ピットの建造工事を発注した。 |
4.画像でつづる建造風景 |
|||||||||||||||||||||||||||||||||||
地下ピットの建造工事は、家屋の外構工事・・・玄関先や庭の床
(いわゆるアプローチ)、塀、屋外の水回りなど・・・と同時に行われる。つまり、先に家屋を建ててから最後に着手するのが一般的だという。 今回の地下ピットの場合も、家屋の部分がほぼ完成してからの着手となった。その建造手順は通常の家を建てる場合と同様、基礎打ちから始められるが、ピットの前後左右の壁が中に崩れ落ちて来ないよう、壁面にも十分な強度を持たせた施工が必要になるという点では、通常の家屋よりも基礎工事に重点が置かれることになるかも知れない。上にクルマを置いたら壁が崩れてきた・・・ではシャレにもならない。以下に、その基礎工事の進行状況を画像で示す。 【図6】 ピットの建造風景(基礎打ち〜壁面設置〜昇降階段設置) <↓(6-1).庭先の土地を深く深く掘り返し、基礎打ちをする。> <↓(6-2).壁面となる部分は幅厚とし、十分な強度を確保する。> <↓(6-3).固定枠を外すと壁面が現れる。ここは水中ポンプ設置部分。> <↓(6-4).壁面が出来上がったあと、ピット後方に昇降階段を設置する。> 上の 【図6】
の画像を見ていただけると分かる通り、開口部 4.0m×1.0m
のピットを建造するためには、思いのほか広い範囲に渡って土地を掘り返す必要がある。実際に施工業者の担当者も
「こんなに土を運び出すことになるとは思いませんでした・・・。土砂運搬トラックで何往復もしましたから。」
と述べていた。基礎はこうしてしっかりと造っていただいた。 |
|||||||||||||||||||||||||||||||||||
5.画像でつづる建造風景 |
|||||||||||||||||||||||||||||||||||
上記のごとく建造作業が進む過程で、ピット壁面にAC100
[V] の防水型電源コンセントを設置するという案も実現した(上記
図(6-3).の画像右で、電源配線引き込み用の白い保護チューブが見える)。 この電源コンセントは、水中ポンプ駆動用の電源であると同時に、ピット内で作業をする際に照明器具や電動工具を使えるようにしたい・・・という意図から設置をお願いしたものである。DIY作業のたびごとに、わざわざ玄関ドアを開けて家の中から延長コードでピット内に電源を引いていたのでは、不便極(きわ)まりないことは容易に想像できる。以下に、水中ポンプと防水型電源コンセントの設置具合について示す。 【図7】 水中ポンプと防水型コンセントの設置風景 <↓(7-1).水中ポンプの設置状況と基本スペック> <↓(7-2).水中ポンプ槽の安全カバープレートと防水型コンセント> なお、前述の通り、ポンプはピット内の一時的な水槽部分 (幅100cm×奥行き30cm×深さ20cm程度) に固定設置されるが、その水槽の上に人が乗っても大丈夫なように、金属製のプレートで安全カバーを設置してもらった (→ 図(7-2)の画像左)。実際の車輌整備作業を想定すると、上方 (クルマの下回り) をのぞき上げながらピット内を前後に移動したり、足元の位置を変えるようなとき、床面との段差があっては危険だからである。 こうして、ピットの建造は順調に進んでいった(かのように見受けられた・・・)。 |
|||||||||||||||||||||||||||||||||||
6.致命的な問題発生!の巻 |
|||||||||||||||||||||||||||||||||||
一見すると順調に進んでいるかのように見受けられたピットの建造であったが、やはりトラブルは付き物だ。今回の
”鬼門” は、他ならぬグレーチングであった。 前述したように、地下ピットの開口部のサイズは、縦4.0m×横1.0mで建造発注してある。実はこの 「横幅1.0m」 ・・・というのが曲者 (くせもの) だった。市販のグレーチングは規格物がほとんどで、これらは通常は幅90cmでできていたのだ。幅100cm=1.0mモノもあるにはあるが、厚みの少ない薄モノしかない。クルマが乗ってもOKな強度を有するもので、横幅1.0mのグレーチングは規格外の特注品となってしまうということが、あとになってから土地仲介業者さんからの情報で発覚した。つまり、上記 【図5】 で示した通りの懸念点が、そのまま解決されずに残ってしまったことになる。全然 「当社にお任せ下さい」 状態ではないではないか!!>工務店殿。 当初のもくろみ通り、「ピットの開口幅1.0m」 をそのまま実現させようとすると、グレーチングは強度的にまったく成立しない薄物になってしまい、強度を確保させようとすると、量産効果の期待できないワンオフ物 (価格がべらぼうに高くて納期もいつになるのか分からないもの) になってしまう。 あるいは、ある程度の強度を有する規格物のグレーチングを優先させると、価格が安く入手性に優れるものの90cmの幅狭タイプとなるため、グレーチングに合わせてピット自体を狭くするような設計変更を余儀なくされる・・・という問題に直面してしまう。 地下ピットの施工業者は、すでに 【図6】 の画像で示した通り 「縦4.0m×横1.0m」 で基礎工事を終えている。この基礎サイズは変更できないが、壁の厚みを拡大 (セメントを厚塗り) することで、ピットの開口幅を1.0mから0.9mに減らすことは可能だという。だが、ここでの横幅10cm減は、ピット内での作業性を考慮すると何とか避けたいものだ。仮にピットの深さを1.0mとして計算すれば、開口幅10cm減により 「4.0×1.0×0.1=0.4(m3)」 もの作業空間 (兼 荷物収納スペース ← この点も重要) が減ってしまうことになる。・・・いやそれ以前に、壁厚を当初とは異なる設計値へと途中変更してしまうと、例えばそのぶんだけ重量増となったり内部構造材への負担が増えたりと、どこか根本的な部分にしわ寄せが来てしまう恐れがあるかも知れない。そして何より、グレーチングに合わせてピットを造っていたのでは、本末転倒のような気がするのだ。 とは言うものの、いくらなんでも 「上フタ無し」 の地下ピット 兼 駐車場・・・普段から常に開口部を避けて通ることを (死ぬまで?) 強要させられる自宅玄関前の駐車場・・・のままで放置しておくワケにもいかない。ということで、最悪はワンオフグレーチングの製作も覚悟しつつ、予定通りの寸法 (幅1.0m) で地下ピット建造を続行してもらう決断をした。 ・・・ここからが、悪戦苦闘の始まりだ。イバラの道への第一歩を踏み出したと言っても過言ではあるまい。当初は、ピットの要求仕様 (開口部:縦4.0m×横1.0mでクルマが乗り上げ可能なもの) に合うグレーチングを工務店が手配するはずであったが、上記のように車重 (荷重) に耐えうる規格物が無いことが判り、素人の私自身でもグレーチング対策を考えなければならなくなったのだから・・・。 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ こちらが急なグレーチング代替品選びで苦戦している間にも、ピットの建造作業自体はどんどん進行していく。その一方で、工務店側からのグレーチング代替案は遅々として進まない。そんな中、さらに追い打ちをかけるような問題も発生してしまった。・・・あろうことか、工務店は、横幅こそピット開口部に合う1.0mサイズだが完全に強度不足の薄厚グレーチングを、私たちへの断りが無いまま勝手に実際の施工業者に取り寄せさせていたのだ! 【図8】 勝手に手配されてしまった薄厚グレーチング そればかりか、その施工業者は、その厚みの不足しているグレーチングのサイズに合わせて、ピット開口部の ”グレーチング受け” 部分 (=ツバ) の仕上げ処理をしてしまった! つまり、強度を確保するためにはもっと厚みのあるグレーチングが必要になるのだが、厚みのあるグレーチングをピット開口部に載せると、フラットにならず上方向にハミ出てしまうような ”受け” 部分 (=ツバ) の仕上げ処理をしてしまったことになるのだ。 【図9】 強度的に不充分な薄厚グレーチングの薄さに合わせて
私が他県での長期出張から戻り、建造現場に直行してみると、見栄えだけは良いものの、まったく役立たずの薄厚グレーチングがピットに載せられていたというワケだ。私はしばし開いた口がふさがらなかった。どれくらいに役立たずかと言うと、体重60kg程度の人間がひとり乗っただけでも見事にたわみ、思わず不安を感じてしまうようなシロモノであった。そのたわみ具合について、先ほど再現させて記録を撮ったのですぐ下の 【図10】 に載せてみる。たわみ量は、中央部でおおよそ12mm程度もあった。グレーチングの厚みは25mmであるから、たわみ量は厚みのほぼ半分近くに達していることになる。たかだか人が乗ってこんなにもたわむのだから、況(い)わんやクルマをや。 【図10】 (クルマではなく)人が乗っただけで、たわむグレーチングの再現風景。 <↓(10-1).まずは乗ってみる。予想外に沈み込んでビックリ。> <↓(10-2).人の乗らないグレーチングとの境界部分の拡大図。> 強い危機感を感じた私は、すぐさま工務店へ抗議のFAX (と電話) を入れた。以下にそのやりとり (資料の一部) を載せる。私の場合、業者とは基本的に書面でやりとりするように心がけている。もちろん状況に応じて電話も使うが、ドキュメント (証拠) を残す意味で、紙でのやりとりをメインとしている。口頭約束では、後になってから 「言った/言わない」 で モメるのは目に見えている (当時の私は、地方出張続きで自宅に不在がちだったという理由もある)。相手は業者、こちらは個人でしかも素人だ。自分にとって不利な事態にならないよう、それなりの努力はしなければならないと思う。 なお抗議する際は、その内容や項目に応じて、相手側責任者の名前を明示した上で、返答を希望する日時(〆切)を指定するのが効果的だろう。ただ漫然と書いていたのでは、単なるクレーマーに受け取られ兼ねない。クレーム (広義のイチャモン) が目的ではなく、クレーム (狭義の主張) することによって解決策を見い出し、事態をあるべき姿に進展させるのが目的なのだから。 <↓参考資料1
: 工務店とのやりとりからの一部抜粋>
こちらの要求仕様を無視して勝手に (役立たずの) 薄厚グレーチングを発注し取り寄せる指示を施工業者に与えてしまった工務店に対し、厳重抗議するとともに、私自身でも善後策について急きょ再検討しなければならなくなった。もはやピットの建造工事自体はほぼ終わりの段階まで来てしまったが、このままではクルマが乗り上げることができないため、玄関前の駐車場としてはもちろん使いものにならず、作業ピットとしても使い勝手が悪いことこの上ない。 ・・・ズバリ、私は窮地に立たされた・・・。 |
|||||||||||||||||||||||||||||||||||
7.解決に向けて |
|||||||||||||||||||||||||||||||||||
こうした課題に対し、まず私はこれまでに見た公共施設
(クルマがよく出入りする) のグレーチングの中で、ピット用として流用できそうなゴツイものを探してみた。が、その基本構成を見ると、残念ながら荷重を負担するに足るものではないことが判った。 下の 【図11】 に示すように、長方形型のグレーチングでは、前後方向に走る構成部材 (=板状で垂直方向に立っている) と左右方向に走る構成部材 (=単なる細いストリング状になっている) は、その厚み (姿勢) が違うのだ。垂直荷重が加わった場合、前後方向に走る厚い部材は変形しにくいのに対し、左右方向に走る細い部材は容易に変形しやすい。したがって、上の 【図5】 のような支持方法には適さない部品構成となっているのが明らかだ。もともと支持スパンが長くてグレーチング全体が変形しやすい上に、その単位構成部品レベルでも変形に弱いとなると、2重の意味で適用は困難であろうと判断されるのだ。 【図11】 前後・左右の各構成部材で厚みが異なる。「左右方向の棒材」は横に そこで次に、ホームセンターなどで販売されている、「工場器具・物流機器・事務所機器分野の製品総合カタログ集」 を参照し、フォークリフト用で耐荷重の高いパレットの流用可否について検討した。その他、様々な経路で代替案の情報を拾い集めたが、なかなか良い打開案は見つからなかった。以下に、そのボツとなった代替案の例を示す。 【図12】 ボツとなったグレーチング代替案 <↓その2
:
フォークリフト用パレットを流用する案(耐久性などからNG)> <↓その3
: アルミパレットを流用する案(コスト面などからNG)> やはり、開口幅1.0m雨幅スパンの広いでグレーチングを支持する方法には、ムリがあるのだろうか?
・・・とすると、ピットの床の中央部に垂直な柱を立てて、下からグレーチングを支えるように構造変更しなければならないのか?
折しも、工務店からは 「垂直支柱の追加」
について検討をしている旨の口頭連絡を受けていたので、私もその方式について成立性
(メリットとデメリット) を検討してみることにした。 |
|||||||||||||||||||||||||||||||||||
8.解決に向けて |
|||||||||||||||||||||||||||||||||||
ピットに垂直支柱を追加設置する案について、ラフ検討してみる。 垂直支柱を設置するという案は、至極自然な発想である。支柱自体は垂直方向に立つことになるので、クルマの重さ (荷重) に対しては、基本的には曲げではなく圧縮の力が作用することになり、その断面サイズにもよるが強度的な心配はほぼ解消されると考えられる。 課題としては、単に垂直支柱がボコボコと群立しているだけではダメで、その複数の垂直支柱の上端同士を横方向につなぎ合わせるような連結柱を追加して、その柱の上にグレーチングが乗るようにしなければならないだろう。垂直支柱の上に直接グレーチングを乗せてしまうと、支柱の断面積が小さいため、グレーチングには均等加重がかからないと予想されるからである。もちろん、実際にピット内で車輌整備作業をする際は、それらの連接柱も垂直支柱も容易に脱着できる構造としなければならない。以下、この案についてメリットとデメリットを簡単に書き出してみる。
結論から言うと、この垂直支柱でグレーチングを支える案はボツとした。いや、正確にはボツ・・・とする以前に、工務店側からこの案に対する正式な説明も打診も無く、もともと詳細について詰め切れていなかったので自然消滅した・・・というのが実状なのだが。仮に詳細まで立案できていたとしても、上記のデメリットに示したように、床がフラットにならず作業性
(安全性) が低下するという点から、私はこの垂直支柱案を採用しなかっただろう。 |
|||||||||||||||||||||||||||||||||||
9.解決に向けて |
|||||||||||||||||||||||||||||||||||
探せば探すほど、横幅1.0mでクルマが乗り上げても大丈夫なグレーチング代替品というものは無さそうであり、またピット内での作業性を損なわないような垂直支柱の追加設置も困難そうである。 それならば・・・ということで、どうせグレーチングがワンオフ物になってしまうのであれば、自分で必要用件を織り込んだ天板 (グレーチング補強材) を設計してみることにした。具体的には、次のように考え、その結果を工務店にFAXし、次なる解決に向けてのアクションを要請した。その筋道を順に追ってみることにする。 #
大学で学んだ知識が、よもやこんなところで役に立つとは思わなんだ・・・・(苦笑(1))。
以上が、与えられた制約の中で私が前向きに検討してみた結果である。 ラフ検討ではあるが、精度的には現実とはあまりかけ離れたものではないと思う。この設計案でもどうしても成立困難である場合には、思い切って問題解決へのアプローチを方向転換し、ピット内でグレーチングを支えるための支柱を増設するような設計変更をする案に戻ってみるなど、要求仕様の見直し (スペックダウン) を含めた 「歩み寄り」 により、できる限りの打開策を別途考えることになるだろう。 この渾身 (こんしん)
の一撃・・・じゃなかった、渾身のオリジナル設計検討結果を、書面で工務店に送った。が、なしのつぶてでラチがあかなかった。その後、しばらくの間、宙ぶらりんの空白状態が続くことになった・・・(^_^;)
。果たしてクルマが乗り上げ可能な地下ピットを、無事に完成させることはできるのでしょうか?
あるいは、今後一生の間、ピットをまたぐようにして暮らしていかなければならないのでしょうか? |
|||||||||||||||||||||||||||||||||||
10.採用案の決断 〜支柱の設置について〜 |
|||||||||||||||||||||||||||||||||||
しばしの空白状態が続いたあとに、転機は突然訪れた。 (・・・どれくらいの空白期間かと言うと、ピット以外の家屋 (と外構) が完成して一応の物件引き渡しが済み、実際に入居を開始してから数ヶ月が経ったあと・・・である)、ようやく工務店から対応策についての反応があり、次のような案が提示された。決して忘れ去られていたわけではなかったのだ! そのポイントは次の通りである。 (1).ピットの壁面(前後左右4面)に、L字型フックを複数ヶ所打ち込み、固定設置する。 要するに、グレーチング用の支柱を設置することには変わりが無いのだが、工務店が以前検討した 「縦型(垂直型)」 ではなく、「横型(水平型)」 の支柱(ビーム、鋼材)を設置し、それを取り外し可能とした点が今回の大きな変化点である。まず、ピット開口部 (前後4.0m×左右1.0m) を囲む4つの壁面のうち、左右方向に2本の鋼材を渡す (上図の赤色の鉄骨)。次にその鋼材の上に、前後方向に2列の鋼材を載せる (上図の青色の鉄骨)。 実際には、前後方向の2列の鋼材 (上図の青色の鉄骨) はそれぞれ3分割構造とし、脱着性を向上させる。グレーチング (下図で黒色のワクの部分) は、もとからあるピットの四壁面の上端に設けられた鍔 (ツバ、耳の部分、”受け”) とともに、この青色で示す分割鋼材で下から支えられることになる。以下にその構成を略図で示す。 この案で本当に大丈夫と言えるのか?! 前述の私の案 (T字型の補強材を新設) は、ハッキリ言うと非常にコスト高な解決策であるが、今回新たに提案された 「縦・横の各方向に支持ビームを重ね、その上にグレーチングを載せる」 という案では、鋼材は標準鉄骨を用いることが出来るので非常に安く仕上げることができる。加えて、地下ピットの床面はフラットなままに保たれ、例えば垂直支柱設置用の凸部 (土台) を設ける必要がないという点も魅力的であった。 現状では他に良い解決案が見つからないこと、いつまでもピットが使えない宙ぶらりんな状態にしておけないこと、そしてもしこの案でコケた場合でも最後までフォローしてくれるという約束を、工務店から取り付けることができたことから、私はこの新提案でGOサインを出すことにした。・・・これは一種のバクチのようなものである。何せ、コケるかどうかは、実際にクルマに乗せてみないと判らないし、またもしも本当にコケたと判った場合には、すでにクルマがピット内に落下してキズ物となってしまった後・・・になっている可能性が高い。そうなってしまったら、すでにもう遅い状況なのだ・・・ (^_^;) 。 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ 以下、実際のグレーチング支持鋼材の構造と設置状態を 【図13】 に示す。L字型フックは壁面にスタッドボルト&ナットで固定 (脱着不可) され、「L字型フックと鋼材」、あるいは 「鋼材と鋼材」 の連接は、「スタッド〜ナット締め」 で固定 (分解組立式で脱着可能) されるようになっている。ちなみに、鋼材には赤褐色のサビ止め塗装が塗られたあと、さらに銀色に仕上げ塗装されていることを付け加えておく。 【図13】 グレーチングを支える鋼材(分割組立式)の構造 <↓(13-1).スタッドボルトが溶接一体化されている> <↓(13-2).壁面に打ち込まれたL字型フック。鋼材をその上に載せ、ナットで固定設置する。> <↓(13-3).別アングルから。鋼材自身にも位置決め用のブラケットが <↓(13-4).鋼材が左右・前後方向に井桁(いげた)状に組まれる様子。 さて、こうして鋼材をピットに組み込むための追加工事は終了したものの、今度は本当に車重に耐えられるかどうか? その効果を検証しなければならない。もしも乗り上げ可能であることが確認できなければ、また最初から振り出しに戻らなければならない。果たしてこの新しい支持構造は、本当にレガシィを乗せても大丈夫なのだろうか? 万が一、強度不十分でピット内に落下・・・なんてことになるとイヤなので、追加工事終了当初に 「最初に試すのは工務店さんの社有車でお願いしますよ〜。」 と言っておいたのだが、結局、私のレガシィで試してみることに (^_^;) 。恐る恐る、少しずつグレーチングに乗り上げるレガシィ。最初は軸荷重の小さな後輪から試してみる。少し乗り上げてはすぐ戻り、タイヤ1本分の幅 (ピッチ) で乗り上げる位置を変えながらまた試していく。最初はおっかなビックリ、であったが、実際にクルマをグレーチングのどの部分に乗り上げてみても、結果OK、大丈夫であった。後輪に続き、前輪でも試してみたが、この支持構造は荷重を各鋼材に分散させる効果に優れているようで、グレーチングともども全然問題なく、無事に乗り上げられることが確認できた。 本音を言うと、確かに今は無事に乗り上げることができたのだが、耐久性についての確認が取れていないので、両手をあげて喜ぶには未だ早い気がした。例え話で言うと、欠陥住宅は住み始めて数年経ってから初めて不具合が出現するのと同様、今回のピットも、施工業者には大変失礼ながら、使っていくうちに次第に周辺部材 (例えばコンクリート部分) の強度が低下してしまうなどの恐れが現れるかも知れない。 とは言え、現時点ではそこまで試すことができない以上、今は無事にグレーチングの上にクルマを載せられるようになったことを素直に喜ぶべきだろう。暗中模索していた頃に較べると、まさに天国と地獄のような違いである。耐久性については、日々の使用過程の中で注意深く前兆の有無などを観察していけば良い。・・・ということで自分を納得させた。 これで、ようやく枕
(まくら) を高くして寝ることができるようになる。 |
|||||||||||||||||||||||||||||||||||
11.DIY塗装作業・床と壁を塗ろう |
|||||||||||||||||||||||||||||||||||
こうして何とか運用化のメドが立ったが、まだ若干の改善の余地はある。 それは床面&壁面保護のための塗装だ。ピットとして使うからには、当然オイル交換作業などもするわけで、床面にオイルが滴下するなどの可能性も考慮しておいた方が良い (むき出しのままのコンクリートにオイルが床に滴下するのは、好ましいことではない)。耐候性を持たせるためにも、ここはぜひとも耐油性の塗装を塗りたいところである。とすると、その色をどうするか・・・? まず床の色については、ディーラーを含むどんな整備工場でも広く一般的に採用されている 「緑」 とした。これは単なる私見であるが、「緑色」 の方が目に優しく、何だか ”プロ” っぽいていい感じのような気がする。ただし、同じ緑の中でも、深緑 (ふかみどり) 色的な暗い感じのものでは無く、明るさを出すために 「エメラルドグリーン系の緑」 に決めた。明るい色調の方が、強制業務的な感じではなく自由なプライベーター的雰囲気が醸し出せるような気がするのだ(笑)。 さて床の色が決まった次は、壁の色である。私の場合は、床と壁を同じ色にするつもりは最初から無く、全体として2トーンにしようと思っていた。緑色に合う (緑色を壊さずに、逆に緑を引き立てる) もので、その色自体もある程度の主張というか、華やかさを感じられるもの・・・ということで、オレンジ色 (実際には濃い黄色) を選択した。床の色 (エメラルドグリーン) と壁の色 (オレンジ) は、想像以上に良く映える組合せであると思う。 これは例え話だが、「一見するとハデめのスキーウェアも、いざゲレンデに出てみると意外に目立たなくなる」 場合と同様、地下ピットの床や壁面の色彩も、少々 ”鮮やかな色調を狙う” 程度にするくらいでちょうど良いのだ。 【図14】 ピットの床面と壁面を、それぞれグリーン系/オレンジ系に塗り分けた様子 その他の改善点としては、ラインマーカーの設置がある。クルマをピット上に駐車させる際、左右のタイヤ位置がピットの開口幅に対して均等にまたぐように (ピットの前後方向の中心線と車輌の前後方向の中心線が一致するように)、前後輪を置くべき位置の目安となるサイドラインを引くのだ。前後のタイヤがこのラインマーカーに沿うように駐車させると、クルマをピットと平行かつ左右均等に置くことが可能となる。 また、ラインマーカーには、クルマを前後方向にどこまで詰めて置くことができるかを示す、駐車可能範囲も設けている。クルマを敷地内で一番前端まで寄せた場合 (あまり寄せると、伸縮式の防犯ポールにぶつかる) と、一番後端まで寄せた場合 (あまり寄せると、家屋の窓ガラスにぶつかる) の範囲が分かるように、ラインマーカーを2色に塗り分けているのだ。右前輪=ドライバーから一番近いタイヤの車軸 (つまりはタイヤと路面の接点) が、この塗り分けた範囲内にあることを確認しさえすれば、前後バンパーを壁やポールにぶつける心配は無いのである。 【図15】 ピットに沿ってDIYペイントしたラインマーカー(テープを貼ったものではない) |
|||||||||||||||||||||||||||||||||||
11.完成を迎えて |
|||||||||||||||||||||||||||||||||||
縦方向の鋼材を前後3分割構造としたおかげで、グレーチングおよび組み付けられた鋼材の中から、作業に必要な最小限の部分のみの取り外しが可能となった
(作業のたびごとに、すべての鋼材やグレーチングを取り外す必要は無い)。 例えばエンジンを診(み)るときには、前方のグレーチング&鋼材のみを取り外す。ミッションを点検するときは、中央部のグレーチング&鋼材のみを取り外す。あるいはタービン下流の排気系全般を診たいときには、中央と後方のグレーチング&鋼材を取り外す。・・・といった具合に、作業内容 (箇所と規模) に応じて、最適な位置のグレーチング&鋼材を取り外せば良いことになる。 【図16】 ピットのグレーチングと補強材は使用目的に応じた部分で取り外しが可能 <↓(16-1).前方のみを取り外した使用例> <↓(16-2).その他の部位
(一部or全体) を取り外した使用例> このように考えてみると、こちらの実施案の方が、私の検討案 (支柱無しでグレーチングを支持するオリジナル案) 方式よりも合理的で耐久性に優れていると考えられる。結果的に私の検討案は採用するに至らなかったが、少なくとも 「個人の素人でもこれくらいの強度計算は容易に出来るから、プロにはよりしっかりとやってもらいたい (ゴマカシは通用しないぞ!)」 といった程度の警告 (脅し?) にはなったことだろう。・・・もっとも、私の検討案を採用しないと決めたのも私自身ではあるのだが。 このように、解決までには実に多くの日数と労力と検討 (と数値計算) を費やすことになったが、何とか最大の難関を乗り切ることができた。世間では、例えば施工業者の手違いにより建ぺい率がオーバーしてしまい、完成目前で当局から建設中止命令を受けた人の例もあると聞くが、それに較べると、私の例は大したことの無い部類のトラブルなのかも知れない。 私の場合は、確かに先の見通しのハッキリしない状況が多々あったけれども、その時々で、自分なりにできる最大の努力を重ねてきた
(つもりである) ことにより、最終的には突破口を開くことができたと考えている。キザな表現を使うと、「意志のあるところに道は開(ひら)ける/Where
there is a will, there is a way.」 はその通りだと思う。土地の仲介業者さん、工務店さん、実際にピット建造工事を請け負った施工業者さん、そしてその他すべての関係者の皆様方には、この場を借りてお礼申し上げたい。 |
|||||||||||||||||||||||||||||||||||
12.あとがき |
|||||||||||||||||||||||||||||||||||
このように苦労して建造し、稼動できる状態になった地下ピットは、これまでの2年間弱で多くのDIY作業を陰で支えてきた。その主な作業実績としては、次のようなものがある。 ◎ユーザー車検時の下回り点検 ◎エキマニの脱着 ◎センターパイプ(通称名)の交換 ◎マフラーの交換 ◎ラジエーターホースの交換 ◎スタビリンクの交換 ◎脚周りの脱着 ◎リヤブレーキの対向2potキャリパ化 ◎補助後退灯(バックアップランプ)の追加 ◎バックアップランプスイッチ(リバースセンサ)の交換 こうして過去の作業内容を思い起こすと、やはり地下ピットがあったおけげで安全に効率良く作業できたことを実感できる。また、この地下ピットは自分自身の作業のみならず、ネット仲間の軽作業会場として活躍することもあった ((例) → リンク先の 「shin」 さんのダイアリー : 「KAZ穴」 参照※)。せっかくの設備なのだから、私自身としては、自分以外の人にも有効活用してもらっても良いくらいに思っている。もちろん、その際には (閑寂な住宅街なので) 近隣への騒音防止に留意するなど、気を遣ってもらう点は多々あるけれども。 ※過去の日記 : http://www.jimcy.com/cashmere/diary/tboard.cgi?mode=oldlog またこの地下ピットは、ピットとして使用しないときには、スタッドレスタイヤやミニサーキット用タイヤの保管庫ともなっている。ちなみにタイヤには、個別に保護カバーを被せている (横積みした状態で4本全体に被せるタイプの大型カバーではなく、タイヤ1本1本、個別にカバーできるセパレートタイプのものを探し出し、被せている)。 今後の予定としては、ピットに簡易型の屋根を設置したいと考えている。そのタイプは、いわゆる 「合掌型」 だ。車輌 (レガシィ&インプレッサ、ホンダ CBR250Four、そしてママチャリも) の保護の意味合いもあるが、現状の課題・・・雨天時に、レガシィの車体と床面とのスキマから、ピット内に (若干ではあるが) 水が入り込んでしまうことと、冬場に枯れ葉 (落ち葉) が吹き込んで溜まってしまうこと・・・をなるべく防ぎたいのだ。これは、排水ポンプにかかる負担を減らす意味もある。 【図17】 ピット内にたまった落ち葉を拾い集めるの図 皆さんの中にも、思いがけない降雨によって予定していた作業を延期せざるを得ない状況に陥った体験をした方々も多いのではないだろうか。屋根付きにすることによって、こうしたDIY作業途中での急な降雨による作業中断も気にしなくて済むことになる。そしてこのピットで行った作業情報を、今後もサイトを通じて発信していけたら・・・と思う。そう、クルマと地下ピットがある限り、私の夢は今後も膨らみ、まだまだ続いていくのだ。 【図18】 自宅玄関前の駐車スペースにて
|
|
BACK ← 地下ピット 〜自宅ガレージの紹介〜 → NEXT
(バックアップランプ(ミッション直付け)の交換) (MDチェンジャーをコンソール内に設置)