接地までは足は完全にリラックス

一番のポイントは・・・以外にも
足のことを意識しないことだったりします。

なぜなら、足は体の末端にあります。
末端ではなく、胴体をどう位置させるかということが大切なのです。
しかし末端への意識は胴体へ意識を向けることを阻害するんですよ。
そのため末端を意識すればするほど、胴体をどう位置させるか、そしてどう使うかが忘れ去られる傾向があるのです。
それゆえ末端は意識の外に置き、リラックスさせることが必要です。

だから(接地時はどうしても受動的に力が入るのは避けられないし、それはそれでいいのですが)接地までは足は完全にリラックスすることが大切です

足はどのように接地すべきかですが、接地は踵から地面に向かい、接地直前にはシューズの底が胴体の真下になるぐらいまで足に胴体を追いつかせ(脚を引き込み)
胴体が足に追いついた時点で脛は後に傾いた状態で力を入れず
胴体の真下で脛の骨の先端で地面をトントンと突くように足首に余計な力を加えず着地し
前足・踵の順であれ、踵・前足の順であれそんなことは意識せずに(低速では踵・前足の順で高速になるにつれ前足・踵の順になる傾向はあるが)脛で直下で地面を突く意識で走ると両者の時間差は極小になるため意識しなくて良いので
それから足の裏はなめくじのようにジワジワと体重が移動するように地面へ力のかかるところが移動していって、
最後は親指の先で離れるのが理想です。

1.低速度では接地は踵からになる
長距離走のそれも低速度のスロージョギングの場合接地は絶対に踵からです。
・ウォーキングー完全な踵接地。
・超スロージョグー踵接地だがウォーキングより踵接地から前足接地までの時間が短い。
・スピードを上げた域では踵が僅か上がった前足(小趾球)接地の後に踵が接地。

良くない接地

良くない接地三種類を以下に列挙しておきます。
i 踵からゴンといってそれからやっこらせと足裏全体が次に接地するやりかた。(高速になっても意識的に踵から着こうとする踵主体の加重)
ii 踵も前足部も全く同時に接地するやりかた(いわゆるフラット接地(フラット走法)を誤解するとこうなりますが、全く足の裏のどこもかしこも同時に一斉接地は無理です。)
iii 前足部から接地してそのまま意識的にに踵を接地させないように足首に力を加えるやりかた。(つま先が主体の加重:100mなどの短距離走はそれでいいというか、そうじゃなくちゃ速く走れません。)

結論として接地はそれをもしビデオに撮ってスローモーションで見てみたらどこから接地していることがはっきり分かるが、走っている際の気持ちとしては脛の骨の延長線上(足裏全体でと言う表現もそれに近い)踵も前足部もどっちが先でもいいですからほぼ同時に接地させるようなつもりで走るのが良いです。
脛の骨の延長線上を主体に接地に行っているような感じで、感覚としては地面と足の裏とのなす角度より脛の骨の延長線上を胴体直下に位置させて胴体直下で斜めに傾いた杖(脛の骨)の先で地面を軽く突くに乗り込むイメージで走りましょう。
(それでも実際は全くの踵-前足同時接地(一斉接地)にはなりません。前足部が先で踵が次か踵が先で前足部が次かはスピードによります)

そのためには踵の使い方を、接地の主体という考え方から、接地のための前もってのクッションの一つという考え方にしましょう。
クッションですからとても低速な域では踵は全くリラックスさせたままで接地させ、直後に来る指の付け根のふくらみの接地を誘導する役目にするのです。

2.なぜ低速では踵から先に接地か
低速では脛の骨にぶら下がった足が後ろにめくりかえる前に地面に着いてしまいますので踵が先に接地することにより踵に接地全体の衝撃の一部を受け持たせることができます。
低速でもフラット接地を誤解した接地では踵も前足も一斉に接地してよいのではと考えますが、これでは余計な力を使って意識的に足首を底屈させなければならず衝撃を前もって軽く受け止める足の部分(これこそ踵)がありません。そのため衝撃が一気に来てよくないのです。
まず踵、その後土踏まずの外側、次に小指の付け根、最後に拇指の付け根に加重が移り、親指の先で抜けるという順番で接地からの足の裏の使い方をすることにより、接地の衝撃を緩和することが出来るのです。
フラット接地を提唱している人たちも一斉接地が良いといっているわけではないのです。踵からゴン接地の悪癖を撲滅しようとして、足裏全体での接地という表現を使っているだけなのです。それをあまりに真剣に取ってのことさらに足首を底屈させての一斉接地はいきすぎです。
あくまで、足裏全体が一斉に接地しているかのように誤解するほど接地をスムーズにすることが理想です。

踵はいわば、”つゆはらい”で、接地の主体はあくまで拇指球から小指球のあたりを中心とした前足部です。
踵をつゆはらいとし、接地の主体を拇指球から小指球のあたりとすることで接地から離地への流れがスムーズになるのです。

だから何度も言いますが足をリラックスさせることが非常に大切です。

3.踵が接地したことを意識しないで接地することによる縦方向のローリング。
(本当に正確に言えば足裏全体の接地ではないのだが)踵をきっかけにし拇趾球から小指球のあたりをぶつけるつもりでの足裏全体での接地という意識しかしない。


図1 接地
上の図の青の部分は全体重を受け止めているわけではありません。あらかじめ一部を受け止める柔らかいバネのような役目をしています。踵はきっかけに過ぎず、踵から親指までのスムーズな荷重移動の(意識されない)開始点にすぎません。
(ほんとうは一部は受け止めているが、まだ掛かる体重がピークにはなっていない)

踵で接地を意識しすぎると、踵で接地して、いったんストップし、遅すぎる縦方向のローリングがワンテンポ遅れて開始するようになってしまいます。
そうではなく下の図になったときに掛かる体重がピークになり、全体としてのすばやい縦方向のローリングにより、衝撃が分散されるのです。
イメージとしては赤丸の小趾球の少し下のあたりが狙った地面に向かうようにイメージするとすばやい縦方向のローリングがうまくいきます。
(踵を着くつもりではなく、感覚としては小趾球の少し下から接地を始めてその流れで拇指球を着くつもりで十分です。)

補足:踵は短冊
踵からの接地を推奨しているのですが、接地がスムーズでなく、ゴンと踵だけが地面にぶつかるような接地になってしまっては、その踵の接地によって足首にダメージが来ます。これはよくありません。

それで接地のイメージですが、風鈴の短冊のイメージで踵を使ってみてください。
風鈴は上部にぶら下げるための紐。その下に風鈴の鳴る部品。その下にまた鳴らすためのバチから伸びた紐で短冊が吊してあるかたちになっています。
そして、下にぶら下がった短冊は、風が吹くとその風の力によって揺れて動き、バチが風鈴にぶつかって風鈴が鳴るわけです。
踵は、その短冊だと考えましょう。決して自分から地面にぶつかったときにグッと踏みつけられて抵抗するような余計なことをすることはなく、まるで風鈴の短冊が風に揺れるようにぶつかったら地面からの衝撃を受けてカタンと上に上がってしまうにまかせるようにするのです。
カタンと踵が上がるともうそこでは拇指球を中心とした前足部に重心が来てしまっています。
これによりとても高速な後足部から前足部への重心移動が完成されるのです。
踵は風鈴の短冊のようなものと思い込めば、かかとでゴンと体重を受け止めてストップ力が働くような事がなくなります。
結果として、
・踵が地面に触れた。
・拇趾球が地面に押さえつけられている状態になった。
・つま先が地面からスッと離れる。
この一連の流れががものすごく速いスピードで一瞬で終わるようになります。
この踵の使い方で(踵は短冊と思い込んで地面にぶつかってただカタンと跳ね上げられるだけの役目だと思い込んで)走るとそう簡単には止まれません。
うまくいっていると、走り終えて、「さあ、止まろう。」と思っても、踵は短冊と思い込んだままですから、徐々に胴体の動きを押さえるかたちで徐々にスピードを落として止まるしかありません。ゆっくりとピッチが遅くなっていって、「やっと止まれたぁ」って感じで止まれます。なんか慣性がかかってスピードを落とすのに苦労があって地面との間に潤滑油でも塗ってあるのかとツッコミを入れたくなるような感じでなかなか止まれません。(それはそうです、踵でのブレーキ力が全く無いのですから。)

高速度では接地は前足からになる(が足の角度をどうこうしようとは考えないでください)

スピードが上がって来ると脛の骨の先端で地面をトントンと突くように接地にいこうとすると着地点の感覚が徐々にスピードが上がるにつれ(小趾球・母趾球のあるあたりの)前足部分で着地しているような感覚に変わってきます。速度に応じて接地箇所が前に移動する感覚というか、速くなればなるほど脛の骨にぶら下がった足が後ろにめくりかえった頃に地面に着く傾向がありますので前足部が着いた一瞬跡に踵がつくというか言い換えればシューズの横幅の一番広い部分の外エッジが最初に地面に触れているのではないかという感覚が出てきます。
それはブレーキを掛けないように胴体の直下もしくは胴体の直下より少し後方で脛の骨の先端を地面に突き当てようとして走るためブレーキがかからない走りでは当然出てくる現象です。
しかし、スプリントではなくランニング域の速度では100メートル10秒台に達しませんから、外エッジが着いた後に踵も着き、足裏全体が同時に地面に触れている一瞬が必ず出てきます。それはそれでいいのです。
問題なのはシューズのソールの角度を地面とこのくらいの角度にして接地に行こうなどと故意に・ことさらに・意識的に足の角度を一歩一歩コントロールしようとする意識で走ることなのです。
足の接地感は速度域に応じて変わります。それは結果的なものです。その結果をことさらに得ようとして足首に力を入れるなど言語道断です。
それより、脚全体の力を抜いて、腰から腿をぶら下げ、膝から脛をぶら下げ、足首から足をぶら下げ、地面にリラックスして向かうことの方が何倍も重要なことです。
リラックス接地こそ推奨されるべきもので、ことさらな前足着地もことさらな踵着地も「ことさら」の文字が入ったものはすべてダメなのです。
低速での踵→前足の順でも、高速での前足外エッジ→踵の順でもどちらでもいいのです。
問題なのは低速もことさらに前足から着こうとすることや、高速でかかとを先につけるためにことさらに足首の背屈を維持しようとすることなのです。

3.踵の外側からの接地による横方向のローリング
低速では踵の外側から接地しますし、高速では前足外側かかと外側の順で設置しますが、かかとが一瞬であっても地面に着くことは一緒なので低速でも高速でも踵がついてからの動きは共通してます。ここでは低速での説明ですが、高速では前足のほんのわずかタイミング的に後に踵が地面に着いた後においての説明です。

片足を地面からちょっと上げてリラックスさせると、足の外側の方が下がっていることに気づくことでしょう。
接地の時の足のリラックスにより、接地直前まで足は足首にぶら下がった状態で、このように外側の方が下がる形になっているのです。

このまま接地に向かうと接地直前は前後から見るとやや踵の上が外側に出て踵の下の部分が内側に入って傾いた状態です。
まず踵の外側が接地し、一瞬あとに小趾球が接地し、一瞬あとに親指の下のふくらみも接地し、体が前に行くにつれ親指の下のふくらみ側に勝手に加重ポイントが移って、足首が横方向内側へ引かれます。
足首が傾いた状態から直立する横方向のローリングが、接地の衝撃を緩和するのです。

リラックスしていないと足が垂直に接地し、横方向のローリングが出来ません。
(接地の時にバタバタと大きな音がする時はうまく出来ていません。)

図2 踵外側からの横方向のローリング(右足の靴の踵部分を後ろから見ている図です)


※重要な注意事項
しかし、注意してほしいのは、かかとの外側からの接地が良いといっても極端なものはかえって害になるということです。
接地直前に極端に外側を下げた角度をつけて接地に向かうと、その後、親指側に荷重が移った後に、足首の内への倒れこみが勢い余ってオーバーになり、踵が極端に内側に倒れこみ、足首を痛めてしまう危険性がとても大きいのです。
理想的な外側が下がった角度は、あくまで、足をリラックスさせた時の外側の下がり具合を保った角度です。
だからことさらに外側を下げようとなど余計なことをせず、足のことは忘れて足首に力を入れないリラックスした状態のまま接地に向かってください。
理想的な角度は思ったよりも随分と浅い角度ですから、リラックスしたときの理想的な角度をオーバーして、外側をことさらに下げて接地することのないように、十分に注意してください。逆に足首の外側を縮めるように力を入れて足裏を地面と平行にするのだけは絶対にダメですが、足裏を地面と平行にするつもりでいても、リラックスして接地に向かと足はこころもち外側が下がってるのが自然ですので、そのまま足裏を地面と平行にするつもりでなおかつリラックスた状態で接地しようとしてください。

4.足底における荷重移動

実際の荷重移動は大まかに実線に沿う形になります。
体の荷重の移動は厳密に言えばちょうど親指を上げたとき張る筋の上を移動しているはずです。
しかし、イメージとしては親指を上げたとき張る筋の上を移動していても最後の小指側から親指側への力の移動を楽に導き出すために外側が先に接地する必要があります。

歩くときと、走るときでちょっと接地感覚のイメージが違いますがほぼ同じです。
実際は踵部の外寄りで接地しているのですが、
歩くときにはイメージとしては小趾球から親指の下のふくらみを地面に近づけていくつもりになって、小趾球の少し踵寄りで地面を捉える感じを持って重心を移動させるのが良いです。
走るときには、さらにスピードが上がっているのですが基本は同じで、足を外側から接地させるつもりで、さきにあげたふくらみよりもっと前の、赤い×印で図示されている小趾球の後ろのキワで最初に接地するイメージを持ちつつ、小趾球あたりを中心としたシューズの外側エッジで地面を最初に捉え、地面を捉えた直後、内側へ向けて重心を移動させるのが良いです。
立っている時には足の中心に重心を意識して、移動スピードが速くなれば速くなるほど足の前よりを意識して、なるべく足の裏の前の部分で接地している感覚がするようにしてみましょう。

そうすると感覚としては実線で囲った楕円のあたりの小趾球のところで─実際に起こる現象的には、シューズのかかと外側エッジが軽く地面に触れるかたちで最初に接地するのですが─感覚的には小趾球で最初に軽く接地してすぐあとにちょうど体の真下を足が通過した後に拇趾球でしっかり体全体の荷重を受け止めた感覚があります。
(自然に足の外側から接地が始まり踵の外側から小指球の少し内側をつないだ線上を後ろからナメクジのように踏む感じになります。)
そうすればリラックスした接地が出来ます。

もっと踵寄りで地面を捉えるつもりだと、本当に踵の後ろ先端での接地になりがちで、後ろに荷重が残ってしまいます。
すると、前への荷重移動のスピードが落ち、落ちたスピードを無理な力をつかって補わなくてはいけなくなり、自然な荷重移動ができません。

踵をつゆはらいにさせるためには(気持ちとしては)「こんなに前の方でいいの?」と思うぐらいの前の方で接地するつもりの方が良いのです。

しかし、重心というか足の裏のどこで踏むかというグッと力をかける位置の移動軌跡の持って行き方は足の外側ではなく真ん中気持ち的にはやや内側にポイントを置いてください
たとえ先に外が接地するからと言って、重心の持って行き方までも足の外側にポイントを置いたものにしてしまっては、左右に重心が大きく移動するようになってしまって安定感が損なわれます。足裏の中央で地面を踏み、ちょうど道路の路端寄りに引かれている白線ぐらいの幅の一直線の線上を走るつもりになると安定感がでてきますし、重心が左右に揺れ動くこともありません。
足をリラックスしておくから、結果的に足裏の外側が先に接地するのです。そして接地時すでに足の内側に体重がかかろうとしているので横方向のローリングが結果的に受動的に起きるのです。(あくまで結果です。)

とにかく接地はリラックスです
。そうすれば自然に荷重移動がやわらかく踵の外側─足裏の外側─小趾球─拇趾球─最後は親指の先端までいきますので、あまり最後の斜めのところ(小趾球から拇指球への加重移動)までは意識しないでおきましょう。
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図3 足底における荷重移動(水溜りなどを走った後、左の足跡のように足先がまっすぐ前を向いた足跡がつくことを確認しましょう。右の足跡のように足先が開いた足跡がついているなら足先が開いたままで走っている証拠です。これでは親指が十分に働かず、良くありません。)
赤矢印は意識上の重心の通るライン。濃いグレー()が最大荷重を受け止める部分。。薄いグレー()がつゆはらいもしくは短冊として先に接地はするが強い荷重はかけない部分。最初に地面につけるのは赤×印あたり言い換えれば楕円で囲んだ小指のあたりを中心としたあたりからのつもりで着地の前はイメージとしては足先をだら〜んと下げたリラックスしきったつもりで垂れ下がっている小指から着地するつもりでいましょう。でも人間の体は自動的に実着地の寸前の最適なタイミングで足先を最適な角度まで上げてくれるようになっていますので足先を下げて空中に浮いているつもりでも何の問題もありません。
最後の局面の親指側への荷重移動がうまくいくと、その荷重移動と同時に小指から親指へ伝わる波のように足の指が使われます。
(小指が押さえている状態から薬指になり、中指になり、人差し指になり、最後は親指が押さえる状態にちょうど足の指でピアノを弾くように順々に押し付けられます。(左足ならドレミファソ、右足ならソファミレドって感じです。))
順々に押し付ける指が変わると親指の力が増幅され、自動的に無意識的にスッと伸びて親指で蹴ってくれるので、足の方向を進行方向真っ直ぐにしておけば離地の瞬間にその反動で、踵が真後ろからほんの少し外方向へ傾きます。

しかし親指を意識的に使って蹴ってはいけません、あくまで自動的に蹴るように体がなっていますので、くれぐれも意識的に蹴らないようにしてください。
意識するのでしたら、指の付け根の関節が下に曲がっていると小指から親指へ連鎖反応が起きませんので、指を真っ直ぐ伸ばしておくことです。

後ろに蹴り上げた足を後方から見たときに踵が外側、つま先がやや内側にほんのわずか傾いた状態になっているかどうかをチェックポイントにしてください。
このためにも内転筋で足を進行方向に保つことが重要になります。(参照:足をまっすぐ前へ向ける)

       
蹴り上げた左足を後ろから見るとこの程度です。

           
        ↑
     蹴り上げた足を後ろから見るとこの程度です。

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