2000年8月16日(木)〜21日(月)
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日時 2000/8/16
銘柄 ブルゴーニュ2000年記念ボトル(ルロワ)
産地 仏>ブルゴーニュ
購入店 エノテカ広尾店
価格 4000円程度
コメント

縁にオレンジの色調がみえる濃いめのルビー。粘性やや大きめ。香りはブルーベリーやカシスのコンフィ、甘草、ドライフラワー、品の良いバニラ。味わいの第一印象はまろやかで蜜のような甘さを伴った果実味が広がる。酸味はしっかりしていてるが、果実の甘味のため酸っぱい印象にはならない。タンニンは豊かできめ細かく、若干の苦味を伴って複雑なフィニッシュを形成している。ボリューム感は中程度で、全般にバランスのとれた品のよさが光る。ACブルゴーニュでありながら、長期にわたる熟成の可能性すら感じる仕上がり。ただ、果実の甘味にやや不自然さを感じるなど、今の時点ではまだ各要素がこなれていない印象もある。
翌日:味わいまろやかになり、良い感じに。二日に亘って楽しめた。
【80】

感想 週末から胃の調子が悪く、3日ほどワインを控えていたが、そろそろということで、「吹いたワイン」第4弾はルロワの2000年ボトル。コルクは上面までぐっしょりで表面にややカビがはえているのを見てかなり心配になったけど、味わい自体はほとんど悪い影響は感じらなかった。むしろ逆に熱で適度にこなれていたのかもしれない。ルロワはこのボトルを作るにあたって、ニュイサンジュルジュのブドウを主に使用し、プリミエクリュクラスの実力をめざしたというが、確かに実力はACブルゴーニュのレベルを大きく超えている。でも実売で4000〜5000円という価格を考えると際立ってお買い得とも言いずらい。
日時 2000/8/18
銘柄

Ch.ヌフ・デュ・パプ・ピニャン95( Ch.ラヤス

産地 仏>コート・デュ・ローヌ> Ch.ヌフ・ド・パプ
購入店 オザミ・デ・ヴァン
コメント 縁にややピンクの見える輝きのあるルビー。ジョンブはしっかりしており、かなりの粘性を感じる。香りは芳醇な果実香主体。ラズベリーやイチゴのジャム、プラム、燻したような香り、回すとやや革やジビエのニュアンスも。味わいは濃密であたたかみのある果実味を第一印象に感じ、時間とともにだんだん果実の甘味が増してくる。酸はしなやかで、豊かなタンニンはよく溶け込んでおり、口の中が果実味に満たされるようななボリューム感がある。アフターにも層をなした果実味が長く残り、素晴らしい味わい。まだ若く複雑さはあまり出ていないが今既に美味しく飲める。
【85】
感想

久しぶりに銀座の「オザミ・デ・ヴァン」にて。相変わらず賑わっているが、1Fのスペースははやっぱりちょっと窮屈かな。分厚いワインリストの中から選んだのは、Ch.ヌフ・デュ・パプ「ピニュアン」。同地で最高の作り手(の一人)レイノー家が作るCh.ラヤスのセカンドラベルだ。セカンドといっても実力は相当のもので、まだ若い果実味主体だが、既に表情豊かでしなやかな味わい。これが熟成するとどうなるかとても興味深いが、それ以上にファーストラベルの「Ch.ラヤス」 を飲んでみたいという衝動に駆られる。

日時 2000/8/19
銘柄 カレラ・ミルズ96(demi)
産地 米>カリフォルニア>サン・ベニート>マウント・ハーラン
購入店 やまや
価格 2980円
コメント 色は中程度のガーネットで、エッジへのグラデーションがなめらか。香りはラズベリーのシロップ漬け、濃く抽出したダージリン、樹脂、甘草、コーヒー。回すとややジビエの香りも。複雑さの出始めた果実香と上品な樽香がよくマッチしている。味わいの第一印象はまろやかで落ち着きのある果実味、その後からスモーキーなタンニンと角のとれた丸い酸が広がり、ボリュームは中程度で、後半には果実の旨みとコーヒーのフレーバーが立体的なフィニッシュを形成する。余韻は長く、ややタンニンの収斂姓を残す。特に果実味が凝縮されているとか、インパクトがあるというわけでないが、全体にしなやかでバランスのとれた構成がすばらしいエレガントなワイン。
【86】
感想 このカレラはやまやのセールでまとめ買いしたもので、すでに10月に一本飲んでいるが、その後の熟成の成果か、今回飲んだボトルはすごく良かった。1年弱といっても、常温で保存していたので、実態は促成栽培よろしく熟成のスピードが早まっていたのかもしれない。若いカレラに私が時折感じる、なんとなく不自然なフレーバーも皆無で実にエレガンで味わい深い。人気の高さゆえか、いろいろと言われるカレラだけれど、こういうのを飲むとやっぱりその実力を認めないわけにいかなくなる。
日時 2000/8/21
銘柄 コルトン・クロ・デュ・ロワ83( A・ギィイヨン
産地 仏>ブルゴーニュ>アロース・コルトン村グランクリュ
購入店 土浦鈴木屋
価格 3280円
コメント
・感想
土浦鈴木屋で3本購入した中堅クラスのオールドブルゴーニュのうち、これは最も安かったもの。キャップシールを開けると、ボロボロの黒かびだらけのコルクに染み出した跡。う〜ん、これは心配、と思いつつ。
色は縁が透明になった中程度のオレンジガーネットでかなり熟成を感じる色調。香りは最初アンズなどのドライフルーツ、枯葉、土埃、梅干、なめし革。しばらくおくと、バラのドライフラワーや甘いジャコウのような香りが立ち上る。味わいも最初は酸がたっていたが、飲み進むうちにややひなびた旨みのある果実味とのバランスがとれてくる。タンニンはすっかり溶け込み、ボリューム感は中程度でおだやかな滋みのある味わい。ただ全般に下り坂にさしかかっていることは否めず、さらに時間がたつと再び酸が出てきて、乾いた、ひからびたような味わいになってくる。 とはいえ、3000円ちょっとという値段を考えれば十分な品質レベルだ。
【79】
日時 2000/8/22
銘柄 BELONDRADE y LURTON97
産地 スペイン>カスティージャ・レオン>ルエダ(DO)
購入店 やまいち
コメント

色は濃いめのレモンイエロー。香りは白桃、洋ナシ、白い花を思わせるフローラルな香り、シナモン、それに石灰やミネラルのニュアンスも。味わいの第一印象はなめらかで、果実本来の甘味がじんわりと口中に広がる。ボリュームは中程度だが、果実味と丸く熟した酸と之バランスが良好で、フィニッシュにかけてかすかな苦味を伴う。ブラインドだとマコンあたりの良質なシャルドネと答えそうだが、品種の正解は「ヴェルデホ」。
翌日:香りは満開、蜜のような甘味を帯びて、味わいも果実味がより華やかに感じられるようになる。二日目の方が断然いい、ということで、点数を上方修正。
【82→84】

感想 この銘柄はボルドーのCh.ブラーヌカントナックなどのオーナーであるリュルトン家がスペインのルエダで作るもの。
以前銀座の中華料理店「福臨門」 で出されたときはもっと溌剌とした酸が感じられたが、このビンテージはより酸がおだやかで、シャルドネのような味わいだ。正直言って前回の感動はなかったが、値段を考えると上質な白といえる。