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2007年の総括

2007.12.31. 掲載
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今年は、生まれて初めて経験する手術で始まり、その記録を「入院と心の情景」「私の入院物語」としてまとめ、CDによる電子出版も行なった。これは30名に謹呈した。

また、前年から始めた、「私の英語愛唱歌101曲」も完了した。これらを終えたところで、死亡想定時期は終わった。本当の人生が終り、オマケの人生が始まる。

私の人生の意義の基準は、死ぬ時までにどれほど「したいこと」をすることができたかである。「したいこと」の達成目標を80%とし、合格最低点を60%とした場合、本当の人生(死亡想定時期までの人生)で70%を達成できたと総括した。目標値には届かなかったが、悔いなく死ぬことのできる値である。

「したいこと」をするためには、当然「しなければならないこと」を果たす必要がある。「しなければならないこと」を達成する目標と合格最低点を、それぞれ80%と60%にした場合、こちらは90%を果たしたと判定した。「したいことをする」ためには、それ以上に「しなければならないこと」をする必要があるというのが、幼い頃から私に染み付いた感情、美意識、あるいは倫理である。能天気な自己判定と思われるだろうが、人生の意義とは、本来そのような自己満足的性格のものであろう。

「世界一周クルーズ」に入って間もなくの4月半ばに、モルジブ国のマーレで、オマケの人生に入った。オマケの人生では、目標もタイムリミットも設けない。人生の意義も求めない。なるがまま生きることにしている。この4月半ばから大晦日までの8ヶ月半の間に行なったことをふり返ってみると、その8割近くが「世界一周クルーズ」に関係している。そこで、それを少し具体的にまとめておく。


「世界一周クルーズ」関連

今からちょうど10年前に、「私の海外旅行エンジョイ法」を書いた。そのことを思い出して、読み返してみると、技術革新に対応した部分の変更(改良)はあるが、本質的に変わるところは少ない。嬉しいことに、技術革新による新たな追加があった。それは、ブログに毎日の旅行の内容を書き込み、それに対して、多くの人とのコメントやメール交換を通して、旅の楽しさを、ほぼ、リアルタイムで共有できたことだ。

1.準備

旅行地に関する本の購入
マンションから歩いて15分のところに、旭屋、ブックファースト、紀伊国屋、ジュンク堂がある。ここで中身を見て、少しでもよいと思う本は購入した。船旅には荷物の制限がなく、段ボール箱10個程度を宅配で船に送っておけば良いことを知ったからだ。結局は9箱の段ボール箱のうち2個を私専用に使った。

Google Earth
世界一周クルーズで訪れるのは、20ヶ国29寄港地である。それらの地理的情報を知りたいが、入手できる世界地図では、私の求めるものは得られない。そこで思いついたのが「Google Earth」で、これによって、自分用にカスタマイズしたクルーズ用アトラスを作ることができた。4月分50枚、5月分124枚、6月分140枚、7月分12枚で合計300枚以上のアトラスを、ノートPCに収めて携行した。これを、船上で毎日届けられる航路図と合わせて見ることで、地理がよく理解できた。

Web 検索
Web 検索によって寄港地情報を収集し、寄港順に15のグループに分類してPCに保存した。

Web Mail
飛鳥Uでは、専用の船舶メールを使えるが、制限条件があるのでこちらは使わず、ASAHI-NETのWeb Mailを使うことにした。これによって、これまで使ってきたメールアドレスが、そのまま使えて便利だった。ただし、飛鳥Uのキャビンにインターネット接続回線があるのではなく、コンピュータールームにある、3台のWeb閲覧専用PCでしか使えない。

専用の船舶メール用のPCは20台あり、USBメモリーが使える。そこで、このメールを使って自分のWeb Mailアドレスに、ブログ用のデータを送信し、そのデータを使ってブログに書き込むことにした。

ところが、Web閲覧用PCでは、USBメモリーが使えないだけでなく、受信した添付画像をそのPC本体に一時的に保存することもできない仕様に変更されていた。そのため、予定していたブログへの画像掲載はできず、残念だった。

最近スパムメールが多い。これを船上で処理するのは時間の浪費なので、片っ端からスパムブロック設定をしてきた。それにより、重要なメールまで拒否設定にしてしまう失敗を経験したことから、毎日のスパムメール・リストをチェックして、重要メールアドレスは許可設定をするようにした。そのようにして、1日100通以上のスパムメールを拒否できるようにしておいた。最近では、スパムメールは200通を越えることもある。その8割近くが英語だから難儀だ。

ノートPC
携帯で、メールやWeb検索ができるようになったので、ノートPCを長い間購入してこなかったが、こんどは長旅であり、データの保存や処理にPCは必須なので、BDドライブ付きの最新ノートPCを購入した。

フルハイビジョン・ビデオカメラ
これからの旅行の記録は、ハイビジョンと決め、SONY と CANON の家庭用最新ビデオカメラを購入していたが、解像度は1440x1080で、TVBS画面より解像度の劣ることが不満だった。3月中旬に、家庭用としては最初のフルハイビジョン・ビデオカメラ、 GH-HD7 がVICTOR から発売された。1920x1080のフルハイビジョンビデオカメラは、理論的には、より鮮明に美しく記録できるので、予約購入をして3月末に入手した。

評価も未定、対応する編集ソフトもほとんどないことを承知で予約購入したわけは、世界一周クルーズなどは2度と経験できないと思われるので、最も美しい形で記録に残して置きたかったからである。故障に備えて、SONYの1440x1080仕様のHDVビデオカメラも持参したが、結局は使わずじまいだった。

2.船上

100日間の長旅だったが、退屈することはまったくなく、持ってきた曲を聴く暇も、旅行以外の本を読む時間もなかった。そのことは航海記に書いたとおりである。

3.寄港地とオプショナル・ツアー

各寄港地ごとに、約10件のオプショナル・ツアーがあり、そのうちの予め選んで申し込んでおいたツアーに参加し、おおむね満足だった。これも上記航海記に掲載した通り。

4.ブログとメール

昨年5月からはじめたブログ「エンジョイBOW]がなければ、このクルーズは、「これまでの海外旅行の規模の大きいもの」で、終わってしまったであろう。映像記録の方は変わらないとしても、文章記録は、量も質もこの10分の1にも満たなかったに違いない。記憶力の著しい低下、気力の衰えを考えると、それもむべなるかなと思われることだろう。

写真をブログに掲載できなかったことも、文章記録にプラスに働いたと思っている。もし、写真があれば、これに説明などを付け加えるだけで、何とか格好がつき、イージーに流されてしまっていたことだろう。

そして、一番私にとって書く意欲を沸き立たせてくれたのが、多くの方のブログでのコメントであり、感想メールであった。ここにコメントを頂いた順にお名前を列記しておく。

1.Kei、2.ヒマジンスキー、3.FUJIMOTO、4.musi、5.T-baba、6.Sammy、7.マミー、8.さくら38、9.KENZO、10.tsugu&aki、11.Muチャ子、12.yakky、13.monarisa、14.SACHI、15.Ikeda、16.団野迪昭、17.有本大作。

この17人に劣らぬほどありがたかったのは、大学のコーラス時代からの友人 MH君で、私が書いたすべての記事に感想や知らない情報をメールで送ってくれた。まるで友と一緒に旅をしている気分だった。この点でも ASAHI-NET の Webメール を活用したのは正解だった。

5.記録

映像記録は、動画のハイビジョンビデオをメインにして、VICTOR GH-HD7 を使い、解像度1920x1080のフルハイビジョンで約15時間分撮影した。

静止画(写真)は、デジカメの CANON IXY DIGITAL 900IS を用い、3072x2304 の解像度で約5000枚撮影した。これはビデオの片手間に、右手首にぶら下げたデジカメのボタンを押したものが大部分である。

文章記録は、ブログに書いたものがすべてである。

6.記録の整理

ハイビジョン・ビデオ
ハイビジョン・ビデオ(HD)は、通常のDVDビデオの形式(SD)で保存することはできず、次世代DVDであるBD(Blu-ray Disc)などでなければならない。BDドライブ付きのPCを使っているので、一応はBDに保存することを試してはみたが、まだ発展途上の印象を受けた。そこで、今年の年末商戦でBDプレーヤーが普及するのを確かめてから、BD化を行なうことにした。

それまでの期間は、専用DVDドライブを使って専用形式でDVDに保存することにして、1枚20分前後のDVD21枚に分割して保存した。21枚合わせて約7時間のハイビジョン映像を、液晶大画面で見ることができる。このように、約15時間分の映像を約7時間の映像として、カット編集することだけは終了している。タイトル、テロップ、BGM、ナレーションなどは、BDの普及状況をみて行なおうと思っている。自分自身がまだBDプレーヤーを持たず、PCでしか見ることができないのだから、BD化は確かに時期尚早と言えよう。

静止画(写真)
最初はブログに掲載した毎日の航海記に、1〜2枚の関連写真を加えるだけのつもりでいた。しかし、記事は不要で、写真ばかりをたくさん見たいと思われる方もおられることに気づき、写真集を各航海記に対応して作ることになった。

航海記と写真集が完成して、一段落するべきところで、また違うプロジェクトが頭に浮かんでしまった。Webには、1600枚もの大量の写真を、640x480 という大きなサイズで掲載しているサイトは皆無である。この写真集の中のプライベートな写真を除き、「世界の写真のデータベース」を作れば、自分が便利であるだけではなく、多くの人に利用していただけるだろうという発想である。

そこで、1660枚の写真を1300枚にまで精選し、それを分類して、「世界の写真」を作り、Webで公開した。私のサイトでは、著作権を主張していないので、営業用でなければ、自由に使っていただいて構わない。

さらには、これをCD−Rに焼き、合計47名に謹呈した。この内の19名は私が幹事をした高校のクラス会出席者である。これで以て長く続いた「世界一周クルーズ」シリーズから、ようやく解放されると思った。

スライドショーDVD
ところが、この「世界の写真CD」に対して、高校のクラスメートの一人から、この写真をDVDプレーヤで見ながらワインを飲みたいのだがという感想をいただいた。それは良いアイデアだと思うと、性懲りもなく、また新しいプロジェクトに向ってしまった。写真をスライドショー形式でDVD化し、それにアニメーションとBGM、タイトルや字幕をつけようという発想である。

このプロジェクトに熱中して、ちょうどアジア・ヨーロッパを終えたところで、妻の怒りの大落雷という緊急事態が発生し、中止した。しばらく経って、ほとぼりが冷めたころに作業を再開し、「飛鳥II世界一周2007DVD」を完成させた。その間の事情は「クラシック雑感」に書いたので省略する。

記憶力の低下が激しいので、自分が行なった作り方もすぐ忘れてしまう。そこで、自分のために、この制作法を「スライド・ショーDVDの制作」のタイトルで、40枚の画像を付けてWebサイトに掲載した。

このDVDは52名の方に謹呈した。「世界の写真CD」は1枚組でコピーも簡単だったが、「飛鳥II世界一周2007DVD」の方は2枚組である上、情報量が格段に多いのでコピーに要する時間が長い。その上、トールケースの表紙も印刷するので、CDの数倍の手間と時間がかかる。かなり疲れる作業だったが、これで世界一周クルーズから解放されると思って頑張った。その結果は、やれやれという気持と達成感の混じったけだるさが残っている。

この「スライド・ショーDVD」を作ってみて、デジカメ写真も、ハイビジョン・ビデオに劣らぬ映像価値のあることを知ったことは収穫だった。対象を選べば、このスライドショーによる擬似動画の方が、ハイビジョン・ビデオの動画よりも優れていることがあることを知ったからだ。


「音楽」

「スライドショーDVD」を制作するにあたって、ヨーロッパには歴史を感じさせる重厚な文化遺産が多く、BGMにふさわしい音楽はクラシックであると思った。手持ちのCDを試し聞きしながら、クラシックの曲目をMP3ファイルに落として行ったが、50年間近くほとんど聴いたことのなかったクラシックも、案外よく覚えているのには驚く。

また、クルーズでコーラスに参加してみると、50年ぶりに与えられた譜面を、昔と同じ程度に読むことができた。この二つのことから、若いころに熱中したものは、長い中断があったとしても、その痕跡ははっきり残っていることを知った。そういうことから、来年はもう一度音楽関係に取り組んでみようかという気持になっている。


「結婚40周年」

私たち夫婦が初めて海外旅行をしたのが結婚25周年、銀婚の年だった。そして、初めて世界一周クルーズに参加した今年は、結婚40周年、ルビー婚の年である。その上、私のオマケの人生が始まった年でもある。正月明け早々に、前立腺の手術受けておいて良かった。はるか彼方の洋上で、尿閉になっている状況を想像すると、身震いがする。ほんとうに幸運の年だった。


まとめ

2004年の総括では、「現役最後の年は、これまでの生涯で一番活動的な年だったような気がします」と書いている。2005年は引継ぎでクタクタだったせいか総括をしていない。そして、昨年2006年は、「人生で精神的に一番活動的だった1年」と総括している。

これらを読むと、年々、より活動的になっていることになるが、その通り、今年は、これまでの人生で一番活動的だったと思う。しかし、このような年はもう来ないだろうとも思う。


<2007.12.31.>

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