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2004年の総括

診療のまとめ

2004.12.31. 掲載
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大晦日にあたり、2004年の私の総括を書いておきます。今年は世界でも、日本でも、交野市医師会でも予想もしなかった災害事故や事件が続き、長く記憶に残る年となりました。しかし、良いこともありました。交野市医師会が設立10周年を迎え、盛大な記念式典で祝うことができたことです。

私たち夫婦にとっては、息子夫婦に引継ぐための準備に終始した年でした。まとめ、整理、廃棄の50%程度は果たせたのではないかという気がしますが、私特有の甘い判断かも分かりません。80%くらいは片付けたいと思ってはいますが、最低目標の60%で終わる可能性も大です。

2000年は「歌と思い出」、01年は「Windowsへの完全移行」、02年は「心に生きることば」、03年は「DVDコレクション」が、それぞれの年のメインテーマでした。今年のそれは、「診療のまとめ」です。そこで<診療関係>を中心に、<DVDコレクション><音楽><絵画>についても書きとめておきます。


診療関係

1.マニュアルの改訂

83年から「野村医院勤務マニュアル」を作り、以来新規採用の職員の教育に使って来ました。その改訂第8版を作成しましたので、その概略を、野村医院勤務マニュアル として、04/04/25 に掲載しました。

2.薬剤

1)患者さん用 薬の説明集改訂5版

96年より、患者さんに投薬する薬には、説明用シートを付け、説明はできるだけ分かりやすい言葉にするように努め、そのデータを96/08/30 に掲載しました。その改訂5版を、患者さん用 薬の説明集(1)改訂5版 五十音別 として、04/02/29 に掲載しました。

2)医薬分業と院内処方

最近では、院内処方から院外処方に切り替える医療機関が急増しています。私は開業以来、一貫して院内処方を続けてきましたが、引継ぐ者の参考になるように、自分なりにまとめたものを、医薬分業と院内処方として、04/03/04 に掲載しました。

3)後発薬品(ジェネリック)

最近、「後発薬品」の新聞広告をよく見かけるようになり、新薬と効き目が同じで費用が安いという話を、マスコミが話題にするようになりました。しかし、私は開業以来「後発薬品」を一度も使わず、31年間診療を続けて来ましたので、その正否を含めて、「後発薬品」についてまとめたものを、後発薬品(ジェネリック)として、04/07/12 に掲載しました。

4)薬の服用方法

最近は、薬の服用回数も1日3回ではなく、1回とか2回の薬が増え、食事との関係も、食直前とか食直後とか、食前30分前などと、細かく規定される薬が増えています。それに対して、その服用方法でなければならない根拠について、まとまった明快な説明は、提供されていないのが現状です。そこで、私なりに服薬方法についてまとめてみました。薬の服用方法 として、04/07/26 に掲載しました。

5)高血圧症薬物療法の変遷

開業31年を記念するアカデミックなまとめとして、過去に診療を行ってきた慢性疾患の中で、最も診療件数の多い「高血圧症」を、31年間の診療の代表疾患に選び、高血圧症の薬物治療の変遷をまとめ、高血圧症薬物療法の変遷 として、04/11/11 に掲載しました。同時に、DTPで、これの小冊子を作りました。

3.健康情報

02年4月から7ヶ月の間、「心に生きることば」を連載してきました。その中に、健康に関することばも少しは含まれているので抜粋してみました。私は健康に良いといわれていることをほとんどせずに生きてきた人間ですが、31年間の開業生活で、一度も病気による休診をしたことがありません。その秘密が、この「心に生きることば」の抜粋に、隠れているかもしれません(笑)。

健康一口ことばとして、 04/09/17 に掲載しました。

4.保険診療

1)病名マスターの標準化

野村医院の病名マスターは、82年から始まり、22年の年月を経て充実しているので、これで日常の診療に問題はなく、レセプト請求にも不都合を感じることはありません。しかし、5月の連休の間に、病名コードを全面的に「新傷病名マスター」のコードに変更しました。その一番大きな理由は、わが国の病名のスタンダードとなる「新傷病名マスター」が誕生したのだから、これからはこの標準病名とコードが、レセプトの電算処理、電子カルテはもちろん、あらゆる医療情報のデジタル処理の基本となるべきだと思うからです。

病名マスターの標準化 として、04/05/14 に掲載しました。

2)病名の履歴と略号

私は開業するに際して、患者さんの診療データをできるだけ保存しようと決めました。そして、一人の患者さんの過去のデータが、必要な時に、すぐ手許に取り出せるようにしようと考えました。それと同時に、過去のデータの要約が最新のカルテに必ず付いてくるようにすることも考えました。

そのために行ったのが、カルテ3号用紙に病名を転記して、新しいカルテの表紙の次に挿入するという方法で、カルテの病名は略名を使います。この方法の具体的な使い方をまとめ、病名の履歴と略号 として、04/05/17 に掲載しました。

3)保険適応病名(薬剤と検査)

保険診療を行う限り、投薬検査などの治療行為は、保険適応の承認された病気に対するものでなければなりません。医学的に常識となっている治療であっても、保険診療で認められていないものは、使うことができないのです。しかし、薬剤の認可が降りた時期によって、同じ薬効の薬であっても、適応疾患の異なることがあるので、薬剤や検査の保険適応について、個々に確認を行うという細心の注意が必要です。

そこで、当院で使っている薬剤と検査の中で、問題の起こりやすいものについて保険適応病名をまとめ、 保険適応病名(薬剤と検査) として、04/09/13 に掲載しました。

4.デジタルX線画像

11月末に、デジタルX線装置FCRを導入して2週間余りが過ぎ、ある程度使いこなすことができるようになりました。そこで、この道具をより深く活用するために、取説、パンフ、ヘルプ、Web検索などを参考にしながら、実際にFCR Picoを使って、私なりにまとめ、デジタルX線画像 として、04/12/15 に掲載しました。

5.野村医院の紹介

2004年末までに、255タイトルを掲載してきましたが、野村医院のPR的なものは、あまり積極的に掲載して来なかったつもりです。しかし、今年は厚生年金病院からの原稿依頼と、三共製薬から当院の紹介記事の取材があり、結果的に、PR的な文章を掲載することになりました。

1)交野の野村医院

星ヶ丘厚生年金病院編集委員会の増田典男委員長から、同院の院内誌「昴」で、病診連携をしている医療機関の紹介を連載しているが、今回は野村医院を紹介したいとのFAXを頂き、投稿しました。その文章を、交野の野村医院(厚生年金病院院内誌への投稿文) として、04/03/19 に掲載しました。

2)三共(株)HPに掲載された当院HP紹介記事

これは、三共(株)ホームページの「かかりつけ医療最前線」に、2004年9月30日付けで紹介されたものです。このページは、登録した医療関係者しか訪問することができないため、三共(株)にお願いして転載の許可をいただきました。

ことの次第は、8月10日に突然電話で取材の申し込みがあり、19日(木)の午後2時から、若い女性記者の取材を受け、3時間ぶっ通しでお茶も飲まずしゃべり続けました。その時の私の熱気に乗せられて、このよう膨大な紹介記事を書いて下さったこの記者の能力に感嘆するとともに、31年間の開業医生活の良い記念となり感謝しています。

三共(株)HPに掲載された当院HP紹介記事 として、04/10/01 に転載しました。

3)けなげなシクラメン

12月に入ると、野村医院玄関口にある花壇の花は、ハイビスカスから真紅のシクラメンに入れ替わり、翌年5月のはじめには、再びハイビスカスに戻ります。それは、20年以上も続き恒例となっているのです。この野村医院の冬を代表する花について、けなげなシクラメン として、04/12/28 に掲載しました。

6.整理

私は診療に関係した情報を物理的に可能な限り保存してきましたが、次に引継ぐ者にとって有用と思えるものに絞り、法令に定められた期限以上のカルテ、X線フィルムなどについてはは、以下の基準で廃棄することにして、職員を動員して処理してきました。廃棄するカルテ、X線フィルムは、大阪府医師協同組合から紹介してもらった処理業者に引き取ってもらいました。

法規による規制
医師法:「診療録は5年間これを保存」
保険医療療養担当規則:「療養の給付の担当に関する帳簿及び書類その他の記録をその完結の日から3年間保存しなければならない。ただし、患者の診療録にあっては、5年間とする」

1)カルテ

原則:5年より古いカルテは廃棄する。
   ただし、表紙または、表紙+挿入用紙は残す
       表紙に貼付の検査データなどは破棄

   以下のカルテは表紙も残さず全て廃棄する
    1)明治大正生まれ、2)健診だけ、3)1日だけ受診
    4)特殊施設センター、5)特殊学校、6)最終来院が昭和

   全てを廃棄したカルテの内、カルテ台帳の表が満杯のグループに属するものは
   廃棄カルテの表紙だけを外し、集めておく。

    例1121グループの場合、
    112100.112105.112106、112118.112121.112126.112129.112132.112134.      112141.112193.   カルテ台帳からこの番号に×を入れ、新しくカルテ台帳を作り直す。

具体的には
平成12年以後来院なし
  挿入用紙あり→表紙+挿入用紙
      なし→表紙のみ
平成12年以後来院あり
  平成11年以前来院あり→ 平成11年までのカルテは廃棄
           なし→ 従来どおり保管

 例外:私が医学的に興味あると思う症例は、「資料用」として保存する

2)X線フィルム

原則:胸部X線は5年より古いフィルムを廃棄する
   胸部以外(胃など)は3年より古いフィルムを廃棄

 例外1.会社の検診は3年より古いカルテを廃棄
   2・紹介したフィルムで、私が興味あると思う症例は「資料用」として保存

3)予防接種問診表、検査指示書、診断書、証明書など

原則:3年より古いものは廃棄

7.31年史

20年史はDTP出版を行いましたが、31年史は、CD−Rによる電子出版とすることに決めました。ただし、使用マニュアル程度の小冊子は付けます。20年史で取り上げたデータは継続して収載するほか、21年目から31年目までの新規のデータを追加します。来年は、こちらに取り組む予定です。


<DVDコレクション関係>

昨年の総括で、「DVDコレクション」をメインテーマとしました。今年は「診療関係」に重点的に取り組みましたが、DVDコレクションも、昨年の4分の1以上もあったことは意外でした。

1.DVDライブラリー一覧

昨年の370に対して、今年は130件でした。その全データを、DVDライブラ リー一覧 として、04/12/27 に掲載しました。

2.DVDライブラリ 索引

500件のDVDコレクションを、1.五十音順、2.分類別、3.制作年順、4.本邦公開年順、5.登録番号順の5通りの索引を付け、DVDライブラリ 索引 として、04/12/27 に掲載しました。


<音楽関係>

今年はポピュラー・ミュージック面で収穫の多い年でした。

1.アイーダ

オペラ・アイーダとミュージカル・アイーダの両方を楽しみ、二つの違いを考えて、アイーダと私 として、04/01/04 に掲載しました。

2.ジョアン・ジルベルト

驚嘆するしかなかったボサノバの神様ジョアン・ジルベルトの公演について、さようなら、こんにちはブラジル> として、04/10/03 に掲載しました。

3.ナタリー・コールとヴァネッサ・ウイリアムス

04/6/11にキング・コールの娘ナタリー・コール、04/11/11にヴァネッサ・ウイリアムスのライブを大阪ブルーノートで鑑賞できたのは幸せでした。どちらも、すごいエンターテイナーでした。


<絵画関係>

不思議に、今年は画家とも縁のある年でした。春には、中学高校時代の友人の奥方坂東迪子さんの個展があり、数年の画歴にも関わらず、玄人はだしの見事な絵で、天賦の才能を感じました。待合室に展示していますが、好評です。

秋には、信州安曇野に成瀬政博、憲子夫妻を訪ね、15年振りに再会できました。政博さんは、1997年春より「週刊新潮」の表紙絵を連載しておられる著名画家ですが、成瀬さん一家は、82年から89年まで当院の患者さんでした。まだ無名の頃の絵を数点持っていて、その1枚を待合室に長く展示して来ましたが、春から坂東迪子さんの絵に代えています。

憲子さんも画家で、この方のデッサンを見て、私は「ピカソのようだ」と感激して、待合室に展示したことがありました。画廊を開いている当院の患者さんが、このデッサンを見て、私と同じように思われ、それがきっかけで、政博さんの絵も紹介して行かれたと思ってきました。

今春、安曇野に週刊新潮掲載絵画を常設展示する、私設美術館「museum cafe BANANAMOON」を開館され、招待状をいただいて訪問したのでした。お二人は、15年前とまったく変わっておられません。その時、憲子さんが、あのデッサンのことを話され、私と同じことを思っておられたことを知り、楽しくなりました。

晩秋の頃、明石 瞳さんの個展に招待され、これまでの画風とまったく違った愛くるしい絵をいただき、妻は抱きしめたくなると喜んでいます。

年末には、堀口博信さんから、躍動感あふれる素晴らしいパステル画の写真集が送られてきました。ピカソとデッサンと絵画 として、この方の絵に触発された感想を昨年掲載しましたが、今度もまた、大好きな絵が多く、これの追記を掲載しました。

今ふり返ってみて、現役最後の年は、これまでの生涯で一番活動的な年だったような気がします。


<2004.12.31.>

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