トップ 伝えたいこと アウトライン 案内地図 地形 船坂の風景 北六甲台物語

北六甲台小学校で子供たちに「山口風土記」を教材に地域学習の授業をした。授業後にこんな質問を受けた。「有馬川はどこからどこまで流れているんですか?」。身近な風景を地形として把握する必要を痛感した。
 航空写真を加工した画像を中心に「山口の地形と自然」について記述した。記述に当たっては「山口村誌」及び「変容する西宮北部(西宮市立東高等学校地歴部発行)」を資料として参考にさせて頂いた。
 山口は、六甲山系の北側に位置する緩やかな傾斜地帯である。総面積の80%を山地が占めている。  東側には船坂と名塩を結ぶ線を軸とした有馬山地が伸びている。有馬山地は、畑山、国見山、秀ケ辻山などの山々で形成され、宝塚を西北端とする大阪盆地三田盆地を隔てている。三田盆地の東南端を占めるのが山口である。
 山口の西北部一帯には神戸層群と呼ばれる丘陵性の山々が分布し、丘陵と丘陵の間を細長い平地がのびている。 
 山口の地質は、有馬層群、神戸層群、六甲花崗岩で構成されている。
 有馬層群は、丸山、畑山、金仙寺付近、船坂等の東部に広く分布している。石英粗面岩類という非常に変化に富んだ岩質は、蓬莱峡や鎌倉峡や百丈岩の奇景をつくりだしている。
 六甲花崗岩は六甲山地の大部分を占め、本みかげと呼ばれる。白水川上流では花崗岩の上を薄く神戸層群の砂礫層が覆い、石英粗面岩とも混合し風化作用によって白水峡の景観をなしている。
 神戸層群は、山口の大部分に分布し、50m前後の丘陵性の山地に広く露出している。神戸層群は、砂岩、礫岩、凝灰岩などで構成され、凝灰岩の中には植物化石がたくさん発見されている。この化石が珪化木で公智神社境内等、山口の西北部で発見されている。
 山口の山岳は、山口村誌では13山を数えるものの、地図上で確認できる山岳は極めて少ない。
 下山口の畑山(標高529m)は、山頂のパラボナアンテナの鉄塔が一際目につく山である。畑山のすぐ西に位置する同じ下山口の丸山(375m)は、山口のランドマークともいわれる。六甲山の南西すぐの位置にある船坂の大ふくら(801m)は、山口の南端であり、地区内で最も高い山岳である。船坂の蓬莱峡の西にある剣山は、地図上には記されているものの山口村誌には該当する山岳の記載はない。
 山口を流れる主な河川は全て武庫川水系に属し、その源を六甲東北麓に発し、武庫川に合流している。
 西宮市の南部と北部の東の市境をなす武庫川は、篠山市の古市を源とする。延長66kmに及ぶ県下第6位の長流である。山口の主な河川は、通過距離の長さの順に以下の通りである。 
河川名 水源地 合流地 通過地 水系 山口通過距離
船坂川 六甲大ふくら 道場町道場 船坂〜下山口〜名来 武庫川 7,710m
有馬川 六甲北麓 道場町道場 中野〜上山口〜下山口〜名来 武庫川 5,003m
西川 上山口上ノ山 道場町平田 上山口〜下山口〜名来 有馬川 3,565m
大多田川 下ケ平柏木谷 生瀬 船坂〜蓬莱峡 武庫川 1,629m