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丸山山道の樹木学習 2009年11月7日、山口町の公民館講座「里山の自然学習」が開催された。丸山山頂の稲荷神社奥社に向う東側参道を登りながら、途上の草木の名前を学ぶという野外講座だった。午後1時に丸山山麓の稲荷神社本社に総勢32名が集合した。参加者の多くがリタイヤ後の60台以降の年配の男女である。公民館活動推進員による講座ガイドの後、講師紹介がある。「日本自然保護教会観察指導員」で「ひょうご森のインストラクター」でもある大塚剛二さんである。
山口町里山の多様な樹木 境内を出て早速、アカマツを教えられる。推進員の一人が名前を記録し、もう一人がその名前をガムテープにマジックで記載し幹に貼りつける。続いてアカマツに絡むようにヤマハゼが立っている。講師がそれぞれの木の特徴や用途などの解説を付け加える。参加者の中からは気になる樹を見つけては質問の声があがる。講師もそのつど丁寧に説明し、曖昧な場合は持参の検索図鑑で調べた上で回答するという懇切さだった。草木の知識は全くの素人である。コナラ、クロモジ、ヒイラギ、ガンピ、シキミ、ヤマザクラ、ヤマモモ、サカキ、ケヤキといった知った名前の樹の現物をあらためて確認する。コシカブラ、ソヨブ、マルバアオダモ、テイカカズラ、ムラサキシキブ等々、初めて知った草木の方が圧倒的に多い。ムラサキシキブの鮮やかな紫の実は感動的ですらある。途中で講師から「ここはガンピが多いところですネ」という感想が漏れた。言わずと知れた紙漉きの原料である。江戸時代には山口でも紙漉きが盛んだった。その背景に里山のガンビの生息の豊かさがあったのだろうか。
60本の樹木の生息を確認 山頂近くでは金仙寺湖畔の桜並木の見事な紅葉に目を見張った。通常なら20分もあれば登頂できるコースである。山頂の稲荷神社奥社の境内に着いたのは3時ちょうどと約2時間を費やしたことになる。それだけ参加者の質問が多く、興味深かったともいえる。後日推進員からの資料を頂き、下記の60本の樹木の名前を確認し、丸山山道の生息実態の貴重なデータを得られた。丸山山道だけでも33科目の樹木が生息すること、ツツジ科、ブナ科、バラ科、モクセイ科、ツバキ科がそれぞれ4種以上の樹木種があることなどが分かった。当日、樹木にガムテープで仮止めされた名札は、後日公民館活動推進委員の手で立派なプレートに置き換えられていた。
野外の楽しい公民館講座 推進員の方がリュックに背負って持参してもらったペットボトルのお茶がことのほか美味しかった。公民館活動推進員という地域ボランティアの活動に初めて間近に触れた。4時に麓の出発地点で解散した。晩秋とはいえ汗が滲むほどの小春日和の楽しい半日を過ごした。
No 樹木名 科目 No 樹木名 科目 No 樹木名 科目
01 アカマツ マツ科 21 ガンビ ジンチョウゲ科 41 シャシャンボ ツツジ科
02 マツグミ ヤドリギ科 22 コシダ ウラジロ科 42 タムシバ モクレン科
03 アセビ ツツジ科 23 カスミザクラ バラ科 43 ヤマハギ マメ科
04 ヤマハゼ ウルシ科 24 カマツカ バラ科 44 クリ ブナ科
05 コナラ ブナ科 25 アカメガシワ トウダイグサ科 45 ウラジロノキ バラ科
06 ヤマナラシ ヤナギ科 26 アオツヅラフジ ツヅラフジ科 46 ソメイヨシノ バラ科
07 コシアブラ ウコギ科 27 イヌザンショウ ミカン科 47 スギ ヒノキ科
08 ソヨゴ モチノキ科 28 ムラサキシキブ クマツヅラ科 48 アベマキ ブナ科
09 クロモジ クスノキ科 29 テイカカズラ キョウチクトウ科 49 ヤマモモ ヤマモモ科
10 ミヤマガマミズ スイカズラ科 30 シキミ シキミ科 50 サカキ ツバキ科
11 タカノツメ ウコギ科 31 ヤブツバキ ツバキ科 51 ウリカエデ カエデ科
12 カナメモチ バラ科 32 アカシデ カバノキ科 52 ツブラジイ ブナ科
13 モチツツジ ツツジ科 33 イソノキ クロウメモドキ科 53 ヤマモミジ カエデ科
14 コバノミツバツツジ ツツジ科 34 ヤマザクラ バラ科 54 サザンカ ツバキ科
15 サルトリイバラ サルトリイバラ科 35 ネジキ ツツジ科 55 ネズミモチ モクセイ科
16 ナツハゼ ツツジ科 36 アラカシ ブナ科 56 ユズリハ ユズリハ科
17 マルバアオダモ モクセイ科 37 リョウブ ツツジ科 57 マキ マキ科
18 イヌツゲ モチノキ科 38 ダンナサワフタギ ハイノキ科 58 ビワ バラ科
19 ヒサカキ ツバキ科 39 ネズミサシ ヒノキ科 59 カキノキ カキノキ科
20 ヒイラギ モクセイ科 40 ヤマウルシ ウルシ科 60 ヒノキ ヒノキ科