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忍び寄る秋風 2008.08.23
 早朝5時半、玄関ドアから出た体を外気が包んだ。いつもの早朝の爽やかな冷気とは異質の肌寒さが感じられる。かしましかった蝉の鳴き声が影をひそめ、路上になきがらを目にすることもある。代わってあちこちからコオロギの間延びした鳴き声が合唱となって一際大きく聴こえてくる。小山の頂きから昇る朝日の時刻がいつのまにか遅くなっている。二週間ばかり前に見た水田の小さな粒子をまとった稲穂が、今をもう頭を垂れるまでにたわわに実っている。農家の庭先に植えられた小菊の黄色が目に鮮やかだ。帰り着いた自宅の門扉横の壁に鈴虫が一匹へばりついていた。
 季節の移ろいをいち早く教えてくれる早朝ウォーキングである。忍び寄る秋風をいやおうなく肌身に感じた今日の散歩道だった。
 北京五輪野球で期待の星野ジャパンが散った。互角以上の対戦相手には一矢も報いることなく敗退した。惨敗だった。ギラギラした真夏のイメージの闘将・星野のキャラに較べ、逆境を跳ね返して結果を出した女子ソフトの斉藤監督の控え目で沈着なキャラが際立った。 敗将・星野に秋風が忍び寄る?
川面に映る逆さ虹 2008.08.14
 ブログの効用は、ありふれた日常生活にひそんでいる「ちょっとした感動」や「心に宿るふとした想い」などを気軽に記せることだと思う。毎日更新を意識すれば、自ずと「感動」や「想い」をキャッチする問題意識も研ぎ澄まされることになる。
 今日も早朝ウォーキングでのちょっとした「感動」ネタである。 自宅を出て住宅街を抜ける坂道から農道に入った所だった。正面のどんよりとした雲り空に色鮮やかな虹がかかっていた。朝一番の自然の贈り物にチョッピリいい気分に浸りながら先に進んだ。有馬川沿いの遊歩道から眺める虹も格別だった。有馬川に目を移した。ナント川面にも虹が見事に映えている。「湖面の逆さ富士」ならぬ「川面の逆さ虹」だった。遊歩道が途切れる頃、いつの間にか虹は消えていた。
光のマジック 2008.08.07
 いつもより遅めの早朝ウォーキングだった。有馬川遊歩道沿いに続いている竹やぶが農道で途切れた地点にやってきた。それは突然飛び込んできた。
 まばゆいばかりの木漏れ日の光のシャワーだった。竹やぶの織りなす微妙な間隙を縫って黄色い光が無数の鋭い斜線となって地面を貫いていた。スタートの遅れが、いつもは目にすることのないこの地点での日の出との邂逅を招いたのだろうか。昇り始めた真夏の太陽の放つ清冽で若々しい光線が竹やぶの小道を舞台に光のマジックを描いて見せたのだ。その幻想的で感動的な光景を夢中で携帯内臓のデジカメで切り取った。
早朝の至福のひと時 2008.07.26
 5時過ぎのいつもより早い早朝ウォーキングである。日の出前の心地よい冷気が身を包む。多くの人が眠りの中にあるこの時間帯は、猛暑の一日の最も気持ちの良い時間帯でもある。そんな浮き立つような気分がいつものコースを延長させた。道場町平田の水田を貫く農道を北に直進した。山麓が途切れていつもは見ることのない三田の山並みが見えてきた。
 右端に丸みを帯びた独特の山頂をもった鏑射(かぶらい)山がある。そのすぐ左に富士の名に恥じない形状をとどめている有馬富士が見える。日の出前の朝もやに包まれた山並みを背景に道場町塩田の集落がある。茅葺屋根もあるその素朴なたたずまいと背景の美しい山並みが、一服の山水画にも似た絶景を造り出している。この時間帯のこの地点でしか味わえない至福のひと時を過ごした。