水道水質基準(平成15年度版) Standard
作成者  BON
更新日  2009/06/14

 水道水質基準項目とその基準値等,各種の基準値に関する情報です。

水道水質基準(平成15年度改訂版)
 水質基準に関してとりまとめました。
水質基準とは
 水道水質基準の概要とその経緯
水道水質基準(平成4年度改訂版)
 水質基準に関してとりまとめました。
水道水質の現状
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有害化学物質の詳細情報
 化学物質の毒性情報を集めたサイトを紹介。

【参考】


平成15年度版(現行) 水道水質基準

(1)水質基準項目

 水質基準項目は以下のようになっています。水質基準項目は、水道法第4条「水質基準に関する省令」で規定されるもので、水道水が適合することを求められる基準です。

 このページをはじめたころは解説もあんまり充実したのはなかったのですが,現在では厚労省のHPで最新情報が掲載されているのでそちらをごらんください。

水道水質基準について【厚生労働省】
 水質基準の意義とか項目とか。

 平成20年1月現在、水質基準項目は51項目です。これは、塩素酸が平成19年に追加されて1項目増えたためです。

 なお,下表は、平成15年度の改訂で追加,あるいは同等の項目から変更された項目について色付けしてありますが、まちがってるかもしれませんので,確認は各自でお願いします。また、表示の都合上,元表と全く一緒ではないのでご注意ください。

  定期検査項目 採水 検査頻度 頻度 基準値
a   1日1回以上    
b 濁り   1日1回以上    
c 消毒の残留効果   1日1回以上    
1 一般細菌   概ね月1回以上   1mlの検水で形成される集落数が100以下であること。
2 大腸菌   概ね月1回以上   検出されないこと。
3 カドミウム及びその化合物 注1 概ね3月に1回以上 注2 カドミウムの量に関して,0.01mg/l以下であること。
4 水銀及びその化合物 注1 概ね3月に1回以上 注2 水銀の量に関して,0.0005mg/l以下であること。
5 セレン及びその化合物 注1 概ね3月に1回以上 注2 セレンの量に関して,0.01mg/l以下であること。
6 鉛及びその化合物   概ね3月に1回以上 注2 鉛の量に関して,0.01mg/l以下であること。
7 ヒ素及びその化合物 注1 概ね3月に1回以上 注2 ヒ素の量に関して,0.01mg/l以下であること。
8 六価クロム化合物   概ね3月に1回以上 注2 六価クロムの量に関して,0.05mg/l以下であること。
9 シアンイオン及び塩化シアン   概ね3月に1回以上   シアンの量に関して,0.01mg/l以下であること。
10 硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素 注1 概ね3月に1回以上 注2 10mg/l以下であること。
11 フッ素及びその化合物 注1 概ね3月に1回以上 注2 フッ素の量に関して,0.8mg/l以下であること。
12 ホウ素及びその化合物 注1 概ね3月に1回以上 注2 ホウ素の量に関して,1.0mg/l以下であること。
13 四塩化炭素 注1 概ね3月に1回以上 注2 0.002mg/l以下であること。
14 1,4-ジオキサン 注1 概ね3月に1回以上 注2 0.05mg/l以下であること。
15 1,1-ジクロロエチレン 注1 概ね3月に1回以上 注2 0.02mg/l以下であること。
廃止されました。注6
16 シス-1,2-ジクロロエチレン及びトランス-1,2-ジクロロエチレン 注1 概ね3月に1回以上 注2 0.04mg/l以下であること。注7
17 ジクロロメタン 注1 概ね3月に1回以上 注2 0.02mg/l以下であること。
18 テトラクロロエチレン 注1 概ね3月に1回以上 注2 0.01mg/l以下であること。
19 トリクロロエチレン 注1 概ね3月に1回以上 注2 0.03mg/l以下であること。
20 ベンゼン 注1 概ね3月に1回以上 注2 0.01mg/l以下であること。
51 塩素酸 0.6mg/l以下であること。注5
21 クロロ酢酸   概ね3月に1回以上   0.02mg/l以下であること。
22 クロロホルム   概ね3月に1回以上   0.06mg/l以下であること。
23 ジクロロ酢酸   概ね3月に1回以上   0.04mg/l以下であること。
24 ジブロモクロロメタン   概ね3月に1回以上   0.1mg/l以下であること。
25 臭素酸   概ね3月に1回以上   0.01mg/l以下であること。
26 総トリハロメタン   概ね3月に1回以上   0.1mg/l以下であること。
27 トリクロロ酢酸   概ね3月に1回以上   0.2mg/l以下であること。
28 ブロモジクロロメタン   概ね3月に1回以上   0.03mg/l以下であること。
29 ブロモホルム   概ね3月に1回以上   0.09mg/l以下であること。
30 ホルムアルデヒド   概ね3月に1回以上   0.08mg/l以下であること。
31 亜鉛及びその化合物   概ね3月に1回以上 注2 亜鉛の量に関して,1.0mg/l以下であること。
32 アルミニウム及びその化合物   概ね3月に1回以上 注2 アルミニウムの量に関して,0.2mg/l以下であること。
33 鉄及びその化合物   概ね3月に1回以上 注2 鉄の量に関して,0.3mg/l以下であること。
34 銅及びその化合物   概ね3月に1回以上 注2 銅の量に関して,1.0mg/l以下であること。
35 ナトリウム及びその化合物 注1 概ね3月に1回以上 注2 ナトリウムの量に関して,200mg/l以下であること。
36 マンガン及びその化合物   概ね3月に1回以上 注2 マンガンの量に関して,0.05mg/l以下であること。
37 塩化物イオン   概ね月1回以上 注3 200mg/l以下であること。
38 カルシウム,マグネシウム等(硬度) 注1 概ね3月に1回以上 注2 300mg/l以下であること。
39 蒸発残留物 注1 概ね3月に1回以上 注2 500mg/l以下であること。
40 陰イオン界面活性剤 注1 概ね3月に1回以上 注2 0.2mg/l以下であること。
41 ジェオスミン   注4   0.00001mg/l以下であること。
42 2-メチルイソボルネオール   注4   0.00001mg/l以下であること。
43 非イオン界面活性剤 注1 概ね3月に1回以上 注2 0.02mg/l以下であること。
44 フェノール類 注1 概ね3月に1回以上 注2 フェノールの量に換算して,0.005mg/l以下であること。
45 有機物(全有機炭素の量)   概ね月1回以上 注3 3mg/l以下であること。注8
46 pH値   概ね月1回以上 注3 5.8以上8.6以下であること。
47   概ね月1回以上 注3 異常でないこと。
48 臭気   概ね月1回以上 注3 異常でないこと。
49 色度   概ね月1回以上 注3 5度以下であること。
50 濁度   概ね月1回以上 注3 2度以下であること。

【備考】


(2)水質管理目標値設定項目

 水質管理目標設定項目とは,評価値が暫定であったり,検出される頻度が低いものですが,水質管理上は注意喚起すべき,とされる項目です。

項目 暫定 注1) 目標値
1 アンチモン及びその化合物 アンチモンの量に関して、0.015mg/L以下
2 ウラン及びその化合物 暫定 ウランの量に関して、0.002mg/L以下
3 ニッケル及びその化合物 暫定 ニッケルの量に関して、0.01mg/L
4 亜硝酸態窒素 暫定 0.05mg/L以下
5 1,2-ジクロロエタン 0.004mg/L以下
6 トランス-1,2-ジクロロエチレン 0.04mg/L以下
7 1,1,2-トリクロロエタン 0.006mg/L以下
8 トルエン 0.2mg/L以下
9 フタル酸ジ(2-エチルヘキシル) 0.1mg/L以下
10 亜塩素酸 0.6mg/L以下
11 二酸化塩素 0.6mg/L以下
12 ジクロロアセトニトリル 暫定 0.04mg/L以下
13 抱水クロラール 暫定 0.03mg/L以下
14 残留塩素 1mg/L以下
15 カルシウム、マグネシウム等(硬度) 10mg/L以上100mg/L以下
16 マンガン及びその化合物 マンガンの量に関して、0.01mg/L以下
17 遊離炭酸 20mg/L以下
18 1,1,1-トリクロロエタン 0.3mg/L以下
19 メチル-t-ブチルエーテル 0.02mg/L以下
20 有機物等(過マンガン酸カリウム消費量) 3mg/L以下
21 臭気強度(TON) 3以下
22 蒸発残留物 30mg/L以上200mg/L以下
23 濁度 1度以下
24 pH値 7.5程度
25 腐食性(ランゲリア指数) −1程度以上とし、極力0に近づける
26 従属栄養細菌 暫定 1mlの検水で形成される集落数が2,000以下
27 農薬類 注3 102物質の農薬について、検出値と目標値の比の和として、1以下
1,1-ジクロロエチレン 0.1mg/L以下
残留塩素 1mg/L以下
アルミニウム及びその化合物 アルミニウムの量に関して0.1mg/L以下

【備考】

 表は、厚生労働省HPに掲載されている情報を引用、一部追記しました。


(3)要検討項目

 厚労省のサイトには、毒性評価が定まらない、浄水中の存在量が不明等の理由から、水質として管理を行うに至らない物質と書いてあります。

 もう少し噛み砕いて言うと、通常水道水に含まれて毒になることはまずないが、絶対とまで言い切っていいかどうかはもう少し見極めたい、そんな物質のリストです。 いわば、研究継続項目といえるでしょう。

項目 暫定 注1) 目標値(mg/L)
1 -
2 バリウム 0.7mg/L以下
3 ビスマス -
4 モリブデン 0.07mg/L以下
5 アクリルアミド 0.0005mg/L以下
6 アクリル酸 -
7 17-β-エストラジオール 暫定 0.00008mg/L以下
8 エチニルーエストラジオール 暫定 0.00002mg/L以下
9 エチレンジアミン四酢酸(EDTA) 0.5mg/L以下
10 エピクロロヒドリン 暫定 0.0004mg/L以下
11 塩化ビニル 0.002mg/L以下
12 酢酸ビニル -
13 2,4-ジアミノトルエン -
14 2,6-ジアミノトルエン -
15 N,N-ジメチルアニリン -
16 スチレン 0.02mg/L以下
17 ダイオキシン類 暫定 1pgTEQ/L以下
18 トリエチレンテトラミン -
19 ノニルフェノール 暫定 0.3mg/L以下
20 ビスフェノールA 暫定 0.1mg/L以下
21 ヒドラジン -
22 1,2-ブタジエン -
23 1,3-ブタジエン -
24 フタル酸ジ(n-ブチル) 暫定 0.2mg/L以下
25 フタル酸ブチルベンジル 暫定 0.5mg/L以下
26 ミクロキスチン−LR 暫定 0.0008mg/L以下
27 有機すず化合物 暫定 0.0006(TBTO)mg/L以下
28 ブロモクロロ酢酸 -
29 ブロモジクロロ酢酸 -
30 ジブロモクロロ酢酸 -
31 ブロモ酢酸 -
32 ジブロモ酢酸 -
33 トリブロモ酢酸 -
34 トリクロロアセトニトリル -
35 ブロモクロロアセトニトリル -
36 ジブロモアセトニトリル 0.06mg/L以下
37 アセトアルデヒド -
38 MX 0.001mg/L以下
39 クロロピクリン -
40 キシレン 0.4mg/L以下

【備考】

 表は、厚生労働省HPに掲載されている情報を引用、一部追記しました。


(4)水質基準をめぐる動向

 水質基準値の設定における審議過程などの資料は,厚生労働省のHPに,審議会資料として掲載されています。最新の動向はこういうところからおっかけるとよいでしょう。

水質基準見直し等について(案)【厚生労働省】
 個別の物質に対する水質基準値の設定の考えかたと経緯について。

 その他,水質基準について解説してくださっているサイトを紹介。ここよりはずっとわかりやすいです。

水道水質基準と水質検査結果【石川県営水道(手取川水道事務所)】
 解説付きで非常にわかりやすいです。鶴来浄水場のサイト。なんとリンクくださいました。大感謝です。

【備考】
 制度的なところは実はこれで網羅されたわけではありません。除々に充実させていく予定です。


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