タイトル |
著者名 |
投票得点 |
『麦の海に沈む果実』 |
恩田陸著 |
+5点 |
この作品が2000年の1番でした。
登場人物、舞台設定、そして物語の面白さ。
完璧です。
『三月は深き紅の淵を』の第四章を読んでからずっと「この続きはっ!」と待ち続けていましたが、待った甲斐がありました。
恩田陸という人は本当に物語を作る天才だと思います。
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『月の裏側』 |
恩田陸著 |
+4点 |
一押しの『麦の海に沈む果実』とは僅差です。
が、最高点は一作と独り決めしているので、4点。
貯水槽の中をのぞき込むシーンで感じた恐ろしさを今でもはっきり思い出せます。
前回まで一作家一作品の方針でしたが、2000年は恩田陸があまりにもすばらしかったので禁を破りました。
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『ネバーランド』 |
恩田陸著 |
+4点 |
ミステリ・・・でしょうか?
ちょっと違うような気もしますが、この作品を対象から除くのはあまりに勿体ないので、投票させていただきます。
こんな奇跡のように濃密な1週間を過ごせたらきっと一生忘れられないでしょう。
魅力的な少年たちの完璧な物語と「告白」に胸を打たれました。
降参です。
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『puzzle』 |
恩田陸著 |
+4点 |
無人島の廃墟で発見された身元不明の死体、という魅力的な設定もさることながらこの冒頭には度肝を抜かれました。
雑誌や新聞の一見無関係な記事の抜粋が並べられた出だしだけでもう逃れられない程引き込まれ、そしてそのまま一気にラストまで読みました。
探偵役の関根春も、解決シーンへのなだれ込み方もすばらしかった。
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『女王の百年密室』 |
森博嗣著 |
+3点 |
この小説のミステリ的な部分はそんなに惹き付けられるというわけでもないのですが、登場人物たちが語る言葉の端々に垣間見られる作者の頭の良さに脱帽しました。
ルナティック・シティの設立者、あれはまあそこそこ面白いジョークでした。
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『ヴィーナスの命題』 |
真木武志著 |
+3点 |
『匣の中の失楽』+『あいにくの雨で』といったところでしょうか?
いろいろと錯綜している上、作者が登場人物たちに読者を幻惑させようとしているのでかなり読み応えがありました。
登場人物とか、物語よりも構成で読ませているという感じです。
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『海底密室』 |
三雲岳斗著 |
+3点 |
模擬人格搭載型の携帯端末、海底の研究施設といった道具だてもさることながら、森博嗣に通じるような作者の知性を感じさせるせりふが好きです。
『M.G.H.楽園の鏡像』とは甲乙つけがたいできだと思いますが、先に読んで驚かされたこちらを推します。
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『大年神が彷徨う島』 |
藤木稟著 |
+2点 |
ほとんど伝奇小説なのに、きちんと本格しているというとても貴重な作品だと思います。それから、探偵が出てくるまでの無用な引き延ばしや、解決前にグチグチもったいぶるところがないのも好感触です。朱雀のキャラクタがあまりに立ちすぎていて他を圧倒していますが、それはそれで楽しいのでこのままの路線でどんどん続けてほしいですね。
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『少年たちの密室』 |
古処誠二著 |
+2点 |
「恩田陸推薦」ということで手に取ってみたのですが、予想以上の面白さ。「真犯人」を追いつめるラストはかなりドキドキしました。
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『ALONE TOGETHER』 |
本多孝好著 |
+2点 |
頭の良い物静かな主人公。
本多孝好の小説の主人公は皆同じ傾向で、そんなキャラクタたちが私にとってはとても好ましい。
主人公の影響か、他の登場人物たちが泣いたり喚いたりの行動をとっても物語自体は落ち着いた雰囲気。安心して読める作家という感じ。
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