これはすごいかも. . . ミステリというよりも, アリーの修行の様子や修行での苦悩が主に描かれ, どんどん引き込まれていく. とても新人とは思えない出来. うぅむ, すごい.
アリーは修行をし, 多くの文献を読んだ優秀な行者である. しかし, 街で出会った導師に導かれ今までの修行で得た知識ががらがらと崩れてゆく. 今まで得た知識, 今まで行った修行. それらが意味をなさなくなる. 混乱. 苦悩.
宗教なんてよくわからないけれど, それでも, そういった悩みや苦悩が実にうまく描かれ, 古泉迦十の世界へと誘われる. そして, ネタバレになるので書けないけれども, その悩みと殺人, 哀しき結末がうまく呼応し, 非常に完成度の高い作品になっています.
私からすれば, 宗教に対する病的なこだわりというのは受けつけない部分もあったけれども, 面白かった
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