縄文岩魚1 縄文岩魚2 縄文岩魚3 縄文岩魚4 縄文岩魚5

 源流部二又で昼食、その際、流れの脇に生け簀を作って縄文岩魚を撮影した。光が邪魔したり、岩魚が動きすぎてブレたり・・・角度を変え、何度も接写し続けた。夢中になって撮影する私に呆れて、長谷川副会長は「先に行くよ」と行ってしまったほどだ。それにしても縄文岩魚の美しさに改めて感激した。橙色に染まった虫食い状の「紋様」は、「縄」を連想させる。私が縄文岩魚と呼ぶのは、縄文の森・白神に生息し、この独特の「縄」のような「紋様」があるからだ。
 惚れ惚れするような岩魚たち。デジカメは、角度を自在に変えたり、数センチまで簡単に接写できる。さらには撮影枚数を気にすることなく動物的にバシャバシャ撮れば、誰だって数枚ぐらいは満足する写真が撮れる。デジカメの性能の良さ、機動力の良さ、「数撃てば当たる」方式のヘボカメラマンに最適だと改めて驚いた。

 今回使用したデジカメは、ニコンCOOLPIX995に広角ワイドコンバータを付けたもの。このカメラの凄さは、4倍ズームレンズもさることながら、オプションが豊富で回転式レンズを採用している点だ。回転式レンズは今や少なくなったが、上の写真を撮るには、大活躍した。画質は申し分なしだ。ところが、不満も多い。日中だと液晶画面が見ずらい。マニュアル操作もたくさんあるが、直感的に操作するには難解だ。さらに、小さな花の接写などではピント合わせが難しい。充電に時間がかかる割には、電池の消耗がすこぶる早い。予備電池を忘れるとアウトだ。ワイドコンバータを付けると、液晶画面を見なきゃ撮影できない・・・いろいろ不満もあるけれど、一眼レフにはない凄さを感じたことは確かだ。
 沢はもともと暗いから、NDフィルターやPLフィルターを使わなくても1/15〜1/4程度のスローシャッターで簡単に撮影できる。デジカメはもともと軽いから、三脚は軽くて安価なもので十分だ。ただしシャッターブレには細心の注意が必要だった。改良を望む点の筆頭は、シャッターブレを防ぐために、10秒タイマーではなく、2秒程度のタイマーを追加してほしい点だ。  干しあがった源流部。何度も通っている沢だが、こんな光景を見るのは初めてのことだ。この下流の水溜りには、逃げ遅れた岩魚がいた。さぞかし岩魚も超渇水に驚いたことだろう。副会長が可愛そうだと、捕まえて下流の流れに返してやった。まさに水を得た魚のように素早く泳ぎ下っていった。

 (訂正)「ニコンイメージング」に2秒タイマーの改良を要望したら、既に3秒タイマーがあるとの回答でした。「COOLPIX995には、セルフタイマーのモードに設定して、シャッターボタンを2度押すと、3秒のタイマーになる機能がございます。使用説明書の49ページに記載してございますので、ぜひご検討下さい。
また、三脚を使用したスローシャッターの撮影、渓流や滝をブラせて撮る際などに必要になりますね。そのような場合には、リモートコード MC-EU1のご使用をお勧めいたします。ケーブルレリーズとしての機能はもちろん、手元でズーム操作をしたり、インターバルタイマーとしてもお使いいただけるものです。以下のページにご案内がありますので、参考にしてください。
http://www.nikon-image.com/jpn/products/digital_goods/cable.htm
なお、この商品は、ニコンオンラインショップでも販売しております。」
さすがニコンという印象を強く受けました。今度はぜひ3秒タイマーを使ってみたいと思っています。

 猛毒のトリカブト。この花の穴に大きな蜂が入って蜜を吸っていた。蜜には毒がないのだろうか。 伏流区間は短く、また細い流れだが復活した。さすが縄文の森だ。
 ジャスト30cmの縄文岩魚。この岩魚は、丸見えのポイントに餌を入れると穴から出てきて簡単に食らいついた。ところが、焦った副会長は水面でバラしてしまった。超渇水で二度も餌にアタックしないだろうと思ったが、またまた浅い水面を切り裂くほどの飛沫を上げて食らいついた。その素早さは、とても起動が遅いデジカメでは撮ることができなかった。
 二又右の沢は、もともと水量は少ないが、何とほとんど水は流れていなかった。ナメ床がしっとり濡れる程度。それでもわずかな水溜りに岩魚が生息しているのを確認した。  右の沢は、ご覧の通り、わすかだが流れていた。滝上に放流した縄文岩魚は健在だろうか。
 二又下流の生け簀。岩魚は5匹いるのだが、一匹は岩の穴に入ってしまったので見えない。  左の沢の滝の流れ。まるでシャワーのように岩盤を滑り落ちていた。
 第1放流地点。かつての小滝の面影もないほど流れは少ない。底が丸見えだが岩魚の姿は見えなかった。鳥に食われるのを嫌って穴に隠れているのだろうか。竿を出して生息を確認することにした。  なかなかアタリがない。もしかして、釣り人に釣られてしまったか、あるいは、超渇水で全ての岩魚が下流に下ったのか、とも思った。粘っていると、やっぱりいた。嬉しさで思わず「いるよ、いるよ」と副会長が叫んだ。
 慎重になり過ぎて針を飲み込まれてしまったが、紛れもなく縄文岩魚だった。水面に大量に降り積もった落ち葉に、美しい魚体を横たえて撮影。岩魚は何が起きたのか、理解できないらしく大きな目を向いてレンズを見つめた。橙色の斑点が一際濃い岩魚だった。慎重に針を外し、滝壷に返してやった。この滝壷の上でも、第2放流地点から下った岩魚を目撃した。まずは定着していることに安堵した。一雨降れば、岩魚が流れに踊り出すだろう。

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