50年代に大作歴史劇のヒロインとしてもてはやされていたとはいえ、彼女は、どちらかといえば体格的にもスケールを感じさせるタイプの女優さんではなく、むしろ肌理の細かいドラマに向いていたようにも思われます。しかしながら、確固とした意志を持つ女性を演じても逸品であり、「悲恋の王女エリザベス」(1953)でのエリザベス女王役は、個人的に彼女のベストであると考えています。50年代当時活躍していた他のほとんどの女優さんたちが50年代末から60年代初頭にかけて次々と引退、または準引退してしまったのとは異なり、彼女は、60年代以後もしばしば映画に顔を見せています。実際、彼女の唯一のオスカー主演女優賞ノミネート作は、意外なことに1969年の「The
Happy Ending」です。彼女は、クラシックな美貌を持つ人であると言われることもあるようですが、個人的にはあの「サイコ」(1960)のアンソニー・パーキンスに似ているような気もします、とは一言余計でした。「芝生は緑」(1960)では、かのケーリー・グラントをひたすらからかっていますが、そのようなコミックな役にも彼女はよく似合っていました。それは、もっとコメディに出演していても、面白かったのではないかと思わせるほどです。 |
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1948
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ハムレット
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1960
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スパルタカス
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1953
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アンドロクレスと獅子
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1960
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芝生は緑
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1953
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悲恋の王女エリザベス
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1966
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Mister Buddwing
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1953
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聖衣
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1967
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Divorce American Style
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1954
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エジプト人
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1967
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ジェリコ
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1954
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デジレ
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1969
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The Happy Ending
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1955
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野郎どもと女たち
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1971
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昨日にさようなら
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1958
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大いなる西部
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1978
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Dominique
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1959
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太陽の谷
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1988
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青い夜明け
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1960
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エルマー・ガントリー
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1995
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キルトに綴る愛
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